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[jamsat-bb:11731] IDEFIX : news and insight, 翻訳(改訂)


昨日、『IDEFIX : news and insight』 に関する 翻訳記事 を投稿しましたが、
推敲が足らず、また衛星内部の技術的知識も不足していたため、記載事項に多々
まちがった記述が散見していました。ここに全文を書き直しましたので、昨日の
原稿は破棄して、これと差し替えていただくようお願い致します。
また、何かお気付きのことがありましたらご指摘下さい。   (Tnx. JN1GKZ)


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Date: Fri, 17 May 2002 10:04:02 +0000
From: ruygh@attglobal.net
To: ei7m-wkt@asahi-net.or.jp
Subject: IDEFIX : news and insight, 翻訳(改訂)

ei7m-wkt@asahi-net.or.jp
( Fabrice : pour la rubrique actualit)
( Mineo, pse Jamsat-bb forward)
( Forum amsat-dl fwd)

F1HDD/ON1RG, G. RUY 著
JE9PEL/1 脇田美根夫 訳


衛星IDEFIX : 記事と洞察

 挨拶をありがとう。私は一人ではないことがわかった。 日夜、IDEFIX がどこ
にいるかと追い続けている人達と共に、正にチームワークの結果である。テレメ
トリを web に掲載し、そのレポートを送ってくれることは 正に賞賛に値する。

昨夜(5/16)の夜中のパスは空がクリアで、仰角もほとんど天頂を通過するような
本当に見て聞いて楽しいものだった。たくさんの人々が頭上を通過する IDEFIX 
を見ることができ、大変強い信号を聞くことができた。 光度等級は 約0等級で
パリの中心部の明かりの中でも、明るい星と同じくらいはっきりと見ることがで
きた。 IDEFIX が可視範囲にある時、私はバルコニーから 手持ちの 4エレ 八木
アンテナで聞くことができた。

最新ニュース:

 衛星内部温度は 約32度Cで、今 減少しつつある。 先日の月曜(5/13)にはテレ
メトリに示されているように、地球の陰になかった時でも24時間以上にわたり、
よくわからないまま約-20度Cになっていた。IDEFIX は ゆっくりと第三段階にな
り現在も進んでいる。効果はまた、その影響に反映している。その状態にも期待
し、実際に温度範囲は限界内にある。バッテリーは良い状態である。

 水曜(5/15)から木曜(5/16)の夜に始まり、CU1 のテレメトリチャンネルはプロ
セッサがまだフレームを送信していてペイロードにある間、すべてゼロを示して
いる。それは、可能性の高い順に次の三つの原因が考えられる。

 - PCB(プリント基板)の熱の影響による、ADC(アナログ デジタル コンバータ)
   の SPIバスの故障、あるいは電源の故障
 - 熱の影響による ADC チップの故障
 - 高エネルギー特質によるチップの破壊
 - uP(マイクロプロセッサ) ポートの破壊

 最初の仮説が原因だとすると、ペイロード(衛星) が冷えて PCB が収縮した時
に、テレメトリは回復するだろう。

用語の解説:

OPTRO : どちらのペイロードも二つの光センサーが固定されている。それは 2mm
 の厚みの PTFEウィンドウの後ろにある BMW21 である。そしてそれは入射光束
のコサインで与えられる。フォトダイオードは、5kΩの抵抗が付いている光電池
として繋がっている。フル充電で AM0(午前0時?) のもとで、最大起電圧は温度
にもよるが、約150mV である。二つの光センサーのうちの一つは、校正のために
LM335Z 温度センサーに固定されている(TEMP OPTRO チャンネル)。写真では光セ
ンサーは、ペイロードケースの上底(Z+面)の突き出しのような二つの真鍮ボルト
に見える。 一つは X+面の(芯コネクター)の傍にあり、もう一つは X-面(棒状プ
ラグコネクター) の傍にある。光センサーの仕様については次で記述している。
http://www.satedu.net 

TEMP BOITIER : ペイロードの X+面の底に取り付けられた温度計である。正確な
 取り付け場所は http://www.idefix-france.net の写真で見ることができる。
LM335Z センサーである。

T ISD :  ISD25120 ボイスレコーダのチップに固着された温度センサーである。
 ボイスメッセージの一つは、20度Cで録音された 1800Hz の音調である。ISDの
内部フリーランクロックの周波数は温度に依存するので、受信音調周波数の観測
はペイロード内部温度の大雑把な測定値を与える。 1800Hz 以上なら 20度C以上
であり、1800Hz 以下なら 20度C以下である。

MOY ORBITE :  CU2 上で、平均,最大値,最小値に関する三つのチャンネルが観測
できる。
  OPTRO1
  OPTRO2
  TEMP OPTRO

