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[jamsat-bb:7895] Re: AO-40/10GHzの最適アンテナの検討


 JA3TKW中村です。

 藤本さん、すばらしい考察ありがとうございます。

 是非、資料を頂けますか。

 申し訳ありませんが、是非本日中にお願いします。

 どうしても本日中に呼んでみたいのですが・・・・。


FUJIMOTO Masahiko wrote:

> こんにちは。藤本(JH3ERQ)と申します。
>
> AO40の10GHz用アンテナについて考察してみました。
> パラボラを用いるとして、その径に最適値がありそ
> うなことが判明しました。
>
> =アンテナゲイン=
>
> 例えば4倍の直径のパラボラアンテナは、4^2=16倍
> すなわち+12dBのゲインがあります。これは発
> 信源(AO40)が点光源と見なせる場合です。
> ところが10GHzでは、大気の水蒸気散乱があります。
> 大雨の時にBS放送の写りが悪くなったり、見えな
> くなったりすることからも、この周波数では水蒸気
> の影響が問題になることがわかると思います。(
> もっとも、雨滴による偏波面変調(縦横比不一致)
> もあります)
>
> 散乱による点光源の見かけの拡大は、例えば1万km
> の距離では、視直径にして5°にもなります。ちな
> みに、太陽(≒月)の視直径が0.5°ですので、かな
> り大きく見えることになります。(IEEE MTT April
> 1964 'Sight Angle of Long Distance sattelites'
> Loof Lirpa, et al による)
>
> 一方パラボラアンテナの半値角(3dBダウンの角
> 度)は1mφで2°、2mφで1°ですから、50cm
> φ以上の直径のアンテナでは半値角<視直径となり
> アンテナを大きくしても、ゲインが増えないことに
> なります。つまりビームが細すぎて、AO40全体が見
> えない(送られてくる電力を捕捉できない)ことに
> なります。
>
> =アンテナノイズ=
> 上記理由によりアンテナゲインは頭打ちはしますが、
> 飽和するまではアンテナを大きくするとゲインは増
> 大します。
> しかしながら、アンテナを大きくすると受信ノイズ
> が増大するという問題があり、システムのS/N
> (実はS+N/N)が悪くなります。音ばかり大きくて弱
> い信号のピックアップができない安物のプリアンプ
> のような状態ですね。
> 10GHzではシステムノイズが100K程度が実現可能
> (プリアンプで70K、フィードロスで30K)です。
> AO40自体の温度は300K位でしょうが、この熱雑音
> がどれだけ受信してしまうかはアンテナ直径によりま
> す。下記資料では5m程度のアンテナで全ノイズを受
> 信することになります。この受信ノイズパワとアンテ
> ナ直径の関係は
> 0.5mφ・・・40K
> 1.0mφ・・・150K
> 2.0mφ・・・600K
> となっています。(Universal Sattelite Organization
> 800(USO-800) April 1 1982 Akab Ustagihsによる)
>
> =アンテナ直径の最適値=
> 上記をまとめると
> (1)アンテナ直径を大きくしてもゲイン増大分は頭打
>   ちする。
> (2)アンテナ直径を大きくすると、受信熱雑音が大き
>   くなる。
> ということになり、アンテナ直径のオプチマムがあり
> そうです。
> システム温度を150Kに仮定して上記をグラフ化
> すると直径50cmが最適値となり、これより大きく
> ても小さくてもS/Nが悪化するという結果になりま
> した。
> フィードのスピルオーバ分は検討していませんが、
> 1dB程度の悪化でしょうから大差ないようです。BSア
> ンテナの転用が良い結果を出しそうです
> 。
> 図表は省略しましたが、ご興味のある方はPDFでお送り
> しますのでお知らせ下さい。
>
> 以上
>
> 藤本 JH3ERQ 2001年4月1日

--------------------------------------中村昌男 JA3TKW
Masao Nakamura
Yokaichi-city Shiga Japan
    E-mail :  masatkw@pearl.ocn.ne.jp>
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