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[jamsat-news:1312] SATINF#173 6 August 2000



衛星情報  SATINF#173   6 August 2000


1.運用中の衛星

●AO-10
  姿勢安定化のためのスピンが止まってしまい、姿勢がふらついているもの
 と思われます。そのため、状態はその日によって違います。ビーコンを受信
 し、状態を把握してQSOに望むと良いと思います。

  QSBがあるものの、近地点付近では強いダウンリンクが帰ってきています。
  8月5日は近地点通過後、LOS間際に仰角1℃以下で北米とQSOができました。


●RS-12/13
  RS-13がKAモードで運用しています。北米では盛んに使われていますが、
 日本ではほとんどアクティビティがありません。


●RS-15
  Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
 2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
 がおこなわれている間だけオンになっています。


●FO-20
  一時聞こえなくなったビーコンですが、再び聞こえるようになりました。
  トランスポンダは良好に動作しています。


●FO-29
  リクエストが多いようで、夏休みの間はデジトーカの運用が続きます。

  今後のスケジュールは次の通りです。
    7/20 - 8/31 デジトーカ
           (水曜日は状態確認のためアナログモードで運用)


◎AO-27
  ソフトウエアのアップロードがおこなわれており、一時的にトランスポン
 ダの運用が停止しています。今週中には運用が再開されるものと思われます。
                    [from JO2OXL @jamsat-bb、KM4NZ]

  日照時間帯はトラポンがオンになります。
  7月26日にスケジュールが変更されました。新しいスケジュールは
    TEPR 4=46
    TEPR 5=82
 です。衛星に日が当たり始めた23分後から18分間トランスポンダが動作しま
 す。
                     [from KM4NZ Chuck @amsat-bb]


●AO-16
  RBBSは再開されていませんが、デジピータがオンになっています。
  Sバンドの運用は停止しています。


●LU-19
  CWビーコンがオンになっています。CWビーコンは12WPMのゆっくりとした
 CWで約30秒毎に送信されています。テレメトリの解読は、SATINF#159 16
 January 2000を参照してください。

  8月5日22時過ぎのパスではCWのビーコンが聞こえましたが、PSKの信号は
 聞こえませんでした。


●UO-11
  正常動作しているようです。


●UO-14
  アマチュアバンドに復帰し、JモードのFMリピータの運用がおこなわれて
 います。


●UO-22
  全日照に入り、温度上昇を抑えるために衛星の姿勢を変えました。このた
 め、アンテナが地球に向かなくなり、ダウンリンクは弱くなっているようで
 す。


●KO-23
  食の時間が長くなり、電源事情が悪化し、運用が不安定になっています。


●KO-25
  正常運用しています。


●IO-26
  デジピータがオンになっています。


●TO-31(TMSAT-1)
  BBSへの書き込みはできませんが、ディレクトリ、テレメトリデータ、CCD
 カメラの画像データのダウンロードが可能です。


●GO-32(TechSat-1B)
  断続したビーコンが送信されているようです。


●SO-33(SedSat-1)
  現在までに管制局のアラバマ大学では18000行のテレメトリデータを収集
 しており、以下のサイトで公開しています。
    http://uah.seds.org/projects/sedsat/
  これらのデータは、太陽電池パネルやバッテリの解析などに有効に機能
 しています。管制局では今後ともテレメトリデータの収集に協力してほし
 い旨伝えています。
  テレメトリはSGS20というソフトでデコードします。SGS20は、
    http://uah.seds.org/projects/sedsat/SGS20Source.zip
 から入手できます。
  テレメトリがデコードできたら管制局 telemetry@seds.org へレポー
 トして下さい。


●SO-35(SunSat)
  FMトランスポンダがJモード(up:145.825MHz/down:436.250MHz)で動作し
 ています。
  8月13日までの日本上空でのFMトランスポンダの運用スケジュールは次の
 ように発表されています。
   8/ 7 1856-1910  JST
   8/ 8 1816-1830
   8/ 9 1736-1750
   8/10 1835-1849
   8/11 1755-1809
   8/12 1854-1908
   8/13 1813-1827

  FMトランスポンダが動作していない時間は、デジピータとして動作してい
 るようです。デジピータの周波数は、
    up:145.825MHz 1200bps,145.900MHz 9600bps
    down:436.250MHz 9600bps
 です。

  デジピート用のコールサインは SUNSAT-*(*はSSID。SSIDは何番でもok)
 で、デジピートするには、unprotoを
   UNPROTO  CQ VIA SUNSAT-3
 のように設定し、CONVERSモード(convコマンドまたはkコマンドを実行)
 で送信すると信号がデジピートされます。

  SunSatの情報は、次のweb siteから得られます。
    http://sunsat.ee.sun.ac.za
    http://esl.ee.sun.ac.za
    http://www.jamsat.or.jp/oscar/sunsat/mirror/



