VersaBoard application 1、TrakBox v1.00 1、はじめに 2、ハードウェアーコンフィギュレーション 3、ソフトウェアーインストール 4、起動及び使い方 5、 はじめに このファームウェアーをVersaBoardー8052ボードのユーザーROM(U xx)に組み込むことによってスタンドアローンのリアルタイム衛星追跡装置が完成します。動作モードはパネル面のロータリーSWで衛星を選択するスタンドアローンモードとターミナルを接続しターミナルからのコマンドで衛星を選択するターミナルモードがあります。 A、TrakBoxの機能  *衛星のリアルタイム軌道計算及びアンテナコントロール  *ドップラー周波数変移のリアルタイム計算及びシリアルポートを経由して   リグの送受信周波数の設定  *ターミナルからケプラーエレメントファイルをアプロードすることにより衛星軌道情  報の自動更新  *最大60個の軌道情報をRAM内に記憶  *LCDディスプレイにUTC、衛星名、方位角、仰角を表示  *LEDでAOS、LOSの表示  *AOS警告音  *パネル面のロータリーSWで15個の追跡衛星の選択が可能  * ハードウェアーインストール 1、アンテナローテーターコントローラーインターフェース  ボードのコントロール出力はオープンコレクターのダーリントン接続トランジスターアレーICを使用しています。最大50V−500mAまで制御できますが直接ローテーターモーターのON/OFFはできませんのでリレーやトライアックを使った外ずけインターフェースを制作する必要があります。現在市販されているAZ/ELデュアルローテーターコントローラーはコンピューターインターフェース用の端子を持っていますので直接接続することができます。 接続例1 エモトデュアルコントローラーEVー700D2/D5 接続例2 KENPRO KR−5400A 接続例3 SCRを使用したインターフェース 2、スタンドアローンTrakBOXとしてまとめる場合  ターミナルモードで使用する場合は上記アンテナローテーターインターフェースだけでいいのですが単独で作動するTrakBOXとしてまとめる場合は以下の工作が必要です a,衛星選択SW  8255ポートCの高位4ビットを入力モードで使用しロータリーバイナリーSWと接続します。0ーF(16ポジション)または1ー10(10ポジションBCD)いずれも使用できます。   CN7  pin5(PC4) ーーーーーーーーーーーー0  pin6(PC5) ーーーーーーーーーーーー2  pin7(PC6) ーーーーーーーーーーーー4  pin8(PC7) ーーーーーーーーーーーー8 b,LCDモジュールの接続  日立のLCDコントローラーxxxxxxを使用したモジュールのほとんどに接続可能ですがコストの面から16文字x2ラインのモジュールに対応するようコーディングされています。 c,LEDの接続  AOS       (EL>0度)で点灯します   CN9 pin7(OB6) ーーーーーーー LED d,AOS接近警告音  Beeper    (EL>ー1度)になると5秒間ハイレベルになります 次のような簡単なゲート発信機をそと付けし小型のスピーカーを駆動させます。  以上の配線が終了した段階でできればBASICモードで制作マニュアル付属のフロッピーディスケットに入っているIOテストプログラムで動作の確認を行っておいた方があとあとトラブルが起こったときに原因探求に便利でしょう。  使用BASICプログラム  1、ADCPIO.BAS   ADC(ローテーター角度検出電圧)のチェック    PIO(方位のオン、オフ、仰角のアップダウン)のチェック  2、CLOCK.BAS リアルタイムクロックの動作チェック  3、 ROMの組み込み  VersaBoardを外部ROMモード、ユーザーROMサイズ32K、スタートアドレス0番地に設定しU9にROMをさしこみます。 JP3(2−3)、JP6(1ー2)、JP5(1ー2)、JP1(1ー2) BR1(close)、BR2(close) ****************************** たち上げ及び使い方  手持ちのコンピューターかワープロのターミナルソフトウェアーを起動し通信条件を 9600ボー、8N1に設定しRS232Cケーブルでボードにつなぎます。     CN10    pin3(TXD)    pin5(RXD)    pin9(GND)  スタンドアローンモードでも自局のQTH情報、衛星の軌道情報の入力および内蔵リアルタイムクロックの校正のために最初のたち上げ時にはターミナルの接続が必要です。 電源SWをオンするとすべての接続および設定に誤りがなければ次のような初期メニューがでるはずです。  