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[jamsat-news:1775] SATINF#220 3 Feb 2003


衛星情報  SATINF#220   3 Feb 2003
                                                           JN1GKZ 新井


トピックス

◆SO-43(Starshine 3)
  1月21日に大気圏に再突入しました。

◆AO-49(SAFIR-M)
  12月20日に打ち上げられたSAFIR-Mのオスカーナンバー AO-49がつきまし
 た。テレメトリのパケットに障害が発生していますが、kissモードでデコー
 ドできます。また、デジピータの運用がおこなわれています。
  受信報告に対して、QSLカードが発行されます。

◆SO-50(Saudi OSCAR-50)
  12月20日に打ち上げられたSaudiSat-1Cは、1月3日からFMリピータの運用
 を始めました。衛星には、SO-50のオスカーナンバーが付けられました。

◆AO-40
  Kバンドの運用がおこなわれています。



1.運用中の衛星

●AO-7
  mode-A up:145.850-145.950MHz CW,USB/down:29.400-29.500MHz CW,USB
            ビーコン:29.502MHz CW
  mode-B up: - /down:145.925-145.975MHz CW,USB  出力 8W
            ビーコン:145.972MHz CW
  mode-C mode-Bのローパワーモード。出力は2.5W。
         ビーコン:145.810MHz キャリア
  他に435.100MHz(動作確認)、2304.1MHz(動作未確認)のビーコンがある。

  AO-7は、太陽光が当たっている時にのみ動作しています。食に入ると動作
 を停止し、再び動作する際のモードはランダムに変わっています。
  Bモードのアップリンク周波数は432MHz帯です。現在のIARUのバンドプラ
 ンでは衛星に割り当てられていない周波数であり、日本のバンドプランから
 も外れるため、使用できません。

  コマンドが通ることも確認されています。CWテレメトリのスピードを変え
 ることに成功しています。

  関連サイト
   衛星の諸元
    http://www.amsat.org/amsat/sats/n7hpr/ao7.html
   衛星の画像
    http://www.amsat.org/amsat/sats/ao7/slideset/index.html
   AO-7 ACTIVITY REPORT LOGGER
    http://www.artieda.net/hb9dri/ao7logger
   AO-7 フォト コレクション
    http://www.ka9q.net/ao7


▲AO-10
  mode-B up:435.030-435.180MHz CW,LSB/down:145.975-145.825MHz CW,USB
         ビーコン:145.810MHz キャリア

  4月頃から信号が聞こえなくなっています。


●AO-16
  mode-J up:145.90, 145.92, 145.94, 145.86MHz 1200bps AFSK
         down:437.025MHz 1200bps PSK
  Sバンドビーコン 2401.143MHz PSK

  デジピータがオンになっています。Sバンドのビーコンは停止しています。


●AO-27
  mode-J up:145.850MHz FM/down:436.795MHz FM

  全日照の期間に入っています。トランスポンダの制御は、コマンド局が手
 動でおこなっており、週末にトランスポンダをオンにすることがあるようで
 す。

  関連サイト
    http://www.ao27.org  The Official Home of AO-27 on the Web


★AO-40
  1月1日からKバンドの運用が始まりました。JI5MFZ、JH1AOY、JA1ATI、
 JA1AUH、JR4ZZS局らがアクティブに運用されています。

  1月25日オービット#1028のMA=2〜55までMBの信号が弱くなる現象が発生し
 ました。これはALCによるもので、これまでにも何度か発生している現象で
 す。食から抜けた直後、MBをオンしようとした際、電力が十分でなかったり、
 バッテリの温度が低かったりした場合に発生します。オービット#1028では、
 食のためMA=244〜2の期間、MBをオフしていましたが、MBのオフ時間をMA=10
 まで伸ばし、この問題を起こらなくしました。この問題が起きた場合の復旧
 方法は、コマンド局が手動でMBをオフ/オンすることで、オービット#1028も、
 コマンド局が手動で復旧させました。

  スクイントアングルが良ければ、ローパワーでも十分なダウンリンクが帰っ
 てきます。アップリンクパワーは適正値(ダウンリンクの信号をMBより10dB
 以上弱くする。Sメータの振れでMBより2-3弱くするのが目安)で運用して下
 さい。

 運用スケジュール(予告無しに変更されることがあります)      2/1-
      MA    トランスポンダ   RUDAK   ビーコン
     0- 40       OFF          OFF      S2 MB
    40-126    U/L1/L2→S2     OFF      S2 MB
   126-132    U/L1/L2→S2/K   OFF     S2/K MB
   132-210    U/L1/L2→S2     OFF      S2 MB
   132-140 *     OFF          S2        OFF
   210-256       OFF          OFF      S2 MB
    * RUDAKは北米のコマンド局がウインドウにある時にのみ不定期の試
    験がおこなわれている。RUDAKの試験をおこなわないときは、トラン
    スポンダが運用される。