これらは次の二つの平均値である。 ひとつは 10分のもので、最新の10分間の値
の和である。もう一つは90分間のものである。この10分間のものは滑らかに平均
をとっており、90分間のものは90分ごとにリセットしている。衛星を連続的に常
に観測しているアマチュア局はいないので、一周のオービットでいくつかのテレ
メトリ値を得られるように考案した。デコードされたテレメトリチャンネルには
次のような意味がある。

  OPTRO1  10分間と90分間(周回)の平均値
  OPTRO1  平均リセットからの最小値とタイムスタンプ
  OPTRO1  平均リセットからの最大値とタイムスタンプ
   これは、PTRO2 と TEMP OPTRO にも同じように適用される。

従って、90分ごとに少なくとも総フレーム(5フレームとサブフレーム) が必要で
ある。光センサーの現在値は、(CU2上の E サブフレーム、CU1上の A, B サブフ
レーム)、スピン周期の適切なサンプルのために どのフレームでも、つまり CU1
では 12秒ごとに、CU2 では 22秒ごとに、送信している。

他の温度センサーの設置については、web サイトの写真上で見ることができる。
Li Thyonile バッテリー電圧は、ショットキーカップリングダイオードで 400mV
のロスが発生する。これは、CU1 ではスタンバイの時に測定され、CU2 では送信
の時に測定される。 CU2 では RF 電力は、PA(パワーアンプ) 出力コイルの傍に
あるダイオード整流器から表示値が示される。この PA 出力コイルとダイオード
整流器の距離を、約600mV で 1.25W の出力が得られるように調整した。 表示値
は温度に依存していて、送信機温度センサーは、BLT50, PA のすぐ傍にある。

プロセッサーは、二つのペイロードとも 80c32X2 である。CU1 のメモリは、32k
ROM と 内蔵RAM である。CU2 では 平均値,最大値,最小値の計算値を蓄積するた
めに 32k RAM が付加されている。どちらの CU でも、プロセッサーは FM TX BF
の入力になる 1200Hz BPSK マンチェスター変調副搬送波を 直接生成している。
また、SPIバス (CU1では MAX186 が1個、CU2では MAX186 が2個) と、ISD25120 
ボイスレコーダを操作して、送信機の on/off を制御する。クロック周波数は、
6.144 MHz である。

プロセッサーはまた、内部でタイムスタンプを生成するが、時間と共にずれてく
る。テレメトリデコードソフトウェアに PC の日付を付加するので、内蔵時計の
ずれは問題にならない。そのずれは規則的で、少し温度に依存するほとんど固定
した値である。タイムスタンプは、内蔵タイマーによって生成されている。消費
電流を抑えるために、プロセッサを必要としない時はスリープモードになる。

プロセッサープログラムの構造は、根本的に、たとえ スタックが SEU によって
無効になっている場合でもプロセッサをリセットしリカバーするように、全ての
状態を定義してループさせるステートマシンである。

二つのスイッチ電源を使用している。 一つはプロセッサー用とセンサー用の 5V
電源、もう一つは送信機用の 7.5V である。 VCO/バッファとシンセサイザの 5V
送信電源(数mA) は、7.5V からリニアレギュレータで作る。 スイッチの on/off
は、送信機の制御に対して使用される。

PCB は機械的に、二つのバッテリーによる場合の '浮動'(floating) 構造のよう
なH型の構造になっている。他の10個の電池は、断熱材を挟んでケースの底に固
定している。ケースの外側は鏡状に磨き、内側はそのままで磨いていない。これ
は内部の消費による全く未知の明るいまたは暗い時間を処理するために選択した
妥協であった(訳不明)。テレメトリの解析と共に、それを注意深く研究しなけれ
ばならないが、これは正しいように思う。

13A.h, 3.6V の Li Thyonile 電池 12個を4直列3並列に並べ、無負荷で 14.4V
の電圧を与えるバッテリ(LSH20 SAFT, 宇宙用モデル) がある。 より良い配列は
熱容量が電流と反比例するように、高い電圧と低い電流を得るようにすることで
あろう。スイッチ電源は、次善の策となるような配慮をする時間がなかったとい
う技術的な結果である。

この記事が、衛星IDEFIX のある洞察を与えることができれば幸いである。

Best 73.
Ghislain F1HDD/ON1RG


IDEFIX : news and insight
F1HDD/ON1RG, Ghislain RUY 著

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Name: JE9PEL/1 脇田美根夫 訳
Mail: ei7m-wkt@asahi-net.or.jp
URL : http://www.asahi-net.or.jp/~ei7m-wkt/
QTH : Yokohama, Japan
Date: May 19, 2002
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