*** ローテータとの接続 *** KR-5400/5600やエモトのローテータで前面または後面にDIN.コネクタが付いていれば、そのま まCN5/CN12に接続しTRACKING.BASのカストマイズだけで稼働します。  コンピュータコントロール端子がついていないローテータコントーロルボックスの場合は、事前にリレーやSC R等を使い外部よりコントロール出来るようにして下さい。 丁度ローテータコントーロルボックスのス イッチでも同様な動きが出来るようにリレーを制御出来るようにすることです。ボード からの出力はオープンコレクタ 接続で最大50Vで500MAのリレーコイルを引くことが出来ます。 接点容量はモータの大きさによって違いますが2A位の接点容量は必要です。 大きな モータを動かすものやスピード調整出来るものはリレーを使っていますから接続は簡単で しょう。      *** アナログ入力確認 ***  アナログの調整はADCPIO.BASにて簡単な確認をしておいて下さい。   ボードに 接続前に、アナログの出力電圧をアンテナを回転させて最大と最低の値を確認しておいて 下さい。最大が5V以上であれば10K-50KOHMのボリュームの両端をローテータ側のアナログ出力と GNDを接続し、ボリュームのセンターが5V以下になるように調整し8052ボードのインプットAZ,EL へそれぞれへ接続してください。ローテータ側のLEFT/RIGHT,UP/DOWNスイッチで動かすとAZ とELの表示が変化することが見ることができます。こここではアナログインプットが最大 で約5Vとして、扱っていますので表示された角度はAZの場合360度を5Vでを割った 値の倍数で表示しています。すなわちアナログインプットが2.5Vならば180度と表示します。 今は実際の方位と違っていてもTRACKING用プログで修正可能です。 *** ディジタル出力確認 ***   次に8255により、外部接続でリレー等が働きADCPIO.BASにてUP/DOWN,LEFT,RIGHT とモータが回ることを確認してください。 ここで注意することは8255へのビット操作 は一度操作するとそのままの状態を継続します。 モータ側にリミットスイッチ等の保護回路 が付いてないとモータを長時間回し続けることになります。ADCPIO.BASの中にビットを リセットする操作も入っていますので回す前にビットの対応("1"はLEFT回転,リセットは"5"と 言う具合い)を理解してから行って下さい。 いよいよ本来の目的である、TRACKING.BASによるアンテナの自動追尾です。          *** TRACKINGプログラム *** このプログラムはSM0TER/K3ZAQ,Bruceさんが、VersaBoard用に書いたものを使っ ています。 今回のプロジェクトのボード用にJA6FTL,朝戸さんがADC/RTC/PPIのI/O回りのハードウェア に合わせて書き直したものを使います。  先ずは、18K余りもあるTRACKING.BASをロードしながらコーヒブレークを取ってください。 きっと、戻って来た時には">"のプロンプトで待っていることでしょう。 すぐ動かそうとするはやる気持ちを抑えて、時計のセットとローテータのOFFSETなどの環 境設定が必要です。日時などの設定は、先ほどのCLOCK.BASで設定も出来ます。 このプログラムの中でメニューの"3.SET REAL TIME CLOCK"でも設定可能です。次にメニュー の"4.CALIBRATE ANTENNAS"にてAZIMUTHを最大にCCWにロータを回して下さい。その時゙ のアナロクの値を記録しておいて下さい。おそらく0又は一桁の値でしょう。その次に は最大にCWに回してその時の値も記録して下さい。もしロータからのアナログの出力が2V 以下だと400と言う値を示します。折角10BITのADCを使っても1度に対してADCの値 は1となり精度を上げることが出来なくなります。もっとも他に精度に影響を及ぼ す要素が多くあります。(ANTの方向,北極星に合わす,ANTの実際の指向性,ローテターの アナログ出力の直線性など) ここでは2Vくらいならよしとして先に進みます。今度は ELEVATIONの確認になります。UPは90度(真上)まで上げます。アナクログの出力はAZI- MUTHと同じ方式でアナログ出力がされていれば、先ほど示したAZIMUTHの値の半分でし ょう。 以上のアナログ値を取ったあとアナログの出力のボリュームを調整した場合は同じ事を やり直す必要があります。これらの値をBASICのLINE NO.60,61にそれぞれOFFSET値 として自分のローテータとして書き込んでください。LINE NO.62にはDEAD BAND(衛星のAZ ,ELが度の位変化したらANTを動かすかという設定) 2度位に設定しておきます。 アナログ出力の振れが多い場合は1度とするとANTが振動することになりかねません。 このDEAD BANDは、プログラムの中で一時的に設定も"5.DEAD BAND"にても設定出来ます。  次にANTのずれの補正です。LINE NO.66に方位角(SKA),仰角(SKE)のずれを設 定して下さい。これは実際に動かしていくつか衛星を追尾してからや、ANTの方向 を確認してから行って下さい。 (アンテナの方位角は北極星にて合わせる) 60 AZCCW=1 : AZCW=1010:REM AZIMUTH OFFSET VALUE 61 AZH=2 :AZV=500 :REM ELEVATION OFFSET VALUE 62 DBA=3 :DBE=2 :REM DEAD BAND TO AZ/EL 63 FLAG=0 66 SKA=-5 : SKE=0:REM SKEW VALUE TO AZ/EL 最後に自分の位置情報をLINE NO.590,600,610に緯度,西経,アンテナの海抜を設定すれ ばもう自動追尾は可能となります。 590 L9=35.950 : REM LATITUDE (AGEO CITY) 600 W9=220.450: REM LONGITUDE (AGEO CITY) 610 H9=20 : REM ANTENNA HEIGHT 追尾するために、このプログラムはLIN NO.2150にて10秒おきに衛星の相対的な位置 を計算させ、DEAD BAND(約1−2度)ずれていたらANTを動かすというように追尾  させています。実際にUO-14,AO-16などの低高度の衛星でも10秒毎で十分です。 南北に衛星が頭上に通る時などは、仰角は90度以上行かないようにしてるため、AZ が360度動くときがあります。その時などは表示が止まったようになるので古い時 刻ままなので遅いという錯覚に陥ります。 2150 IF TIME>(NOW+10) THEN 920 ELSE 2150 :REM TIME STEP=10SEC. 軌道要素の更新は、NASAフォーマトからBASIC用のLINE NO.入りのプログラム(CONVERT.BAS) が用意されています。このプログラムを少し変更することでTRACKING.BASのLINE NO. に合わせることが出来るでしょう。CONVERT.BASはパソコンで走らせそれをのVersaBoard RAM上にロードし最新の軌道要素にて走らせようにします。  今後の追加機能としては、VersaBoardだけで衛星の選択や時間,衛星名,方位角,仰 角をLCDに表示させBCDスイッチにより8255 C-PORTを通して入力するか、又はアナログ(0V -5Vを10段階)により入力させることが出来ると新しい軌道要素やプログラム変更以外 は全く単独に走らせることが出来ます。(現在は衛星の選択にパソコンが必要) この機能を持ったS/WはROMによって提供されます。 さらに、多くの機能追加などもBASICで組み込みが出来るので皆さん自身で試して くれるよう望みます。またそれらの追加機能を発表し皆さんで共有して頂きたいと プロジェクトのメンバー 一同考えております。