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[jamsat-bb:6506] Re: ドップラー


JF6BCC 今石です。

At 2000/11/29 14:17:45 Shibayama_masato wrote:
> > 受信周波数を表す式は、より正確には【f = fo * c / (c - V * cosθ)】です。
> > θは観測者と衛星のベクトル(進行方向)とのなす角、速度 V は 遠ざかる方向を
> > +(プラス)、近づく方向を−(マイナス)として、遠地点では θ=180゜とみなし
> > て cos180゜=−1 となり、【f = fo * c / (c + V)】 となります。
> >
> > 近地点では、ケプラー法則から確かに衛星の速度は最大になりますが、θ=90゜
> > なので cos90゜=0 となり、【f = fo = 145.898 MHz】となるのです。 ここで
> > 【f = fo * c / (c - V * cosθ)】を 式変形して【V = c(f - fo) / f*cosθ】
> > が得られます。 実際にはこれに仰角が加わって、もっと複雑な式になると思い
> > ます。
中略
> なぜ、
> 近地点のθが90°、遠地点のθが180°になるのかがわかりません。
> 
> 遠地点と観測地点を混同しているのではないかと思うのですが、

 遠地点でθ=180度とすることは、仮定として悪くないとは思います
が、地球の半径は 6,000km 近くあり、遠地点 40,000km 程度の距離
からでは無視できないですよね。
  また、近地点でθ=90度に仮定することは、観測者の位置が近地点
直下の場合のみですから、こちらは無理があると思います。混同と言
うより、簡単な式で表そうと苦労して…失敗しているのではないかと
思います (^^;)。

  観測地点での周波数変化は、

 ・衛星と地球重心との位置関係
 ・地球上にある観測点と地球重心との位置関係

 の複合結果から導かれるものですから、衛星が地球を公転しつつ、
しかも観測点は地球の自転に伴い移動し、その運動は地球重心を通ら
ない面上の円運動となる訳で…、かなり複雑な式にならざるを得ない
と思います。その上で、観測点が衛星の公転軌道上にない場合も考え
なくてはなりません。
 …マイ・ヘッド・イズ・トゥー・ショート・トゥ・シンク・アバウ
ト・イット、です (--;)。

 で、実際の軌道計算ソフトでは、そういう面倒なことはせず、ある
特定の時刻に、座標系上に衛星と観測点の位置を求め、その相対距離
を計算し、一定時間前に計算した結果と比較して、その差から相対速
度を計算して、標準周波数からのシフト量を導き出しているのだと思
います。これなら簡単ですし、とてもわかり易いと思います。
  幸い、地球の大きさと大気層の厚さは、周期が数分、のような高速
衛星の存在を許しませんので、1秒間隔で計算すれば、充分に精度の
高い相対速度を算出できますよね。

では。
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Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市
JF6BCC, KH2GR (ex. T88J, T88IY, V63BP)
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