[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[jamsat-news:1605] SATINF#199 22 October 2001



衛星情報  SATINF#199   22 October 2001
                                                           JN1GKZ 新井


トピックス

◆ロシアとオーストラリアが開発した衛星 Kolibri-2000 が2002年2月にISSと
 ドッキングしたロシアの運搬船プログレスから放出される予定です。2mでテ
 レメトリの送信とデジトーカの運用をおこないます。



1.運用中の衛星

●AO-10
  状況は、その日によって異なり、不安定です。


●AO-40(P3D)
  トランスポンダ、RUDAKの運用がおこなわれています。

 運用スケジュール(予告無しに変更されることがあります)      9/19-
      MA    トランスポンダ   RUDAK   ビーコン
     0- 30       OFF          OFF      S2-MB
    30- 70     U/L1→S2       OFF      S2-MB
    70- 86       OFF          S2        OFF
    86- 87       OFF          S2       S2-MB
    87-118     U/L1→S2       OFF      S2-MB
   118-138     U/L2→S2/K     OFF      S2-MB
   138-220     U/L1→S2       OFF      S2-MB
   220-256       OFF          OFF      S2-MB

 ビーコン周波数(打ち上げ前の最終チェックで測定された周波数に実績を
 加筆。*は、打ち上げ後にアナウンスのあった実績のある周波数)
   BEACON    General Beacon  Middle Beacon   Engineering Beacon
   Vバンド          -           145.898MHz*          -
   Uバンド       435.438MHz     435.588MHz       435.838MHz 
   S1バンド     2400.188MHz    2400.338MHz      2400.588MHz 
   S2バンド     2401.168MHz    2401.323MHz*     2401.568MHz
   Xバンド     10450.975MHz   10451.125MHz     10451.375MHz 
   Kバンド     24047.885MHz   24048.035MHz     24048.285MHz 
   赤外レーザ                   360    THz

 アップリンク、ダウンリンク周波数
    ※MBに妨害を与えないこと。MBの±5kHzの範囲はダウンリンク禁止。
   S1バンドdown: 2400.225 - 2400.475 MHz
   S2バンドdown: 2401.210 - 2401.495 MHz
   L1バンドup: 1269.496 - 1269.211 MHz
   Uバンドup : 435.780 - 435.495 MHz
   RUDAK down: 2401.74MHz, 2401.85MHz

 姿勢
  10月2日の姿勢は、ALON/ALAT=355/1でした。マグネトルーキングをおこな
 い姿勢を ALON/ALAT=5/0にする作業がおこなわれているようです。

 食
  2002年6月まで毎オービットの近地点付近で食が発生します。

 軌道要素
  NORAD発表の軌道要素(jamsat-kepsで配信されているものも含む)のオー
 ビット番号は、実際より 1 少ない値になっていましたが、9月20日配信分か
 ら修正されました。
                                        [info from JF6BCC @jamsat-bb]

 トランスポンダ
  U/L1→S2/Kの運用がおこなわれています。

 IFマトリックス
  正常に動作しています。
  接続の誤動作が何度か起きていますが、MUX出力(IHU-1の制御/監視ユニッ
 ト)の切り替えタイミングの問題だと考えられています。切り替えタイミン
 グの調整によってこの問題は解決できるようです。

 S1バンド送信機
  8月13日に突然停止しました。8月20日に試験をおこなったところ、送信機
 に電流が流れず、RF出力、温度上昇も確認できなかったそうです。

 Vバンド送信機
  2000年12月の事故以来停止しています。
  8月20日に試験がおこなわれました。V送信機をオンにすると電流が流れ、
 RF出力があることが確認されていますが、衛星からの信号は確認できていま
 せん。高利得アンテナと送信機とを接続するリレーに問題が考えられ、リレー
 のオン/オフ動作運動をおこないました。その後の状況報告はありません。

 Kバンド送信機
  9月9日に動作が確認されました。現在、スケジュールに組み込まれて運用
 されています。
  日本ではKバンドの受信に成功されている方は次の方々です(jamsat-bbで
 確認分)。
    JA1AUH 後藤さん、JH1UGF 槇岡さん、JA1ATI 逸見さん、
    JA1DWO 鈴木さん、JA1KVN 武藤さん、JA6LXR 長屋さん、
    JI5MFZ 吉田さん

 Xバンド送信機、Cバンド受信機
  5月に試験がおこなわれましたが、動作が確認されていません。

 RUDAK
  RUDAK-A、Bの試験が継続しておこなわれています。

 SCOPE
  カメラ-A(狭角)、カメラ-B(広角)共に正常動作が確認されています。
  8月7日 オービット #354にてカメラ-Bを使って地球の撮影に成功しました。
 画像は、JAMSATのサイトで公開されています。
    http://www.jamsat.or.jp/