LCDディスプレイには ここでターミナルから10秒間なにも入力しなければ自動的に前回選択していた衛星を続けて計算し追跡をはじめます。(スタンドアローンモードではロータリーSWで選択している衛星)。ロータリーSWが0ポジションにあるときにはターミナルモードとして動作します。 プルダウン形式のメニューになっていますので希望メニューの番号をキーインしますと次のメニューに移行します。’Q’キーインによって前のメニュー画面に復帰します。 1、自局の位置情報の入力  まず計算の基本となるQTHの情報を入力しましょう。メニュー4を選択しコールサイン、経度、緯度、高度を入力します。 2、リアルタイムクロックの校正  メニュー5を選択し現在時刻をUTCに換算し秒単位まで正確に入力します。NTTの時報サービスが正確で手軽でしょう。 3、ここでトップメニューにもどりメニュー1を選択するとただちに計算が開始されます。UTCと各衛星の位置が刻刻と表示されるはずです。プログラムコードの中にはAO−13、FO−20、UO−14の軌道要素がデフォールトとして入っていますがこのデータは1991年末のデータですから改めて最新の軌道要素を入力する必要があります。 ’Q’をキーインしてトップメニューにもどったあとメニュー3を選択します。 サブメニュー1で軌道要素を手入力で書き込みまたは変更します。衛星を選択すると現在のデータが表示されカーソル部分に新しいデータを書き込みます。変更がなければリターンキーを打ち込みます。 FREQ1、FREQ2はドップラー周波数変移を計算する基本となるデータですからKHzの単位まで正確に入力します。FREQ1はダウンリンク(受信)周波数、FREQ2はアプリンク(送信)周波数です。もしリグの周波数コントロールが必用でなければ省略しても構いません。またアプリンク周波数のコントロールが必用でない場合はFREQ2に 0(ゼロ)を書き込んでおきます。 サブメニュー3はターミナルから軌道要素のデータファイルをアプロードしRAM内のデータを更新するものです。AMSAT及びNASAフォーマットのファイルが必用ですがPACKET BBSやJAMSAT DBから入手してください。 ターミナルからASCIIトランスファーでアプロードします。アプロードの終了したあとCtrlーZをキーインするとボード内でデータが処理されRAMに再配列記録されます。衛星の一覧表が表示されますがこの中からロータリーSWの各番号にわりあてる衛星を選択します。(最大15個)。不必要な番号以降はは’Q’キーでスキップしてください。 サブメニュー2は説明が前後しますがサブメニュー3と同じように衛星の割当をおこないます。 4、トップメニューから2を選択すると選択したひとつの衛星の位置を指定した時間間隔で計算し表示します。パスとパスとのあいだで結構時間がかかりますが’Q’をキーインすることによっていつでもトップメニューにぬけることができます。 5、トップメニューで6を選択すると各種のコンフィギュレーションを行う次のサブメニューへ移行します。 サブメニュー0で現在のコンフィギュレーション状況が表示されます。 まずサブメニュー1を選択しアンテナの方位のキャリブレーションを行いましょう。 指示通りに方位ローテーターを反時計回りに回しきり、仰角ローテーターを水平位置にマニュアルでセットしリターンキーを入力します。(180°、0°) 次に方位ローテーターを時計回り方向最大位置、仰角ローテーターを垂直位置にセットしリターンキーを入力します。(180°、90°) これでローテーターからの回転角検出電圧とADCのリードアウト値がキャリブレートされたことになります。サブメニュー0で確認してください。  VersaBoardのADCは10ビットなので0ー1023の間をカウントします回転角最大時に5Vの検出電圧の時に分解能は最良となります。(方位:360/1024=0.35゜、仰角:90/1023=0。088゜ 実際には仰角は2.5Vのローテーターが多いので仰角:90/511=0.18゜となる。)コントローラー側に電圧調節VRがある場合にはテスターで5V以下できるだけ大きい値にセットしておいてください。またキャリブレーションが終わったらサブメニュー0で方位、仰角のmin/Max値を確認しメモしておいた方がいいでしょう。  サブメニュー5でアンテナ位置(方位角、仰角)とADCのリードアウト値をモニターすることができます。マニュアルでアンテナを動かし表示値とコントローラー表示盤の値が一致することを確認してください。ここまでくればサブメニュー6でアンテナを随意の方向へむけることができます。  サブメニュー3はデッドバンド値を設定します。 サブメニュー4はスキュー値を設定します。