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[jamsat-news:1617] SATINF#200 5 November 2001




衛星情報  SATINF#200   5 November 2001
                                                           JN1GKZ 新井


トピックス

◆入間市児童センターが国内初のISSスクールコンタクトを計画しています。

◆ISSへのアップリンク周波数でFMの運用ができるよう、電波形式を変更する
 告示案が総務省から示されました。11月21日までパブリックコメントの期
 間です。



1.運用中の衛星

●AO-10
  状況は、その日によって異なり、不安定です。

  11月5日深夜はヨーロッパの局が沢山聞こえていました。信号は若干QSBが
 あるものの強力でした。しかし、途中で食に入り信号が途絶えてしまいした。


●AO-40(P3D)
  トランスポンダ、RUDAKの運用がおこなわれています。

★運用スケジュール(予告無しに変更されることがあります)      11/1-
      MA    トランスポンダ   RUDAK   ビーコン
     0- 30       OFF          OFF      S2-MB
    30- 70     U/L1→S2       OFF      S2-MB
    70- 86       OFF          S2        OFF
    86- 87       OFF          S2        OFF
    87-118     U/L1→S2       OFF      S2-MB
   118-138     U/L2→S2/K     OFF      S2-MB
   138-220     U/L1→S2       OFF      S2-MB
   220-256       OFF          OFF      S2-MB

 ビーコン周波数(打ち上げ前の最終チェックで測定された周波数に実績を
 加筆。*は、打ち上げ後にアナウンスのあった実績のある周波数)
   BEACON    General Beacon  Middle Beacon   Engineering Beacon
   Vバンド          -           145.898MHz*          -
   Uバンド       435.438MHz     435.588MHz       435.838MHz 
   S1バンド     2400.188MHz    2400.338MHz      2400.588MHz 
   S2バンド     2401.168MHz    2401.323MHz*     2401.568MHz
   Xバンド     10450.975MHz   10451.125MHz     10451.375MHz 
   Kバンド     24047.885MHz   24048.035MHz     24048.285MHz 
   赤外レーザ                   360    THz

 アップリンク、ダウンリンク周波数
    ※MBに妨害を与えないこと。MBの±5kHzの範囲はダウンリンク禁止。
   S1バンドdown: 2400.225 - 2400.475 MHz
   S2バンドdown: 2401.210 - 2401.495 MHz
   L1バンドup: 1269.496 - 1269.211 MHz
   Uバンドup : 435.780 - 435.495 MHz
   RUDAK down: 2401.74MHz, 2401.85MHz

 11月4日に受信したテレメトリMブロック。
M  QST AMSAT OSCAR-40                                2001-11-01 
       ALON/ALAT = 0/2, Orbit 454, Torquing toward 10/0.        
      *** See N-block for schedule. NOTE: K-Tx passband ***     
              *** Middle Beacon OFF: MA 70-87 ***               
                                                                
        The AO-40 team would like your telemetry files!         
Please "zip" compress your daily telemetry files and e-mail to: 
                     ao40-archive@amsat.org                     

 姿勢
  10月26日の姿勢は、ALON/ALAT=0/2でした。マグネトルーキングをおこな
 い姿勢を ALON/ALAT=10/0にする作業がおこなわれています。

 食
  2002年6月まで毎オービットの近地点付近で食が発生します。

 トランスポンダ
  U/L1→S2/Kの運用がおこなわれています。

 IFマトリックス
  正常に動作しています。
  接続の誤動作が何度か起きていますが、MUX出力(IHU-1の制御/監視ユニッ
 ト)の切り替えタイミングの問題だと考えられています。切り替えタイミン
 グの調整によってこの問題は解決できるようです。

 S1バンド送信機
  8月13日に突然停止しました。8月20日に試験をおこなったところ、送信機
 に電流が流れず、RF出力、温度上昇も確認できなかったそうです。

 Vバンド送信機
  2000年12月の事故以来停止しています。
  8月20日に試験がおこなわれました。V送信機をオンにすると電流が流れ、
 RF出力があることが確認されていますが、衛星からの信号は確認できていま
 せん。高利得アンテナと送信機とを接続するリレーに問題が考えられ、リレー
 のオン/オフ動作運動をおこないました。その後の状況報告はありません。

 Kバンド送信機
  9月9日に動作が確認されました。現在、スケジュールに組み込まれて運用
 されています。
  日本ではKバンドの受信に成功されている方は次の方々です(jamsat-bbで
 確認分)。
    JA1AUH 後藤さん、JH1UGF 槇岡さん、JA1ATI 逸見さん、
    JA1DWO 鈴木さん、JA1KVN 武藤さん、JA6LXR 長屋さん、
    JI5MFZ 吉田さん

