SCOPEの軌道上での運用


Q:地上にある一般のアマチュア無線局は,SCOPEをどのように「操作」して画像を   得ることが出来ますか?

A:一般のユーザーがSCOPEを直接「操作」することは出来ません。   SCOPEが撮影した画像は,RUDAKに送られ,RUDAKが画像ファイルとして   「保管」します。   この画像ファイルを,地上局はRUDAK経由で受信します。   なお,Phase-3DからSCOPEが撮影した画像を,RUDAK経由で一般のユーザーが   直接「受信」できるようになるかは,未だ判りません。   これは,SCOPEの画像を地上に伝送する役割を持っているRUDAKの軌道上での   運用形態が未定であることによります。   一般論としては,RUDAKのダウンリンクのダウンリンクの混み具合がそれほど   ひどくなければ,(一般のパケット通信に加えて)SCOPEからの画像を一般の   地上局がダウンロード出来る様になる可能性があります。   もしも,RUDAKのダウンリンクがひどく混んでいる場合には,世界中で幾つか   設置される「特別局」がRUDAKから画像をダウンロードし,画像は全て   JAMSATが設置するSCOPE専用のアーカイブ(ftpサーバ)に画像を蓄えられます。   一般のユーザーは,このアーカイブ(ftpサーバ)からインターネット経由で   画像を取り出して眺めることになります.
Q:写真撮影のために,Phase-3Dは特定の「モード」で運用されている   必要がありますか?   コマンドチームはSCOPEの運用にはどの周波数帯が最適と考えていますか?

A:SCOPEは衛星の運用モードに関わらず地球の画像を撮影することが可能です。   トランスポンダーがオフになっている時にも撮影出来ます。
Q:SCOPEは、常時稼動できるのですか?   それとも衛星の電力事情に応じて,特定の時間のみに使用可能なのですか?

A:衛星の電力に余裕がある限り,SCOPEは常にオンになっています。   しかし,通常の運用モードでは,地球の画像を撮影するのは1時間に1回位   になるでしょう。   これは,SCOPEが常に(より正確には,数秒に1枚の割合で)画像を   撮り続けて地上に送信し続けたとしたら,RUDAKのダウンリンクはSCOPEの   画像を送信することで占有されてしまい,普通のパケット通信が出来なく   なってしまうからです。   また,衛星が遠地点の近くにある場合には,Phase-3Dから見た地球の姿の   変化は極めて緩やかなので,地球の画像を撮影するのは1時間に1枚程度で   十分と考えるからです。
Q:現在は衛星にQRVしていませんが,一通りの設備は持っています。   SCOPEの画像を受信するのに,新規に何か購入する必要はありますか   (無線機,アンテナ,モデムなど)?

A:無線機やモデムに関しては,SCOPEの為に特に必要な設備というものはなく,   RUDAKにアクセスできるシステムがあればそれで十分です。
Q:あらゆる地上局がPhase-3D局から直接画像を受信できるような,RUDAKとSCOPEの   組み合わせによる画像の「放送」は行われるのですか?   それとも,特定の局に向けたメッセージのように送られるのですか?

A:画像をビーコンのような形で「放送」することは,可能性   としては検討されていますが,その実現はRUDAKのダウンリンクの混み   具合に、どの程度の余裕があるかに依ります。   通常の運用では,一般のユーザーは,(仮に一般のユーザーがRUDAK経由で   直接受信できるようになった場合には)RUDAKから画像をファイルとして   ダウンロードすることになります。
Q:RUDAKに画像メッセージが蓄積されるのですか?   それとも,リアルタイムでのみSCOPEは運用されるのですか?

A:SCOPEの画像がリアルタイム・モードで「時々刻々」RUDAK経由で送信される   ということは,通常の運用では想定されていません。   既に撮影された画像がRUDAKにファイルとして蓄積され,これが(特定の,   あるいは不特定多数の)地上局からの要求に応じてます。
Q:それでは、RUDAKからファイルをダウンロードするためのソフトウェアとしては、   どんなものを用意したらよいですか?

A:今の時点では、RUDAKからファイルをダウンロードするプロトコルとして何が   採用されるか決定していませんので、具体的なソフトウェアはまだありません。   しかし、実際には現在のアマチュアデジタル衛星(AO-16やUO-22、KO-23など)で   使われているAX.25パケットの「ブロードキャストプロトコル」に近いものが採用   される可能性が高いと考えられます。特に、RUDAKの運用開始当初は、その可能性   が高いと思われます。   その場合、ファイルをダウンロードする地上局側のソフトウェアとしては、現在   の「ブロードキャストプロトコル」に対応したソフトウェアが使えるでしょう。   MS-DOS上で動作するものとしては PB、SatLinkなど、Windows上で動作する   ものとしては WiSP、UNIX(Linux)上で動作するものとしては xpbなどがあります。   RUDAKからのファイルのダウンロードに興味を持たれているのでしたら、   それらのソフトウェアと現在運用中のデジタル衛星を使った練習を今からスタート   されることをお勧めします。

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