2.調整中の衛星

▲SNAP-1
  Sバンドの送信機を搭載したアマチュア衛星 SNAP-1が6月28日1037zに
 Cosmos 3Mロケットによって打ち上げられましたが、6月29にコマンド局がテ
 レメトリを確認したという報告以外、何も情報がありません。


▲PO-34(PanSat)
  スペクトラム拡散の運用が予定されていますが、未だ運用されていません。
  PanSatの情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sp.nps.navy.mil/pansat/


●UO-36(UoSAT-12)
  437.400MHzで38.4Kbpsの信号を送信しているようです。

  AMSAT-UKコロキュームが開催された7月29日に英国上空でSバンドのダウン
 リンクをオンにし、会場でON6UGが1mのディッシュを使い、Sバンド受信のデ
 モをおこなったそうです。

  UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sstl.co.uk/



3.運用を停止している衛星

▲MIR
  搭乗員は6月16日にMIRを離れ、無人状態になっており、アマチュア局の運
 用は停止しています。
  新しい搭乗員が乗り組むのは、11月が予定されています。


▲DO-17


▲WO-18


▲WO-39(JAWSAT)



4.これから打ち上がる衛星

◎P3D
  7月25日に予定されていたアリアン506の打ち上げはロケットの問題で延期
 されましたが、9月15日に打ち上げ予定日が設定されたようです。また、年
 内の打ち上げは予定通りにおこなうとの発表がアリアンスペースからあった
 ようです。詳細は以下をご覧ください。
   http://www.space.com/businesstechnology/business/arianespace_mondale_000801.html
                      [from N9AVG Jeff @amsat-bb]

  AMSAT-UKコロキュームでP3Dの打ち上げは10月31日であり、打ち上げキャ
 ンペーンを9月11日から始めると発表があったようですが、AMSAT-NA、DLか
 らの正式な発表はありません。
                    [from G3RWL Richard @amsat-bb]

  アリアンスペース打ち上げ予定
   打ち上げロケット   ペイロード              打上予定/結果
   ---------------------------------------------------------
   V128  Ariane 505   AsiaStar, Insat 3B      3/21 成功
   V129  Ariane 42L   Galaxy 4R               4/19 成功
   V130  Ariane 506   Astra 2B, GE-7          9/15
   V131  Ariane 44LP  Europe*Star             8/?
              or 44L
   V132  Ariane 507   AMSAT P3-D, PAS-1R,     10/31? 11/9?
                      STRV-1C/1D

  最終的にP3Dに搭載されるトラスポンダの周波数帯が次のように発表され
 ました。トランスポンダの組み合わせを示すモードは、バンド毎に定義され
 ている文字を[アップリンクの周波数帯][ダウンリンクの周波数帯]の順
 に並べて2文字で表現します。
   例:従来のBモード
       → P3Dでは UV(アップリンク 435MHz、ダウンリンク 145MHz)
     従来のSモード
       → P3Dでは US(アップリンク 435MHz、ダウンリンク 2.4GHz)

    文字   周波数   備考
    ----------------------------------------------------------------
     T     21 MHz   アップリンクのみ
     H     24 MHz   アップリンクのみ
     V    145 MHz   アップリンク、ダウンリンク
     U    435 MHz   アップリンク、ダウンリンク
     L    1.2 GHz   アップリンクのみ2バンド
     S    2.4 GHz   アップリンク、ダウンリンク 各2バンド
     C    5.6 GHz   アップリンクのみ
     X     10 GHz   ダウンリンクのみ
     K     24 GHz   ダウンリンクのみ

  予定されていた29MHz帯は、制作が間に合わず搭載を見送りました。

  他にレーザのダウンリンクがあります。レーザは、波長835nm(周波数
 360THz) ピーク出力500mW(平均値250mW)で1600Hzのオーディオ信号と
 400bpsのテレメトリを送信することができます。1600Hz信号のオン/オフで
 CWの送信も可能です。


◎ISS
  7月12日にロシアが打ち上げたZvezdaモジュールは、7月26日0044zにISSと
 ドッキングに成功しました。これでISSはZarya、Unity、Zvezdaの3つのモ
 ジュールがつながり、長さ36.6m(120フィート)になりました。ZvezdaはISS
 搭乗員の居住棟になります。ZvezdaにはARISS用のアンテナケーブルを引き
 込む口が4つ設けてあるそうです。

