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[jamsat-bb:13842] W0LMDパッチの作り方和訳(Re: 本日07/30の…)


JF6BCC 今石です。

At 2003/07/30 23:39:07 Yoshihiro Imaishi 今石良寛 wrote:
>   で、AMSAT-BB の記事を見てましたら、6月末〜7月頭あたりに、W0LMD Robert
> のサイトで、マルチバンド LHCP パッチフィードの製作記事があると紹介さ
> れていました。文中、寸法データの pdf ファイルへのリンクも張られていま
> す。
> 
> Dual Band Patch S & L
> http://www.ultimatecharger.com/Dish_Feed_SL.html

  と、7/30 の日記で、W0LMD の S/L 2バンドパッチフィードの紹介をしま
したが、英文の作成記事とわずかな写真だけではイメージがしにくいと思っ
て、少しずつ和訳 (と言っても、適当な意訳) を進めていました。とりあえ
ず、意味の通じる (^^;) ものができたので、紹介しておきます。
  原文はインチ表示なので、1インチ 25.4mm で換算してミリ表示に直して
います。また、ボルトやナットの規格番号等は、同等のものが日本で手に入
るわけでは無いので、それらについて言及している部分は適当に書き換えま
した。調整に関する部分も状況に左右されるため省略してあります。実際に
作成される方は、入手可能な部品を使って、寸法などを再検討してください。

# このテキトー和訳文だけ見て作って失敗しても、責任とりません。

- - - - -
S/L2バンド同軸配置バッチフィードの作り方 by W0LMD
          適当要約意訳バージョン by JF6BCC

情報元 (紹介許可済)
http://www.ultimatecharger.com/
原文記事
http://www.ultimatecharger.com/Dish_Feed_SL.html

(1) 4枚の金属円盤を切り出します。1枚は 2401MHz パッチにする最も小さい
  もので、一番前方に配置しますが、これはハンダづけができるように 0.8mm
  厚の真鍮板を使います (1.6mm 厚の方がタップを立て易いでしょう)。その他
  の3枚は 1.6mm 厚のアルミ板で、1296MHz 反射板は直径 168.3mm、1296MHz
  パッチは直径 111.1mm、2401MHz 反射板は直径 88.9mm にします。最後に
  2401MHz のパッチ用真鍮板を直径 60.3mm に切りぬきます。
    私は近くの金物屋で金属素材を購入して加工しましたが、材料にスープの
  空き缶を使ってもいいでしょう。ただし、それだとタップが切りにくいかと
  思います。

(2) 切り出した4枚の円盤の中央に、4.7mm ドリルで貫通穴を開けます。その
  貫通穴に 45mm 長の 4.5mm ボルト&ナットを通して、4枚の金属板をひと
  つにまとめます。
    真鍮板の中心から 17.5mm の位置に印をつけます。ここは 2401MHz パッ
  チの給電コネクタが接続され、またそれより大きい穴を他の3枚のアルミ板
  に開ける場所になります。
    4枚がしっかり固定されているのを確認したら、印をした個所にドリルを
  当てて貫通穴を開けましょう。その後、貫通ボルトを外して分解した上で、
  4枚の金属板のいずれか片方の面に "UP(上)"、反対側に "DOWN(下)" と書
  いておきましょう。

(3) 2401MHz パッチを加工します。給電点の貫通穴を 3.1mm 径に広げます。
  また、その位置から時計回りに 12.7mm 円周上を進んだ位置に、同じく 3.1mm
  径の穴を、金属面と綺麗に垂直に開け、3mm ネジ用のタップを切ります。
  そして下側から 12mm 長の 3mm 皿ネジを通し、反射面からネジの頭が約
  3mm ほど浮いている状態にして、上側にナットをつけ手で固く締め込みま
  す。このネジを調整して、受信中に信号がもっとも安定して良好に受かる
  ようにします。

(4) 2401MHz 反射板を加工します。給電点にはNのメスコネクタを使用しま
  す。通常の 19mm 長版のコネクタだと、ダウンコンバータを直結するのに
  ちょっと不足すると思います。
    給電点の穴は中心ピンとのクリアランス確保のため 9.5mm 径に広げまし
  ょう。使用するコネクタによっては 13mm 径まで広げないといけないかも
  知れません。コネクタを取り付ける4つの穴は、反射板の外周に対して外
  側になる2個の穴が並行になるように開けて下さい。コネクタは下側から
  取り付け、上側から皿ネジで固定しますので、ネジ頭部分が金属板と平面
  になるように、さらっておく必要があります。加工が済んだらコネクタを
  ネジで取り付けましょう。

(5) 1269MHz パッチを加工します。上側をこちらに向け、先に開けた 2401MHz
  給電点の穴から 90 度時計回り方向、中心から 7.9mm の位置に印をつけ、
  ます。ここが 1269MHz の給電点になります。2401MHz の給電点とは 90 度
  ズレている形になります。
    2枚の 1269MHz 用アルミ板を、上側を揃えて、中心穴にボルト&ナット
  を通して重ねて固定します。そして印を書いた部分に 3.1mm 径の穴を2枚
  重ねて開けましょう。続けてこの穴をNメスコネクタの中心ピン端子が通
  るように 4mm 径に拡張します。済んだらボルト&ナットを外して2枚を離
  します。
    2401MHz の給電点用の穴を中心に、2401MHz 用のコネクタが通るだけの
  大きな穴(25mm 径程度) を開けます。1269MHz パッチと反射板の両方に
  同じ穴が要りますね。

