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[jamsat-bb:10945] How to use ISS UNPROTO packet #1


Miles Mann, WF1F MAREX 氏により広報された次の原稿の翻訳転載許可を、著者
より得ましたので、ここに公開します。長文なので、2分割にして投稿します。
同じ原稿の、日本語訳全文と原著英文については、次の URL を ご参照下さい。
なお邦訳の最後に、先日の JF6BCC/今石氏の提言も付加させていただきました。

邦訳 http://www.asahi-net.or.jp/~ei7m-wkt/numbr312.htm
原文 http://www.ne.jp/asahi/hamradio/je9pel/howisspa.htm


《ISS, UNPROTO パケットの運用法》(その1)

日付:2002年 2月27日
表題:ISS, UNPROTO パケットの運用法
副題:Alpha を経由したアマチュア無線 "ラウンドテーブル" の運用法
著者:マイルズ・マン  , G. Miles Mann, WF1F MAREX
寄稿:フランク・バウア, Frank Bauer Chairman ARISS
   ボブ・ブルニンガ, Bob Bruninga WB4APR
翻訳:脇田美根夫, JE9PEL JAMSAT


Date: Wed, 27 Feb 2002 18:32:06 -0500
From: Miles <wf1f@mediaone.net>
Cc: sarex@amsat.org
Subject: How to use ISS UNPROTO packet

February 27, 2002

How to use the Amateur Radio "Round Table" via the International
Space Station Alpha

By G. Miles Mann, WF1F MAREX
With contributions from:
Frank Bauer Chairman ARISS
Bob Bruninga WB4APR 

短い説明:
[国際宇宙ステーション ISS のパーソナルメッセージシステム(PMS) と、ボイス
 の解説については、後ほど 広報する予定。]
ISS において、新しいアマチュア無線プロジェクトが、現在 運用されている。

ISS の 新しいアマチュア無線実験の名称は、"パケット無線システム" すなわち
"Packet Radio System" (PRS) である。ISS PRS 実験は、初心者に対する ISSの
易しい教育的なアマチュア無線実験として考えられている。もし今、固定2メー
タのパケット局であるなら、すでに世界中の新しい友人に出会うための、そして
ISS 上の宇宙飛行士や飛行家と親交を結ぶために必要な設備の全てを持っている
と言えよう。

ISS のパケット無線システムは、パーソナルメッセージシステム(PMS),ラウンド
テーブル(Round Table), APRS という三つの異なるモードを持っている。この記
事では、ISS 上のパケット無線システム "ラウンドテーブル" モードを運用する
際に必要な概念について述べる。 他にサポートしている PMS と APRS のモード
については別に述べ、さらに APRS情報に関する URLリンクを張っておく。
(訳注:Round Table, 直訳すると "円卓" だが、"ディジピート交信" の意味)

ラウンドテーブル(Round Table, ディジピートのこと):
 この "ラウンドテーブル" モードとは、キーボード対キーボードの通信の形式
のことである。ラウンドテーブルは、短いメッセージをタイプすると、PRS を経
由して中継(つまり、デジタル中継 あるいは短い言葉で デジ)され、1000マイル
(訳注:衛星との距離 約1600km) を超える距離を転送する。ラウンドテーブルの
モードは、ISS の範囲にいる間は、円卓を囲むように多くの局が参加している。
ラウンドテーブルモードの PRSアマチュア無線のコールサインは、ARISS または
RS0ISS である。

パーソナルメッセージシステム(PMS):
 パーソナルメッセージシステム(つまり、PMS あるいは メールボックス) は、
ISS の PRSシステムに 直接、個人の短いメッセージを載せることである。 一度
メッセージが保存されれば、ISS の乗員は読むことができるし、そのメッセージ
に返信することもできる。ARISS チームは、その限りある資源を、我々がどのよ
うに使用するかというルール作りをしている。現在は、PMS の全てのメッセージ
を読み返信するには、ISS 乗員は忙し過ぎる。ARISS チームは、パーソナルメッ
セージシステムにおける操作処理を開発している段階にある。PMSモードは 現在
ARISSシステム運用者と、選抜された ARISS のサポートエンジニアによって試験
を続けている。 広報は、性能が評価されるまでは、PMSモードの使用を控えるよ
うに、と言っている。パーソナルメッセージシステムのモードにおける PMSアマ
チュア無線コールサインは、RS0ISS-1 である。

