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[jamsat-news:1463] SATINF#187 16 April 2001



衛星情報  SATINF#187   16 April 2001
                                                           JN1GKZ 新井


トピックス

◆AO-40は、姿勢変更がおこなわれています。サンアングルが悪く、バッテリー
 電圧が低くなると、ビーコンを停止しています。

◆ISSのパケットの運用が始まりました。デジピータが動作しています。



1.運用中の衛星

●AO-10
  4月3日頃より近地点でもダウンリンクが帰ってこないことがあり、不安定
 な状態になっています。


●RS-12/13
  RS-12のAモードが動作しています。


●RS-15
  Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
 2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
 がおこなわれている間だけオンになっているようです。


●FO-20
  夜間のパスでは、食によってUVC(Under Voltage Controler:バッテリの
 過放電防止のため送信機への電源を遮断する)が動作し、送信が一時的に停
 止します。パスの後半では食から抜けるため、トランスポンダが動作してい
 ます。


●FO-29
  以下のスケジュールで運用が予定されています。
    2/1 - 7/2 アナログ


●AO-27
  電源に余裕がないため、昼間のパスでのみトランスポンダがオンになりま
 す。
  運用スケジュールは3月24日に次のように変更されました。
    TEPR 4=38
    TEPR 5=78
 衛星に日が当たり始めた19分後から20分間トランスポンダが動作します。
                                          [from KM4NZ Chuck @amsat-bb]


●AO-16
  3月31日1620zから約36時間、Sバンドのビーコン(2401.143MHz)がオンに
 なったようです。今後も、週末は、Sバンドのビーコンがオンになる可能性
 があります。

  RBBSは再開されていませんが、デジピータがオンになっています。

  4月14日にデコードしたデータです。
    PACSAT-1>AMSAT [14-Apr-01  22:49:23] <UI>:
    AO-16 Pacsat owned and operated by AMSAT-NA (WJ9F)
    
    PACSAT-1>LSTAT [14-Apr-01  22:49:23] <UI>:
    I P:0x1D00 o:0 l:6654 f:7171, d:1 st:1
    
    PACSAT-1>TIME-1 [14-Apr-01  22:49:49] <UI>:
    PHT: uptime is 426/10:12:21.  Time is Sat Apr 14 13:49:25 2001


●LU-19
  CWビーコンがオンになっています。CWビーコンは12WPMのゆっくりとした
 CWで約30秒毎に送信されています。


●UO-11
  正常動作しています。


●UO-14
  JモードのFMリピータの運用がおこなわれています。
  ロシアの局がコンスタントにQRVしていますが、なかなかQSOできないよう
 です。


●UO-22
  正常運用しています。


●KO-25
  正常運用しています。


▲IO-26
  運用を停止しているようです。


▲TO-31(TMSAT-1)
  管制局の可視範囲でもみ送信機をオンにしているようです。


●GO-32(TechSat-1B)
  断続したビーコンが送信されているようです。


●SO-33(SedSat-1)
  テレメトリを送信しており、SGS20というソフトでデコードすることがで
 きます。SGS20は、
    http://uah.seds.org/projects/sedsat/SGS20Source.zip
 から入手できます。


●UO-36(UoSAT-12)
  437.375MHzで38.4Kbpsの信号を送信しているようです。

  UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sstl.co.uk/


●OO-38(OPAL)
  デジピータとして機能しているようです。周波数は、アップリンク、ダウ
 ンリンク共に437.100MHzです。


●Tiungsat-1
  38400bpsの運用がおこなわれています。普段はダウンリンクは、オフにな
 っていますが、地上局からのコマンドでオンにすることができます(WiSPで
 サポート)。ダウンリンクの出力は8Wで良好に38400bpsの信号がデコードで
 きているようです。

  ダウンロードしたCCDカメラの画像がJE9PEL 脇田さんのwebサイトで公開
 されています。
    http://www.asahi-net.or.jp/~EI7M-WKT/
                                            [from JE9PEL/1 @jamsat-bb]


