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[jamsat-bb:8593] 435MHz送信で2400MHzが感度抑圧@AO-40


JF6BCC 今石です。

  週末に AO-40 のアップリンク用にと作成した 435MHz の 11 エレクロス八木
ですが、実際に今朝使ってみたところ、Sバンド受信への感度抑圧が発生して、
満足に QRVできませんでした。20W 送信で 15〜20dB、10W では 10〜15dB 程度、
受信信号が全般的に弱くなり、自分の返り信号の強さが確認できないのです。
11 エレシングルでは問題無かったのですがね。

  今朝の AO-40 Orbit#255 は、6エレによるループも弱かった(テレメトリの
U-Rx AGC 値は 10dB 以上になっていた)ので、仮にこの 11 エレがうまく行っ
たとしても、交信できたかどうかは疑問なのですが…。
  で、夕べから今朝にかけて、ちょっとやってみたのですが、

(1) スタックブーム 40cm が近すぎるのかと、60cm に広げてみたが、5〜10dB
  程度改善されたのみ。手持ち材料がなくこれ以上は広げられなかった。
(2) タッパ防水の LNA 全体をホイルで包んでみたが、逆効果。返って抑圧がひ
  どくなった。

  てな訳で、あまり改善されませんでした。

  2400MHz の 29 エレループと 11 エレクロス八木との間隔が近すぎることと、
物干し台までの 20m に 8D-FB (435) と 5C-2V (145 IF) とを平走させているこ
と、などが元凶か?、と思いますが、スタック間隔は別途材料(イレクターパイ
プ)を調達して 90cm/120cm の場合を試すとして、435MHz の信号の飛び込みをト
ラップする方法も検討したいところです。

  2880 単体では感度抑圧が無かったのですが、この時、2880 の初段前には、静
電気破壊防止を主目的にした 2400MHz の 1/4 ショートスタブ (30mm の銅線でア
ースする) が入っていますので、これが 435MHz の信号入力をアースしてしまう
ように働いている可能性があります。その点、現在付加している LNA は、入力に
そのような対処は行っていません。LNA の入力に同様な改造を行えば、改善され
るのではないか、と言う気がします。
  しかし、2880 の改造で発振に苦しんだ身には、LNA のケース内とは言え、出力
側と空間結合してしまいそうな位置に 30mm のワイヤーを配置することに抵抗が
あります。この LNA が発振してしまったのでは、性能の標準とするシステムが無
くなってしまいますので…。
  となると、LNA の外側、例えばアンテナ〜 LNA 間に、T型のコネクタ等を使っ
て 435MHz 1/4 波長のオープンスタブを挿入し、435MHz の信号をショートしてや
ると言う手がありますが…。アンテナ〜LNA 間の損失の増加は受信性能に直に響
いてしまいますので、ここに中継コネクタを挿入するのにも抵抗があります。

  と言う葛藤の「妥協」案として、こんな対策を考え、実際に今朝の空き時間に行
ってみました。

       |
  -----###
       ###===]###[ C ]#####
  -----###  (a)           ##
 同軸  |##                 ######## -> 1ST FET
       |##
       |####(b)####################
       +---------------------------
   LNA 入力部分

  図はマキ電機の LNA の入力部分で、私は SMA-J を除去して 3D-2V 同軸で直に
接続しているのですが、ここにフジクラ 1.5C-QV 同軸を 222mm に切って、芯線を
(a) 点、外皮を (b) 点にハンダ付けしました。同軸の残りはケース内をちょっと
這わせた後、入力端子の脇にある SMA-J 取りつけ穴から外に出しました。同軸の
反対側は芯線と外皮を短絡しハンダ付けしました。
  1.5C-2V 222mm は、435MHz の 1/2 波長に同軸の波長短縮率 0.644 を掛けて求
めたものです。先端ショートの 1/2 波長線路によるショートスタブは、その周波
数、および偶数倍の周波数で、入力端を短絡したのと同じ効果があり、435MHz の
強力な信号をトラップする働きが期待できます。もちろん、1/4 波長で先端開放の
オープンスタブ (1.5C-2V で 111mm) でも効果は同様なのですが、静電気破壊防止
の観点から、直流でショートになる 1/2 ショートスタブの方が適切と考えました。

  ただし、2401MHz は 435MHz とは整数倍の関係にないため、オープン/ショート
のスタブが入力端に入ることによる、2401MHz での受信信号への効果が気になると
ころですが…、うちには測定機はありませんので、AO-40 の信号をぶっつけ本番で
聞いてみるしか無いんですよね。

  また、発想を逆にし、付加するのを 1.5C-2V 20mm の 1/4 ショートスタブにし
て、2401MHz 以外の信号を落としてしまうのも手かとは思うのですが、2401MHz に
ピークを持っていっても、同軸スタブのQはそんなに高くなくて、435MHz で完全
にショートされる訳ではないので、435MHz の飛び込みは多少残るだろうし、それ
なら435MHz の方を確実にトラップする方が適切ではないか、と考えました。
  222mm をニッパで切って先端を短絡すれば、435MHz 1/2 波長ショートスタブか
ら、すぐに 2401MHz 1/4 波長ショートスタブに変える事ができますので、435MHz
のトラップがダメなら、その時点で変更すれば済むことですしね。

# 波長短縮率 0.644 は、私が以前、手持ちのフジクラ 1.5C-QEV を 145MHz で SWR
# アナライザを使って計測して求めたものです。別の同軸を使う場合には計測のし
# なおしが必要ですので、追試される方は、この長さを鵜呑みにしないで下さい。

  今夜のパスではこの効果を検証したいと思います。

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Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市
JF6BCC, KH2GR (ex. T88J, T88IY, V63BP)
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