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[jamsat-bb:11081] RE: [jamsat-bb:11074] Re: AO-40の軌道の変化



 今石さま
 みなさま

  相田です。


> -----Original Message-----
> From: owner-jamsat-bb@jamsat.or.jp 
> [mailto:owner-jamsat-bb@jamsat.or.jp] On Behalf Of Yoshihiro 
> Imaishi JF6BCC
> Sent: Friday, March 15, 2002 12:00 PM
> To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
> Subject: [jamsat-bb:11074] Re: AO-40の軌道の変化

>  この点は他の方からも指摘されましたが、「昇交点赤経と近地点引数が変
> 化する(=軌道面がズレる)のは、他の要素の変化に伴うものだ」という説
> 明では、疑問は解消しません。それらの軌道要素が変化するような、衛星に
> かかる外的応力は、どのようなものなのだろうか、それが疑問の根幹なんで
> す (^^)。

>   書籍などで「地球が赤道付近にわずかに膨らんでいること」や「月や太陽
> の重力の影響」と簡潔に説明されてはいますが、それをもっと具体的なイメ
> ージで理解できないかなあ、と思っている訳です。でないと、自信を持って
> 人に説明できませんから…。


 昇交点赤経と近地点引数、実は平均近点角も永年摂動項として累積されて
変化します。 これは太陽や月、大気の影響ではなくて、地球には大きさが
あって、その大きさによるポテンシャルがあるためです。

 また、地球の形は回転楕円体で大きさと質量を持つために慣性モーメントが
生じます。 この場合、Z軸を自転軸とするとXとY軸がある赤道面からの角度
すなわち緯度によってその大きさが変わります。

 昇交点赤経と近地点引数の変化は、地球の赤道半径、衛星軌道の長半径、
離心率、軌道傾斜角、平均運動、地球の力学的形状係数(観測値)から計算
で求めることが出来ます。 なかでも軌道傾斜角によって大きく変化します。

 昇交点赤経と近地点引数の変化と軌道傾斜角は、

 昇交点赤経は、
   0度<軌道傾斜角<90度では、西向きに移動
       軌道傾斜角=90度では、変化なし
  90度<軌道傾斜角<180度、東向きに移動

 近地点引数は、
   軌道傾斜角<63.4度では、衛星の運動方向に移動
   軌道傾斜角=63.4度では、変化なし
   軌道傾斜角>63.4度では、衛星の運動方向と逆に移動

 の関係があります。

 なお、衛星軌道の長半径、離心率、軌道傾斜角には、永年項はありませんが
太陽、月、太陽光圧、大気などの外的応力で小さいながらも影響を受け、その
変化が、昇交点赤経と近地点引数に影響することになります。

 これらについては、長沢 工 著 天体力学入門(下)12章に詳しく記述さ
れて
います。 当方には記述されている難解な式や展開、変換は理解できていませ
んが、上のような関係があると理解しています。

では、



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