 Xバンド送信機、Cバンド受信機
  5月に試験がおこなわれましたが、動作が確認されていません。

 RUDAK
  RUDAK-A、Bの試験が継続しておこなわれています。

 SCOPE
  カメラ-A(狭角)、カメラ-B(広角)共に正常動作が確認されています。
  8月7日 オービット #354にてカメラ-Bを使って地球の撮影に成功しました。
 画像は、JAMSATのサイトで公開されています。
    http://www.jamsat.or.jp/

 GPS
  搭載している2台のGPS受信機が動作しています。GPS衛星が作る「輪」の
 外で位置データを取得することができるかどうかの実験がおこなわれています。

 LEILA
  正常動作が確認されました。時々、無信号の周波数に現れることがあり
 ます。

★YACE
  正常動作が確認されており、姿勢の確認に使われています。
  10月25日2126z、オービット#454 MA90にて姿勢を確認するため、遠地点で
 YACEを使って地球の画像が撮影されました。今までの撮影した画像と比べる
 と良く撮れています。大西洋が中心にあり、ヨーロッパ側が夜、アメリカ側
 が昼間になっている半月形の画像です。雲がはっきり写っています。
  このYACEの画像は、AMSAT-NAのテレメトリアーカイブから入手できます。
    http://www.amsat.org/amsat/ftp/telemetry/ao40/2001/10/
    ao40_2001-10-25_00454.zip

 モーメンタム・ホイール
  試験が始まり、今のところ、問題は無いようです。3軸制御までには確認
 する事項がまだまだあり、直ぐには移行しません。

 アークジェットモータ
  オービット#295から#301までアンモニアガスの噴射のみでの運用がおこな
 われました(アーク放電なし)。オービット#302からアンモニアガスが噴射
 されなくなり、運用を終えました。搭載していたアンモニアガスを使い果た
 してしまったと考えられています。
  モーメンタム ホイールの試験で燃料の残量の確認が試みられています。

★AO-40のテレメトリ仕様書1.8が10月5日にリリースされました。
    http://www.dj1km.de/amsat-dl/p3d/index.html

★P3T ver1.6aがリリースされました。以下のサイトから入手できます。
    www.cstone.net/~w4sm2/software2/P3t_AP.zip 

★AMSAT-DLのサーバが不調でwebサイトの閲覧ができないことがあります。ミ
 ラーサイトが立ち上がっていますのでDLのサイトが不調と時はミラーサイト
 をご利用下さい。
   AMSAT-DLのAO-40情報のサイト
     http://www.amsat-dl.org/journal/adlj-p3d.htm
   上記のミラーサイト
     http://www.dj1km.de/amsat-dl/journal/adlj-p3d.htm

  AO-40のテレメトリデータがamsatのサイトで公開されています。
    http://www.amsat.org/amsat/ftp/telemetry/ao40/
  P3Tでデコードしたテレメトリデータを ao40-archive@amsat.org へZIP形
 式の添付ファイルとして送付するように求めています。
                                            [from VP9MU Pau @amsat-bb]

  RUDAKのWOD(Whole Orbit Data)テレメトリファイルをCSV形式のファイ
 ルに変換するプログラムがリリースされました。Windows版(RudakTLM、
 KE4AZN作)、JAVA版、DOS版(WOD2CSV)の3つがあります。
  AMSAT-NAのサイトから入手できます。
    http://www.amsat.org/amsat/ftpdelta.html
                                                 [from WD0E @amsat-bb]

  AE4JY Moe氏によるテレメトリデコードソフト AO40Rcv のVer1.40がリリー
 スされました。Moe氏は別のソフト開発に注力したいとのことから、AO40Rcv
 は、今回のバージョンが最終版になるそうです。ただし、開発を継続してく
 れる方があれば、ソースを公開するので、プログラムの改善をして欲しい旨
 伝えています。興味のある方は、Moe氏とコンタクトされて下さい。
    http://www.qsl.net/ae4jy/
                                                [from AE4JY @amsat-bb]

  W3PM/GM4YREによるAO-40回線計算のexcel用スプレッドシートがあります。
 AO-40に搭載されている全送受信周波数での計算ができます。
  以下のURLにて公開されています。
    http://home.HiWAAY.net/~mmarcus/download/ao40v2.0.xls
                                          [from W3PM GM4YRE @amsat-bb]