自動位置認識伝送システム(APRS):
 APRS モードは、地上の APRS ソフトウェアが 位置情報・地図対象物・使用者
との短いメッセージを転送するための特殊なフォーマットに、メッセージ行をあ
らかじめフォーマットしている点を除いて、ラウンドテーブルのモードと違いは
ない。APRS に関するより詳しい情報は、次の URL を参照してほしい。
http://www.ew.usna.edu/~bruninga/iss-faq.html

ISS ハードウェア:
 ISS は現在、アマチュア無線2メータ帯の (HTとして知られている) Ericsson
固定無線機を使用している。パケット無線システム(PMS) は、(TNC あるいは パ
ケット無線システムと呼ばれる)  Paccom Picopacket 1200 baud Terminal Node
Controller を使用している。無線機は現在、外部マウント (2メータ帯)同位相
モノバンドアンテナに繋がっている。標準的な出力は (ERP 5ワットの)5ワット
である。

貴局から ISS にアクセスするには、少なくとも 次のアマチュア無線装置が必要
である。 25ワットから 50ワット以上の出力を持つ2メータ帯無線機。オムニ指
向性アンテナあるいはスモールビームアンテナ。良質同軸ケーブル [例 RG-213,
100フィート(約30メートル)以下]。 標準的な 1200 baud AX.25 パケットモデム
(TNC)。私(著者)は、ISS パケットの全てのコネクトに、安価な KPC-3 モデムを
使っている。

ISS は、運用モードと ISS のいる場所によって、異なる周波数を使う。 貴局に
対するモードと周波数選択については、次の表を参照してほしい。次の周波数は
ARISS の一般の QSO の音声とパケットに対して使われる。

音声とパケットダウンリンク:145.80 (世界中)
音声アップリンク:144.49 (地域 2, 3 : 米国と太平洋)
音声アップリンク:145.20 (地域 1 : ヨーロッパ、中央アジア、アフリカ)
パケットアップリンク:145.99 (世界中)

TNC 概要:
 貴局の TNC の取説書には、"ラウンドテーブル" の特性は、"Unproto" と呼ば
れている。ISS PRS を運用するためには、貴局の TNC の設定に いくつか修正を
する必要がある。 "ラウンドテーブル" と "パーソナルメッセージシステム" に
対して必要なパラメータの変更点は同じである。APRS に対する TNC パラメータ
の変更点は少し異なるので、後で述べる。ISS PRS に対して必要なパラメータの
変更点のほとんどは、地上BBS の運用と互換性がある。これらの示唆的なパラメ
ータを使用して成功率が増大し、同時に 混信(QRM)を減らすことになるだろう。
脚注. APRS の特別な情報に関しては、下記の URLリンクを参照すること。 この
記述は、Unproto とパーソナルメッセージシステムの設定に関するものである。
ISS のパーソナルメッセージシステムや Unproto (ラウンドテーブル) を運用す
るために、APRS は必要ない。

AUTOCR	OFF
BEACON	OFF
LFADD	OFF
MAXFRAME 4
MCON	ON
MCOM  	ON
MONITOR ON
PACLEN  (Round Table and PMS = 72, APRS = 0)
RETRY   6-8
TIME STAMP  (Round Table and PMS = ON, APRS = OFF)
Unproto  CQ V RS0ISS 

これらは、ISS PRS のための ラウンドテーブル/Unproto と、パーソナルメッセ
ージシステムに関する示唆的な TNC の設定である。APRS に対する設定は、少し
異なるので、後で述べる。