 ビーコン周波数(打ち上げ前の最終チェックで測定された周波数に実績を
 加筆。*は、打ち上げ後にアナウンスのあった実績のある周波数)
   BEACON    General Beacon  Middle Beacon   Engineering Beacon
   Vバンド          -           145.898MHz*          -
   Uバンド       435.438MHz     435.588MHz       435.838MHz 
   S1バンド     2400.188MHz    2400.338MHz      2400.588MHz 
   S2バンド     2401.168MHz    2401.323MHz*     2401.568MHz
   Xバンド     10450.975MHz   10451.125MHz     10451.375MHz 
   Kバンド     24047.885MHz   24048.035MHz     24048.285MHz 
   赤外レーザ                   360    THz

 アップリンク、ダウンリンク周波数
    ※MBに妨害を与えないこと。MBの±5kHzの範囲はダウンリンク禁止。
   S1バンドdown:  2400.225 -  2400.475 MHz
   S2バンドdown:  2401.210 -  2401.495 MHz
   Kバンドdown : 24048.025 - 24048.274MHz
   Vバンドup   :   145.840 -   145.990 MHz
   Uバンドup   :   435.780 -   435.495 MHz
   L1バンドup  :  1269.496 -  1269.211 MHz
   L2バンドup  :  1268.575 -  1268.325 MHz
   RUDAK   down:  2401.74MHz, 2401.85MHz

 姿勢
  11月21日にALON/ALAT=0/0に戻りました。

 食
  12月18日から食が始まりました。MA240-250付近で30分弱、食になって
 います。

 トランスポンダ
  U/L1/L2→S2/Kの運用がおこなわれています。近地点付近でアンテナが地
 球に向くため、スクイントアングルが良いときには強いダウンリンクが帰っ
 てきます。

 IFマトリックス
  正常に動作しています。
  接続の誤動作が何度か起きていますが、MUX出力(IHU-1の制御/監視ユニッ
 ト)の切り替えタイミングの問題だと考えられています。切り替えタイミン
 グの調整によってこの問題は解決できたようです。

 S1バンド送信機
  回復は望めないようです。
  2001年8月13日に突然停止しました。8月20日に試験をおこなったところ、
 送信機に電流が流れず、RF出力、温度上昇も確認できなかったそうです。
  2001年11月6日のレポートによると、送信機の電源を1秒毎にオン/オフす
 るプログラムがアップロードされ45分間実行されましたが、送信機に電流が
 流れなかったそうです。S1送信機の回復は望めないようですが、この試験を
 継続しておこなってゆく予定です。

 Vバンド送信機
  2000年12月の事故以来停止しています。
  2001年8月20日に試験がおこなわれました。V送信機をオンにすると電流が
 流れ、RF出力があることが確認されていますが、衛星からの信号は確認でき
 ていません。高利得アンテナと送信機とを接続するリレーに問題が考えられ、
 リレーのオン/オフ動作運動をおこないました。その後の状況報告はありま
 せん。

 Kバンド送信機
  2003年1月1日からスケジュールに組み込まれ運用されています。姿勢変更
 が始まる3月中旬頃までKバンドの運用が続けられるものと思われます。

 Xバンド送信機
  2001年5月に試験がおこなわれましたが、動作が確認されていません。
  S1バンド送信機と同じように電源をオン/オフする試験が計画されていま
 す。

 Vバンド受信機
  2002年6月12日から運用が始まりましたが、Vバンドでアップリンクした信
 号は、とても弱く、CWでならQSOができるレベルです。信号が弱いのは、3機
 あるフォールデットDPの一部が破損したか、アンテナ切り替えリレーに問題
 があるのではないかと考えられています。

 Cバンド受信機
  2001年5月に試験がおこなわれましたが、動作が確認されていません。

 RUDAK
  2002年12月9日からRUDAKの試験が始まりました。

 SCOPE
  カメラ-A(狭角)、カメラ-B(広角)共に撮影に成功し、正常に動作して
 います。
  2001年8月7日 オービット #354にてカメラ-Bを使って地球の撮影に成功し
 ました。
  2001年12月15日に2回目の試験がおこなわれ、カメラ-A、Bで地球の撮影に
 成功しました。
  画像は、JAMSATのサイトで公開されています。
    http://www.jamsat.or.jp/

 GPS
  搭載している2台のGPS受信機の動作が確認されています。
  2001年にGPS衛星が作る「輪」の外で位置データを取得することができる
 かどうかの実験がおこなわれ、その結果が公開されています。
    http://www-ccar.colorado.edu/~moreau/pubs/ao40aasgnc_fin.pdf

