JAMSATとは
日本アマチュア衛星通信協会(JAMSAT)は、アマチュア衛星に興味をもつ会員によって運営をおこなう特定非営利活動法人(NPO)です。活動は多岐に渡りますので、必ずあなたの関心に答えられると考えています。そして、アマチュア衛星のサポートをして下さい。アマチュア衛星は、個人と個人、組織と組織の有形無形の協力によって製作運営されています。しかもそれが、国際的、学際的に連携して次々に新たなプロジェクトを生み出しています。これは他の団体や組織に例を見ないことです。この機会に是非JAMSATに入会いただき、私達の活動に参加してください。ここではJAMSATの沿革と活動内容について簡単に紹介します。
アマチュアの宇宙への沿革
1957年、世界初の人工衛星スプートニクが打ち上げられました。その信号は、世界のアマチュア無線家によって受信されました。その4年後の1961年12月、アマチュア衛星OSCAR-1が軌道に乗ります。その10年後、1972年、宇宙通信や衛星の製作に興味を持つ日本のアマチュア無線家によってJAMSATの母体(当時は日本アムサットと呼ばれていました)が創設されました。以来50年間、世界中の宇宙工学、通信工学に興味をもつアマチュアとの交流・情報の交換などの活動を行う任意団体として運営されております。
その間、1972年にはAO-6(AMSAT OSCAR 6号)が打ち上げられ、日本初のアマチュア衛星通信が行われました。1975年11月にはAO-7が打ち上げられました。この衛星は一時使用出来なくなりましたが、40年以上を経た今も日照時に中継器が動作しています。JAMSATは1978年にAO-8のトランスポンダー(無線中継器)を製作・搭載することにより実際に衛星のハードウェアを製作する団体となりました。このトランスポンダ(中継器)の製作により、145MHz帯アップリンク、435MHz帯ダウリンクの無線中継モードはJモードと呼ばれています。
1983年にはAO-10が打ち上げられました。この衛星は、1980年に打ち上げ失敗により大西洋上に墜落したPhase-3A(JAMSATからはクリスタルフィルターが提供されていました)の直後から計画され、短期間に開発されたものです。この衛星は軌道の高さが高く、ゆっくりと地球を回る事から一日に数時間も衛星が利用できるようになり、海外通信でも大活躍をしました。
1986年には日本アマチュア無線連盟(JARL)が、宇宙開発事業団(NASDA)のH1ロケットで打ち上げたFO-12(Fuji-OSCAR 12)に搭載されたデジタル系とアナログ系のトランスポンダーの設計および製作を担当しました。このデジタル系のトランスポンダーは一般に利用できるものとしては世界初の空飛ぶメールボックスになり、デジタル通信を行う小型衛星の先駆けになりました。現在、数個のデジタルメールボックスを持ったアマチュア衛星が衛星が軌道上で動作しています。このアマチュアが開発した小型衛星を使用した通信は、簡単な設備で通信可能なことから業務通信の分野でも発展しており、低速のデジタル移動体通信用として実用化が始まっています。
1988年にはAO-13が打ち上げられ、衛星通信は実験の対象から普通のDX通信の手段に使用されるようになります。しかし残念ながらAO-13は1996年12月に大気圏に再突入し天寿を全うしました。
そして、2000年11月16日にPhase-3Dの打ち上げが行われAO-40として稼働をはじめました。このプロジェクトでJAMSATはSCOPE計画を推進しました。これは宇宙からの画像をカラー撮影しようという試みで、地球の鮮明な画像を送ってくれるだけでなく、衛星の姿勢制御にも使用されます。この衛星は世界10数ケ国が製作に参加しています。各国の有志が協力して一つの衛星を組み上げる事になるのです。しかしながら2004年1月25日には事故で運用を停止してしまいました。その後、高軌道衛星へのニーズは高まりますが打ち上げは容易ではありませんでしたが、2018年11月15日にカタールとAMSAT-DLの共同プロジェクトとしてアマチュア衛星として初めての静止衛星が打ち上げられ、QO-100と命名されました。JAMSATでは管制局の構築や地球局の製作などで支援を行いました。
アメリカのスペースシャトルやロシアの宇宙ステーションMIRからの運用もありました。現在はISS上のアマチュア無線局からのARISSスクールコンタクトなどでたくさんの子供たちが宇宙との交信に興奮しています。日本からの交信は2021年に100回を数えました。JAMSATではこのARISSスクールコンタクトを積極的にサポートしております。
またJAMSATでは日本大学の超小型衛星プロジェクトに参加しトランスポンダーや、高速通信ユニットを提供しました。この衛星はFO-99として運用しています。これからもJAMSATは小型衛星のプロジェクトに積極的に参加してゆきます。
JAMSATの活動
JAMSATはこれらの衛星の計画にさまざまな協力をしています。経費や部品の寄付、機器の製作。そしてさまざまな国から衛星通信をするためのサポートなどもあります。当然、会員相互の情報交換や、海外の情報の伝達、日本からの情報発信なども行われています。具体的には、
- SCOPE 衛星搭載用デジタルカラーカメラプロジェクト
- JSDX分科会(衛星通信でのDXのサポートなど)活動=現在は休止中です。
- シンポジュームの開催(年1回)
- 会報の発行
- アマチュア無線の集いでの広報活動
- メーリングリスト、電子メール
- JAMSAT インターネットサーバーによる情報提供
などをおこなっています。また、電波を使った流星の観測や、高速パケット通信、衛星通信でのSSTV、デジタルテレビの実験、さらに見学会の開催など本当に多岐にわたっており、会員それぞれのリソ-スを相互に活用してより豊かな活動が展開されています。単に情報の提供を受けるだけでなく、自ら参加しなければ得るものも少ないのです。当協会はその活動を積極的に支援しています。
JAMSATの運営
JAMSATは特定非営利法人(NPO)です。正式な契約や海外への送金など、従来の任意団体では不可能であった活動も可能になっています。会計や総会記録なども開示され透明性の高い団体となっています。またJAMSATは会員から選ばれる理事によって構成される理事会によって運営されています。入会1年を経た方でNPO法人の理事の条件を満たす方は、誰でも立候補できます。普段の理事会は電子会議や電子メールを利用しておこなっていますので遠隔地でも問題ありません。また通常総会が年に1回開催され、当協会の活動方針を決定します。
アマチュアの団体ですが基本的な会員業務は、毎日学術フォーラムに委託しています。刊行物の編集、催し物の企画運営などについては完全に会員のボランティ活動に支えられています。当協会への連絡は下記宛てに電子メールでお願いします。
なお、お問い合わせの回答に付きましても会員有志の奉仕活動で行っておりますので、お答えまでに数週間かかることがあることをご了承ください。
JAMSATの入会方法
入会申し込みフォームに記入していただくか、上記の住所にFAXまたは葉書で入会申込書を請求して下さい。また電子メールで入会申し込み書を取り寄せることもできます。電子メールの送り先は nyukai@jamsat.or.jp です。いずれの場合も正しい氏名、住所、郵便番号、電話番号を忘れないで下さい。折り返し担当者より入会申込書が郵送されます。申込書に必要事項を記入の上、指定の返送先に郵送下さい。入会金は1,000円、会費は年額6,600円(正会員)です。 また、賛助会員1口一万円も歓迎しています。
一人でも多くの方がJAMSATの会員となり、アマチュア衛星プロジェクトを支援してくださることを期待しています。アマチュア衛星プロジェクトはあなたのサポートを必要としています。
Updated 2004/09/19 JAMSAT