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[jamsat-news:1445] SATINF#185 12 March 2001
衛星情報 SATINF#185 12 March 2001
JN1GKZ 新井
トピックス
◆AO-40は、サンセンサに太陽光が当たるようになり、スピンレートを下げる
作業が行われています。
◆MIRの投棄は、3月20日過ぎが予定されています。
1.運用中の衛星
●AO-10
1月中旬からダウンリンクが帰ってこない時間が長くなり、ダウンリンク
が帰ってきてもQRHを伴った不安定な状態になっています。姿勢の関係で太
陽電池での発電量が落ちているものと思われます。ダウンリンクにQRHが有
ったり、FM掛かっていたら運用は控えて下さい。
3月4日は、近地点付近での状態は、約2分毎に通信可能/不可能の状態に
なっていました。通信可能時のダウンリンクは良好でした。
近地点が南に上がってきており、段々と北米やヨーロッパが開けてきて
います。
●RS-12/13
RS-12のAモードが動作しています。
●RS-15
Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
がおこなわれている間だけオンになっているようです。
●FO-20
夜間のパスでは、食によってUVC(Under Voltage Controler)が動作し、
送信が一時的に停止することがあります。
UVCとは、バッテリの過放電を防止するための回路でバッテリ電圧が低下
すると送信機への電源供給を遮断します。
バッテリに十分な電力が充電できなくなったために起きている現象と考
えられます。FO-12でも同様の現象が起きていたようです。
●FO-29
以下のスケジュールで運用が予定されています。
2/1 - 4/2 アナログ
●AO-27
電源に余裕がないため、昼間のパスでのみトランスポンダがオンになりま
す。
運用スケジュールは11月25日に次のように変更されました。
TEPR 4=18
TEPR 5=36
衛星に日が当たり始めた9分後から9分間トランスポンダが動作します。
[from KM4NZ Chuck @amsat-bb]
●AO-16
週末にSバンドのビーコン(2401.143MHz)がオンになることがあるよう
です。
RBBSは再開されていませんが、デジピータがオンになっています。
●LU-19
CWビーコンがオンになっています。CWビーコンは12WPMのゆっくりとした
CWで約30秒毎に送信されています。
●UO-11
正常動作しているようです。
●UO-14
JモードのFMリピータの運用がおこなわれています。
ロシアの局がコンスタントにQRVしていますが、なかなかQSOできないよう
です。
●UO-22
正常運用しています。
●KO-25
正常運用しています。
▲IO-26
運用を停止しているようです。
▲TO-31(TMSAT-1)
全日照の期間に入り、温度上昇を抑えるために送信機を停止しています。
[from G7UPN Chris @amsat-bb]
●GO-32(TechSat-1B)
断続したビーコンが送信されているようです。
●SO-33(SedSat-1)
テレメトリを送信しており、SGS20というソフトでデコードすることがで
きます。SGS20は、
http://uah.seds.org/projects/sedsat/SGS20Source.zip
から入手できます。
●UO-36(UoSAT-12)
437.375MHzで38.4Kbpsの信号を送信しているようです。
UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
http://www.sstl.co.uk/
●OO-38(OPAL)
ビーコンを送信しているようです。
●Tiungsat-1
38400bpsの運用がおこなわれています。普段はダウンリンクは、オフにな
っていますが、地上局からのコマンドでオンにすることができます(WiSPで
サポート)。ダウンリンクの出力は8Wで良好に38400bpsの信号がデコードで
きているようです。
ダウンロードしたCCDカメラの画像がJE9PEL 脇田さんのwebサイトで公開
されています。
http://www.asahi-net.or.jp/~EI7M-WKT/
[from JE9PEL/1 @jamsat-bb]
★ISS
アメリカ、カナダの小学校とのスケジュール交信がおこなわれています。
一般のアマチュア局とのランダムな交信は、このところおこなわれていな
いようです。
ISSの搭乗員が交代します。3月8日にスペースシャトル ディスカバリーで
新しい搭乗員3名がISSへ向かいました。アマチュア局のコールを持っている
搭乗員は、UA9AD/R3MIR Yuri Usachev氏とKC7NHZ Susan Helms氏の2名です。
現在、次の3名がISSに滞在しており、2名がコールサインを持っています。
U5MIRは、MIRからの運用実績があります。
William Shepherd, Expedition commander, KD5GSL