 LEILA
  正常動作が確認されました。時々、無信号の周波数に現れることがあり
 ます。

 YACE
  姿勢を確認するため、地球の撮影をおこなっています。

 モーメンタム・ホイール
  試験がおこなわれ、今のところ、問題は無いようです。3軸制御までには
 確認する事項がまだまだあり、直ぐには移行しません。

 アークジェットモータ
  オービット#295から#301までアンモニアガスの噴射のみでの運用がおこな
 われました(アーク放電なし)。オービット#302からアンモニアガスが噴射
 されなくなり、運用を終えました。搭載していたアンモニアガスを使い果た
 してしまったと考えられています。

 AO-40の関連サイト
  AMSAT-DL AO-40情報 webサイト by AMSAT-DL
    http://www.amsat-dl.org/journal/adlj-p3d.htm
    http://www.dj1km.de/amsat-dl/journal/adlj-p3d.htm (ミラーサイト)
  テレメトリ仕様書 Rev1.8 by AO-40コマンドチーム
    http://www.dj1km.de/amsat-dl/p3d/index.html
  テレメトリ解読ソフト P3T ver1.6e by W4SM
    http://www.cstone.net/~w4sm2/software2/P3t_AP.zip
  テレメトリ WODデコードソフト WodGraph Ver 1.1d by W4SM
    http://www.cstone.net/~w4sm/ham1.html
  テレメトリデコードソフト AO40Rcv Ver1.40 by AE4JY
    http://www.qsl.net/ae4jy/
  テレメトリデータ アーカイバ by VP9MU
    http://www.amsat.org/amsat/ftp/telemetry/ao40/
      デコードしたテレメトリ(P3T形式)は、ZIPで圧縮して
     ao40-archive@amsat.org へ送付願います
  RUDAK WOD(Whole Orbit Data)→CSV変換ソフト by WD0E他
   Windows版(RudakTLM)、JAVA版、DOS版(WOD2CSV)
    http://www.amsat.org/amsat/ftpdelta.html
  回線計算 excelスプレッドシート byW3PM/GM4YRE
   Ver2.1になりました。
    http://www.amsat.org/amsat/ftp/software/spreadsheet/w3pm-ao40-v2.1.zip
  AO40 REPORT LOGGERサイト by HB9DRI
    http://www.artieda.net/hb9dri/ao40logger
  アップリンク/ダウンリンク 周波数早見表 by G6LVB
    http://www.g6lvb.com/oldtech.htm 


★AO-49 (SAFIR-M)
  up:435.275MHz 1200bps AFSK
  down:145.825MHz 9600bps MSK

  SAFIR-Mにオスカーナンバー AO-49(ATiS OSCAR-49:AATiS(Arbeit
 skreis Amateurfunk und Telekommunikation in der Schule:独語))が付
 きました。

  12月末にテレメトリパケットのビット0が0に固定される障害が発生し、バ
 イナリーデータで偶数しか送信しなくなりました。このため、AX.25のフォー
 マットに合致しなくなり、テレメトリの解読には、TNCをkissモードまたは
 トレースモードにして、データをファイルにセーブし、そのファイルを解析
 しなければなりません。コマンド局は、この問題を回避するソフトを開発中
 ですが、一ヶ月経った今もリリースされておらず、難航しているようです。
  受信したKISSモードのデータは、コマンド局 DG6BCE@aatis.de へお送り
 下さい。

  デジピータの運用もおこなわれています。デジピータでは、ビット0が0固
 定になる障害が発生しておらず、普通にTNCでモニタできます。AO-49のデジ
 ピータは、AO-49がデコードしたパケットを送信し直す形式で、デジピート
 用のコールサインは必要なく、一般のデジピートとは異なります。

  デジタル音声の送信をおこなう機能もあるようですが、未だ運用されてい
 ないようです。

  受信報告に対してQSLが発行されます。QSLマネージャは、DG1CMZです。
 ビューロまたはダイレクトで。DG1CMZのアドレスは、
    Michael Zuerch, DG1CMZ
    Walddorfer Ring 16, D-08428 Trunzig, GERMANY
 です。詳細は、以下を参照下さい。ログも掲載されています。
    http://www.qsl.net/dp0ais

  テレメトリは、以下の要領で解読できます。(温度情報は各種データから
 類推)。
    18:32:52R DP0AIS>DATA1 Port=2 <UI C Len=21>:
    000000A900A688244B00

    AAAABBBBCCCCDDEEFFGG
     記号  項目      変換式      変換例
     AAAA  リザーブ??            0000
     BBBB  基板温度      HEX/2 [℃]    00A9 → 84.5℃
     CCCC  ケース温度    HEX/2 [℃]    00A6 → 83.0℃
     DD    12V電源電圧   HEX*100mV     88   → 13.6V
     EE    5V電源電圧    (HEX+512)*10mV  24   → 5.48V
     FF    3.3V電源電圧  (HEX+256)*10mV  4B   → 3.31V
     GG    ビットエラー           00