 GPS
  搭載している2台のGPS受信機が動作しています。GPS衛星が作る「輪」の
 外で位置データを取得することができるかどうかの実験がおこなわれています。

 LEILA
  正常動作が確認されました。時々、無信号の周波数に現れることがあり
 ます。

 YACE
  正常動作が確認されており、姿勢の確認に使われています。

 モーメンタム・ホイール
  試験が始まり、今のところ、問題は無いようです。3軸制御までには確認
 する事項がまだまだあり、直ぐには移行しません。

 アークジェットモータ
  オービット#295から#301までアンモニアガスの噴射のみでの運用がおこな
 われました(アーク放電なし)。オービット#302からアンモニアガスが噴射
 されなくなり、運用を終えました。搭載していたアンモニアガスを使い果た
 してしまったと考えられています。
  モーメンタム ホイールの試験で燃料の残量の確認が試みられています。

  AO-40のテレメトリデータがamsatのサイトで公開されています。
    http://www.amsat.org/amsat/ftp/telemetry/ao40/
  P3Tでデコードしたテレメトリデータを ao40-archive@amsat.org へZIP形
 式の添付ファイルとして送付するように求めています。
                                            [from VP9MU Pau @amsat-bb]

  RUDAKのWOD(Whole Orbit Data)テレメトリファイルをCSV形式のファイ
 ルに変換するプログラムがリリースされました。Windows版(RudakTLM、
 KE4AZN作)、JAVA版、DOS版(WOD2CSV)の3つがあります。
  AMSAT-NAのサイトから入手できます。
    http://www.amsat.org/amsat/ftpdelta.html
                                                 [from WD0E @amsat-bb]

  AE4JY Moe氏によるテレメトリデコードソフト AO40Rcv のVer1.40がリリー
 スされました。Moe氏は別のソフト開発に注力したいとのことから、AO40Rcv
 は、今回のバージョンが最終版になるそうです。ただし、開発を継続してく
 れる方があれば、ソースを公開するので、プログラムの改善をして欲しい旨
 伝えています。興味のある方は、Moe氏とコンタクトされて下さい。
    http://www.qsl.net/ae4jy/
                                                [from AE4JY @amsat-bb]

  W3PM/GM4YREによるAO-40回線計算のexcel用スプレッドシートがあります。
 AO-40に搭載されている全送受信周波数での計算ができます。
  以下のURLにて公開されています。
    http://home.HiWAAY.net/~mmarcus/download/ao40v2.0.xls
                                          [from W3PM GM4YRE @amsat-bb]

  AO40 REPORT LOGGERサイトが立ち上がりました。AO-40のQRV情報などが掲
 載されています。
    http://www.artieda.net/hb9dri/ao40logger
                                               [from HB9DRI @amsat-bb]

  G6LVB Howardさんによりアップリンク/ダウンリンクの周波数早見表が作
 られ公開されています。円盤にアップリンク周波数とダウンリンク周波数が
 書き込まれ、MAを合わせると周波数が解るという優れものです。"oldtech"
 と呼ばれていますが実用的です。
    www.g6lvb.com/oldtech.htm 
                                                [from G6LVB @amsat-bb]


●AO-16
  デジピータがオンになっています。Sバンドのビーコンは停止しています。


●AO-27
  電源に余裕がないため、昼間のパスでのみトランスポンダがオンになりま
 す。
  運用スケジュールは次のとおりです。
    TEPR 4=38
    TEPR 5=78
 衛星に日が当たり始めた19分後から20分間トランスポンダが動作します。
                                          [from KM4NZ Chuck @amsat-bb]


●FO-20
  夜間のパスでは、食によってUVC(Under Voltage Controler:バッテリの
 過放電防止のため送信機への電源を遮断する)が動作し、送信が一時的に停
 止します。
  夜間は、食から抜けるパスの後半でトランスポンダが使えます。


●FO-29
  以下のスケジュールで運用が予定されています。
    2/1 - 12/3 アナログ


●KO-25
  正常に運用しています。


●LO-19
  CWビーコンがオンになっています。CWビーコンは12WPMのゆっくりとした
 CWで約30秒毎に送信されています。


●RS-12/13
  RS-12のAモードが動作しています。


●RS-15
  Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
 2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
 がおこなわれている間だけオンになっているようです。


