[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[jamsat-bb:8135] 津山の総会& 2880の測定値


JF6BCC 今石です。

  津山の総会に参加された皆さん、どうもお疲れ様でした。あいにくと初日だけ
の参加となりましたが、無事に0時までに職場に戻ることができました。…とは
言え、さすがにそのまま徹夜仕事に入るのはキツくて、歳を取ったな〜と実感し
てしまいました。
  仕事明けの 4/22(日)は自宅に 9:00 に帰りつき、そのままベッドに倒れ込ん
で 15:00 まで寝てました (^^;)。徹夜のおかげで生活パターンが乱れて夕方か
らも寝てしまい、昨日は結局、無線運用はゼロでした。

  総会でも色々な話がありましたが、その中で「バンド防衛」の話が出ていたの
で、忘れないうちに書きたいと思います。2.4GHz 無線 LAN のおかけで 2.4GHz
帯の運用が難しくなっている件では、実際に首都圏を中心に SHF 帯で活躍され
ている方からの報告があり、「将来」ではなく「現実」の問題になっていると認
識すべき状況です。現在は、たまたま衛星からのダウンリンクに使用されている
2400〜2402MHz が空いている訳ですが、既にアップリンク用の 2424MHz や地上波
通信の 2427MHz は壊滅的な近い状況とのことです。
  ただ、この現状を主張しようにも、2.4GHz 帯の免許を受けている局数があま
りに少ないことから「だって、使っていないんでしょ?」の一言で片付けられて
しまう「弱点」があることが指摘されました。確かに、私も今回 AO-40 からの
ビーコンを受信するために 2.4GHz に挑戦したのが「初めて」ですし、受信だけ
のため免許申請はしていません。衛星通信では「受信だけ」のケースが大半にな
るかも知れませんが、周波数の使用状況について監督官庁や他の業界と話をする
ためには、このウィークポイントは何としてでも解消する必要があります。

  そんな訳で皆さん、FM の周波数固定の送信機(SGに毛が生えた程度のもの)
でもいので、とにかく送信機を1つ用意して、2.4GHz の免許を申請しましよう
ではありませんか!。
  私も、現時点で役に立っていない 2880 が1台あるので、水晶を 9MHz 台のも
のに交換し、RF 段を出力アンプに作り変えて、VCO 近くに FM 変調入力端子を
備えたものを「送信機」として申請しようと思います。実際には衛星用のSGと
して使用するので周波数は 2401MHz あたりにしますが、これでも立派な送信機
として、免許局数を増やすことには貢献するでしょう。…さあて、2880 の 2.4GHz
の SG 化については、ミリコムの資料に参考がありますが、もう1段のバッファ
アンプをどうしましょうかね…。

  さて、2日目に参加することができなかったため、同じ九州の JA3GEP 毛利さ
んに無理を言って持ちかえっていただくことにして、JI5MFZ 吉田OM主催のコ
ンバータ NF 測定会に参加させていただいた、うちの 2880 改造品ですが、この
ような結果でした。

- - - - -
1.ユニットC(水晶交換、BPF 延長、IF 赤コイルとチップ除去、IF 22pF 追
    加改造を実施、RFは未改造で、入力に静電気防止用 1/4 シャントワイヤ
    ーを追加したのみ。普段の受信に使用)

  Gain 24dB         : 24.0  dB
  Input Return Loss :  4.43 dB  (※ VSWR= 2.13)
  NF                :  5.05 dB

2.ユニットB(ユニットCに加え、RF段を MGA-86576 利用のものに交換)

  「信号入力を与えると不安定になり測定不能」
- - - - -

  ユニットCは一般的だけあって、そこそこの性能が出ています。現時点でも AO
-40 の S2-MB 受信に特に不自由は感じていません。入力のリターンロスが 4.43dB
ある(36% ほどが反射してましう)のは、初段に使うには少々大きすぎるようで
す。
  ユニットBは測定不能とのことで残念ですが、MGA-86576 による素人改造はや
はり簡単ではないと言うことですね。実際、受信に使っても利得も足りませんし、
ユニットCの結果を考えると、無理に RF 段に改造を加えるべきではないように
思います。初日のシンポの合間に吉田OMの指導にあったように、これに低 NF
のRFプリアンプを付加するのが、もっとも適切(かつ安価)な対応だと思いま
す。