  AO40 REPORT LOGGERサイトが立ち上がりました。AO-40のQRV情報などが掲
 載されています。
    http://www.artieda.net/hb9dri/ao40logger
                                               [from HB9DRI @amsat-bb]

  G6LVB Howardさんによりアップリンク/ダウンリンクの周波数早見表が作
 られ公開されています。円盤にアップリンク周波数とダウンリンク周波数が
 書き込まれ、MAを合わせると周波数が解るという優れものです。"oldtech"
 と呼ばれていますが実用的です。
    www.g6lvb.com/oldtech.htm 
                                                [from G6LVB @amsat-bb]


●AO-16
  デジピータがオンになっています。Sバンドのビーコンは停止しています。


●AO-27
  電源に余裕がないため、昼間のパスでのみトランスポンダがオンになりま
 す。
  運用スケジュールは次のとおりです。
    TEPR 4=38
    TEPR 5=78
 衛星に日が当たり始めた19分後から20分間トランスポンダが動作します。
                                          [from KM4NZ Chuck @amsat-bb]


●FO-20
  夜間のパスでは、食によってUVC(Under Voltage Controler:バッテリの
 過放電防止のため送信機への電源を遮断する)が動作し、送信が一時的に停
 止します。
  夜間は、食から抜けるパスの後半でトランスポンダが使えます。


●FO-29
  以下のスケジュールで運用が予定されています。
    2/1 - 12/3 アナログ


●KO-25
  正常に運用しています。


●LO-19
  CWビーコンがオンになっています。CWビーコンは12WPMのゆっくりとした
 CWで約30秒毎に送信されています。


●RS-12/13
  RS-12のAモードが動作しています。


●RS-15
  Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
 2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
 がおこなわれている間だけオンになっているようです。


●UO-11
  正常動作しています。


●UO-14
  JモードのFMリピータの運用がおこなわれています。


●UO-22
  正常動作しています。
  デジピータの運用もおこなわれています。デジピータのコールサインは、
 UOSAT5 です。


●UO-36(UoSAT-12)
  運用状態は不明です。

  UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sstl.co.uk/


▲TO-31(TMSAT-1)
  管制局の可視範囲でのみ送信機をオンにしているようです。


●GO-32(TechSat-1B)
  断続したビーコンが送信されているようです。


●SO-33(SedSat-1)
  テレメトリを送信しているようです。テレメトリは、SGS20というソフト
 でデコードすることができます。SGS20は、
    http://uah.seds.org/projects/sedsat/SGS20Source.zip
 から入手できます。


●OO-38(OPAL)
  デジピータとして機能しているようです。周波数は、アップリンク、ダウ
 ンリンク共に437.100MHzです。


●Tiungsat-1
  運用をおこなっているようです。


★PCsat(Personal Communications Satellite)
  現在、1周回の内35分間が食と、最も食が長い期間に入っていおり、電源
 事情が悪化しています。このため、UHFの9600bpsレシーバがオフになって
 います。また、GPSは1周回に10分以下の動作になっています。1月には全日
 照になります。

  GPSの試験が続けられており、12チャンネルが全ててロックされたことが
 確認されました。

  PCsatは、ハンディ機およびモービルからに限っての運用がおこなわれて
 います。

  PCsatの情報は以下のサイトから得られます。
    http://web.usna.navy.mil/~bruninga/pcsat.html


●ISS
  10月15日頃からFrankさんがNA1SSのコールサインで音声による運用を始め
 ました。北米、欧州、豪州上空でアクティブなようです。
  コールサイン NOCALL でパケット(デジピータ)の運用がおこなわれて
 います。

  新しいTNCはまだセットアップされていないようです。新しいTNCには、
 コールサイン RS0ISS が登録されています。
  デジピートに成功した局にはQSLが発行されます。

  日本初のISSとのスクールコンタクトが11月19日の週に計画されています。
 埼玉県入間市にある入間児童センター(JK1ZAM)です。詳細は、現在調整
 中です。
                                     [from 7M3TJZ 安田さん @jamsat-bb]

  ISSへのアップリンク周波数でFMの運用ができるようにするための告示案
 が10月25日付けで総務省から発表されました。11月21日までがパブリックコ
 メントの期間であり、早ければ年内に解禁となります。
  告示案は、以下のサイトにあります。多くの方の有益なパブリックコメン
 トの提示をお願いいたします。
    http://www.soumu.go.jp/s-news/2001/011025_3.html
                                     [from 7M3TJZ 安田さん @jamsat-bb]

