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[jamsat-news:1548] AO-40: 現状報告(2001-07-20)


皆さま、

AO-40コマンドチームの Stacey E. Mills, W4SM から
7月20日現在の現状報告がありました。

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最新情報とamsat-bbの投稿についてコメントします。

1. 現在はLEILA2を使用しており、以前使用したLEILAは
使っていません。LEILA2の動作点がLEILA1と幾分異なっ
ていることが判りました。したがって、LEILA2の動作点を
適切なレベルに調整する必要があります。LEILA2は動作
していますが、現在の動作点は少し高いようです。つまり、
LEILAの警告/排除動作の頻度は低くなっています。

2. UとLバンドのアンテナの偏波は、右旋の円偏波です。
このことは、スクイントアングルが小さい時によく判ります。
スクイントアングルが大きくなるにつれて、RHCP(右旋円偏波)
とLHCP(左旋円偏波)の違いは判らなくなり、スクイント
アングルがかなり大きい時にはLHCPの方が幾分よくなります。
これはAO-13でも見られたことで、指向性が外れたところの
特性として、円偏波アンテナの理論モデルを用いて予見され
るものです。

3. AO-40の受信感度は悪くはありません。実際のところ、
受信機とアンテナはひじょうに高感度です。しかしながら、
能力は限られています。すなわち、送信電力は有限であり、
トランスポンダの帯域内に多くの強力な信号がある場合には、
一信号当たりの送信電力は減少してしまいます。このことは、
S2 TXのALC設定に依存します。重要な点は、もし複数の
強力な信号が受信機を襲ったとすると、受信機のAGCに
よって感度が16dBかそれ以上低下するということです。
この症状は、テレメトリ解析プログラムであるP3Tを用いて
U/L1受信機のAGCレベルをモニタすれば簡単に判ります。
したがって、強力なアップリンク信号がUバンドの受信機に
AGCを掛けてしまうと、ダウンリンクの全ての信号がそれに
伴って弱くなってしまいます。この結果、弱くなったことで
皆がアップリンク信号をより強力にすると、AGCのレベルは
更に高くなって、ダウンリンク信号は逆に弱くなるという
悪循環に陥ってしまい、そこには勝利者はいません。この
悪循環を断ち切るのがLEILAなのですが、先に述べたように
現在は最適なレベルには調整されていませんが、間もなく
調整します。もう少し我慢してください、まだ調整期間中
なのですから。

4. V->S2 のトランスポンダは、現在の運用スケジュールには
ありません。V->S2 のトランスポンダが運用されていない時
には、Vバンドの受信機に代わってUバンドの受信機が
使用されています。このことは、テレメトリのN ブロック
(運用スケジュール)で見ることができます。

5. RUDAKの試験は、現在、2001年7月26日のオービット
339で計画されています。このため、そのオービットでは
トランスポンダをオフにする予定です。S2 ビーコンも
断続的にオフになるかもしれません。7月26日以前は、
トランスポンダは MA=10 から 100 までオンになっています。

6. 近々、スクイントアングルが最適な時期に、S1送信機
を試験する予定です。S1アンテナはS2よりも高利得で
あるため、スクイントが良好である限り、より強力な信号が
遠距離においても得られるはずです。衛星の姿勢が
ALON/ALN=0/0 近くになった時点で、この試験をたぶん
実施するでしょう。

この週末はAO-40を楽しんでください !!!

Stacey E. Mills, W4SM
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JAMSAT SCOPE プロジェクトチーム
武安
ja6xkq@jamsat.or.jp