東京ミーティング(2019/02/23)報告

東京ミーティング(2019/02/23)報告

今年度第1回目の東京ミーティングを下記の通り開催いたしました。

日時:2月23日(土)14:00~17:00
場所:東洋計測器本店(計測器ランド)2F会議室
東京都千代田区外神田1-3-12
http://www.keisokuki-land.co.jp/company/shop_1.html
出席者(敬称略):上田(JA0FKM)、中村(JA1CPA)、大澤(JF1PTU)、
黒木(JO1LDY)、松村(JA1JGR)、小内(JF1AKD)、金子(JA1OGZ)、
今村(JI1SZP)、中西(東京工業大学)、山田(日本大学)、中村(日本大学)、
後藤(JA3NAS)

<最新情報>
1. 1月18日イプシロン4号が打ち上げられ、各種の相乗り衛星が放出された。
2. 東京工業大学のOrigamiSat-1はFO-98、日本大学のNEXUSはFO-99と
オスカーナンバーが付与された。
3. カタールの静止衛星はQO-100のオスカーナンバーが付与され、
運用が開始された。
4.3月16,17日はJAMSATシンポジウムが京都の「ホテルビナリオ嵯峨嵐山」
にて開催予定。

<今回の進め方について>
1月18日打ち上げられた「イプシロン4号」に搭載されていた、各種衛星について、初期のテストが始まっており、各衛星の信号を受信されている方も多いことから、今回は近況報告をやめて、それらをテーマに情報交換をすることとした。また、3月のJAMSATシンポジウムも近い事からその事前情報交換を行った。
①NEXUS最新情報の提供
②NEXUSが運用開始になった時の課題等の検討
③OrigamiSat-1最新情報の提供
④3月に行われるJAMSATシンポジウムの事前の情報交換
⑤その他

<各議題の進行と内容>
① NEXUS最新情報〔山田PL(日本大学)〕〔中村(日本大学)〕
・毎週運用経過報告をNEXUS-HPにて報告している。(HP参照のこと)
⇒ミッションが7個あるうち、現状4個テストが終了している。
⇒問題点として、コマンド送付で不具合があったが、今後どうするかは検討中。
・トランスポンダーについて
⇒本格的に運用開始と言うことになった場合には、アマチュア無線局の使いやすい方法を今後検討していきたい。
・角速度の件について
⇒打ち上げ2週間後から角速度の増加が確認されている。(現状通信に影響はない)
⇒現状はCWのみにして、電源の消費電流を抑える方法を取って様子を見ている。
⇒各種データを取得しているところで、何がしかの対策を考えたい。
※他の衛星等を受信している出席者から色々な報告や参考意見が出た。
⇒他の衛星からすれば未だましな方ではないか?

② トランスポンダーが運用開始になった場合の運用方法について
・当初計画では、トランスポンダーの開放は来年3月と言うことになっていたが、テストが順調に進んでいることから、もう少し早まることが予想される。そこで、NEXUSのトランスポンダーの周波数範囲が30KHz であることを考えると、運用方法について考慮する必要はないか検討してみたい。(混信をなるべく少なくしたい)
〔後藤(JA3NAS)〕
・NEXUS トランスポンダーのバンドエッジについて実測値の説明
〔金子(JA1OGZ)〕
⇒2/3 9:00 のパスで、AOS、TCA、LOSに分けて送信固定で測定したが、中心周波数から移動を初めてLOS直前でバンドエッジに来てしまっている。
⇒受信固定であれ、送信固定であれ、ドップラーシフトでかなり動いている事を考えるとどちらが正しいということも言えない気がする。
⇒要は受信固定、送信固定の両方が混在することが混信の元になるのではないか?
⇒FO-29のように100KHzもあるのであればそれほど問題にはならないが、NEXUSの場合は何がしか交通整理が必要ではないか?
・送信固定か?受信固定か?(フリートーク)
⇒バンドエッジが狭い事もあり、ドップラーシフトにより混信を誘発するのでは?
⇒送信固定と受信固定が混在することにより混信を誘発するのではないか?
⇒今では、CALSAT等、受信固定で出来るので問題はなくなってきている。
⇒ソフトでは受信固定だとうまく行くが、送信固定ではうまく行かないのでは?
⇒決めても守らない人がいると思う。
⇒衛星によって、分けている場合がある。(運用状況)
FO-29:バンドエッジが100KHzあるのでどちらでも良いが、大体送信固定。
AO-73:20KHzしかないので、受信固定にしている。
そのような状況を考えると,NEXUSの場合は、受信固定が良いような気がする。
⇒基本的には、NEXUSは帯域幅が狭いこともあり、受信固定で運用したほうが良いかもしれない。(但し、記念運用は、送信固定で行うものとする)
⇒京都のシンポジウムでは、NEXUSは受信固定で運用ということで、提案します。

③ OrigamiSat-1最新情報〔中西(東京工業大学)〕
・現状の状況説明
NEXUSと一緒のタイミングで打ち上げられた。オスカーナンバーもFO-98で頂けた。
膜貼り付け型形状記憶アンテナ搭載の衛星で、5.8GHzの高速ダウンリンクを目指し
ている。
⇒1月24日以来、リセットが効いておらず、信号確認できずに回復していない。
⇒地上側にFM機器があるので、地上で検証作業を行っている。
・今後の課題と実施項目
⇒5.8GHzの送信機能があり、落ち着いてからテストを開始する予定。
⇒結構、その送信機能は電源容量を必要とする機器であるのが心配。
⇒何とか回復するようにしたいと考えている。
⇒京都のシンポジウムでさらに詳しい説明を予定している。

④ GUN-Radioの簡単な概要とその準備について〔今村(JI1SZP)〕
・必要機材の説明とその要件(CPU能力、メモリ量等、必要ソフト等)
⇒シンポジウムでは、1日目は概要の説明を行い、2日目の午後には実践編を行う。
⇒受信機の製作等、実際に動かすところまで実施する。
⇒推薦SDRについて説明(数千円~5万円くらい)
⇒USBメモリ上でLINUXを動かす方法で実施する。(USBメモリは3.0以上が条件)
⇒2日目の演習(実践編)は2時間を予定している。

⑤ その他(多くの話題についてディスカッションを行った)
・NEXUSの角速度の件については、先ほど話が出た。
・円偏波と直線偏波の違いについて
・オスカーハンターの給電部の水濡れについて
・衛星軌道ソフトについて
・ローテータについて
・シンポジウムでP4A(QO-100)の説明について
・シンポジウムでのNEXUSデモ運用について(この場合は送信固定で実施する)

次回は、京都嵯峨野でのシンポジウムになります。
開催日は3月16日、17日で、具体的な会場場所やプログラムについては、ニュースレターで案内しています。また、JAMSAT-HPでも広報いたします。
3月は、京都嵯峨野でお会いしましょう!

今回2月度の東京ミーティング終了後、会場地下の「ちゃくら」で懇親会を開催いたしました。9名の参加でした。

<2019年度 東京ミーティング年間スケジュール>
基本的には偶数月の第3土曜日とします。
詳細の日程予定については、下記のとおりです。

<2019年度開催状況>
2月23日:開催終了
4月20日
6月22日
8月17日:ハムフェア準備
10月19日
12月7日:忘年会同時開催

以上