●UO-11
  正常動作しています。


●UO-14
  JモードのFMリピータの運用がおこなわれています。


●UO-22
  正常動作しています。
  デジピータの運用もおこなわれています。デジピータのコールサインは、
 UOSAT5 です。


●UO-36(UoSAT-12)
  運用状態は不明です。

  UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sstl.co.uk/


▲TO-31(TMSAT-1)
  管制局の可視範囲でのみ送信機をオンにしているようです。


●GO-32(TechSat-1B)
  断続したビーコンが送信されているようです。


●SO-33(SedSat-1)
  テレメトリを送信しているようです。テレメトリは、SGS20というソフト
 でデコードすることができます。SGS20は、
    http://uah.seds.org/projects/sedsat/SGS20Source.zip
 から入手できます。


●OO-38(OPAL)
  デジピータとして機能しているようです。周波数は、アップリンク、ダウ
 ンリンク共に437.100MHzです。


●Tiungsat-1
  運用をおこなっているようです。


●PCsat(Personal Communications Satellite)
  試験のためか、頻繁にリセットが掛けられ、モードが変更になっている
 ようです。
  PCsatは、ハンディ機およびモービルからに限っての運用がおこなわれて
 います。

  9月24日0932zに発生した巨大太陽フレアの影響でプロトンフラックス値が
 上昇し、打ち上げは延期になっていましたが、9月30日11時40分2秒JSTにア
 ラスカのKodiacからLockheed Martin Athenaで打ち上げられました。

  PCsatの情報は以下のサイトから得られます。
    http://web.usna.navy.mil/~bruninga/pcsat.html


★ISS
  10月15日頃からFrankさんがNA1SSのコールサインで音声による運用を始め
 ました。北米、欧州、豪州上空でアクティブなようです。
  コールサイン NOCALL でパケット(デジピータ)の運用がおこなわれて
 います。

  新しいTNCはまだセットアップされていないようです。新しいTNCには、
 コールサイン RS0ISS が登録されています。
  デジピートに成功した局にはQSLが発行されます。日本からのQSLマネー
 ジャは現在、検討中です。ARRL等へQSLは送付しないで下さい。

  新しいアンテナ(HF、VHF、UHF、Lバンド、Sバンド)がジョンソン スペー
 スセンターに送られました。9月18日には最終的な安全確認のレビューがお
 こなわれたようです。
  このアンテナは、11月29日に打ち上げ予定のSTS-108によってISSへ運ばれ
 ます。ISSのサービスモジュールに取り付けが予定されていますが、取り付
 けられるのは2002年になってからです。
                                                 [from JH2PRZ、KA3HDO]

  第3次搭乗員は、Frank Culbertsonさん、Dezhurovさん、Turinさんの3名
 で、FrankさんがKD5OPQのコールサインを持っています。第3次搭乗員は12月
 までISSに滞在する予定です。

  ISSのアマチュア局のコールサインは次の通りです。
   コールサイン:RZ3DZR、R0ISS、RS0ISS、NA1SS、DL0ISS

  FM音声のアップリンク周波数は、日本ではバンドプランに合致しないため
 対応が考えられています。当面は、FM音声のアップリンクはしないで下さい。

  ARISSの情報は、以下のサイトから得られます。
    http://ariss.gsfc.nasa.gov/



2.調整中の衛星
●Starshine (a mirror ball for visual sighting)
  PCsatと同時に打ち上がり、動作が確認されました。
  145.825MHz、9600bpsでテレメトリを送信しています。テレメトリの送信
 は、2分に1回です。


●Sapphire 3 (a joint Stanford/Washington Univ/USNA satellite)
  受信レポートは、ほとんどありませんが、動作が確認されています。周波
 数は、437.100MHzです。

  1分毎に1秒間のキャリア信号、デジトーカの受信報告があります。


▲KO-23
  99年10月30日にOBCがリセットされ、未だ復旧していません。

  少し前までは、変調の掛かった信号をが受信できましたが、9月9日22時過
 ぎのパスでは何も信号が聞こえませんでした。


▲PO-34(PanSat)
  スペクトラム拡散の運用が予定されていますが、未だ運用されていません。
  PanSatの情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sp.nps.navy.mil/pansat/


▲SAUDISAT-1A(SO-41)、SAUDISAT-1B(SO-42)
  9月26日で打ち上げ1周年になりますが、打ち上げ当初、管制局による動作
 確認がおこなわれた以外に何の状況報告もありません。



3.運用を停止している衛星
▲DO-17


▲WO-18


▲IO-26


▲WO-39(JAWSAT)