  第3次搭乗員は、Frank Culbertsonさん、Dezhurovさん、Turinさんの3名
 で、FrankさんがKD5OPQのコールサインを持っています。第3次搭乗員は12月
 までISSに滞在する予定です。

  ISSのアマチュア局のコールサインは次の通りです。
   コールサイン:RZ3DZR、R0ISS、RS0ISS、NA1SS、DL0ISS

  FM音声のアップリンク周波数は、日本ではバンドプランに合致しないため
 対応が考えられています。当面は、FM音声のアップリンクはしないで下さい。

  ARISSの情報は、以下のサイトから得られます。
    http://ariss.gsfc.nasa.gov/



2.調整中の衛星
●Starshine (a mirror ball for visual sighting)
  PCsatと同時に打ち上がり、動作が確認されました。
  145.825MHz、9600bpsでテレメトリを送信しています。テレメトリの送信
 は、2分に1回です。


●Sapphire 3 (a joint Stanford/Washington Univ/USNA satellite)
  受信レポートは、ほとんどありませんが、動作が確認されています。周波
 数は、437.100MHzです。

  1分毎に1秒間のキャリア信号、デジトーカの受信報告があります。


▲KO-23
  99年10月30日にOBCがリセットされ、未だ復旧していません。

  少し前までは、変調の掛かった信号をが受信できましたが、9月9日22時過
 ぎのパスでは何も信号が聞こえませんでした。


▲PO-34(PanSat)
  スペクトラム拡散の運用が予定されていますが、未だ運用されていません。
  PanSatの情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sp.nps.navy.mil/pansat/


▲SAUDISAT-1A(SO-41)、SAUDISAT-1B(SO-42)
  9月26日で打ち上げ1周年になりますが、打ち上げ当初、管制局による動作
 確認がおこなわれた以外に何の状況報告もありません。



3.運用を停止している衛星
▲DO-17


▲WO-18


▲IO-26


▲WO-39(JAWSAT)



4.これから打ち上がる衛星

●Kolibri-2000 satellite
  ロシアとオーストラリアが開発した衛星 Kolibri-2000 が2002年2月に打
 ち上がる(放出される)予定です。
  Kolibri-2000は、11月26日に打ち上げが予定されているロシアの運搬ロ
 ケット プログレスのリモート打ち上げポートに装着され、ISSへ向かい、
 2002年2月にプログレスから放出される予定です。
  大気圏に再突入するまでの2-4ヶ月間、145.825MHzでテレメトリの送信と
 デジトーカの運用をする予定です。

    http://www.iki.rssi.ru/kollibri/mission1_e.htm


●CubeSat
  東京工業大学等で開発している10cm立方のナノサテライト CubeSatが
 2002年5月にロシアから打ち上げられる予定です。
  アップリンク 145.835MHz、ダウンリンク 437.450-437.500MHzが予定され
 ています。
   東工大CubeSatプロジェクト
    http://horse.mes.titech.ac.jp/srtlssp/cubesat/index.html
   東大CubeSatプロジェクト
    http://www.space.t.u-tokyo.ac.jp/cubesat/index.html



5.衛星に関する情報

★パッチアンテナ設計ツール
  Windows NT、2000で動作するパッチアンテナ設計ツールがあります。
  Ansoft社によって作られたEnsemble SVというフリーソフトです。
    http://www.ansoft.com/about/academics/ensemble_sv/index.cfm

  注:当局に動作環境が無いので詳細は未確認です。
                                                [from K3TZ @amsat-bb]


★AMSAT-NA スペースシンポジューム予稿集
  10月に開催された第19回 AMSAT-NA スペースシンポジュームの予稿集が
 AMSAT-NAから頒布されています。ご希望の方はAMAT-NAへ申し込み下さい。
 日本からは$25で購入できます。
                                              [from Martha @amsat-bb]


★しし座流星群  今年こそは流星雨??
  ここ数年の出現ピーク時間をほぼ正確に予測されているアッシャー氏によ
 ると今年は日本で流星雨が見られるとのことです。ピークは11月19日0313JST
 と予測されています。同0224JSTにも大出現の可能性があるようです。
  しし群は、持続時間の長い痕が発生するため、流星散乱通信(MS)に最適
 です。流星の出現数によりますが、6mや2mでMSが楽しめます。



参考
 ANS、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト


JN1GKZ 新井
   jn1gkz@jamsat.or.jp     http://www.din.or.jp/~m-arai/