AO-40/P3Dアップデート | ![]() |
JAMSAT 日本アマチュア衛星通信協会
Phase 3D の軌道の変更の計画(The AMSAT-DL Journal 5月-7月号の記事から抜粋) 打ち上げ後のAMSAT OSCAR 40 AMAST OSCAR 40(AO-40)衛星はアリアン5ロケットにより、いわゆる遷移軌道に投入されました。 ここから AO-40 は自力で遠地点高度約 47,000 km 近地点高度約 5,000 km の最終目標の軌道に移動しなければなりません。加えて北半球の人口の集中する地域を十分カバーするするために軌道傾斜角も60度以上起こさなければならないのです。 この軌道変更(マヌーバ)は衛星の持つ次の 2 つのエンジンを使って行われます。 1. 400N 2液混合ロケットモーター 2. 電熱によるアークジェットエンジン (ATOS) 打ち上げ時の重量が重かった(650 kg)ため、目標とする軌道に到達するにはちょっとした策略が必要になります。 AO-40 が予定通りの遷移軌道に投入された後、次のような軌道修正が行われます: まず、AO-40 は 34,000 から 39,000 km の遠地点高度を持つ長楕円軌道に投入されています。 打ち上げからおよそ 3 時間後に 70cm ビーコンが無指向性アンテナから送信され始めます(400 bps PSK フォーマットが使われます)。 オーストラリアとニュージーランドからのコマンドが送られ、衛星との最初のコンタクトがが試みられます。(訳注:日本からも70cmビーコンの開始を聞くことができます。) 打ち上げから4-5時間後に衛星は欧州でも聞く事ができるようになります。 その後何日かかけて、IHU-2 や RUDAK を含む衛星上のすべてのシステムの検査が行われます。 太陽センサーや磁気センサーも稼動を始めます。 衛星の姿勢が変更され、アークジェットエンジン(ATOS)により遠地点高度が 60,000 から 80,000 km に持ち上げられます。 この軌道変更作業には約 9 ヶ月かかります。 この間、4 ヶ月は制限された状態ながら衛星を使うことができるでしょう。しかしながら遠地点においては衛星がとても遠く、サンアングルもよいとはいえず、アンテナの向きも普通ではないため、信号は弱いはずです。 9ヶ月が過ぎた時、400Nのロケットモーターを使って軌道傾斜角は63度以上にされます。これには約 5 から 6 週間かかります。 その後、400N モーターを使って遠地点高度を目標とする 47,700 km に下げます。 姿勢安定化制御システムやモーメンタムホイールなどの検査が行われて、すべてが良好であれば、衛星はスピン安定から3軸姿勢制御に移行します。 太陽電池パネルは展開され、アンテナは常に地球に向けられ、トランスポンダは通常の運用形態である高出力モードにされます。 この手順により AO-40 は一年で目標の軌道に到達する事になります。当初の計画では2年を要するとされていました。 ![]() ビーコン送信開始数時間後の可視範囲の例 Viktor Kudielka, OE1VKW による途上の軌道要素の想定値: 開始点: 2000年8月1日 23:00:00 UT 遠地点: 39122 km, 近地点 590 km P3D 001 1 99001U 00099Z 00214.97200000 .00000000 00000-0 00000-0 0 016 2 99001 6.5000 109.0000 7340000 176.0000 0.0000 2.04300000 09開始点: 2000年8月1日 23:00:00 UT 遠地点: 34122 km, 近地点 590 km P3D 002 1 99002U 00099Z 00214.97200000 .00000000 00000-0 00000-0 0 017 2 99002 6.5000 109.0000 7060000 176.0000 0.0000 2.37400000 06予定するP3Dの16時間軌道の軌道要素: 日付: 2002年 1 月 7 日 (Orbit #600) P3D 003 1 99003U 00099Z 02007.00000000 .00000000 00000-0 00000-0 0 034 2 99003 63.5000 327.0000 7830000 352.0000 0.0000 1.50000000 6009日付: 2013年 7 月 1 日 (Orbit #6900): P3D 004 1 99004U 00099Z 13182.00000000 .00000000 00000-0 00000-0 0 042 2 99004 74.0000 87.0000 6000000 315.0000 0.0000 1.50000000 69006Thanks to AMSAT-DL 原文(独語)は http://www.amsat-dl.org/journal/adlj-pl.htm 翻訳 JAMSAT P3D SCOPE Team (C) 2000 JAMSAT |
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