    テレメトリフォーマット
      http://www.ne.jp/asahi/hamradio/je9pel/tlmformt.pdf
     KISSモードで受信した場合は、バイナリファイルのエディタでアス
     キーコードが表示されるものを利用し、上記の数字列(数字列は、
     アスキーコードになっている)を受信ファイルの中から見つけ解
     読する。@は、Aと読み替える。
    KISSモードファイルの解析例
      http://www.ne.jp/asahi/hamradio/je9pel/21228saf.gif

  SAFIR-Mの情報は、以下のサイトから得られます。
    http://amend.gmxhome.de/ 
    http://hft.fh-pforzheim.de/ao49/


●FO-20
  mode-JA up:145.900-146.000MHz CW,LSB/down:435.900-435.800MHz CW,USB
          ビーコン:435.795MHz キャリア

  夜間のパスでは、食によってUVC(Under Voltage Controler:バッテリの
 過放電防止のため送信機への電源を遮断する)が動作し、送信が一時的に停
 止することがあります。


●FO-29
  mode-JA up:145.900-146.000MHz CW,LSB/down:435.900-435.800MHz CW,USB
          ビーコン:435.795MHz CW
  mode-JD(1200bps) up:145.850, 145.870, 145.910MHz 1200bps AFSK
                   down:435.910MHz 1200bps PSK
  mode-JD(9600bps) up:145.870MHz 9600bps FSK
                   down:435.910MHz 9600bps FSK
  デジトーカ:435.910MHz

  JARLの運用スケジュールは更新されていませんが、当面アナログでの運用
 が続けられるものと思われます。


●GO-32(TechSat-1B)
  ビーコン:435.225MHz 9600bps

  11月26日には新しいRBBS用のソフトをアップロードするためRBBSの試験を
 一時中断するとの広報がありました。30秒に1度、ビーコンを送信している
 ようです。

  GO-32の情報は以下のサイトから得られます。
    http://w3.iarc.org/techsat/techsat.html


●IO-26
  mode-J up:145.875, 145.900, 145.925, 145.950MHz 1200bps AFSK
         down:435.822MHz 1200bps PSK

  MBLモード(セーフモード)になっており、デジピータは停止しています。
                                               [from KD4APP @amsat-bb]

  IO-26の情報は、以下のサイトから得られます。
   http://joshua.micronet.it/english/itamsat/itamsathome.html


●LO-19
  mode-J up:145.84, 145.86, 145.88, 145.90MHz 1200bps AFSK
         down:437.150MHz 1200bps PSK
         ビーコン:437.125MHz CW

  CWビーコンがオンになっています。CWビーコンは12WPMのゆっくりとした
 CWで約30秒毎に送信されています。


▲MO-46(Tiungsat-1)
  mode-J up:145.850、145.925MHz 9600bps FSK
         down:437.325MHz 9600bps、38400bps

  運用状況は不明です。


●NO-44(PCsat: Personal Communications Satellite)
  down:144.390MHz 1200bsp AFSK、9600bps FSK
       145.825MHz 1200bsp AFSK、9600bps FSK

  正常に動作しています。

  PCsatの情報は以下のサイトから得られます。
    http://web.usna.navy.mil/~bruninga/pcsat.html


●NO-45(Sapphire)
  down:437.100MHz FM無変調キャリア、デジトーカ、1200bps AFSK

  無変調キャリアのビーコンを437.100MHzで1分間に1度送信しているようで
 す。


●OO-38(OPAL)
  up/down:437.100MHz 9600bps FSK

  最近レポートがありません。


●RS-15
  mode-A  up:145.858-145.898MHz CW,USB/down:29.354-29.394MHz CW,USB
          ビーコン:29.352MHz
  mode-KA up:21.260-21.300MHz CW,USB、145.960-146.000MHz CW,USB
          down:29.460- 29.500MHz CW,USB
          ビーコン:29.458MHz CW
          ロボット up:145.840MHz CW/down:29.504MHz CW
  mode-KT up:21.260-21.300MHz CW,USB
          down:29.460-29.500MHz、145.860-145.900MHz CW,USB
          ビーコン  :29.458MHz、145.863MHz CW
          ロボット up:21.139MHz CW/down:29.504MHz、145.905MHz CW

  Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
 2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
 がおこなわれている間だけオンになっているという情報がありますが確認
 できていません。


