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[jamsat-bb:5900] Re: SO-35


JF6BCC 今石です。

At 2000/10/19 20:59:37 Mineo Wakita wrote:
> ところでアナログ運用については、以前、jamsat-bb でも話題になっていたよ
> うに、昔からの慣習で Downlink周波数を固定し、ドップラーシフトは Uplink
> 周波数の方で補正する、という結論に落ち着いているようです。この考え方に
> 準じて Downlink周波数を 145.825MHzに固定すべきだったのでしょうか?

  FM レピータ衛星やデジタル衛星の場合、衛星側の送信周波数
は決まっていますから、補正するとすれば地上局側でやるほか
ないと思います。
 実際、Mode-J 衛星の場合、ダウンリンクは 435MHz ですから
+- 10KHz 近く動きますので、補正せざるを得ません。それが
Mode-B だと 145MHz で +-3KHz 程度で済むので、動かさなくて
も何とかなる(5KHz ステップが最小の受信機だと動かしようが
ない)んですよね。

  アップリンクについても、帯域ごと他バンドに変換するトラ
ンスポンダーと違って、衛星は特定の周波数を聞いている訳で
すから、衛星の受信帯域の中心にうまく自分の信号を持ってい
くよう、アップリンクもドプラー補正する必要があります。
 これについても Mode-J なら、145MHz の +-3KHz 程度であれ
ば衛星側の AFC で追いついてしまいますから、あえて補正しな
くても済むわけですが、Mode-B だと 435MHz で +-10KHz はズ
レますから、補正してやらないと相手の受信帯域を外れてしま
います。
  SO-35 の Mode-B の場合はよく、パスの中央付近で、それま
での -10KHz 程度のシフト量が急激にゼロ〜プラスに変化しま
すが、それに追随できず、周波数のズレた状態のアップリンク
が、変な感じでダウンリンクになって降りてくるのを確認でき
ますよね。

  衛星側の送受信周波数が固定されている FM レピータやデジ
タル系衛星の場合、ダウンリンクの周波数を一定にするという
概念自体が不要だと思います。

> したがって最初に述べたように、ドップラーシフトを Up/Downの両方で考慮し
> て設定した方がよいのではないかと思うのですが? また、衛星AO-13の時のよ
> うなSSBではなく、衛星SO-35はFMなので、これほど神経質に考えなくてもよい
> のかもしれません。

  良いかどうかと言うより、それしか無いと思います。

  でも確かに、使っている送受信機が FM 専用だと、周波数ス
テップも最小 5KHz、古い機種だと 10KHz ステップだなんてこ
ともありますし、受信のフィルタもさほど狭いものが使われて
いる訳じゃありませんから、SSB/CW 用のトランスポンダーの衛
星を使う場合ほどシビアになる必要はないですよね。
  また、手持ちの FM 機で、一方は 145MHz で +-3KHz 程度し
かズレないので、ドップラー補正は 435MHz 側の送受信だけ考
えればいい、と言うところが、FM レピータ衛星の「手軽さ」だ
と思います。

  私なんか、初めて衛星通信をやった時はいきなり AO-13 でし
たから、それまでの HF/VHF の DX 通信とは全く考え方の異な
る世界には、ずいぶんびっくりしましたし。その点、FM レピー
タの運用経験にちょっとだけ加えれるだけで済む FM レピータ
衛星は、入門向けには最適だと思います。

では。
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Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市
JF6BCC, KH2GR (ex. T88J, T88IY, V63BP)
  imaishi@aa.mbn.or.jp
  http://plaza16.mbn.or.jp/~palau/
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