★ISS
  パケットの運用が始まりました。デジピータが動作しています(1200bps
 AFSK)。

  TNCのRAMのバックアップ電池が切れているため、TNCにPCを接続してパラ
 メータを打ち込む必要がありましたが、搭乗員は多忙で対応できませんでし
 た。そこで、PROMに設定された初期状態のパラメータでできることを検討し
 た結果、コールサインをデフォルトの"NOCALL"で運用することが決まりまし
 た。ISSでは、これを受けてパケットシステム電源が入れられました。4月8日
 0054zにISSのパケット局に NOCALL でコネクトできることが確認され、次の
 パス(0232z)では、デジピータの機能が確認され、パケットの運用が始ま
 りました。
  デジピートに成功した局にはQSLが発行されるようです(要SASE)。QSLは、
 1局当たり、各Expedition flight(搭乗員の乗り換え毎と思われます)につき
 1枚の発行になります。
                                            [from KA3HDO @amsat-sarex]

  北米やヨーロッパでは盛んにデジピータが使われていますが(ハンディ機
 +内蔵アンテナでのアクセス例もあり)、日本上空ではパケットの通りが悪
 いようで、デジピートに成功している局は少ないようです。
  日本では、4月11日1747JSTにJE9PEL局、JA1CTU局によるアクセスが最初の
 ようです。

  4月14日にデコードしたデジピートデータです。
    JR6LDE>CQ,NOCALL* [14-Apr-01  23:03:07] <UI R>:
    JA0GWB DE JR6LDE KK
    
    JN1GKZ>CQ,NOCALL* [14-Apr-01  23:03:28] <UI R>:
    CQ de JN1GKZ
    
    JN1GKZ>CQ,NOCALL* [14-Apr-01  23:03:46] <UI R>:
    JR6LDE de JN1GKZ
    
    JN1GKZ>CQ,NOCALL* [14-Apr-01  23:04:03] <UI R>:
    JR6LDE de JN1GKZ
    
    JN1GKZ>CQ,NOCALL* [14-Apr-01  23:04:31] <UI R>:
    JR6LDE de JN1GKZ

  デジピートするには、unprotoを
     UNPROTO  CQ VIA NOCALL
 のように設定し、CONVERSモード(convコマンドまたはkコマンドを実行)
 で送信すると送信した信号がデジピートされます。
  周波数は、アップリンク 145.990MHz、ダウンリンク 145.800MHzです。

  4月12日は、ガガーリン(UA1LO)による有人宇宙飛行40周年、宇宙ステー
 ション サリュートの30周年、スペースシャトル打ち上げ20周年でした。こ
 れを記念してISSから音声QSOのスケジュールが組まれましたが、業務多忙だっ
 たせいか、運用はありませんでした。

  現在、3名がISSに滞在しており、次の2名がコールサインを持っています。
   UA9AD/R3MIR Yuri Usachev
   KC7NHZ Susan Helms

  ISSのアマチュア局のコールサインと運用周波数は次の通りです。
   コールサイン:RZ3DZR、R0ISS、NA1SS、DL0ISS
  FM音声のアップリンク周波数は、日本ではバンドプランに合致しないため
 対応が考えられています。当面は、FM音声のアップリンクはしないで下さい。

  ARISSの情報は、以下のサイトから得られます。
    http://ariss.gsfc.nasa.gov/



2.調整中の衛星

●SNAP-1
  SNAP-1は、OBC(on-board computer)ソフトがないため、マニュアルで衛星
 を制御しなければなりません。また、小型衛星であるため、電源に余裕が無
 く、コマンド局(英国 サレー大学)の可視範囲でのみ、ダウンリンクをオ
 ンにしています。
  ダウンリンクは、2430MHz 100mW、38.4kbpsですが、2.4mのディッシュで
 良好に受信できているそうです。
                                          [from G7UPN Chris @amsat-bb]


▲KO-23
  10月30日にOBCがリセットされ、未だ復旧していませんが、変調の掛かっ
 た信号を送信しています。


▲PO-34(PanSat)
  スペクトラム拡散の運用が予定されていますが、未だ運用されていません。
  PanSatの情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sp.nps.navy.mil/pansat/


●SAUDISAT-1A(SO-41)、SAUDISAT-1B(SO-42)
  現在、管制局(リヤド、ワシントンDC、デンバー)の可視範囲でのみダウ
 ンリンク(9600bps)がオンにされ動作確認がおこなわれています。


★AO-40(P3D)
  姿勢をALON 0に向け変更中です。
  現在、サンアングルが悪く、太陽電池の発電効率が悪くなっています。
 バッテリーの電圧が低下すると、ビーコンの送信を停止します(MA3-80の
 辺りで停止)。これは予定されたことで、問題はありません。