4.これから打ち上がる衛星

★Kolibri-2000 satellite
  ロシアとオーストラリアが開発した衛星 Kolibri-2000 が2002年2月に打
 ち上がる(放出される)予定です。
  Kolibri-2000は、11月26日に打ち上げが予定されているロシアの運搬ロ
 ケット プログレスのリモート打ち上げポートに装着され、ISSへ向かい、
 2002年2月にプログレスから放出される予定です。
  大気圏に再突入するまでの2-4ヶ月間、145.825MHzでテレメトリの送信と
 デジトーカの運用をする予定です。

    http://www.iki.rssi.ru/kollibri/mission1_e.htm


●CubeSat
  東京工業大学等で開発している10cm立方のナノサテライト CubeSatが
 2002年5月にロシアから打ち上げられる予定です。
  アップリンク 145.835MHz、ダウンリンク 437.450-437.500MHzが予定され
 ています。
   東工大CubeSatプロジェクト
    http://horse.mes.titech.ac.jp/srtlssp/cubesat/index.html
   東大CubeSatプロジェクト
    http://www.space.t.u-tokyo.ac.jp/cubesat/index.html



5.衛星に関する情報

★QuikTrack Ver1.52
  クイックトラックのVer1.52がベータリリースされました。
  LAT/LONの入力フォーマットの変更がなされています。Ver1.51を1.52へ変
 更するファイルが以下のサイトで公開されています。
    http://www.amsat.org/amsat/instanttrack/beta.html


★マルタからAO-40を運用
  ドレークコンバータの改造等で知られるG0MRF Davidさんら Whitton
 Amateur Radio Group の5名は10月23日から30日までマルタ島からAO-40にQRV
 する予定です。目的はCQ-WW SSBコンテストへの参加ですが、その時間の合
 間を縫ってAO-40にもQRVされるようです。
  日本とのパスはできるだけ運用するとのことですので、窓があるときは探
 してみて下さい。コールサインは 9H0WW が予定されています。
                                        [from JH7IMX @jamsat-bb、ANS]


★8J7MGK/7 衛星運用
  第56回 国民体育大会(みやぎ国体)、第1回全国障害者スポーツ大会の記
 念局 8J7MGK が10月27、28日に仙台市青葉区の仙台電波工業高等専門学校か
 ら衛星の運用をおこないます。AO-40を中心に低軌道衛星への運用も検討され
 ています。
                                              [from JH7IMX @jamsat-bb]


★ミーティング
  10月下旬から11月上旬に掛けて各地でミーティング、イベントが予定され
 ています。JAMSAT会員以外の方の参加もokです。

 JAMSAT東京ミーティング
  日時:10月27日(土)1400-1700
  場所:労働スクエア東京 603会議室
      東京都中央区新富1-13-14
      TEL 03-3552-9131
  交通:地下鉄 日比谷線・JR京葉線/八丁堀駅 A3出口すぐ(徒歩2分)
     地下鉄 有楽町線/新富町駅・・・・・・・・・徒歩5分
  参加費:500円

 JAMSAT南東北エリアミーティング
  日時:10月27日(土)、28日(日)
      上記の8J7MGK/7の運用と合わせて 学校は文化祭中
  場所:仙台電波工業高等専門学校
      宮城県仙台市青葉区上愛子字北原1番地 TEL:022-391-5508
      6号棟3階(脇山研究室)
  交通:JR「仙台駅」から仙山線に乗車約25分、「愛子駅」下車、徒歩約15分
     仙台市営バス「仙台駅前」から作並温泉、定義、白沢車庫ゆきに乗車
     約35分、「電波高専前」下車、徒歩5分
  参加費:一般 1000円、学生 500円

 JAMSAT京都ミーティング
  日時:10月28日(日) 1400-1700
  場所:JR京都駅八条口前 アバンティ9F 会議室

 京都府ハムの集い  展示
  日時:11月4日(日)1000-1400
  場所:船井郡日吉町 スプリング日吉キャンプサイト
  詳細はJARL NEWS等で確認下さい

 JAMSAT西九州(武雄)ミーティング
  日時:11月11日(日) 1400-1700
  場所:佐賀県立宇宙科学館
      佐賀県武雄市武雄町永島16351
      TEL:0954-20-1666 FAX:0954-20-1620
      http://www.saga-ecf.or.jp
  参加費:なし ただし、入館料が必要 大人500円
  問い合わせ先:JA3GEP 毛利さん  ja3gep@jamsat.or.jp



参考
 ANS、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト

JN1GKZ 新井
   jn1gkz@jamsat.or.jp     http://www.din.or.jp/~m-arai/