●RS-20(MOZHAYETS)
  ビーコン:435.319MHz、145.828MHz

  11月28日0941モスクワ時間にRS-20(Mozhaetz:モジャーエツ)を打ち上
 げたとの報告がUA3XBU、RW3DZからありました。
  周波数 435.319MHzと145.828MHzでビーコンを送信しているとのことですが、
 なかなか確認できませんでした。11月29日2028zにG8ATEが435MHzで受信した
 のが最初のようです。ビーコンの送信は不定期におこなわれているようで、
 日本で信号が確認されたのは、12月2日になってからです。ビーコンはCWで
 すが、きれいなCWを打っていないようで、ドップラシフトもあり、解読は難
 しいようです。当初はランダムな英数字を送信していたようですが、12月8
 日頃から意味のあるメッセージを送信し始めたようです。

  受信したメッセージと音声ファイル
    ORBIT IS 720KM INCLINATION 98 DEGREE AND PERIOD IS 99 MIN CQ
    CQ CQ DE RS20 WEIGHT OF SATELLITE IS 60K*** TO SPHERICAL ABOUT
    800MM IN DIAMETER THE **EQUIPMENT IS LOCATED IN THE HERMETIC
    CANISTER*** THE SIGNALS OF THE SATELLITE MAY BE RECEIVED BY
    ** SOURS ON FREQUENCIES 435319KHZ OR 145828KHZ
                                  [from JE9PEL/1、JH4DHX/3 @jamsat-bb]

  以下の表を利用してテレメトリの解読ができます。受信報告は、コマンド
 局(plis@kaluga.ru or zaitzev@izmiran.rssi.ru)へ送付下さい。
    Name   Limits      Decoding          Assignment
    RS 20                                The  callsign
    UBS    N=100:170   U=N / 10 Volts    On board voltage
    IBS    N=10:250    I=N / 100 Ampers  On board current
    USUN   N=0:180     U=N / 10 Volts    Charge voltage from solar battery
    ISUN   N=0:180     I=N / 100 Ampers  Charge current from solar battery
    ITXA   N=0:170     I=N / 100 Ampers  D.C. current of the 435 MHz Tx
    PTXA   N=0:70      P=N / 10 Watts    UHF power of the 435 MHz Tx
    TTXA   N=50:190    T=N - 100 deg C   Temperature of the 435 MHz Tx
    ITXB   N=0:150     I=N / 100 Ampers  D.C. current of the 145MHz Tx
    PTXB   N=0:70      P=N / 10 Watts    VHF power of the 145MHz Tx
    TTXB   N=50:190    T=N - 100 deg C   Temperature of the 145MHz Tx
    TEXT   N=30:250    T=N - 100 deg C   Temperature of the outer case
    TINT   N=30:190    T=N - 100 deg C   Temperature of the inner case
    TOR    N=10:250    T=N - 100 deg C   Temperature of the Earth sensor
    UOR    N=0:100     U=N / 10 Volts    Temperature of the Sun sensor
    MTX    N=0:255     Table of operational modes. The housekeeping info.
    MRX    N=0:255     Table of operational modes. The housekeeping info.
    RS 20                                The callsign
                                                            [from ANS]


●SO-33(SedSat-1)
  437.910MHz 9600bpsでテレメトリを送信しています。


★SO-50(SaudiSat-1C)
  mode-J up:145.850 FM トーン67Hz/down:436.800MHz FM

  12月20日にAO-49と同じロケットでサウジアラビアの衛星 SaudiSat-1Cが
 打ち上げられましt。SaudiSat-1A/1Bには、アマチュア用のペイロードが搭
 載されていたので、1Cはどうかと、期待が高まっていましたが、何の情報も
 ありませんでいた。そんな折り、1月3日にAMSAT-NA経由でアマチュア向けの
 運用を開始するとのアナウンスが突然ありました。
  SaudiSat-1Cは、FM衛星ですが、UO-14などの従来のFM衛星とは運用の仕方
 が少々ことなります。運用には、67Hzのトーン信号が必要です。地上のリピー
 タをアクセスする時に使用するトーン信号を67Hzにして運用します。衛星は、
 普段は送信機をオフにしています。67Hzのトーン信号を衛星が確認したとき
 にのみ、衛星は送信を開始します。PTTを押してからダウンリンクが帰って
 くるまでに若干のタイムラグがあるため、運用には慣れが必要です。ダウン
 リンクの信号が確認できてから話し出すようにします。AO-Echoにも同様の
 機能が搭載されるようですので、SO-50で慣れておくと良いかも知れません。

  運用は、制御されているのか不明ですが、不定期におこなわれています。

  筆者は、1月3日16時JST過ぎのパスでループテストに成功しました(相手
 がいなかったのでループテストのみ)。3日夜には、QSOがおこなわれたよう
 です。

  SaudiSat-1Cには、SO-50(Saudi OSCAR-50)のオスカー番号が付きました。


▲TO-31(TMSAT-1)
  mode-J up:145.925MHz 9600bps FSK/donw:436.925MHz 9600bps FSK

  運用を停止しているようです。


●UO-11
  ビーコン:145.825MHz 1200bps, 2401.500MHz キャリア(浅い変調)

