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[jamsat-news:1625] SATINF#201 26 November 2001
衛星情報 SATINF#201 26 November 2001
JN1GKZ 新井
トピックス
◆11月23日、入間市児童センター(JK1ZAM)が国内初のISSスクールコンタク
トに成功しました。
◆AO-40のS1送信機の試験がおこなわれましたが、送信機に電流が流れず、回復
は望めないようです。
1.運用中の衛星
●AO-10
状況は、その日によって異なり、不安定です。
11月初めから中旬までは非常に状態が良く、窓が僅かしかないヨーロッパ
の西側とも良好にQSOできましたが、11月23日にワッチした際にはダウンリン
クは弱く、聞こえる時間も数秒で不安定になってしまいました。HC8のペディ
ションがあったのですが残念です。
●AO-40(P3D)
トランスポンダ、RUDAKの運用がおこなわれています。
★運用スケジュール(予告無しに変更されることがあります) 11/1-
MA トランスポンダ RUDAK ビーコン
0- 30 OFF OFF S2-MB
30- 70 U/L1→S2 OFF S2-MB
70- 86 OFF S2 OFF
86- 87 OFF S2 OFF
87-118 U/L1→S2 OFF S2-MB
118-138 U/L2→S2/K OFF S2-MB
138-220 U/L1→S2 OFF S2-MB
220-256 OFF OFF S2-MB
ビーコン周波数(打ち上げ前の最終チェックで測定された周波数に実績を
加筆。*は、打ち上げ後にアナウンスのあった実績のある周波数)
BEACON General Beacon Middle Beacon Engineering Beacon
Vバンド - 145.898MHz* -
Uバンド 435.438MHz 435.588MHz 435.838MHz
S1バンド 2400.188MHz 2400.338MHz 2400.588MHz
S2バンド 2401.168MHz 2401.323MHz* 2401.568MHz
Xバンド 10450.975MHz 10451.125MHz 10451.375MHz
Kバンド 24047.885MHz 24048.035MHz 24048.285MHz
赤外レーザ 360 THz
アップリンク、ダウンリンク周波数
※MBに妨害を与えないこと。MBの±5kHzの範囲はダウンリンク禁止。
S1バンドdown: 2400.225 - 2400.475 MHz
S2バンドdown: 2401.210 - 2401.495 MHz
L1バンドup: 1269.496 - 1269.211 MHz
Uバンドup : 435.780 - 435.495 MHz
RUDAK down: 2401.74MHz, 2401.85MHz
姿勢
11月23日の姿勢は、ALON/ALAT = 1/2でした。マグネトルーキングをおこな
い姿勢を ALON/ALAT=10/0にする作業が継続されています。
食
2002年6月まで毎オービットの近地点付近で食が発生します。
トランスポンダ
U/L1→S2/Kの運用がおこなわれています。
IFマトリックス
正常に動作しています。
接続の誤動作が何度か起きていますが、MUX出力(IHU-1の制御/監視ユニッ
ト)の切り替えタイミングの問題だと考えられています。切り替えタイミン
グの調整によってこの問題は解決できるようです。
★S1バンド送信機
回復は望めないようです。
8月13日に突然停止しました。8月20日に試験をおこなったところ、送信機
に電流が流れず、RF出力、温度上昇も確認できなかったそうです。
11月6日のレポートによると、送信機の電源を1秒毎にオン/オフするプロ
グラムがアップロードされ45分間実行されましたが、送信機に電流が流れな
かったそうです。S1送信機の回復は望めないようですが、この試験を継続し
ておこなってゆく予定です。
Vバンド送信機
2000年12月の事故以来停止しています。
8月20日に試験がおこなわれました。V送信機をオンにすると電流が流れ、
RF出力があることが確認されていますが、衛星からの信号は確認できていま
せん。高利得アンテナと送信機とを接続するリレーに問題が考えられ、リレー
のオン/オフ動作運動をおこないました。その後の状況報告はありません。
Kバンド送信機
9月9日に動作が確認されました。現在、スケジュールに組み込まれて運用
されています。
日本ではKバンドの受信に成功されている方は次の方々です(jamsat-bbで
確認分)。
JA1AUH 後藤さん、JH1UGF 槇岡さん、JA1ATI 逸見さん、
JA1DWO 鈴木さん、JA1KVN 武藤さん、JA6LXR 長屋さん、
JI5MFZ 吉田さん、JH1AOY 玉川さん
Xバンド送信機
5月に試験がおこなわれましたが、動作が確認されていません。
S1バンド送信機と同じように電源をオン/オフする試験が計画されています。
Cバンド受信機
5月に試験がおこなわれましたが、動作が確認されていません。
RUDAK
RUDAK-A、Bの試験が継続しておこなわれています。
SCOPE
カメラ-A(狭角)、カメラ-B(広角)共に正常動作が確認されています。
8月7日 オービット #354にてカメラ-Bを使って地球の撮影に成功しました。