  二日目のシンポに参加できなかったため、吉田OMの講義を拝聴できず残念で
すが、初日のシンポの合間の話でうかがいました 2880 やSバンド関係のノウハ
ウは、憶えている限りではこんなものでした。

・IF 段はトランジスタが3段使われているが、広帯域じゃないのだからそんな必
  要はなく1段でいい。会場に展示されていた 2880 は IF 段入り口の1石だけ
  を残し、その出力から IF OUT へジャンパが張られ、他の IF 周辺回路が除去
  されていた。自分の 2880 と見比べてみたが、1石目の周辺回路で2箇所ほど
  オリジナルの回路と異なりチップ部品が変更されていたが、詳細は不明。

・IF 段の青コイルの両端のチップCに並列に 22pF を足すことで、IF の周波数
  を 145MHz に合わせられるとの話があり、私もそれを実施したが、OMによる
  と、青コイルの出力側のチップCは 0.01 (0.001?) uF で十分大きく、そちら
  には 22pF を付加しても意味無いとのことで、青コイルの入力側だけで良いら
  しい。

・会場では NEC の HEMT FET(型番失念)を使った1段の 2.4GHz LNA が展示さ
  れていて、JARL 技研で NF 0.29dB と「世界最高」の性能が実証されているが、
  非常に再現性に優れているとのこと。

・NF の低さにこだわったところで、アンテナによる影響が補正できなければ、ま
 た周囲の雑音が大きければ殆ど無意味になる。NF で 1〜2dB が実現できればか
 なり良いと考えるべき。

  低 NF の再現性良好な 2.4GHz LNA については、誰かが音頭を取って、JAMSAT
頒布品として実現できないだろうか、との話もありましたので、非常に期待して
いるところです。

  初日のシンポでは、マキ電気社長の槇岡さんのSバンドのアンテナ、Xバンド
用パラボラとコンバータについての講演もあり、興味津々で拝聴させていただき
ました。展示された数々の缶ホーンやヘリカルによる放射器、さすがに実物は参
考になります。結論として「Sバンドで色々なアンテナを試すのも面白いが、ア
マチュア的に、安くて簡単で高性能、を考えるなら、BS用パラボラとヘリカル
フィード(または缶ホーン)の組み合わせがベスト」とのことです (^^;)。
 Xバンドの受信に使える TDK のパラボラとコンバータの話も興味深いものでし
た(変換用の LO さえ用意できれば、簡単なほんのわずかの改造で行けるとのこ
と)。大形のBS用パラボラは今後入手難になるそうですし、最近ではゴミとし
て捨てられていることもあるそうですから、私も 100 円カサにアルミ箔を張って
パラボラにする、などとケチな事を考えてないで (^^;)、今のうちに入手するよ
うに気をつけておきたいと思います。

  会場にはこの他、JH1CMP 局のヘリカルアンテナの試作品もあり、書類運搬用の
筒状のケースに組み込んでしまうと言う点が画期的だと思いました。ISS の模型
は、ヨーロッパでプラモデルとして市販されているものだそうで、各地の自動科
学館などで購入・展示してもらえるといいですよね。シンポでは JH2PRZ 辻さん
から、ISS からの運用が具体的にどの場所でどんな感じで行われるか、と言った
話もあり、参考になりました。

  以上、とりあえず憶えている限りで書き並べてみました。総会やシンポの詳細
については次号の N/L に載ると思いますので、期待したいと思います。おっと、
感想を書かないといけないんでしたっけ… (^^;)。

- -
Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市
JF6BCC, KH2GR (ex. T88J, T88IY, V63BP)
jf6bcc@jarl.com or jf6bcc@jamsat.or.jp
<http://plaza16.mbn.or.jp/~palau/> 
- -
この電子メールは100%再生電子を使用しております。:-)