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[jamsat-bb:8318] Re: 理不尽な・・・笑(えな)い話


JF6BCC 今石です。

At 2001/05/06 09:07:49 Yasuo Mikashima wrote:
> 衛星では地上波における「妨害」の理念は通用しないのでしょうか。

 これは「地上波における妨害の理念」が何を指すかを明確にしないと、議
論にならないと思います。「妨害」と言う言葉の意味を、恣意的なものに限
定して解釈する人もいれば、広く形態的なもので解釈する人も居るでしょう。
無論、恣意的なものは論外ですが、恣意的なものだけを「妨害」と解釈する
人に、恣意的でない行為まで妨害だと説明しても、納得してもらえないと思
いますので。

  某局の「踏みつけ」行為については、三ヶ島さん自身が「信号が聞こえて
いない」と判断されているように、本人は空いた周波数で「アップリンク固
定」方式でCQを出しているに過ぎず、しかも聞こえていないので他局に迷
惑をかけているとは思っても居ないでしょう。少なくとも、彼には「妨害」
をしていると言う意識は存在しないと思います。
 無論、自分のダウンリンク自体をロクに聞けていない状態で、構わずCQ
を出してくると言う行為は、誰かの信号をつぶしてしまう危険性があり、非
常識なのですが…、それが理解できるなら、FM 衛星で他人にかぶせて CQ を、
しかも短間隔で出したりはしないと思います (--;)。

# 我ながらかなり辛口ですね。

  地上波と衛星では「周波数の空き」の考え方が若干異なります。地上波で
は、自分の受信能力で何も聞こえてこない限り、そこは空いていると考える
のが普通ですが、衛星の場合はそれに加えて「自分の返り信号が聞こえてい
るのに他が聞こえていない」場合、はじめて「空いている」と考える必要が
あります。※SSB/CW 衛星の場合です。

 無論、地上波でも、自分が聞こえていないだけの微弱な通信が遠方で行わ
れていて、それに対して「妨害」となるような行為をする危険性はあります。
パケットの「隠れ端末」に相当する現象も発生します。が、それは(相応の
設備を備えているならば)発生を防止できないものです。送受信の能力が極
端にアンパランスなものは無論困りますが、相応のバランスを備えている限
り、何も聞こえない周波数は「空いている」と判断するしかありません。ま
して、衛星と違ってシンプレックス通信では、自分の信号の存在などは確認
できません。
 が、衛星の場合は、電力事情から弱い信号を、彼我の距離や姿勢の変動か
ら、地上波通信に比べて変動の大きい回線状況で扱わなくてはなりません。
つまり、何も聞こえていない=たまたま聞こえないだけかも知れない、と言
うことを意識しなくてはなりません。幸い、衛星通信はフルデュプレックス
ですから、自分でループテストを行って、それが受信できて初めて「空いて
いる」ことを確認できます。このあたりの理解が無いまま、地上波の考え方
そのままで「聞こえていないから空いている」と考えて運用するのは、トラ
ブルのもとです。

 実際には、ループテストの段階でこの一連の行為は自動的に行われるはず
なのですが…。くだんの某局は、一度ループテストに成功した後は、自分の
信号が聞こえるか聞こえないかはあまり意識していないのかも知れませんね。
アップリンク固定であれば、自分の信号が聞こえなくても構わないのでしょ
うし、それで、誰も呼んでくれないから気づかないと (^^;)。

# ってことは、受信能力を検証しつつ運用するには、ダウンリンク固定の方
# が適しているってことになりますかね (^^;)。

  加えるなら、自分のダウンリンクが聞こえればいいんだろう!、と、受信
能力ではなくアップリンクパワーを上げるバカが多数居て、AO-10/13 で嫌
悪される「アリゲータ」と化しているのも周知の事実です。
  日本よりはるかに直接的に批判する文化のある欧米でも、彼らは根絶され
ていませんし、AO-40 のトラポンの動作試験でも、早速 AGC が 10dB 以上効
いていたぞ、と、AMSAT-bb 上で非難ゴウゴウ… (--;)。

> 「国際的な「常識」に合致しているから問題にならない」と言うのは
> おかしいと思います。地上波でも衛星波でも他局の通信に妨害を
> 与える行為は、慎むべきではないでしょうか。

  妨害は慎むべき、との主張には反論の余地はありません。が、くだんのご
本人が「他局の通信に妨害を与えている」と意識していない限りは、慎むと
かいった判断そのものが、本人にはできないと思います。仮に、彼が最初の
ループテストの段階で信号の存在に気づいていれば、「妨害」はしないと思
いますよ。
 それに、上記の記述は、たとえ彼がアップリンク固定に固執して運用して
も、それは国際的な慣習と一致するので、運用中に少しずつ他局の信号を侵
食する心配はない=踏み付ける心配は無い、と意味しているに過ぎません。
聞こえないのに声を出す=既存の信号をツブす、と言う心配は依然としてあ
る訳です。が、こればかりは受信能力を上げてもらう他ありません。

  「踏みつけ」問題は、妨害と言う行為にではなく、システムを理解できな
い運用者に存在していると思っています。

では。
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Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市
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