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[jamsat-news:1569] AO-40: モーメンタム・ホイールの試験(続報)


皆さま、

AO-40コマンドチームの Peter Guelzow, DB2OS から、
先日開始されたモーメンタム・ホイールの試験について
の続報が広報されました。

(翻訳はJF6BCC/今石さん、TNX)
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W4SM Stacy Milles と G3RUH James Miller により、オービット
#365において姿勢制御ホイールの更なる試験が実施され、
以下に示す計算結果がDJ4ZC Karl Meinzer から報告され
ました。

姿勢制御ホイールの回転数を 100 RPM まで上げ、3つの
ホイールともにすぐに同期状態を達成しました。ホイールは
続けて 30 分間、この回転数で運転されました。回転数の
増加前後のテレメトリから、再ロックしたソーラーセンサ
の数値は以下の値を示していました。

    2.65222 +/- 0.00002 RPM baseline
    2.61468 +/- 0.00004 RPM after spin up to +100 RPM
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   -0.0375 RPM (for +100 RPM on wheels)

衛星内部のホイールが正常に機能している場合(この測定値は
それを証明しています)、回転数の数値は衛星のスピン軸(Z軸)
を基準に、スピンと同じ方向に数えます。従って、ホイールの正方向
への回転による運動量も、衛星のスピン方向と同じ方向となります。
角運動量の合計は一定ですから、衛星の回転数は減少するはずで
す。結果はこれに合致しています!

ホイールに関する動作パラメータは:

Izz    = 54.6*10^-3 kgm^2 (慣性モーメント)
Tmotor = 29.0*10^-3 Nm   at 25 rad/s (角運動量)

3つの姿勢制御ホイールは、衛星筐体に対する配置関係から
(訳注:3つのホイールはXYZ軸から均等に傾けて取り付けられ
ている)、3つのホイールが同じ回転数にある場合、衛星のZ軸
に対して次のような慣性モーメント Iz と等価になります:

Iz(3wheels) = Izz * SQR(3) = 94.57*10^-3 kgm^2

従って、100 RPM、すなわち毎秒 10.472 ラジアンの回転数での
テストは、0.9903 Nmの運動量を衛星のスピン軸(Z軸)と平行に
与え、他の軸方向(X軸とY軸)の成分は打ち消されます。

これによる -0.0375 RPM、すなわち毎秒 -3.927 x 10^-3 ラジアン
の差分から、衛星のZ軸周りの慣性モーメント Izz が 252.19 kgm^2
であることが判ります。

この非常に正確な衛星の Izz 値の計算によって、燃料タンクの
状態を推定するために十分な情報が取得できることを期待して
います。

はっきり言えることは、衛星の3軸制御ホイール制御はうまく機能
していると言うことです!

衛星の姿勢をスピンモードから3軸制御に移行するあたり、これから
数週間をかけて、ホイールの試験を引き続き実施する予定です。

AO-40チームを代表して
73s Peter DB2OS
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JAMSAT SCOPE プロジェクトチーム
武安
ja6xkq@jamsat.or.jp