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[jamsat-bb:8147] LNAの設計-HELP!


JF6BCC 今石です。

  手持ちの3台の 2880 のうち、標準改造を行った1台は現用OKとして、残
り2台をどうするかについて考えました。2台ともオリジナルの RF 回路は剥
ぎ取ってしまってますから、単純に修復するのも無理がありますし、以前 FET
だけをそのまま交換しましたが、いい結果は出ていませんでした。
  2台のうち1台は BPF まで剥ぎ取った奴ですので、こいつは簡易送信機用
に転用するとして、問題はもう1台… MGA86576 交換改造だけを行った奴です。
このまま、あるいは再度 MGA-86576 での改造に再挑戦するのも手ですが、まと
もに動作しているのが標準改造の1台だけと言うのは、そいつが壊れた時が不
安ですので、何とかしてこいつを、普通に動作するよう修理したいのが本音で
す。

# 誰かがもてあましている未改造の 2880 を譲ってくれるのを期待するっての
# も手ですが… (^^;)。

  とは言え、Web ページを色々と漁ってはみたものの、MMIC を使わない LNA
の回路図や製作記事が見当たりません。参考にできそうな写真などはあるので
すが…。わざわざ 2880 の RF 段を「同等の」性能の回路で置き換えよう、な
んて人も居ないでしょうから、これは自力で回路を設計しないといけませんね。
  が、LNA の設計や動作の理解では「Sパラメータ」と言う概念の理解が必要
ですよね。そのあたりの基礎知識が欠落している私には、津山での吉田さんと
槇岡さんの話が難解で焦ったほどですから、さあて、どうしよう?。とりあえ
ず YaHoo で「Sパラメータ」で検索をかけてみましたら、こんなサイトが見つ
かりました。

http://www.mogami.com/paper/sparameter/sparameter-01.html

  一見して… (?_?) …よくわかりません。が、S11 が入力側の反射の度合い、
S22 が出力側の反射の度合い、S12 が利得、S21 が逆方向の利得、ってことは
何となく理解できました。
  と言うことは、パーツショップ等で HEMT を購入すると、ついてくるデータ
シートに、このSパラメータをスミスチャート上に記載したものがありますが、
このうち S11 を入力のマッチング、S22 を出力のマッチングの計算に使えば良
いってこと…ですよね? (^^;)。

  手元には、以前 2880 のフロントの FET が飛んだ時にサトーパーツから購入
した FHX-35LG があります。これを使って RF 回路を作りなおすとして、

FHX-35LG データシート (PDF)
http://www.fcsi.fujitsu.com/micro/pdf/FHX35LG.pdf

  ・ドレイン−ソース電圧/ドレイン電流の表から、ゲートに加える電圧は -0.5V
    程度なので、ゲートバイアスが必要。ソース〜GND 間にソース抵抗を入れて
    ソース電流を流す自己バイアスする回路にすれば、ゲート回路は簡単にでき
    るはずだ。

 ・ゲート電圧 -0.5V でドレイン〜ソース間電圧 2V とすると、ドレイン電流は
    約 18mA、これで 0.5V 持ち上げるソース抵抗値は 28ohm。ここは 33ohm の
    チップ抵抗でいいだろう。

  ・電源電圧 5V として、ドレインの電圧は 2.0V + 0.5V の 2.5V なので、ドレ
    イン抵抗の両端の電圧は 2.5V、電流 18mA のために必要な抵抗値は 140 ohm。
    ここは 150 ohm のチップ抵抗でいいだろう。

  ・2GHz の S11 は MAG 0.950 / ANG -44.7、チャートではかなりの端だ。50 ohm
    の純抵抗(チャート中央)からここに持ってくるには…、
      1) -250j ズラした上で時計回りに 20 度回転=入力端子から 2400MHz で
         250 ohm のリアクタンスとなる C を直列に接続し、そこから 1/12 波長
         (11mm) の 50 ohm ストリップラインでゲートに接続。
      2) +250j ズラした上で時計回りに 65 度回転=入力端子から 2400MHz で
         250ohm のインダクタンスとなる L を直列に接続し、そこから 0.18 波
         長 (22.5mm) のストリップラインでゲートに接続。
      …でいいのかな?。ここでは 2) を採用してみよう。

  ・2GHz の S22 は MAG 0.498 / ANG -38.0、チャートの位置からだと、時計回
    りに 30 度ほど回転させた上で +50j の補正をかければいい。30 度の時計回
  りの回転=ドレイン端子から 1/12 波長 (11mm) の 50 ohm ストリップライ
    ンを引き、そこに 2400MHz で 50 ohm のインダクタンスとなる L を直列に
    接続すればいいかな。

  ・ソースを高周波的に接地するパスコンは、他の製作例を見る限りでは 20〜30
    pF 程度でいいようだ。ここは 15pF X 2 にしよう。入力の C1 は L1 に影響
    を与えない大きなもので… 15pF かな。出力の直流カット C3 は…製作例で
    はかなり大きなものが使われているな。1000pF あたりかな。

                                 5V
                                 |
                   GND--C2--+    +--R2--RFC-+
                            S     11.0mm    |
   RF in >--C1-* *========G( )D-========+ +-*---C4---> RF out
               | | 22.5mm   S HEMT      | |
               | |          |           | |
               +-+       +--*           +-+
               L1        |  |           L2
                         C3 R1
                         |  |
                       GND  GND

    C1,C2,C3 15pF
    C4       1000pF
    R1       33ohm
    R2       150ohm
    RFC      適当に… (^^;)。
    L1 と L2 を計算しなくては…。計算式なんだっけ?

  FHX-35LG ではなく、津山の会場で槇岡さんがデータシートを配布していた、
マキ電機さんの Web ページでも取り扱い品になっている NE3210S01 を使うとす
ると、

NE3210S01 データシート(PDF)
http://www.ic.nec.co.jp/microwave/japanese/pdf/P14067JJ2V0DSJ1.pdf

  ・ドレイン−ソース電圧 1.0V、ゲート -0.2V でドレイン電流 18mA なので 
    R1=10ohm、R2=220ohm
  ・2.5GHz で S11 = MAG 0.951 / ANG -27.7、S22 = MAG 0.538 / ANG -19.9
    だから…入出力マッチング回路の数値は FHX35LG と大差ないかな。

  …これでいいのだろうか?。でも、これだと入力のストリップラインが長すぎ
て 2880 内に実装できないぞ。
  それに、NE3210S01 の計算結果が正しいとすると、マキ電機さんのプリアンプ
基板のレイアウトと矛盾してしまいますね。入力側にはそんなに長いストリップ
ラインは無いんですから…。

 …どっか間違ってるに違いないんだが…。

  と、以上、回路の素人が考えた LNA 回路設計ですが、どなたか詳しい方に
添削していただけますと幸いです (^^;)。

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Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市
JF6BCC, KH2GR (ex. T88J, T88IY, V63BP)
jf6bcc@jarl.com or jf6bcc@jamsat.or.jp
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