  3月30日 0942z、オービット#189 MA255過ぎの近地点付近でテレメトリの
 送信が止まりました。これは、活発な太陽活動によって放出されたα線、宇
 宙線によって64KBあるシステムメモリでソフトエラーが発生し、訂正不可能
 な状態に陥ってしまったためでした(メモリシステムにはエラー訂正回路が
 搭載されていますが、エラー訂正の許容範囲を超えるとエラー訂正ができな
 くなります。以後、不正なデータが処理され、システムに何らかの異常をき
 たしてしまいます)。このソフトエラーによって航行プログラムは、無限
 ループに入り込み、抜け出せなくなりテレメトリが止まってしまいました。
  3月31日 0502z オービット#191の近地点過ぎにW4SMがホットリスタートコ
 マンドをアップロード/実行しテレメトリは回復しました。同時に無限ルー
 プを回避するパッチもアップロードされ、同様の問題が起こらないように対
 策を施しました。
                                      [from DB2OS @amsat-bb, 31 March]

  姿勢をALON 170からALON 270へ変更する作業は、近地点付近で受ける力に
 よって難航していましたが、姿勢変更の方向を逆方向に変え、ALON 170から
 ALON 90、0、270とするように方針を変更しました。逆方向にすることで、
 近地点付近で発生する力を利用でき姿勢変更が速くおこなえ、ALON 0(遠地
 点で地球にアンテナが向く)とすることで、トランスポンダの動作確認がで
 きるメリットがあります。
  姿勢変更の予測値は、次のとおりです。
     DATE          ALON/ALAT    SUN AZ/EL    SA     ILLUM
     -----------------------------------------------------
     2001 Apr 05     146/0        280/5      -44      72%  ( lock loss )
     2001 Apr 18     110/0        289/11     -79      19%
     2001 Apr 25      90/0        294/14     -63      45%
     2001 May 03      70/0        299/17     -39      77%
     2001 末         270/0
                                       [from DB2OS @amsat-bb, 3 April]

  上記の姿勢変更に伴い、サンアングル(SA)が一時的に悪化し、太陽電池
 による発電効率が悪くなります。現在、AO-40は、バッテリの電圧が26Vを下
 回るとビーコンを停止する制御をおこなっており(FO-20のUVCと同じ)、食
 に入るとテレメトリの送信を停止することがあります。何時テレメトリが停
 止したかは、テレメトリのイベントデータを参照することにより解ります。
  ここ数日間はMA 3-80の期間はテレメトリの送信が止まるようです。
  最近の状態
        Orbit   alon     SA    temp 
      -------------------------------   
        202     143     -49     10.0
        203     139     -51     10.0 
        204     136     -53     10.0
        205     134     -56     10.0
        206     132     -58      9.4
        207     129     -60      8.7
      -------------------------------   
                                   [from DB2OS @amsat-bb, 13,14 April]

  IHU-2がオンになり、YACEによりオービット #207、MA 250で4枚の画像が
 撮影されました。
    ftp://ftp.amsat.org/amsat/telemetry/ao40/2001/04/
    ファイル名:ao40_2001-04-14_00208.zip
 で画像が公開されています。画像は露出オーバの白い画像になってしまって
 います。
                            [from DB2OS, VP9MU @amsat-bb, 13-15 April]

  12mのディッシュによって受信された遠地点付近でのテレメトリがWAVファ
 イルで公開されています。
    http://web.usna.navy.mil/~bruninga/ao40TlmAudio/
  受信状況は、NASAのゴダード宇宙基地のWA4SIRのテレメトリ リフレクター
 を経由して生中継されることがあるようです(常時ではありません)。AO-40
 が北米で見えているときに、
    128.183.143.104 port 1024
 をP3Tなどを使ってアクセスすると受信テレメトリを生で見ることができます。
                                              [from WB4APR @jamsat-bb]

  AE4JY Joe氏のテレメトリデコーダ AO40Rcv はVer1.10がバージョンアッ
 プされました。無線機の周波数制御のバグ修正、AFCの改善などがされてい
 るようです。
    http://qsl.net/ae4jy/
                                                [from AE4JY @amsat-bb]

  AO-40のテレメトリデータがamsatのサイトで公開されています。VP9MU
 Paulさんは、ここに無いデータ(CRCCエラーのないもの)を所持している局
 は、ao40-archive@amsat.org へP3TでデコードしたAブロックをZIP形式の添
 付ファイルとして送付するように求めています。現在は、WODデータを送信
 しているので、全ブロックを求めています。
    http://www.amsat.org/amsat/ftp/telemetry/ao40/
                                            [from VP9MU Pau @amsat-bb]