  ARISSのイニシャル局の設備は、9月8日打ち上げ予定のSTS-106 スペース
 シャトル アトランティスによってISSへ運ばれる予定です。
  イニシャル局は、2mと70cmのエリクソン製ハンディ機(出力5〜6W)、
 Paccom製ピコパケットTNC、David Clark製特性ヘッドセットなどから構成さ
 れます。これらの設備は、最終チェックを終え、打ち上げを待つばかりになっ
 ています。
  アンテナは、イタリア、ロシア、米国のチームで開発を完了していますが、
 ISSへの取り付けは2001年後半まで取り付けることができない状況です。しか
 し、幸いにもZaryaに2mのアンテナが設置してあるので、当面はこのアンテナ
 を使って運用をおこなうようです。
  ARISSの運用はISSが有人化となる10月30日以降からの予定です。

  ARISSのコールサインは、ITUに対して発給を要求していますが、各国で取
 得する動きもあります。今般、ロシアに続いてドイツがコールサインを取得
 したとの報告がありました。
   ロシア:RZ3DZR
   ドイツ:DL0ISS
   米国:申請中


◎SAUDISAT-1A、SAUDISAT-1B、Tiungsat-1
  8月25日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地より次のアマチュア衛星
 が3機同時に打ち上げられます。アマチュア衛星ではないようですが、
 DNEPR-1という衛星も同時に打ち上がるようです。

 SAUDISAT-1A、SAUDISAT-1B
  サウジアラビア初のアマチュア衛星。Pacsatと同一プロトコルの9600bps
 のデジタルモードとFMトランスポンダを持っているようです。ダウンリンク
 は次のように発表されています。アップリンク周波数は2mですが、打ち上げ
 後に公表される予定です。
    SAUDISAT-1A:437.075MHz
    SAUDISAT-1B:436.775MHz
                  [from Dr. Turki Al Saud @amsat-bb]

 Tiungsat-1(マレーシアのムクドリの意味)
  マレーシア初のアマチュア衛星。Astronautic Technology (M) Sdn. Bhd.
 (ATSB) とSurrey Satellite Technology Ltd. (SSTL)との共同開発。衛星の
 仕様は以下のとおりです。
   大きさ:690 x 390 x 360 mm
   重量:50kg(筐体35kg、ペイロード15kg)
   太陽電池:GaAs製 35W(max)
   搭載機能:マルチスペクトラム画像システム
          (MSEIS:Multi-Spectral Earth Imaging System)
        気象画像システム
          (MEIS:Meteorological Earth Imaging system)
        RBBS
   高度:645.1km(遠地点)、639.7km(近地点)
   軌道傾斜角:65〜67℃
   データ伝送速度:9600bps、38.4Kbps、76.8Kbps FSK
   アップリンク周波数:144.46、145.85、145.86MHz
   ダウンリンク周波数:437.300、437.325、437.350、437.375MHz
   アンテナ:4モノポール ゲイン0dBi、無指向性
                    [from 9M2SS Sangat @amsat-bb]


5.衛星に関する情報

★ハムフェア2000
  8月18日から20日まで、パシフィコ横浜でハムフェアが開催されます。今
 年もJAMSATはブースを出展しますので、お越しの際にはお立ち寄りください。
  また、衛星通信PRの一環として、ハンディ機と簡単なアンテナを使って
 FO-29のデジトーカの公開受信を次の時間に予定しています。公開受信参加
 者の受信レポートに対して、JARLからベリカードが発行される予定です。み
 なさまの参加(特に興味を持っているが難しいのではと考えている方。勿論
 ベテランも歓迎)をお待ちしています。詳細はJAMSATのブースで確認ください。
    FO-29 デジトーカ 公開受信予定
      8/18 1130-1141 JST のパス
      8/19 1033-1048
      8/20 1125-1138


★T88 パラオ
  JA6BX 江崎さんとJR6NVG 山下さんは、8月6日から10日までパラオに滞在
 され、HF、6m、衛星の運用をする予定です。衛星はSO-35、UO-14、AO-27、
 FO-20にQRVされる予定です。目的はDXペディションではなく、また、現地の
 都合もあるので、すべてのオービットにQRVされる訳ではないことをご承知
 ください。
  QSL infoは次の通りです。
    T88VG : Home call JR6NVG
    T88BX : Home call JA6BX


★衛星の位置計算プログラム CALSAT32
  JR1HUO 相田さんによる衛星の位置計算プログラム CALSAT32 がリリース
 されました。
  CALSAT32は、PC-9801用であったCALSAT98のWINDOWS版でWindows95/98/
 NT4.0/2000上で動作します。
  プログラムは、以下より入手できます(ファイルサイズは1.9M)
    http://homepage1.nifty.com/aida/Satellite.htm


★AMSAT-UK コロキューム
  7月29、30日に開催されたAMSAT-UKコロキュームの画像が以下のサイトで
 公開されています。
    http://www.uk.amsat.org/colloquium/colpix00.htm
                    [from G3RWL Richard @amsat-bb]



参考
 ANS、SpaceNews、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト

JN1GKZ 新井
   jn1gkz@jamsat.or.jp     http://www.din.or.jp/~m-arai/