BEACON: OFF
 貴局のビーコンは、無効にせよ。ISS パケットのアップリンク周波数上の無用
なビーコンは、混信の原因となるであろう。貴局がコントロールしている時に、
手動で送信のみ行うべきである。ISS のアップリンクチャンネルが ON の間は、
ビーコンは OFF にしておくこと。手動で ISS のラウンドテーブルを呼ぶこと。

LFADD:  OFF
 この値は、通常の ISS BBS の運用の障害になるものであろう。 LFADD は OFF
にしておくこと。

MCON: ON
 この値は通常、地上BBS のコネクトに対しては "OFF" にしておき、ISS PRSに
対しては "ON" にする。この値は、貴局がパーソナルメッセージシステムにコネ
クトした時や、パーソナルメッセージシステムにコネクトしようと試みている時
に、他局が行っているパケットが見えるだろう。ISS を使用している全ての礼儀
正しい運用者は、パーソナルメッセージシステムのモードを使用している時は、
この値を ON にしておくだろう。

MCOM:  ON
 全てのデータをモニターするためには、この値を ON にせよ。もし、一行のパ
ケットごとに詳細を知りたければ、この値を "ON" にすること。これは、宇宙の
パケットをモニターする時には、大変に役に立つ。しかし、APRS や 他の特別な
ソフトウェアを実行する時には、OFF にすべきだろう。

MONITOR: ON
 コネクトしていない時に、パケットのモニターをする。

PACLEN:  72 (一行当たりの文字数)
 短いデータパケットは、非難されるものではない。APRS ソフトウェア パッケ
ージのいくつかは、この値を変更する必要がある。貴局の特別な APRS アプリケ
ーションが正しい設定かどうかチェックすること。

RETRY: 6
 貴局の最初のコネクトまでの間、混信(QRM) の原因になるかもしれないので、
この値を大きく設定したくないだろう。 また、もし "RETRY" が小さ過ぎると、
4段階ある RF信号のフェードの1つで、タイムアウトになってしまうだろう。
脚注その2.  パスの10分の間に、ISS からの信号は 4個の RF 分極偏移がある。
この偏移は、貴局のアンテナに関係して、ISS 上のアンテナの可視位置によって
生ずる。(訳注:この RETRY の説明中、 4 deep RF signal fades  の意味不明)

TIME STAMP:  ON
 タイムスタンプを ON にしておくことで、貴局が離れていてもディスクにその
データのログを取っておくことができ、パスの時刻と継続時間の軌跡を残してお
くことができる。 APRS ソフトウェアパッケージのいくつかは、この値を変更す
る必要がある。 貴局の特別な APRSアプリケーションが正しい設定かどうかチェ
ックすること。

Unproto:
 UnProto コマンドには二つの項目がある。最初の項目は TOCALL で、CQ, ALL,
APRS, QST など、他のほとんどのソフトウェアで認められている総称的なコール
サインのうちの一つを付ける。第二の項目は文字 V または VIA で、第三の項目
は、PATH である。ISS に対してはこれは ARISS であり、ISS に対するデジ中継
の通称である。もし貴局のパケットが、ISS によってうまくデジ中継するならば
そのダウンリンクのコピーは、 RS0ISS コールサインに置き換えられるだろう。
PATH の部分は多重記載を含むが、初めの PATH にのみ ISS に対し使われ、貴局
のグリッドスクェア または名前を二つの付加部分に挿入できる。

例えば 貴局の TNC で UNPROTO コマンドを構成する正しい例としては:
UNPROTO CQ VIA ARISS
        CQ VIA ARISS, FRANK, FM19SX
        CQ VIA RS0ISS, FRANK, FM19SX などである。


(以下、その2 に続く)

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Name : JE9PEL/1 脇田
Mail : ei7m-wkt@asahi-net.or.jp
URL  : http://www.asahi-net.or.jp/~ei7m-wkt/
QTH  : Yokohama, Japan
Date : Mar 2, 2002
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