3.運用を停止している衛星

▲MIR
  3月23日に南太平洋に無事に投棄され、15年間の運用を終えました。


▲SO-35(SunSat)
  1月19日1522zを最後にコマンド局との通信が途絶えました。その後、復旧
 に努めていますが、SO-35からの応答はなく、SO-35に障害が発生し、運用を
 終えたようです。

  SunSatの情報は、次のweb siteから得られます。
    http://sunsat.ee.sun.ac.za
    http://esl.ee.sun.ac.za
    http://www.jamsat.or.jp/oscar/sunsat/mirror/


▲DO-17


▲WO-18


▲WO-39(JAWSAT)



4.これから打ち上がる衛星

●CubeSat
  東京工業大学等で開発している10cm立方のナノサテライト CubeSatが11月
 にロシアから打ち上げられる予定です。
  アップリンク 145.835MHz、ダウンリンク 437.450-437.500MHzが予定され
 ています。
   東工大CubeSatプロジェクト
    http://horse.mes.titech.ac.jp/srtlssp/cubesat/index.html
   東大CubeSatプロジェクト
    http://www.space.t.u-tokyo.ac.jp/cubesat/index.html
             [from 東京工業大学 此上さん、宇井さん、JG1LDV @jamsat-bb]



5.衛星に関する情報

★2001年JAMSATシンポジューム & 総会
  今週末、JAMSATシンポジュームおよび総会が開催されます。ご都合の付く
 方は、是非、参加されて下さい。
  シンポジュームでお会いしましょう。

  期日:4月21日(土)、22日(日)
  場所:〒708-0872 岡山県津山市平福 557-1番地
     民宿『佐良苑』(さらえん)
     TEL 0868-28-1641/0120-28-1634 FAX 0868-28-7280
  参加費:会員1000円、非会員2000円(当日入会者は1000円)
      その他費用は下記参照

  予定
   4月21日(土)
     8時− 9時 朝食(500円)
     9時−12時 会場準備 その他
    12時−13時 昼食(500円)
    13時−14時 総会
    13時半〜  シンポ受付け
    14時−18時 シンポジューム第一部
           AO-40の状況
           マイクロ波技術
           ARISSの状況     他
    18時−   記念撮影
    19時−21時 懇親会(5500円)
    21時−   二次会 スライド、ビデオ上映及び解説
    21時−   宿泊(随時)(3500円)

   4月22日(日)
     8時− 9時  朝食(500円)
     9時−10時  シンポジューム第二部
    10時−   DRAKE Conv. NF測定会
    12時−13時  昼食(500円)

  交通アクセス
    山陽新幹線:岡山駅乗り換え 津山線で津山駅下車。
    津山駅から会場までは車で5分。
    JR岡山駅、岡山空港から車で国道53号線北へ約1時間。
    中国自動車道 津山インターまたは、院庄インターから約20分。

  申し込み要領
    コールサイン、郵便番号、住所、氏名、メールアドレス、電話番号、
   会員の方は会員番号と、参加状況(例えば、総会には、参加できないが、
   シンポジュームと懇親会には参加、宿泊希望、翌日の朝食が必要など、
   形式は問いませんが記入してください)この例ですと、参加費の合計は、
   1000円+5500円+3500円+500円  合計10,500円ということになります。
   会費はお釣りがいらないようご用意下さい。

  申し込み先
    村上  忍 (JA4GVA) Shinobu Murakami
    岡山県倉敷市
    E-mail   ja4gva@shinenet.ne.jp
    FAX      086-456-0249


★Mode S: The Book
  AMSAT-NAから発行されている「Mode S: The Book」は、デイトン ハムフェ
 スティバルに向け改版作業をおこなっています。5月中旬には、改訂版が発
 行されることと思われます。
  ただ、困ったことに著者のK9EK krome氏は、amsat-bbで流れたSモードに
 関する機器の情報を消してしまったとか。現在、改めて情報収集しておられ
 ます。
                                                 [from K9EK @amsat-bb]


★DB2OSがAMSAT-DLの会長に
  先日おこなわれたAMSAT-DLの総会で、DB2OS Peter Guelzow氏がAMSAT-DL
 の会長に就任しました。
   会長 : Peter Guelzow, DB2OS
   副会長: Frank Sperber, DL6DBN
   会計 : Hans Dorr, DF4FE



参考
 ANS、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト

JN1GKZ 新井
   jn1gkz@jamsat.or.jp     http://www.din.or.jp/~m-arai/