  VHF送信の動作が不安定になっています。5-6日間動作し、14日間停止を繰
 り返しているようです。この周期は、watchdogタイマによるものだそうです。
 原因は、衛星が低温になり、地上局からの制御ができなくなっており、デフォ
 ルトモードで動作しているためのようです。1月19日現在、信号が聞こえてい
 たのは、8月18日〜23日、9月6日〜10日、9月25日〜10月4日、10月18日〜25日、
 11月8日〜14日、11月29日〜12月5日、12月18日〜12月26日、1月6日〜1月15日
 と報告されています。
  Sバンドのビーコンは停止することなく、動作しているようです。

  UO-11の情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.users.zetnet.co.uk/clivew/oscar11.htm


●UO-14
  mode-J up:145.975MHz FM/down:435.070MHz FM

  JモードのFMリピータの運用がおこなわれています。
  ラオスから運用している局があるようです。


●UO-22
  mode-J up:145.900 and/or 145.975MHz 9600bps FSK/down:435.120MHz 9600bps FSK
            デジピータup:145.975MHz、デジピータコール:UOSAT5

  正常動作しています。
  デジピータの運用もおこなわれています。デジピータのコールサインは、
 UOSAT5 です。

  UO-22は、11年半も軌道上で動作しており、ニッカドバッテリの充放電回
 数は、約6万回にも達しています。バッテリの老朽化が進み、食が始まると
 動作の保証はでき兼ねない状態のようです。
  姿勢制御系を動作させるため電力を確保するため、ユーザの少ない地域で
 は、送信を停止留守ソフトが組み込まれました。現在、太平洋中央、インド
 洋、中国中央では送信を停止しています。
  コマンド局は、UO-22の余命は残り少ないと考えています。
                                         [from G7UPN/ZL2TPO @amsta-bb]


●ISS
  up:144.490MHz FM、145.990MHz 1200bps AFSK
  down:145.800MHz FM、1200bps AFSK

  パケットの運用は休止しているようです。

  第6次搭乗員は次の3名です。3名ともアマチュア局の免許を持っています。
    Commander      :Ken Bowersox (USA)        KD5JBP
    Flight Engineer:Nikolai Budarin (Russia)  RV3FB
    Science Officer:Don Pettit (USA)          KD5MDT

  ISSのアマチュア局のコールサインは次の通りです。
   コールサイン:RZ3DZR、R0ISS、RS0ISS、NA1SS、DL0ISS

 ARISSのサイト
    http://ariss.gsfc.nasa.gov/
 ISS Fan Club
    http://www.issfanclub.com
 2001年11月23日におこなわれてJK1ZAM スクールコンタクトの様子
    http://www.aa.alpha-net.ne.jp/enari/ariss/contens5.htm



2.調整中の衛星
●SO-41(SAUDISAT-1A)
  管制局があるサウジアラビアとアメリカ上空でトランスポンダの動作が始
 めたとのアナウンスがAMSAT-NAから2002年4月8日にありました。アップリンク 
 145.850MHz、ダウンリンク436.775MHzでFMリピータとして動作しています。
  残念ながら日本上空での運用予定は今の所無いようです。



3.運用を停止している衛星
▲UO-36(UoSAT-12)
  mode-J down:437.375MHz 38.4Kbps FSK

  最近は信号が聞こえないようです。

  UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sstl.co.uk/


▲RS-12/13
  RS-12
  mode-K up:21.210-21.250MHz CW,USB
         down:29.410-29.450MHz CW,SSB
         ビーコン:29.408MHz
         ロボット up:21.129MHz CW/down:29.454MHz CW

  RS-13
  mode-T up:21.260-21.300MHz CW,USB
         down:145.860-145.900MHz CW,USB
         ビーコン:145.862MHz CW
         ロボット up:21.139MHz CW/down:145.908MHz CW

  2002年8月21日ころから運用を停止しています。


▲BO-47, BO-48(IDEFIX)
  音声メッセージ、テレメトリ:145.840MHz、435.720MHz  NBFM、400bps BPSK

  BO-47(CU1)は6月8日に、BO-48(CU2)は5月20日に電池が尽き運用を停止
 しました。
  IDEFIXは、送信を止めてしまいましたが、IDFFIXが搭載されているアリア
 ン4 ロケットの3段目は大きな円筒形をしているため、眼視が可能です。夜
 空にIDEFIXを探してみて下さい。

