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[jamsat-news:1521] AO-40: アークジェット噴射の続報


皆様、

AO-40コマンド・チームのDB2OS Peter Guelzow
から、アークジェットの噴射について続報がありました。

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オービット296周回のMA118-135の約1時間にわたって
アークジェットの噴射(ガスのみ)を行いました。

ATOSに電力を振り向けるため、MA100-180でS2送信機は
OFFとなります。アンモニアのガス発生器はサーモスタットで
ON/OFFされて120Wから130Wの電力を消費します。

IHU-2の運転を行ってテレメトリを取得し、約2.5日分の有意な
データをサーキュラ・バッファに蓄積しています。今回の一時間
の噴射に関してテレメトリをダウンロードしたところ、電力の
収支はプラス(発電が消費を上回る)であり、全ては正常の
ようです。

296周回での噴射はMA121.4に始まり、3618秒間で終了しました。
この噴射による加速度は、54E-6 m/s^2 と推定しています。加速度
の方向は、ALON/ALAT=274/-2(現在の衛星姿勢)です。

不確定要素はあるものの、今回の噴射で期待していた結果は
次のようなものでした。

                     噴射前            噴射後
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  Epoch year            2001              2001
  Epoch time       173.12145         173.16312
  Inclination         5.2833         5.2833592
  R.A.A.N          180.71591         180.70361
  Eccentricity      0.815077         0.8150139
  Arg perigee      288.69088         288.71333
  Mean Anomaly         121.4         140.46836
  Mean motion MM   1.2711484         1.2710861
  Revolution             296               296
  SMA                36003.6         36004.773

  Perigee height     279.754          282.2427    <<<  +2.5 km
  Apogee height    58971.166         58971.024
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一時間の噴射によって近地点高度が約2.5km高くなるもの
でしたが、噴射率としては50%を想定していました。

全てが上手くいったので、2時間の噴射を297周回の遠地点付近で
開始し、続く3周回にわたって同様に噴射するように、AO-40の搭載
コンピュータが設定されました。

最初の2時間の噴射は297周回のMA142で、すなわち2001年6月
23日の0154UTCに停止しました。今回も全てのテレメトリが正常
であり、ほどなく噴射時間を4時間まで延長する予定です。また、
噴射のレベルも同様に増加させるでしょう。

最新のNORADの軌道データをまだ見ていませんが、軌道変更
の兆候がまもなく現れてくるはずです。

ここまでのATOS(Arcjet Thruster on OSCAR Satellite) の成功に
AO-40チームの全員がひじょうにハッピィです。

ATOSに関する更なる情報は次のURLで得ることができます。

http://www.irs.uni-stuttgart.de/RESEARCH/EL_PROP/PROJ/e_atos.html

AO-40チームを代表して、
best 73s
 Peter DB2OS
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JAMSAT SCOPE プロジェクトチーム
武安
ja6xkq@jamsat.or.jp