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[jamsat-news:1453] SATINF#186 28 March 2001



衛星情報  SATINF#186   28 March 2001
                                                           JN1GKZ 新井


トピックス

◆AO-40は、スピンレートは、1.8rpmまで下げられました。姿勢が安定し次第、
 アークジェットモータの試験がおこなわれる予定です。

◆MIRは、3月23日に南太平洋に投棄されました。

◆AO-27のスケジュールが変更になり、20分間、トランスポンダが使えるよう
 になりました。



1.運用中の衛星

●AO-10
  状態は良好で、遠地点でもダウンリンクが帰ってきます。

  近地点、遠地点が北に上がってきており、段々と北米やヨーロッパが開け
 てきました。
  3月26日には、仰角2度でしたが良好なダウンリンクが得られ、ケンタッ
 キー州の局とQSOできました。
  3月28日には、ヨーロッパと良好に交信できました。


●RS-12/13
  RS-12のAモードが動作しています。


●RS-15
  Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
 2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
 がおこなわれている間だけオンになっているようです。


●FO-20
  夜間のパスでは、食によってUVC(Under Voltage Controler)が動作し、
 送信が一時的に停止することがあります。
  UVCとは、バッテリの過放電を防止するための回路でバッテリ電圧が低下
 すると送信機への電源供給を遮断します。
  バッテリに十分な電力が充電できなくなったために起きている現象と考
 えられます。FO-12でも同様の現象が起きていたようです。


●FO-29
  以下のスケジュールで運用が予定されています。
    2/1 - 4/2 アナログ


★AO-27
  電源に余裕がないため、昼間のパスでのみトランスポンダがオンになりま
 す。
  運用スケジュールは3月24日に次のように変更されました。
    TEPR 4=38
    TEPR 5=78
 衛星に日が当たり始めた19分後から20分間トランスポンダが動作します。
                                          [from KM4NZ Chuck @amsat-bb]


●AO-16
  3月24日1450zから約36時間、Sバンドのビーコン(2401.143MHz)がオンに
 なったようです。今後も、週末は、Sバンドのビーコンがオンになる可能性
 があります。

  RBBSは再開されていませんが、デジピータがオンになっています。


●LU-19
  CWビーコンがオンになっています。CWビーコンは12WPMのゆっくりとした
 CWで約30秒毎に送信されています。


●UO-11
  正常動作しています。


●UO-14
  JモードのFMリピータの運用がおこなわれています。
  ロシアの局がコンスタントにQRVしていますが、なかなかQSOできないよう
 です。


●UO-22
  正常運用しています。


●KO-25
  正常運用しています。


▲IO-26
  運用を停止しているようです。


▲TO-31(TMSAT-1)
  全日照の期間に入り、温度上昇を抑えるために送信機を停止しています。
                                          [from G7UPN Chris @amsat-bb]


●GO-32(TechSat-1B)
  断続したビーコンが送信されているようです。


●SO-33(SedSat-1)
  テレメトリを送信しており、SGS20というソフトでデコードすることがで
 きます。SGS20は、
    http://uah.seds.org/projects/sedsat/SGS20Source.zip
 から入手できます。


●UO-36(UoSAT-12)
  437.375MHzで38.4Kbpsの信号を送信しているようです。

  UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sstl.co.uk/


●OO-38(OPAL)
  デジピータとして機能しているようです。周波数は、アップリンク、ダウ
 ンリンク共に437.100MHzです。


●Tiungsat-1
  38400bpsの運用がおこなわれています。普段はダウンリンクは、オフにな
 っていますが、地上局からのコマンドでオンにすることができます(WiSPで
 サポート)。ダウンリンクの出力は8Wで良好に38400bpsの信号がデコードで
 きているようです。

  ダウンロードしたCCDカメラの画像がJE9PEL 脇田さんのwebサイトで公開
 されています。
    http://www.asahi-net.or.jp/~EI7M-WKT/
                                            [from JE9PEL/1 @jamsat-bb]


★ISS
  新しい搭乗員による運用がはじまりました。KG3Nは、NA1SS(opは、
 KC7NHZ Susan Helmsさん)と交信されたそうです。
  今後、新しい搭乗員によるアクティブな運用が期待できそうです。

  現在、3名がISSに滞在しており、次の2名がコールサインを持っています。
   UA9AD/R3MIR Yuri Usachev
   KC7NHZ Susan Helms

  ISSのアマチュア局のコールサインと運用周波数は次の通りです。
   コールサイン:RZ3DZR、R0ISS、NA1SS、DL0ISS
  FM音声のアップリンク周波数は、日本ではバンドプランに合致しないため
 対応が考えられています。当面は、FM音声のアップリンクはしないで下さい。



2.調整中の衛星

●SNAP-1
  SNAP-1は、OBC(on-board computer)ソフトがないため、マニュアルで衛星
 を制御しなければなりません。また、小型衛星であるため、電源に余裕が無
 く、コマンド局(英国 サレー大学)の可視範囲でのみ、ダウンリンクをオ
 ンにしています。
  ダウンリンクは、2430MHz 100mW、38.4kbpsですが、2.4mのディッシュで
 良好に受信できているそうです。
                                          [from G7UPN Chris @amsat-bb]


▲KO-23
  10月30日にOBCがリセットされ、未だ復旧していませんが、変調の掛かっ
 た信号を送信しています。


▲PO-34(PanSat)
  スペクトラム拡散の運用が予定されていますが、未だ運用されていません。
  PanSatの情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sp.nps.navy.mil/pansat/