Yuri Gidzenko, Soyuz commander
Sergei Krikalev, flight enneer, U5MIR
この3名の搭乗員は、2001年3月までISSに滞在予定です。
ISSのアマチュア局のコールサインと運用周波数は次の通りです。
コールサイン:RZ3DZR、R0ISS、NA1SS、DL0ISS
FM音声のアップリンク周波数は、日本ではバンドプランに合致しないため
対応が考えられています。当面は、FM音声のアップリンクはしないで下さい。
2.調整中の衛星
●SNAP-1
SNAP-1は、OBC(on-board computer)ソフトがないため、マニュアルで衛星
を制御しなければなりません。また、小型衛星であるため、電源に余裕が無
く、コマンド局(英国 サレー大学)の可視範囲でのみ、ダウンリンクをオ
ンにしています。
ダウンリンクは、2430MHz 100mW、38.4kbpsですが、2.4mのディッシュで
良好に受信できているそうです。
[from G7UPN Chris @amsat-bb]
▲KO-23
10月30日にOBCがリセットされ、未だ復旧していませんが、変調の掛かっ
た信号を送信しています。
▲PO-34(PanSat)
スペクトラム拡散の運用が予定されていますが、未だ運用されていません。
PanSatの情報は以下のサイトから得られます。
http://www.sp.nps.navy.mil/pansat/
●SAUDISAT-1A(SO-41)、SAUDISAT-1B(SO-42)
現在、管制局(リヤド、ワシントンDC、デンバー)の可視範囲でのみダウ
ンリンク(9600bps)がオンにされ動作確認がおこなわれています。
★AO-40(P3D)
オービット147での食の後、サンセンサに太陽光が当たるようになりまし
た。これにより、スピンレートを落とす作業が始まりました。
G3RUH James Miller氏によると、スピンレートは次のように変化していま
す。
Orbit rpm
156 17.58
157 16.73
158 15.86
159 15.20
160 14.65
161 13.90
162 12.99 << 2001 Mar 08 [Thu] 0910 utc
-0.74 rpm/perigeeの割合でスピンレートは遅くなっています。
今後、衛星を正しい姿勢に戻し、アークジェットの噴射試験などが行われ
ます。
3月1日には、YACEカメラにより地球の撮影がおこなわれました。撮影した
画像は、以下のサイトから入手できます(期待しないで見て下さい)。
http://www.amsat.org/amsat/ftp/telemetry/ao40/2001/03/ao40_2001-03-02_00154.zip
AE4JY Joe氏のテレメトリデコーダ AO40Rcv のVer1.0が2月18日にリリー
スされました。
http://www.qsl.net/ae4jy/ao40rcv.htm
また、P3Tもダメージを受けたセンサの情報を盛り込んだものが1月27日に
リリースされています。
http://www.cstone.net/~w4sm2/software2/
AO-40の最新状況はAMSAT-UKのwebサイトに上手くまとめられています。
http://www.uk.amsat.org/
クールーでの最終チェック時のビーコン実測周波数が発表されました。こ
れらは、室温23Cでの測定値であり、温度の変化、エージング効果や打ち上
げ時の振動などにより、変化していることも考えられます。
BEACON General Beacon Middle Beacon Engineering Beacon
2 m - 145.8993MHz -
70 cm 435.438MHz 435.588 MHz 435.838MHz
13 cm(1) 2400.188MHz 2400.338 MHz 2400.588MHz
13 cm(2) 2401.168MHz 2401.318 MHz 2401.568MHz
3 cm 10450.975MHz 10451.125 MHz 10451.375MHz
1.5cm 24047.885MHz 24048.035 MHz 24048.285MHz
[from DB2OS @amsat-bb]
AO-40のテレメトリデータがamsatのサイトで公開されています。VP9MU
Paulさんは、ここに無いデータ(CRCCエラーのないもの)を所持している局
は、ao40-archive@amsat.org へP3TでデコードしたAブロックをZIP形式の添
付ファイルとして送付するように求めています。現在は、WODデータを送信
しているので、全ブロックを求めています。
http://www.amsat.org/amsat/ftp/telemetry/ao40/
[from VP9MU Pau @amsat-bb]
3.運用を停止している衛星
★MIR
MIRの投棄は、3月20日過ぎが予定されています。
アフリカ上空で最後の噴射がおこなわれロシア上空で噴射を止めます。
その後、日本付近の上空を通り、南太平洋に落下します。日本付近を通過す
