[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[jamsat-bb:7906] AO-40のトラブルはIHUクラッシュではない@AMSAT-bb


JH3DJX・枚田(ヒラタ)と申します。初めて投稿させて頂きます。
soft error ですが、私の理解でもおそらく下記解釈が妥当と
思われます。

> この部分ですが、soft error というのは「ソフトウェアのエラー」と言
> う意味ではなく、EDAC で誤り補正が可能な「ソフトな」メモリエラーを指
> すと解釈するのが適切だとのことです。

以前、大手半導体メーカーで半導体メモリーLSIの設計をやっていま
したが、その業界では次の意味で soft error という用語が慣習的
に使用されていたと思います。
「アルファ線やガンマ線(宇宙線もそうですが)などのエネルギー
の高い放射線がLSIシリコンチップの表面(回路アクティブエリア)
に入射すると、その通過経路に沿って電子-正孔対(キャリア)が
発生し、このキャリアがノイズ源となって近隣メモリセル回路の記
憶データ(1 or 0)を反転させ、記憶データのエラーを発生させて
しまう。但しこのデータ破壊は、物理的な永久破壊ではなく、デー
タを書き換えれば復旧するもので、エラー訂正回路など(この場合
はEDACと思いますが)により回復させることが出来る。」 

このソフトエラーの起こる確率(頻度)ですが、メモリーが使用され
る環境の、放射線の密度及びそれら放射線のエネルギー強度に
比例すると考えられます。また、使用されるメモリーの回路技術や
メモリセル構造にも係わりますが、大雑把に言えば記憶容量が大
きいメモリーほどソフトエラーに弱いと言えると思われます。AO-40
に搭載されているメモリーがどのようなものか判りませんが、高エネ
ルギーの宇宙線が飛び交っている宇宙空間は、半導体メモリーに
とって非常に過酷な環境といえるのです。従いまして、そういった
環境で使用される場合は、データを保護する回路が必須となりま
す。