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[jamsat-bb:9034] AO-40のトランスポンダ周波数について


JF6BCC 今石です。

  AO-40 のトランスポンダが、暫くの間、MA 10〜99 で試験運用されるそう
です。
  今年5月の最初の試験運用時に準備が間に合わなかった方、あるいはそれ
以後に AO-40 に興味を持たれた方向けに、私が5月の試験運用時に使用し
ていた、アップリンク/ダウンリンクの周波数チャートを再掲載しますので
参考にして下さい。

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                (A)                    (B)          
         <---- 95KH ------>    <---- 150KHz ----->  
U-Up      435.780〜 435.685      435.645〜 435.495  
L1-Up    1269.496〜1269.400     1269.360〜1269.211  
                 ↓                     ↓          
S2-Dw    2401.210〜2401.305     2401.345〜2401.495  
                           <--->
                     *** 送信禁止! ***
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  ご覧の通り、AO-40 のトランスポンダは、AO-10/13 や FO-20/29 と同様
に「リバース変換」です。ダウンリンク周波数を上げるには、アップリンク
周波数は下げなくてはいけません。また、USB でダウンリンクを得るために
は、LSB でアップリンクする必要があります。IC-821 などのサテライトモ
ードを持つ無線機は、リバース用に設定を行なってください。
  ドプラーシフトの修正については、LEO 衛星と違って見掛けの速度変化が
激しくないため、短時間ではあまり大きく動きませんので、あまり意識しな
くても良いかも知れません。ただ、国際的には「低い周波数側を固定」する
のが主流のようですから、交信中の周波数補正は、アップリンクを動かさず
にダウンリンクを補正する(送信固定となる)のが良いかも知れません。な
お、ダウンリンク周波数が 2.4GHz と高いので、ドブラーシフトの量はかな
りありますのでご注意下さい。

  強大なアップリンクは LEILA によってノッチアウトされます。自分の信
号が聞こえる周波数で「サイレン音」が聞こえたら、パワーを落としてくだ
さい。サイレンが聞こえるような強度でアッフリンクしないと、自分の信号
が了解できない場合は「失格」です。電波を出すのをやめて、受信能力を上
げてください。
  また、自分の返り信号が S2-MB (ビーコン) より 10dB 低くなるように注
意して下さい。10dB ってどの位?、と思われる方は、一度ご自分の受信機
のSメータと dB の関係について、測定をされることをお勧めします。また、
テレメトリ・デコードソフトの AO40RCV のスペアナ画面にある、レベルを
示す横線の目盛りが、およそ 10dB 間隔ですので、運用中にも AO40RCV を
動かしておき、自分の返り信号が S2-MB より目盛り1つ分弱くなるように
調整するのも方法です(私は5月の試験運用時はこの方法を取りました)。

  JAMSAT-BB で受信報告をされる場合、Sメータの振れで報告される方が
多いだろうと思いますが、Sメータの読みは各人の受信システムによって
大きく異なりますので、あまりアテにできません。可能であれば、ノイズ
レベルに対して何 dB で、と言う形で報告を願います。AO40RCV を使うと
10dB 単位ながら、これが簡単にわかりますから、お勧めですよ (^^)。

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* 重要!  送信禁止について *
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  AO-40 から送られてくる S2-MB (ビーコン) は 2401.323MHz にあります。
これはトランスポンダの帯域の中ですので、アップリンク周波数によって
はビーコンに対し混信を引き起こしてしまう危険があります。ビーコンに
は衛星の状態を把握するのに必要な各種の情報が含まれていますので、そ
れの受信に支障を与えてはなりません。
  そこで、ビーコンの周波数の前後にダウンリンクが降りてくるアップリ
ンク周波数での送信は「禁止」です。上の表は、過去にコマンドチームか
ら、ドプラー変化分も考慮して「送信禁止」とされた周波数を外して、ト
ランスポンダの帯域を2分して記述したものです。

  5月の試験運用時は、この通達があるにも関わらず、ビーコン周波数の
近辺で交信やループテストをしたり、あるいはバンド中をスイープする信
号が後を絶ちませんでした。
  AO-40 のトランスポンダは 250KHz の帯域を持っていますが、上記のよ
うな特殊な事情がありますので、ビーコンに対する混信の発生を防ぐため
にも、試験運用中は「(A)95KHz、(B)150KHz の2帯域」の衛星であるとご
理解いただきたいと思います。また、5月の試験運用では、主に (B)側の
150KHz の帯域で運用が集中して行なわれていましたので、最初から(B)側
150KHz のみの帯域だと考え、ループテストもその範囲内で行なうように
した方が良いかも知れませんね。

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Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市
JF6BCC, KH2GR (ex. T88J, T88IY, V63BP)
jf6bcc@jarl.com or jf6bcc@jamsat.or.jp
<http://plaza16.mbn.or.jp/~palau/> 
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