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[jamsat-bb:6590] Re: 2400 MHzビーコン周波数変動


JF6BCC 今石です。

At 2000/12/04 11:41:59 Yoshio Esaki wrote:
> 衛星のSquint angle、およびSバンドアンテナがスピン軸から
> どれほど離れているかによって、スピンとともにアンテナの距離
> が変化し、数十Hzのドプラー偏移が生じるためとのことです。

  え〜、そんなに大きな変化になるの?、と思って、試算してみるこ
とにしました。
  衛星のスピン軸からSバンドのアンテナが 1.5m 離れていたとして、
衛星が 6.3rpm で回転し、観測者が衛星のスピン軸の真横から見てい
たと仮定して、Sバンドのアンテナが遠ざかる速度と近づく速度の差
を計算してみます。

# 仮定に使った数値が妥当かどうかは、突っ込まないで下さいね。

(1) 半径 1.5m -> 円周 9.42m アンテナは1周でこの距離を移動。
(2) 6.3rpm -> 1分間に 59.3m 移動 -> 0.99m/s が円周上の移動速度
(3) 遠ざかる場合と近づく場合との差 = 2 x 0.99 = 1.98m/s

  今朝の MA 20 時点での AO-40 と観測点(福岡)の相対速度は 4.04km/s、
つまり 4040m/s でした。4040/s に対する 1.98/s は 0.049%、この時
Calsat32 が計算した 2.4GHz のドプラーシフト量は -32.36KHz でし
たから、その 0.049% は 15.86Hz になります。

 ふむふむ。たかが回転軸から 1.5m 離れたアンテナが、6秒に1回
転する程度の動きしかしていなくても、それが最大で 16Hz ものふら
つきになって現れるんですね…。これは意外でした。逆に言えば、そ
れだけ 2.4GHz と言う周波数が高いってことなんですね。
  実際にはSバンドのアンテナを真横から見ているような状況では、
信号は聞こえてこない訳ですが、仮に観測者が回転軸から 30 度ずれ
た場所にいたとしても、相対速度の変化量は最大値の半分ですから、
8Hz ふらつくことになります。この程度のふらつきなら耳でも認識で
きそうですね。

> この現象を利用して、Squint angleを正確に測定し、ALON/ALAT
> の姿勢制御に利用することはAO-13でも行われたとのことです。

  確かに、数 Hz の差になって現れるのであれば正確な計算が可能で
すね。

では。
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Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市
JF6BCC, KH2GR (ex. T88J, T88IY, V63BP)
  imaishi@aa.mbn.or.jp
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