[jamsat-bb:4620] Re: 質問です・・・素人の回答

[shibayama_masato(JA7JZS) <ja7jzs@jamsat.or.jp>]

江崎様

esaki>
esaki>宇宙には素人の友人からの受けた質問で、はたと答に窮しています。
esaki>
esaki>「宇宙にロケットや人工衛星を飛ばす時に、上空侵犯にならない高度は
esaki>　どこからか？」というものです。
esaki>
esaki>どなたかご存じでしたら教えて下さい。
esaki>

昨年８月末の北朝鮮のミサイル(ロケット)発射の時も問題になりましたが、
一般的には、公海上で宇宙に入り、どこその国の上方の宇宙をまたいで、公海上に落下した場合、
上空侵犯にはならないと国際法で理解されているようです。

そこで、どこから宇宙なのかという問題ですが、
たしか大気圏外の上空１１０KMぐらいだったと思います。
通常、大陸間を移動する旅客機は、上空１０KMぐらいの超低空飛行ですから、
通過する国の承諾が必要になるようです。

昨年８月の事件の場合、
発射国にしてみれば、ミサイルだろうがロケットだろうが、国際法に則った経路で飛翔体が宇宙を飛んでいるの
だから問題ないとの主張です。(ロケットと主張していますが)
アメリカの衛星やスペースシャトルなら通過しても良く、我が国の衛星では駄目なのかという話になりかねない
話でした。
一方、庭先をまたがれた側は、国際法上何も言えないが、
弾頭部分に爆弾がなくても実質ミサイルなのだから庭先が攻撃範囲に入ったことになり、
非常に危険なので、防衛能力の向上が必要であるという方向に向いています。
しかも、１０分ほどで勝敗が決する問題なので、同盟他国からの情報待ちでは困るという考え方です。

ミサイルとロケットの定義については、私は良くわかりませんが、
少なくとも爆弾(燃料も爆発物にはなるが・・・)を積んでいるかいないかぐらいしか検討がつきません。

昨年の９／２に読売新聞に人工衛星論の解釈と今後の展開について、
上記内容を含んだ投稿を電子メールで行いました。
ところが、日本中がミサイル事件で大騒ぎしている中、９／４過ぎだったと思いますが、
北朝鮮から、「あれはロケットで人工衛星をあげたのだ」と主張しはじめたのです。
その後、人工衛星探しに、NHKからの紹介もありjamsatのメンバーも奔走しました。
「宇宙に人工衛星がいない」ことの証明はもっと難しいということなりました。

esaki>ついでですが、何年か前に赤道に近い国から、静止衛星を我が国の上空
esaki>に勝手に上げないでくれ、というクレームがついたとかいうのを聞いた
esaki>ことがあります。そのようなことを主張できる国際法あるいは慣習が有
esaki>るのでしょうか？
esaki>

赤道上の静止衛星の全世界各国の配置は既に規定されているようですが、
赤道直下付近の小国が、
割当て衛星数が少ないことと、
あまった場合、配置して欲しい国に譲渡すること
の目的で主張している可能性があります。
いわゆる空の領海、海の経済水域にも似た「経済宇宙域」の主張ではないかと推測します。
あくまで素人の考えです。
国際法上については、どのように解釈しているかは分かりません。

「領海」は、船の大砲の弾が陸に届かない範囲で設定され、１〜３海里ぐらいから始まったと思います。
現在では、「経済水域」や「大陸棚まで領土の一部」という考え方が多くなっています。
やがて、飛行機やロケットが登場してからは「領空」の考え方がでてきて、「宇宙」はどの国にも帰属しない。
すなわち自由航行ができるという考え方になっているようです。

以上、このボードではあまり相応しくない内容ですが、ご勘弁ください。

１９９９／８／３
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    .・  ・●         芝山  正登
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