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[jamsat-bb:8296] Re: [jamsat-bb:8282] 理不尽な・・・笑(えな)い話


JR6LDE 三ヶ島さん、

これは、JASー1が打ち上げられた当初から懸念されていた
問題で、未だJAでは共通の理解が十分になされないまま今
日に至っています。これからAO-40も実用化されるにあたっ
て、このBBで多く方々の意見を聞いて共通の理解を持つこと
が必要と思います。

> 最近FO−29にQRVを始めたのですが、こんな体験を
> 度々しています。
> 
> FO−29に受信周波数を固定する方法でQRVしているの
> ですが、CQを出しているといつも私のダウンリンクの上方
> からCQを出しながら近づいて来て、踏みつけにしてそのま
> ま下方へ去っていく某局がいるのです。

もしかすると、その局がアップリンク固定主義でしたら、同じ不
満を貴局に対して感じている可能性があります。

コンピュータで自動ドプラー補正がまだ普及して居ない時代に
Wやヨーロッパでは、アップリンク/ダウンリンクのどちらで
ドプラー補正をするかについては、周波数の高い側で行なう、
というのがほぼ一般的になっていました。
私を含め、その時代からQRVいる連中には、少なくとも手動
で追従するには、それは理に叶っていると考える局がかなり
います。  その理由は:

1) 相対的に周波数の変化が少なくて済むことです。つまり
  周波数の低い側で、高い方のドプラーを補正しようとすると、
  それだけ与えられたバンドの広い範囲を動いていくことにな
  り、操作が不適切だと混信の機会も多くなる。
  これからは、AO-40の2.4GHzやそれ以上のバンドのことを
  考えるとなお更。

  特に、FO-20/29のように低軌道衛星のJモードでは:

2)受信周波数一定と言っても手動の場合は自局で一定に
  保つことであり、相手局に対して一定になることでは無い。
  QSO中の2局の間に衛星がある状態を考えると分かりやす
  い、 一方は+ドプラーで、一方は−ドプラー。
  その結果、お互いに 違った周波数になることがあり、それを
  補正しようとすると、いたちごっこのような混乱に陥ることが
  ある。
3)相手局が喋っているうちにも、ドプラー偏移は発生して
  おり、自局の番なった際に、相手の周波数に瞬時に合わせ
  るには熟練を要する。 その際にも、2)の理由で、自分では
  合せたつもりが、相手にはそうなっていないということガ有り
  得る、 などです。 

もちろん、アップリンク周波数一定の方式にも、ダウンリンク
側での地上波混信を避けることができないなど、問題はあり
ますが、ダイヤル操作による人為的なエラーが入り込まない
ので、単純に相手をダウンリンクで追いかけることだけで済み
ます。お互いの周波数が多少ずれても、RITあるいはクラリ
ファイヤーで追いかけて済ます程度で何とかなります(私の
経験ですが)。

最近ではPCを使って「衛星に対して一定の周波数を維持」
することで、QSOする双方の局が常に同一ダウンリンク周波
数になるような自動追従方式が普及し始めていますが、これ
も、お互いがPC追従を使って初めて成立するものです。この
方式でもダウンリンク周波数はそれなりに動いていきますの
で、近くにダウンリンク一定でQSO中の局が居れば、機械的
に踏みつけて行くことも有り得ます。

と、いうことで、現在のJAの環境では、3つの方式で運用して
いる局が混在していますので、相手局の好みの方法をいち早
く察知した上で、常に自分のダウンリンクがどこに降りていて、
他の局にQRMを与えていないか、あるいは、ドプラーによって、
QRMを与える恐れは無いかを注意しながら要領よくQSOをす
ることが望まれます。

最近QRVされた局、PCコントロールを使いこなしている局など
を含めて、できるだけ多くの局からの意見によって、今後に向
けての一定の合意ができることを望みます。

73, 

JA6BX   江 崎  昌 男
<ja6bx@jamsat.or.jp>