画像は、JAMSATのサイトで公開されています。
http://www.jamsat.or.jp/
GPS
搭載している2台のGPS受信機が動作しています。GPS衛星が作る「輪」の
外で位置データを取得することができるかどうかの実験がおこなわれています。
LEILA
正常動作が確認されました。時々、無信号の周波数に現れることがあり
ます。
YACE
正常動作が確認されており、姿勢の確認に使われています。
10月25日2126z、オービット#454 MA90にて姿勢を確認するため、遠地点で
YACEを使って地球の画像が撮影されました。今までの撮影した画像と比べる
と良く撮れています。大西洋が中心にあり、ヨーロッパ側が夜、アメリカ側
が昼間になっている半月形の画像です。雲がはっきり写っています。
このYACEの画像は、AMSAT-NAのテレメトリアーカイブから入手できます。
http://www.amsat.org/amsat/ftp/telemetry/ao40/2001/10/
ao40_2001-10-25_00454.zip
モーメンタム・ホイール
試験が始まり、今のところ、問題は無いようです。3軸制御までには確認
する事項がまだまだあり、直ぐには移行しません。
アークジェットモータ
オービット#295から#301までアンモニアガスの噴射のみでの運用がおこな
われました(アーク放電なし)。オービット#302からアンモニアガスが噴射
されなくなり、運用を終えました。搭載していたアンモニアガスを使い果た
してしまったと考えられています。
モーメンタム ホイールの試験で燃料の残量の確認が試みられています。
AO-40のテレメトリ仕様書1.8が10月5日にリリースされました。
http://www.dj1km.de/amsat-dl/p3d/index.html
P3T ver1.6aがリリースされました。以下のサイトから入手できます。
www.cstone.net/~w4sm2/software2/P3t_AP.zip
AMSAT-DLのサーバが不調でwebサイトの閲覧ができないことがあります。ミ
ラーサイトが立ち上がっていますのでDLのサイトが不調と時はミラーサイト
をご利用下さい。
AMSAT-DLのAO-40情報のサイト
http://www.amsat-dl.org/journal/adlj-p3d.htm
上記のミラーサイト
http://www.dj1km.de/amsat-dl/journal/adlj-p3d.htm
AO-40のテレメトリデータがamsatのサイトで公開されています。
http://www.amsat.org/amsat/ftp/telemetry/ao40/
P3Tでデコードしたテレメトリデータを ao40-archive@amsat.org へZIP形
式の添付ファイルとして送付するように求めています。
[from VP9MU Pau @amsat-bb]
RUDAKのWOD(Whole Orbit Data)テレメトリファイルをCSV形式のファイ
ルに変換するプログラムがリリースされました。Windows版(RudakTLM、
KE4AZN作)、JAVA版、DOS版(WOD2CSV)の3つがあります。
AMSAT-NAのサイトから入手できます。
http://www.amsat.org/amsat/ftpdelta.html
[from WD0E @amsat-bb]
AE4JY Moe氏によるテレメトリデコードソフト AO40Rcv のVer1.40がリリー
スされています。
http://www.qsl.net/ae4jy/
[from AE4JY @amsat-bb]
W3PM/GM4YREによるAO-40回線計算のexcel用スプレッドシートがあります。
AO-40に搭載されている全送受信周波数での計算ができます。
以下のURLにて公開されています。
http://home.HiWAAY.net/~mmarcus/download/ao40v2.0.xls
[from W3PM GM4YRE @amsat-bb]
AO40 REPORT LOGGERサイトが立ち上がりました。AO-40のQRV情報などが掲
載されています。
http://www.artieda.net/hb9dri/ao40logger
[from HB9DRI @amsat-bb]
G6LVB Howardさんによりアップリンク/ダウンリンクの周波数早見表が作
られ公開されています。円盤にアップリンク周波数とダウンリンク周波数が
書き込まれ、MAを合わせると周波数が解るという優れものです。"oldtech"
と呼ばれていますが実用的です。
www.g6lvb.com/oldtech.htm
[from G6LVB @amsat-bb]
●AO-16
デジピータがオンになっています。Sバンドのビーコンは停止しています。
●AO-27
電源に余裕がないため、昼間のパスでのみトランスポンダがオンになりま
す。
運用スケジュールは次のとおりです。
TEPR 4=38
TEPR 5=78
衛星に日が当たり始めた19分後から20分間トランスポンダが動作します。
[from KM4NZ Chuck @amsat-bb]
●FO-20
夜間のパスでは、食によってUVC(Under Voltage Controler:バッテリの
過放電防止のため送信機への電源を遮断する)が動作し、送信が一時的に停
止します。
夜間は、食から抜けるパスの後半でトランスポンダが使えます。
