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[jamsat-bb:12971] CALSAT32+PICNIC追尾実験レポ-ト
相田さん。 皆さん。
JI5MFZ吉田です。
本日は、CALSAT32(1.2.2)+PICNICを使用した自動追尾の実験結果を
レポ-トさせて戴きます。
なお実験に使用した角度制御システムは以下の通りです。
AZ側 ロ-テ-タ:ケンプロKR800S、 ガタ取り機構(長澤さん提案方式):
CCW方向トルク0.4KG/m、 外部センサ:3回転ヘリポット(直線性
0.15%)
を回転マストにSUS編み線で連結、コントロ-ラ:供給電圧をDC2.5V-19V可
変。
EL側 ロテ-タ:クリエ-トデザインERC51, 速度調整VRに1Mオーム追加(低速化)。
(出来れば、ノイズ防止のため100V:100V絶縁トランスを使用したい)
追尾結果
AZ側(度) ステップ幅 方位軸 ステップ幅 方位軸 ステップ幅 方位軸
----- 163.6 0.4 166.6 0.4
169.6
0.3 163.9 0.4 167.0 0.4
170.0
0.4 164.3 0.3 167.3 0.3
170.3
0.4 164.7 0.4 167.7 0.4
170.7
0.4 165.1 0.4 168.1 0.4
171.1
0.4 165.5 0.4 168.5 0.4
171.5
0.3 165.8 0.3 168.8 0.3
171.8
0.4 166.2 0.4 169.2 0.4
172.2
ステップ幅の平均値:0.37度、 ステップに要するパルス数平均7パルス(14
秒)
方位計算値からのずれ:+-0.2度以内
CCW方向の追尾も略同様の値。制御誤差の設定:0.3度、ハンティング無し
EL側(度) ステップ幅 仰角軸 ステップ幅 仰角軸 ステップ幅 仰角軸
------ 33.1 0.1 35.1 0.3
36.9
0.2 33.3 0.2 35.3 0.3
37.2
0.3 33.6 0.2 35.5 0.3
37.5
0.2 33.8 0.1 35.6 0.3
37.8
0.3 34.1 0.2 35.8 0.2
38.0
0.1 34.2 0.2 36.0 0.1
38.1
0.3 34.5 0.1 36.1 0.3
38.4
0.2 34.7 0.2 36.3 0.3
38.7
0.3 35.0 0.3 36.6 0.2
38.9
ステップ幅の平均値:0.22度、 ステップに要するパルス数 1-10(2-20秒)
仰角計算値からのずれ:+-0.2度以内、 DOWN方向も略同じ(速度調整要)
精度誤差設定:0.2度ハンティング無し
実験結果 :
以上からお判りの様にロ-タ-の電源OFF時の駆動モ-タの慣性による回転を
極小に抑え,センサ-の低雑音、分解能向上に配慮したAZ側は10ビット分解能に
限りなく近い数値が得られています。
と言う事は、CALSAT32(1.22)+PICNICで上記の配慮があれば+-0.2度の誤差
範囲で(但しKバンドの運用時間内で)自動追尾が可能で有る事が実証されました。
(実際の運用では一部の条件が必要と思います。下記参照)
実験で判った事 : 制御誤差許容量設定について: この設定はハンテイング
防止の為に設けられ(ヘルプに記述)所謂デッドバンド値の設定になっています。
従って此れを設定すれば副次的に精度に関係しますが本来のCALSAT32+PICNIC
は精度誤差設定に略関係なく、略10ビット分解能です。
使用ハ-ドを電源OFF時に過回転無しの物を使用すれば、制御誤差許容量設定数値に
関係なく凡そ10ビット分解能で制御します。但し追尾角度の中心値が設定角度の
1/2度
変化しますので、其の値をOFFSETで補正すればOKでした(実験で確認、裏技
?)
とても便利です。強風などでのハンテイング防止の為この設定を行っても追尾精度
が余り変らないと思います。
感想:
使用して見てとても良かった点は、1)画面に方位軸、仰角軸のリアルタイムの
ANT角度表示があるので、別途の表示装置が不要で助かります。2)この表示と
計算角度の比較が同一画面で出来るので、OFFSETの設定がとてもやり易い。
本当に使い勝手の良い、また制御精度の素晴らしいANT制御ソフトであると感銘しま
した。
相田さんへのお願い事項:
1)OFFSETに関して:*0.1の時の設定最大値をAZ=3.0,EL=2.0度以上にして欲しい。
理由 : a) 現状のAZ1.5,EL1.0では実際上ANTの取り付け困難。
b) 使用している軌道要素の入手が、測定された元
期から
1週間前後経過したものが多く、特にAZは1度前後
ずれた
ものを使用する事になり、OFFSETで補正する為に
は
現状ではマ-ジンが小さい。
c) 上記のデッドバンド設定値の1/2を補正する必
要もあります。
以上からこのお願いはKバンド自動追尾上不可欠な事項
です。
2)方位軸ADC電圧取り込み角度 : 現状は0度、360度ですが、180度を追加して欲
しい。
理由 : 分解能向上の為。(AO40専用)
現在12ビットロ-タリ-エンコ-ダを使用する角度セ
ンサ開発中で
このお願いが聞き入れられますと、CALSAT32+PICNIC
で夢の
+-0.1度の制御が可能になり、より大型ANTの使用、あ
るいは
EME通信にも使用の可能性が出てきます。
3)制御パルス幅 : 現状はずれが2度以内になれば2秒毎50msの間欠制御の様です
が
50<--->100秒位の選択が出来ればなお使い易いと思い
ますが。
優先順位は低くても結構です。
理由 : 偏移の為のパルス数がわりと多AZ側くリレ-の寿命が
心配。
しかし、使用設備にも大きく左右されますので、私の場
合のみ
かも知れません。(半導体リレ-ですと問題なし)
気付いた点 : 仰角軸のOFFSETスライドを動かした時にでる+-の表示は、や
はり
UP方向が+、DOWN方向が-、の方が違和感が無いと思いま
すが。
最後に : この素晴らしい自動追尾が出来るCALSAT32+PICNICを、是非大勢の皆様
方に
ご使用願いたく、レポ-トさせて戴きました。少しでも参考にして頂
ければ幸いです。
相田さん本当に素晴らしいCALSAT32のVer.UPを有難うございまし
た。今後とも
宜しくお願い申し上げます。
長文になり申し訳御座いませんでした。
以上
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吉田 史郎 (JI5MFZ)
ji5mfz@dokidoki.ne.jp
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