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[jamsat-news:1568] AO-40: モーメンタム・ホイールの試験開始!!!


皆さま、

AO-40コマンドチームの Peter Guelzow, DB2OS から
3軸姿勢制御用のモーメンタム・ホイールの試験を開始
した旨の広報がありました。

(翻訳はJF6BCC/今石さん、TNX)
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オービット #364 で、姿勢制御ホイールに電源を投入し、
直後に 0 RPM で同期した(訳注:0RPMで同期=磁気浮上)
ことを確認しました。衛星電源バスでの消費電流変化は
検知されませんでした。100 RPM へ回転数を上げる試み
は、今回は実施しませんでした。おそらく次のオービットで
実施されるでしょう。

実は、0 RPM での試験は、今まで最も重要かつ微妙なテスト
でした。もしホイールが磁力で浮かず、接触せずに動作する
ことが不可能だった場合、テレメトリデータには「同期」の検出
を示すデータは乗りません。

次のステップとして、3機のホイールを同時に同じ方向へ、
例えば 100RPM で回転するようにプログラムが行われる
予定です。その後、1分程度で現れるであろう今回と同様な
「同期」信号を待つことになります。結果が良好であれば、
衛星の回転数の測定と消費電力の測定を行うために、しばらく
ホイールを回転させ続けます。

このテストによって、ホイールシステムの動作にとって重要な
定数である、衛星の MOI (Moment Of Inertia=慣性モーメント)
とホイールの MOIの比について較正値をを取得することができる
でしょう。実際には、ホイールの MOIは正確に判明していますので、
5%程度の誤差で衛星の MOI を決定できることを意味しています。
これにより、N204/MMH 燃料タンク内に、一体どれだけの燃料が
残存しているかを知ることが可能になるでしょう。また、3軸制御の
ためのソフトウェアと、スピン制御から3軸制御への移行作業の
計画にも、この計算結果が必要になります。

Karl、Stacy、James そして全ての関係者の皆さん、おめでとう!

73s Peter DB2OS
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原典にはモーメンタム・ホイールに関する補足解説と参考リンクが
掲載されていますが、ここでは割愛しました。ホイールの技術解説が
JAMSATニューズレターに掲載されていますので、そちらを参照
しながらこの広報をご覧になることをお勧めします。

JAMSAT SCOPE プロジェクトチーム
武安
ja6xkq@jamsat.or.jp