●FO-29
以下のスケジュールで運用が予定されています。
2/1 - 12/3 アナログ
●KO-25
正常に運用しています。
●LO-19
CWビーコンがオンになっています。CWビーコンは12WPMのゆっくりとした
CWで約30秒毎に送信されています。
11月26日22時過ぎのパスでも強力なCWビーコンが聞こえていました。
●RS-12/13
RS-12のAモードが動作しています。
●RS-15
Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
がおこなわれている間だけオンになっているようです。
●UO-11
正常動作しています。
●UO-14
JモードのFMリピータの運用がおこなわれています。
11月24日には、パラオに移動していたJH6RTO/7L3TDU 福島さんによるT88F
Sの運用があったようです。
●UO-22
正常動作しています。
デジピータの運用もおこなわれています。デジピータのコールサインは、
UOSAT5 です。
●UO-36(UoSAT-12)
運用状態は不明です。
UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
http://www.sstl.co.uk/
▲TO-31(TMSAT-1)
管制局の可視範囲でのみ送信機をオンにしているようです。
●GO-32(TechSat-1B)
断続したビーコンが送信されているようです。
●SO-33(SedSat-1)
テレメトリを送信しているようです。テレメトリは、SGS20というソフト
でデコードすることができます。SGS20は、
http://uah.seds.org/projects/sedsat/SGS20Source.zip
から入手できます。
●OO-38(OPAL)
デジピータとして機能しているようです。周波数は、アップリンク、ダウ
ンリンク共に437.100MHzです。
●Tiungsat-1
運用をおこなっているようです。
★PCsat(Personal Communications Satellite)
食が1日に14回発生しており、電源事情が悪くなっています。
W3ADO-1 で運用しているときは、セーフモードであり、電源事情が悪化し
ている時です。W3ADO-1 をアクセスしないで下さい。
PCSAT-1 で運用しているときは、VIA APRSAT でデジピートできるようです。
PCsatは、ハンディ機およびモービルからに限っての運用がおこなわれて
います。
PCsatの情報は以下のサイトから得られます。
http://web.usna.navy.mil/~bruninga/pcsat.html
★ISS
11月23日2231-2241JSTに入間市児童センター(JK1ZAM)が国内初のスクー
ルコンタクトに成功しました。
小学生から高校生の14名が順番に質問し、ISSの船長 Frankさんが答えら
れていました。心配していた混信もなく、受信状態は非常にクリアでした。
ISSからのダウンリンクは、日本中で良好に受信されていたようです。
この成功を機に日本でも多くのスクールコンタクトがおこなわれるように
なれば喜ばしいことです。
当日の様子は、QSOのコントローラを務めた7M2MJM 江成さんのページで
公開されています。
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/enari/ariss/contens5.htm
交信の音声ファイルが、
http://www.msnbc.com/news/505064.asp
で公開されています。
23日1947JSTからは、カナダのMcKenzie Public Schoolともスクールコン
タクトがおこなわれました。1日に2回のスクールコンタクトをおこなったの
は初めてのことと思われます。
コールサイン NOCALL でパケット(デジピータ)の運用がおこなわれて
います。
新しいTNCはまだセットアップされていないようです。新しいTNCには、
コールサイン RS0ISS が登録されています。セットアップをおこなう予定の
Frankさんは、12月には帰還してしまいます。セットアップする時間はある
のでろうか...。
デジピートに成功した局にはQSLが発行されます。
ISSへのアップリンク周波数でFMの運用ができるようにするための告示案
が10月25日付けで総務省から発表されました。30件を超えるパブリックコメ
ントがあったようです。
早ければ年内にISSとのFMでのQSOが解禁になるようです。総務省の動きに
注目しましょう。
第3次搭乗員は、Frank Culbertsonさん、Dezhurovさん、Turinさんの3名
で、FrankさんがKD5OPQのコールサインを持っています。第3次搭乗員は12月
までISSに滞在する予定です。
第4次搭乗員は、11月29日に打ち上げられるスペースシャトルSTS-108でISS
へ向かいます。第4次搭乗員は次の3名です。
Commander: Yuri Onufrienko(露)
Flight Engineer: Carl Walz(米)、Dan Bursch(米)
STS-108では、HFから2400MHzの新しいアンテナがISSへ運搬されます。新
しいアンテナは、第4次搭乗員が2002年に船外活動をおこない取り付ける予
定です。
ISSのアマチュア局のコールサインは次の通りです。