●SAUDISAT-1A(SO-41)、SAUDISAT-1B(SO-42)
  現在、管制局(リヤド、ワシントンDC、デンバー)の可視範囲でのみダウ
 ンリンク(9600bps)がオンにされ動作確認がおこなわれています。


★AO-40(P3D)
  スピンレートは、目標の1.8rpmまで落とされました。しかし、近地点付近
 で姿勢の変化があり、姿勢の急激な変化を抑えるためにスピンレートを5rpm
 まで早める作業が行われています。姿勢が安定し次第、アークジェットモー
 タの試験がおこなわれる予定です。

  12月11日に発生した事故に関して、AMSAT-NA会長 VE3FRH ロビン氏より
 ANSを通じて公式に発表がありました。事故は、400Nモータのヘリウム・バ
 ルブ開閉試験中に推進系が加圧状態になり、推進剤の漏洩が原因と考えら
 れています。
  詳細は、ANS-077を確認下さい。

  AO-40の最新状況はAMSAT-UKのwebサイトに上手くまとめられています。
    http://www.uk.amsat.org/

  AO-40のテレメトリデータがamsatのサイトで公開されています。VP9MU
 Paulさんは、ここに無いデータ(CRCCエラーのないもの)を所持している局
 は、ao40-archive@amsat.org へP3TでデコードしたAブロックをZIP形式の添
 付ファイルとして送付するように求めています。現在は、WODデータを送信
 しているので、全ブロックを求めています。
    http://www.amsat.org/amsat/ftp/telemetry/ao40/
                                            [from VP9MU Pau @amsat-bb]



3.運用を停止している衛星

★MIR
  3月23日に南太平洋に無事に投棄され、15年間の運用を終えました。


▲SO-35(SunSat)
  1月19日1522zを最後にコマンド局との通信が途絶えました。その後、復旧
 に努めていますが、SO-35からの応答はなく、SO-35に障害が発生し、運用を
 終えたようです。

  SunSatの情報は、次のweb siteから得られます。
    http://sunsat.ee.sun.ac.za
    http://esl.ee.sun.ac.za
    http://www.jamsat.or.jp/oscar/sunsat/mirror/


▲DO-17


▲WO-18


▲WO-39(JAWSAT)



4.これから打ち上がる衛星

●CubeSat
  東京工業大学等で開発している10cm立方のナノサテライト CubeSatが11月
 にロシアから打ち上げられる予定です。
  アップリンク 145.835MHz、ダウンリンク 437.450-437.500MHzが予定され
 ています。
   東工大CubeSatプロジェクト
    http://horse.mes.titech.ac.jp/srtlssp/cubesat/index.html
   東大CubeSatプロジェクト
    http://www.space.t.u-tokyo.ac.jp/cubesat/index.html
             [from 東京工業大学 此上さん、宇井さん、JG1LDV @jamsat-bb]



5.衛星に関する情報

★JAMSAT 入会歓迎キャンペーン
  JAMSATでは入会歓迎キャンペーンをおこなっています。特典として、AO-40
 の情報を含む昨年度発行のNewsletterのバックナンバーを配布します。この
 機会にJAMSATへの入会をご検討下さい。
   ----------------------------------------------------------------
   JAMSAT 入会歓迎キャンペーン

   期間:2001年3月21日から5月31日申し込みまで
   内容:AO-40の打ち上げ情報などを含む、昨年度のNewsletterを本年度
      のNewsletterとあわせ、お送りします。
   バックナンバーの主な記事
    196号:第8回選挙結果、総会議題、Phase 3Dクールーに到着
    197号:総会結果、Phase 3Dの距離測定、Phase 3D軌道変更計画会議
    198号:そして鳥は羽ばたいた AO-40誕生
    199号:追悼ワーナ・ハス、Phase 3D軌道への投入シーケンス
        AMSAT Journal特集号(英文):Special Phase 3D Launch Issue
    200号:AO-40打ち上げ後の推移、AO-40からのテレメトリー停止

    なお今年になってからすでに入会された方にも、同様に昨年分をお送
   りします。しばらくお待ちください。
    万一バックナンバーの在庫が切れた際は、期間内でも終了させて頂き
   ます。バックナンバーは、入会手続き完了後1〜2ヶ月でお送りします。
                                              [from JI1OWP @jamsat-bb]


★AMSAT-NA シンポジューム
  AMSAT-NA主催のシンポジュームが10月5、6日にジョージア州アトランタで
 開催されます。これに先立ち、シンポジュームでの発表を募集しています。
 締め切りは6月30日です。詳細は、ANS-077を参照下さい。
                                                       [from ANS-077]


★AMSAT-UK コロキューム
  第16会 AMSAT-UKコロキュームが7月27日から29日までサレー大学で開催さ
 れます。現在、発表を募集しています。詳細は、G3RWL Richard氏まで
 (g3rwl@amsat.org)。
                                                [from G3RWL @amsat-bb]


訂正
  SATINF#185でお伝えした「AMSAT次期衛星プロジェクト」で検討している
 衛星は、「静止軌道衛星」ではなく、「静止トランスファ軌道」でした。



参考
 ANS、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト

JN1GKZ 新井
   jn1gkz@jamsat.or.jp     http://www.din.or.jp/~m-arai/