  IDEFIXの受信報告に対してSWLカードが発行されます。SWLカードを希望さ
 れる方は、受信報告にIRC 2枚とSASEを同封して以下へ。
    Amsat-France
    IDEFIX
    14 bis rue des Gourlis
    92500 Rueil Malmaison

  関連サイト
    http://perso.club-internet.fr/fa1rtp/idefix/e-index.htm


▲RS-21(Kolibri-2000)
  ビーコン:435.335MHz、145.825MHz  CW、デジトーカ

  5月3日 2300z(オービット #711)に大気圏に再突入しました。当初、打
 ち上げから2〜4ヶ月後に大気圏に再突入するものと見られていましたが、
 1ヶ月半という短命に終わりました。
  高度の低下は4月29日頃から顕著になっています。

  関連サイト
    http://www.iki.rssi.ru/kollibri/mission1_e.htm
    http://www.energia.ru/english/energia/sci-education/microsat/microsat.shtml
    http://tarusa.ru/kolibri2000(ロシア語)
   高度と周期のグラフ、テレメトリ解読表
    http://www.ne.jp/asahi/m-arai/gkz/satinfo/rs21.htm

  12月20日にRS-21のSWLカードが届きました。


★SO-43(Starshine 3:Starshine OSCAR-43)
  down:145.825MHz 9600bps FSK

  2002年1月9日に機能を停止しました。

  1月21日0437zにコスタリカ西の太平洋上空で大気圏に再突入し、消滅しま
 した。
                                                [from W3IWI @amsat-bb]


▲KO-23
  mode-J up:145.900MHz 9600bps FSK/down:435.175MHz 9600bps FSK

  99年10月30日にOBCがリセットされて以来、運用を停止しています。


▲KO-25
  mode-J up:145.980MHz 9600bps FSK/down:436.500MHz 9600bps FSK

  運用を停止しています。


▲DO-17

▲WO-18

▲PO-34 (PanSat)

▲WO-39(JAWSAT)

▲SAUDISAT-1B(SO-42)
  SO-41は、試験運用を始めましたが、SO-42は、ソフトウエアの開発が遅れ
 ており、未だ運用をおこなっていません。



4.これから打ち上がる衛星

●VUSAT
  AMSAT-Indiaは、VUSATの計画を進めています。
  VUSATは、重量40kgのマイクロサットで次の機能の搭載が検討されています。
    Bモードのリニア トランスポンダ インドが作製
    DXトランスポンダ        オランダ、イタリアそれぞれ1台作製
     (海外の意味??)
    FMメッセージビーコン
    テレメトリビーコン
  VUSATは、インドのロケット Polar Satellite Launch Vehicleで2003年の
 打ち上げを目指しています。

  AMSAT-IndiaのサイトにVUSATの情報が掲載されています。
    www.amsatindia.org
                    [from Nagesh, Co-ordinator, Amsat India @amsat-bb]


●AMSAT-OSCAR E
  AMSAT-NAが新しい低軌道衛星 AMSAT-OSCAR Eの計画を発表しました。VHF/
 UHFのアナログ、デジタルのFMトランスポンダと幾つかの機能を搭載する予
 定です。2003年11月に打ち上げが予定されています。

   IHUに使用されるCPU:V53 30MHz(NEC)
   アンテナ     :VHF シングル、UHF 4機で円偏波
   送信機      :VHF 1機、UHF 2機(同時に動作可能??)
   バッテリ     :4.5Ah 25W
   検討されている機能:GPS、PSK31、HF受信機、デジタルボイス
                                        [from ANS、AMSAT Houston net]

●AMSAT Eagle
  AMSAT-NAの新しい高軌道衛星。長楕円軌道でDX QSOが楽しめます。打ち上
 げは2004〜5年が計画されています。

   重量  :100kg以下
   大きさ :1辺60cmの直方体
   姿勢制御:スピン
   軌道  :初期 近地点 200km、最終的に近地点 500km
   電源電圧:28V
   側面  :太陽電池パネル
   上面  :ハイゲインアンテナ(2m、70cm、L、S、C)、ナローカメラ
         (遠地点で地球を向く面)
   下面  :オムニアンテナ(2m、70cm、L)、分離機構、推進システム、
        ワイドカメラ
         (近地点で地球を向く面)
   送信機 :V、S(2台)、X(ビーコン)
   受信機 :U、L、C
   搭載機器:GPS(NASA)、
        CEDEX(Cosmic Energy Deposition Experiment:サレー大学)、
        カメラ(ワイド、ナロー)