コールサイン:RZ3DZR、R0ISS、RS0ISS、NA1SS、DL0ISS
FM音声のアップリンク周波数は、日本ではバンドプランに合致しないため
対応が考えられています。当面は、FM音声のアップリンクはしないで下さい。
ARISSの情報は、以下のサイトから得られます。
http://ariss.gsfc.nasa.gov/
2.調整中の衛星
●SO-43(Starshine 3:Starshine OSCAR-43)
オスカーナンバーが付きました。Starshine OSCAR-43、略称 SO-43です。
145.825MHz、9600bpsでテレメトリを送信しています。テレメトリの送信
は、2分に1回です。
●Sapphire 3 (a joint Stanford/Washington Univ/USNA satellite)
11月14日2130JSTにビーコンを受信しました。437.100MHzで1分毎に短い無
変調信号を2度送信しており、信号は強力でした。北米からはディトーカや
パケットの運用あったとの報告もあります。
Sapphireの軌道要素は、jamsat-kepsで提供されるデータの中にありません。
少し古いですが、NORADのサイトにあった軌道要素を以下に添付します。
SAPPHIRE
1 26932U 01043D 01313.54871658 .00001243 00000-0 52480-3 0 366
2 26932 67.0560 14.7964 0005658 238.1051 121.9504 14.28833273 5786
▲KO-23
99年10月30日にOBCがリセットされ、未だ復旧していません。
少し前までは、変調の掛かった信号をが受信できましたが、9月9日22時過
ぎのパスでは何も信号が聞こえませんでした。
▲PO-34(PanSat)
スペクトラム拡散の運用が予定されていますが、未だ運用されていません。
PanSatの情報は以下のサイトから得られます。
http://www.sp.nps.navy.mil/pansat/
▲SAUDISAT-1A(SO-41)、SAUDISAT-1B(SO-42)
9月26日で打ち上げ1周年になりますが、打ち上げ当初、管制局による動作
確認がおこなわれた以外に何の状況報告もありません。
3.運用を停止している衛星
▲DO-17
▲WO-18
▲IO-26
▲WO-39(JAWSAT)
4.これから打ち上がる衛星
●Kolibri-2000 satellite
ロシアとオーストラリアが開発した衛星 Kolibri-2000 が2002年2月に打
ち上がる(放出される)予定です。
Kolibri-2000は、11月26日に打ち上げが予定されているロシアの運搬ロ
ケット プログレスのリモート打ち上げポートに装着され、ISSへ向かい、
2002年2月にプログレスから放出される予定です。
大気圏に再突入するまでの2-4ヶ月間、145.825MHzでテレメトリの送信と
デジトーカの運用をする予定です。
http://www.iki.rssi.ru/kollibri/mission1_e.htm
●CubeSat
東京工業大学等で開発している10cm立方のナノサテライト CubeSatが
2002年秋にロシアから打ち上げられる予定です。
アップリンク 2m、ダウンリンク 70cmが予定されています。
東工大CubeSatプロジェクト
http://horse.mes.titech.ac.jp/srtlssp/cubesat/index.html
東大CubeSatプロジェクト
http://www.space.t.u-tokyo.ac.jp/cubesat/index.html
5.衛星に関する情報
★マルコニー デー(Marconi Day) 2001 記念運用
1901年12月12日にマルコニーが大西洋横断通信(英国とカナダ ニュー
ファンドランド間)を成功させて今年で100年が経ちます。100周年を記念
してオーストラリアキャンベラのキャンベラ大学では、12月12日に4.5mの
ディッシュを使ってAO-40の運用を計画しています。
AO-40にQRVできる方は、12月12日にVK1の信号を探してみて下さい。
[VK1KEP @amsat-bb、ANS 327]
★アマチュア衛星誕生40周年
1961年12月12日 カリフォルニア州バンデンバーグにある米空軍基地から
オスカー1号が打ち上げられて今年で40周年を迎えます。オスカー1号は、大
きさ30x25x20cm、重さ4.5kgで、144.98MHzでCWのビーコン信号"HI"を出力
100mWで送信し、3週間軌道上で動作したそうです。
[参考 ANS 327、HAM Journal 47]
★日本科学未来館 衛星運用デモ
12月8、9日にお台場の日本科学未来館で衛星通信の展示、デモが計画さ
れています。デモは、8日1000-1900、9日1000-1700にFO-20/29、UO-14への
QRVを予定しています。お天気が良ければAO-40の運用もおこないます。
お近くの方は是非、会場へお起こし下さい。遠方の方は、当日 QSOのお相
手をお願いします。
参考
ANS、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト
JN1GKZ 新井
jn1gkz@jamsat.or.jp http://www.din.or.jp/~m-arai/