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[jamsat-bb:7628] Re: 衛星作りへの貢献(Re:N/L早く読みたい)


JF6BCC 今石です。

At 2001/02/26 14:43:06 Tack Kumagai wrote:
> 上記の「衛星作りへの貢献」とは具体的にどの様な活動を想定されているのでしょうか?

  発言されたご本人ではないのですが、井関さんのおっしゃりたいポイン
トは、そのものズバリ「衛星製作プロジェクトの発案と参加」と解釈しま
した。

  確かに、資金協力も「参加」の一部ですし、大事な部分ですが、いくら
金銭的な協力があったとしても、その受皿となる「プロジェクトチーム」
を組織する人材が居ないことには、人工衛星は実現しません。
 また仮に、資力が充分あるからと、プロに衛星の設計・製造を依頼し、
ESAに正規の料金でロケットを打ち上げてもらったとして、それはアマ
チュア衛星としては、全く意味の無いものになってしまいますし…。おそ
らく、技術系の大学などで衛星通信をテーマにした研究室や、メーカーの
技術試験などを除けば、日本で「人工衛星を作る」気になってくれる人は
JAMSAT-bb の購読者以外に存在しないのではないか?、最近、そういう人
材が現れないのが不安だ、と言うことから、あの書きこみがなされたのだ
と思います。

  まあ、Satellite Handbook で見た AO-1 とか AO-2 の時代のレベルの衛
星(電池を電源にピーピーと信号を出すだけ)でいいのであれば、私にも
できそうな話なのでしょうが、LEO はデジタル衛星花盛り、モルニヤ軌道
への衛星投入はナミの知識と情熱じゃダメ、ってんで、家族を抱えて本業
に追われている身には「ちょっと」と思ってしまうのも事実です。日本の
場合、アマ無線は一般大衆の趣味で、ある程度の社会的地位と資力がある
人の多い欧米のそれとは、ちょっと趣が違いますもんね (^^;)。
 で、昔なら、家庭を支えるのにヒーヒー言っている世代の代わりに、粉
骨砕身で働く若い世代のハムが居たんでしょうが、最近はインターネット
のおかげで、若い人はアマ無線に興味を持ってくれませんもんねぇ…。

  マンガ世代の方なら、講談社の週刊誌「モーニング」に不定期に連載さ
れていた「プラネテス」って漫画はご存知だと思います。今から80年く
らい未来、人間は月に都市を築いて小惑星帯の開発をし、月で生まれる子
供も現れはじめているが、まだ外惑星には達していない時代に、地球や月
の衛星軌道上を飛翔する廃衛星や宇宙船の部品などの「宇宙ゴミ」拾いを
仕事とする主人公を描くもので、衛星通信に興味のある方にはぜひお勧め
したい作品です(単行本も出ています)。
 この作品の中には、主人公の弟で、自力で(しかも一人で)ロケットを
打ち上げようとする少年が登場します。燃料まで自前で調達するとか、ジ
ャイロを廃材置き場から盗んでくるだとか、まあマンガですから荒唐無稽
な部分もあるのですが、この少年くらいに「熱意」のある人間がいるから
こそ、人間は宇宙に進出することができるのだ、と、素直な感動を得るこ
とができます。もっとも、作品ではなんともトンデモナイ登場人物が出て
きますけど (^^;)、この少年は、それまでのSF小説やマンガには出てこ
ないタイプの登場人物で、新鮮な驚きがありました。
  こういう人材…いや、寝てもさめてもロケットロケットと言うほど熱狂
的でなくても、彼と同じような方向性の情熱を持って、アマチュア衛星の
実現に努力してくれる人材が欲しい、「ふじ」衛星の実現に携わった JAMSAT
の古参の方々も、そのような思いがあるのではないかな、と思います。

  衛星を作る作業というのは、万人にできることでは無いと思います。そ
れができないから衛星通信をする資格が無いと言う訳でもありませんし、
それを負い目に思うこともないと思います。資金協力そのものは JAMSAT
に入会しなくても可能ですし、衛星の利用者に対して JAMSAT に入会する
ことを暗に求めている訳でも、無論無いと思います。
  ただ、この場で「衛星を作る」ことに興味を持つ人が現れないとなると、
いずれ我々自身、活躍する場所を無くしてしまうことになる訳です。普段
私達が忘れがちな…いや、気づくと負担が重そうだからあえて忘れたフリ
をしている (^^;) 大事なことだと思います。

では。
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Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市
JF6BCC, KH2GR (ex. T88J, T88IY, V63BP)
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