●P3E
  AMSAT-DLが中心になって開発しているAO-40(P3D)の後継機となる衛星で
 す。

  10月、ドイツ マーブルグにてP3E開発に関するミーティングがあり、P3E
 の概要が決まりました。
  P3Eには、PA5に搭載される機器の実験をおこなうという役目もあるため、
 P5Aが打ち上がる2-3年前に打ち上げなければなりません。従って、P3Eは
 2004年末には開発を終え、2005年中旬までには打ち上げる計画です。開発
 期間が短く、急いで開発しなればならないため、P3Eには、P3-Expressとい
 うニックネームが付きました。
  開発期間が短いことから、衛星の筐体は、AO-10やAO-13で実績のあるト
 ライスター型となります。この形であれば、打ち上げロケットに固定する
 ためのSBSリングは、P3Dの打ち上げに使ったものが利用できるメリットも
 あります(アリアン5での打ち上げが前提)。

   形状:トライスター型(AO-10、AO-13と同じ)
       直径 約130cm、高さ 約45cm
   重量:150kg
   軌道:長楕円軌道
       近地点高度 500〜2500km
       遠地点高度 36000km
       軌道傾斜角 63度
   搭載機器:受信機 435、1260MHz(145、2400、5600MHzは検討中)
        送信機 435、2400MHz(435、10450MHzは検討中)
         送信電力 50W PEP
        LEILA
        RUDAK
        コヒーレントトランスポンダ 2.4GHz→10.45GHz(P5A実験用)
        ビーコン 5bps、200bps エラー訂正コード付き(P5A実験用??)
        カメラ 2or3台
        ミリ波ビーコン

    http://www.amsat-dl.org/p3e/towards-p3e.pdf
    http://www.amsat-dl.org/p3e/p3e-20021120.pdf
                                             [from AMSAT-DL @amsat-bb]


●P5A
  火星へ飛行する衛星 P5Aの計画がAMSAT-DLから発表になりました。AO-40
 用に開発した推進系の技術を使って火星を目指します。火星の軌道上から
 はサブサテライトを火星に投下し、火星探査をおこなうことも検討されて
 います。
  打ち上げは2007年または2009年の予定です。

    http://www.amsat-dl.org/p5a/p5a-to-mars.pdf
                                             [from AMSAT-DL @amsat-bb]



5.衛星に関する情報

★AO-40 QSOパーティ
  1月24日から26日に掛けてAO-40でQSOパーティが開催されました。北米で
 は100局以上とQSOした局があるようです。


★DX情報
 XR6M チリ Mocha島
   XQ3SA、CE3AFC、CE3VII、CE3SAG局らは、2月5日から9日に掛けてチリの
  Mocha島からAO-40などの衛星の運用をおこないます。
   QSLは、
    XR6M, P.O. Box #27064, Santiago, CHILE.
  へ。
   詳細は、以下のwebで確認下さい。
     http://www.qsl.net/xr6m

 7X0DX
   昨年、9V1XE Mirexさんによっておこなわれた7X0DXの衛星用のQSLカー
  ドがやっとできたようです。近々に発行されることと思われます。
   Mirexさんは、現在は韓国に滞在中で、HL5/VK2DXIのコールサインで
  UO-14にQRVされています。70cmの免許が得られていないため、AO-40の運
  用はできないとのことです。


★8J1RF情報
  12月21日に南極に上陸したJA0WDN 大日方さんは、12月30日に1000km離れ
 たドームふじにソリで向かわれました。1月19日にドームふじに到着され、
 1月24日に基地を立ち上げるために来ていた43次ドーム旅行隊と引継ぎがお
 こなわれ、第44次隊8名での生活が始まったそうです。
  ドームふじの気温は常に-30℃後半で、時々-40℃になるそうです。現在
 は白夜で快晴の日が多いそうです。
  43次隊が基地の様子を納めたビデオを昭和基地に持っていったそうなの
 で、NHKの南極中継で大日方さんの元気な姿が見られるかもしれません。
  無線の運用は、まだまだ、先になりそうです。


★スペースシャトル コロンビア 空中分解
  STS-107 スペースシャトル コロンビアは、2月1日、着陸のため、大気圏
 に再突入後、空中分解してしまい、乗員7名全員が亡くなりました。亡くな
 られた7名の内、3名がアマチュア局の免許を持っている方でした。ご冥福
 をお祈り申し上げます。
   STS-107搭乗員
    Shuttle Commander Rick Husband
    Pilot William McCool
    Payload Commander Michael Anderson
    Mission Specialist David Brown, KC5ZTC
    Mission Specialist Kalpana Chawla, KD5ESI
    Mission Specialist Laurel Clark, KC5ZSU
    Mission Specialist Ilan Ramon of Israel

  今回の事故で、ISS(ARISS)をはじめとする宇宙開発計画が後退しないこ
 とを切に願います。



参考
 ANS、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト


 筆者にことわり無く無断で転送やwebへ掲載すること等を禁止します。



JN1GKZ 新井
   jn1gkz@qsl.net     http://www.ne.jp/asahi/m-arai/gkz/