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[jamsat-bb:6630] Re: 今朝も2400MHzS2-MB聞こえず
JF6BCC 今石です。
At 2000/12/07 00:07:51 Tetsuhiro Inoue wrote:
> Ant.の向きがMA=16でどのようなのか、276/-3 から算出する場合の
> 計算式は有りますでしょうか?
> Kep. 要素から267/-3はMAがいくつになるのか計算可能と思いますが
姿勢と軌道要素を時間さえ与えれば、スキントアングルを計算してく
れる軌道計算ソフトもあるので、可能なはずですが、詳細な方法や式は
知りません。おそらく、
(1) MA 0 (近地点) の時刻と衛星位置を計算
(2) その衛星位置と地球重心のなす線分Aを特定
(3) 線分Aと姿勢データから衛星のビーム方向を表す線分Bを仮定
(4) 目的の MA での時刻と衛星位置を計算
(5) その位置での衛星のビーム方向を表す線分Cを線分Bから計算
(6) 衛星位置と、時点を考慮した観測点のなす線分Dを計算
(7) 線分Cと線分Dのなす角度を計算=スキントアングル
だと思うのですが…。
Calsat32 に軌道要素 #16 を与えて今日の AO-40 の動きを追ってみた
ところ、軌道傾斜角6度と聞いていましたが、MA 128 での衛星の直下点
はほぼ赤道上、また MA 0 の衛星の直下点もほぼ赤道上でした。そこで、
Calsat32 を使って以下のデータを集め、作図で考えることにしました。
(1) 12/7 早朝の近地点(MA=0) P0 : 2:53 JST
直下点は北緯 0 度、東経 82.0 度、高度 599km。
(2) 12/7 午前の遠地点(MA=128) P128 : 8:48 JST
直下点は北緯 0 度、東経 172.0 度、高度 39,336km。
(3) 12/7 早朝の MA=16 の地点 P16 : 3:37 JST
直下点は南緯 6 度、西経 179.0 度、高度 9,775km。
(4) 12/7 早朝の MA=26 の地点 P32 : 4:05 JST
直下点は南緯 5 度、西経 168.0 度、高度 15,850km。
(5) 地球半径を 6,000km と仮定。
(6) ビーコンによれば衛星の姿勢は 267/-3。
書いた図。
http://plaza16.mbn.or.jp/~palau/images/ao40chart02.gif
1. 地球赤道面に対する垂直方向の動きは小さいので、この際無視。
2. 近地点の衛星位置 P0 と地球重心を結ぶ線を基準線Aとする。この線
分と地球の円周の交点を S0 とする。
3. MA=128 までの地球の自転量は 358 分 (89.5度)。近地点と遠地点の
直下位置の経度差は 90 度なので加えてほぼ 180 度。よって遠地点
位置 P128 も基準線A上にある。
4. MA=0〜16 の経度差は 99.0 度、この間の地球自転量は 44 分 で
11.0度、よってこの時点での衛星位置 P16 と地球重心のなす線分 B16
がAとなす角は 99 + 11 の 110 度。図に、地球中心からA+110度の
方向に、6,000 + 9,775km に相当する線分 L16 を引く。末端が P16。
5. MA=0〜26 の経度差は 110.0 度。この間の地球自転量は 73 分 で
18.25度、よってこの時点での衛星位置 P26 と地球重心のなす線分
B26 がAとなす角度は 128.25 度。図に、地球中心からA+18.25度の
方向に、6,000 + 15,850km に相当する線分 L26 を引く。末端が P26。
6. MA=16 の時点で、赤道上の東経 135 の観測点 S16 は、S0 から経度
差 53 + 自転移動 11 の 64 度、反時計方向にある。図に S16 をプ
ロットする。
7. MA=26 の時点で、赤道上の東経 135 度の観測点 S26 は、S0 から経
度差 53 + 自転移動 18.25 の 71.25 度、反時計方向にある。図に
S26 をプロットする。
8. P16 からAに対し 267 度の方向に線 B16 を、P26 から同様に線 B26
を引く。これがビームアンテナの方向。
9. S16 と P16 を結ぶ線分 N16、S26 と P26 を結ぶ線分 N26 を引く。
これがスキント・アングル=ゼロの方向。
10. N16 と B16 のなす角度 D16、N26 と B26 のなす角度 D26 を分度器
で測る。これが目的のスキント・アングル。
この結果、D16 で 37 度、D26 で 51 度になりました。
私が今朝に受信を行なったのは MA=21 ですから、丁度 16〜26 の中間
あたりでしょうか。スキント・アングルは経度方向だけで 40 度以上あ
ったことになり、緯度を考えると 50 度以上あったかも知れません。
AO-40 のSバンドビーコンはビームアンテナですから、これじゃあ受信
できなくて当然、ですね。
計算を簡単にするため、緯度方向の要素を無視して平面上で考えていま
すが、正確には、緯度方向も含めた空間座標で計算する必要があります。
その上で、ALAT -3 で日本が北緯 35 度近辺にあることも考慮すれば、ビ
ーム中心は更にズレることになると思います。
図によれば、MA=16 の時点でビームアンテナが向いているのは、日本
より 86 度ほど東の、西経 139 度近辺、ビーム幅を±15度と考えると
124〜154度で、東太平洋の人口過疎地です。また MA=26 ではビーム軸
は地球を外れてしまいます。おそらく、ビームの軸上には AO-40 のビ
ーコンを受信できる局は存在しなかったのではないかな、と思います。
では、衛星のビームが東経 135 度近辺にくるよう、直下点が日本を
ちょっと超えた MA 6 あたりでSバンドビーコンを ON にすれば良かっ
たのか、と言うと、これも疑問です。MA 6 あたりでの衛星の高度は
3,000km 程度しかなく、ビーム範囲に入る地表域の直径は 1,000km 程
度しかありません。この時にビーム内に居たのは P29 や VK 北部のご
く限られた位置だけで、おそらく日本からは 50 度以上のスキント・ア
ングルとなっていたでしょう。
衛星の姿勢が既に 267/-3 になっている以上、衛星のビームが日本を
向くチャンスは無さそうで、スキント・アングルもかなり大きくなって
います。EME 用の数 m のパラボラでも動員しない限り、Sバンドビーコ
ンを日本で聞くのは無理でしょうね。軌道変更終了後に期待したいと思
います。
> 以上 明日は聞きません!
私も明日はあきらめます Hi。
では。
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Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市
JF6BCC, KH2GR (ex. T88J, T88IY, V63BP)
jf6bcc@jarl.com
http://plaza16.mbn.or.jp/~palau/
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