(6) 1269MHz 反射器を加工します。上側を手前に見て、25mm のコネクタ穴
  を左に来るように配置します。1269MHz の給電点は上に来るでしょう。
  1269MHz の給電点の位置から時計回りに 25.4mm 円周上を進んだ位置、
  中心から 7.9mm の位置に印をつけます。これが 1269MHz の受信調整ボ
  ルトの取りつけ個所です。印の位置に 4.7mm 径の穴を開けます。
    1269MHz の給電点と、円盤の中心を挟んでちょうど反対側、中心から
  50.8mm の位置に印をつけましょう。ここは周波数調整ボルトの取りつけ
  個所になります。受信調整用と同様に 4.7mm 径の穴を開けます。
    開けた2つの穴に、金属面と垂直になるように、慎重にタップを切り
  ます。
    1269MHz 給電点の穴を 9.5mm 径に広げ、Nメスコネクタの中心ピン端
  子が通るようにします。2401MHz と同様に、コネクタの取り付けネジの
  外側2つが反射板の外周と並行になるように、コネクタ取り付け穴をあ
  けて、皿ネジ用に上側をさらっておきます。
    最後に、1269MHz 反射板を Dish に固定するための支持具を取り付け
  る穴を開けましょう。
    加工が済んだら皿ネジとナットで、Nコネクタを下側から取り付けま
  す。また、調整用の2ヶ所の穴の上側から、25mm 長の皿ネジを挿入し
  頭が反射面から 9mm 飛び出る位置にして、反対側からナットを手で締
  め込んで固定します。

(7) 全体を組みたてます。45mm 長のボルトを 1269MHz 反射板の中心穴の
  下側から通し、上側にナットを入れてきつく締めます。更にもう1個の
  ナットを入れ、ナットの上側が反射板から 12.7mm になる位置に調整し
  ます(1269MHz 反射板とパッチの間隔を 12.7mm にする)。取り付けた
  Nコネクタの中心ピン端子が 12.7mm 離れたパッチに届かないような場
  合は延長が必要ですね。
    続いて 1269MHz パッチを重ねます。1269MHz 反射板の 25mm 穴が重
  なるように合わせ、上からナットを入れます。反射板からの間隔がきち
  んと 12.7mm になるよう調整してから、きつく締め込みます。更にその
  上からナットを1つ入れ、これを 2401MHz 反射板との間隔調整に使い
  ます。
    固定後、給電点を固定します(注:コネクタの中心端子がネジ状の
  ものを使う前提。コネクタの形状がハンダづけ前提である場合は、1269MHz
  パッチをアルミ以外の素材で作るか、アルミハンダでの固定が必要と
  なる)。
    続いて 2401MHz の反射器を重ねます。1269MHz パッチとの間隔を
  12.7mm にし、コネクタが 1269MHz の方に有る 25mm 穴にきれいに収
  まるように位置を合わせ、上からナットを入れてきつく締めます。最
  後にもう1個ナットを入れ、これを 2401MHz パッチの間隔調整に使
  います。2401MHz パッチと反射板との間隔は 6.4mm です。
    2401MHz のパッチも重ねましょう。間隔を調整したら最後にナット
  を1つ上から入れてきつく締め込み、給電点をハンダづけします。

※ K5MAN が、寸法図と組みたて時の側面図を PDF ファイル化して準備
   しています。
   S用  http://www.ultimatecharger.com/S-L_Patch_S-Patch.pdf
   L用  http://www.ultimatecharger.com/S-L_Patch_L-Patch.pdf
   側面 http://www.ultimatecharger.com/S-L_Patch_Side_View.pdf

(8) 調整をします。上記の説明通り作ってあれば大概そのまま最良点に
  なるようですが、測定機を仕様したり、あるいは受信信号が最良にな
  るように、2401MHz の受信調整ネジ、1269MHz の周波数調整ネジ、
  1269MHz の円偏波調整ネジを操作します。操作はロックナットを緩め
  てネジを手で回すことで行います。

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  日本ではセンタピンがネジ状のNコネクタってのはあまり一般的では
無いと思いますし、市販のプリアンプや S/L 分離のための S 帯 BPF
の市販品等は SMA コネクタを使っている場合が大半なので、S 帯のパ
ッチの給電点はNではなく、ピンの長い SMA-R がいいのかも知れませ
んね。ただ、そうなると 1269MHz の反射板より内側にコネクタが引っ
込んでしまうので、SMA-P & SMA-P の延長アダプタなどを介する必要が
出てくるかも…。週末のハムフェアに参加される方は、このあたりを考
慮して、マイクロ波のジャンク屋やパーツ屋を回って、使えそうな部品
をキープしておくのが吉かと思います。
  また、最近はアルミハンダってのは入手困難みたいですので、1269MHz
のパッチもアルミ板ではなく、最初から真鍮板や銅板で作った方がいい
のかも知れません。もっとも、私の家の近くのホームセンターでは、ア
ルミ板は色々なサイズの素材が売ってるんですが、真鍮板とか銅板とか
は 1mm 厚のゴツいのか、0.1mm 厚のペラペラのシール付きの奴しかな
くて… (--;)。

  調整ネジ用に、タップ (ネジ用の螺旋) を切る道具 (何つったっけ)
が必要なんですね…。私は持ってないのですが、この機会に揃えようか
な…。

では。

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Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市
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