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[jamsat-bb:6499] Re: 本日11/28の デジタル衛星


JE9PEL/1 Wakita wrote:

>本日(11/28)、衛星AO-40の LOS 直前のミドルビーコン周波数を1分ごとに観測
>しました。 LOS時刻は、軌道要素から計算されるのと同じく実際に17時42分JST
>でした。 観測は その12分前の 17時30分JST から行いました。下記の周波数は
>デモデュレーターがロックした時の受信周波数で、'MA'はその時の P3T の表示
>を記録しました。
>
>
>衛星までの距離(Range)を考えると、17時39分JST頃が近地点(Perigee)のようで
>すが、'MA'は 256(= 0) ではなく、250 という表示でした。 この時「衛星が近
>地点に近づく」=「ケプラー法則により衛星の軌道上の速度が上がる」=「相対
>速度は上がっていく」=「ドップラ偏移量は増える」ということだと思います。
>そして 17時39分ちょうどに、受信周波数は衛星の発信周波数の 145.898MHz と
>同じになっています。下記の実験結果と見比べていて 何だか頭の中が混乱して
>きました。 後でもう一度落ち着いて考えてみます。
>
>
>    JST    MA    Observed      Range
>   17:30   247   145.8995 MHz  6800 km
>   17:31   247   145.8993      6600
>   17:32   248   145.8992      6300
>   17:33   248   145.8990      6200
>   17:34   248   145.8989      6100
>   17:35   249   145.8987      5900
>   17:36   249   145.8986      5850
>   17:37   249   145.8983      5800
>   17:38   250   145.8981      5750
>   17:39   250   145.8980      5750
>   17:40   250   145.8977      5760
>   17:41   251   145.8976      5800
>   17:42   251     LOS


後で考えてみてわかりました。 近地点 'Perigee' とは衛星が地球に最も近づく
点で、この点は MA = 256(= 0) のことであって、上記の時刻17:39の時点では、
衛星が観測地点(QTH横浜) に最も近づいたのが MA = 250 の点であった、という
ことなのですね。

受信周波数を表す式は、より正確には【f = fo * c / (c - V * cosθ)】です。
θは観測者と衛星のベクトル(進行方向)とのなす角、速度 V は 遠ざかる方向を
+(プラス)、近づく方向を−(マイナス)として、遠地点では θ=180゜とみなし
て cos180゜=−1 となり、【f = fo * c / (c + V)】 となります。

近地点では、ケプラー法則から確かに衛星の速度は最大になりますが、θ=90゜
なので cos90゜=0 となり、【f = fo = 145.898 MHz】となるのです。 ここで
【f = fo * c / (c - V * cosθ)】を 式変形して【V = c(f - fo) / f*cosθ】
が得られます。 実際にはこれに仰角が加わって、もっと複雑な式になると思い
ます。

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Name : JE9PEL/1 脇田
Mail : je9pel@jamsat.or.jp
URL  : http://www.asahi-net.or.jp/~EI7M-WKT/
QTH  : Yokohama, Japan
Date : Nov 28, 2000
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