るときの高度は約180kmが予定されています(機体の分解が始まるのは100km
辺りからなので180kmは安全な高度)。
MIRの大気圏再突入の情報は、文部科学省のページに詳しいものがありま
す。
http://www.mext.go.jp/a_menu/kaihatu/mir/index.htm
3月11日現在のMIRの平均高度は247.7km、降下速度は1.8km/日です。
投棄の作業は無人で行われるため、MIRからのアマチュア局の運用は望め
ません。
▲SO-35(SunSat)
1月19日1522zを最後にコマンド局との通信が途絶えました。その後、復旧
に努めていますが、SO-35からの応答はなく、SO-35に障害が発生し、運用を
終えたようです。
SunSatの情報は、次のweb siteから得られます。
http://sunsat.ee.sun.ac.za
http://esl.ee.sun.ac.za
http://www.jamsat.or.jp/oscar/sunsat/mirror/
▲DO-17
▲WO-18
▲WO-39(JAWSAT)
4.これから打ち上がる衛星
●CubeSat
東京工業大学等で開発している10cm立方のナノサテライト CubeSatが11月
にロシアから打ち上げられる予定です。
アップリンク 145.835MHz、ダウンリンク 437.450-437.500MHzが予定され
ています。
東工大CubeSatプロジェクト
http://horse.mes.titech.ac.jp/srtlssp/cubesat/index.html
東大CubeSatプロジェクト
http://www.space.t.u-tokyo.ac.jp/cubesat/index.html
[from 東京工業大学 此上さん、宇井さん、JG1LDV @jamsat-bb]
5.衛星に関する情報
★2001年JAMSATシンポジューム & 総会
JAMSATシンポジュームおよび総会が4月21、22日に岡山県津山市で開催さ
れます。総会はJAMSAT会員のみ参加かのうですが、シンポジュームはどなた
でも参加できます。参加申し込みは以下を参照下さい。
期日:4月21日(土)、22日(日)
場所:〒708-0872 岡山県津山市平福 557-1番地
民宿『佐良苑』(さらえん)
TEL 0868-28-1641/0120-28-1634 FAX 0868-28-7280
参加費:会員1000円、非会員2000円(当日入会者は1000円)
その他費用は下記参照
予定
4月21日(土)
8時− 9時 朝食(500円)
9時−12時 会場準備 その他
12時−13時 昼食(500円)
13時−14時 総会
13時半〜 シンポ受付け
14時−18時 シンポジューム第一部
AO-40の状況
マイクロ波技術
ARISSの状況 他
18時− 記念撮影
19時−21時 懇親会(5500円)
21時− 二次会 スライド、ビデオ上映及び解説
21時− 宿泊(随時)(3500円)
4月22日(日)
8時− 9時 朝食(500円)
9時−10時 シンポジューム第二部
10時− DRAKE Conv. NF測定会
12時−13時 昼食(500円)
交通アクセス
山陽新幹線:岡山駅乗り換え 津山線で津山駅下車。
津山駅から会場までは車で5分。
JR岡山駅、岡山空港から車で国道53号線北へ約1時間。
中国自動車道 津山インターまたは、院庄インターから約20分。
申し込み要領
コールサイン、郵便番号、住所、氏名、メールアドレス、電話番号、
会員の方は会員番号と、参加状況(例えば、総会には、参加できないが、
シンポジュームと懇親会には参加、宿泊希望、翌日の朝食が必要など、
形式は問いませんが記入してください)この例ですと、参加費の合計は、
1000円+5500円+3500円+500円 合計10,500円ということになります。
会費はお釣りがいらないようご用意下さい。
申し込み先
村上 忍 (JA4GVA) Shinobu Murakami
岡山県倉敷市
E-mail ja4gva@shinenet.ne.jp
FAX 086-456-0249
[from JI1OWP @jamst-bb]
★AMSAT次期衛星プロジェクト
2月24、25日のAMSAT-NA理事会にて次期衛星プロジェクトが議題としての
ぼりました。以下の3つの案が出ており、引き続き検討されてゆきます。
(1)静止軌道衛星の開発
トランスポンダの周波数は、144、430、1200、2400、5400MHz。
重量100kg、消費電力100W、姿勢はスピン制御。
(2)新IHU(Internal Housekeeping Unit)の開発
現行のIHUは部品入手難であり、次期AMSAT衛星には、新しいIHUを開
発する必要がある。
(3)新しいデジタルモードの開発
回線の状態が悪い時や、低電力/簡単な設備でアクセスできることを
目標とする。
★JAMSATがAMSAT-DLへ寄付
JAMSATは、P3D(AO-40)の開発に対しAMSAT-DLへ8万ドイツマルク(日本
円で約450万円)を寄付をおこないました。
P3Dは当初の計画よりも打上げが遅れ、財政的にも厳しい状況となってい
ます。今般の寄付は、これまでの支出と今後の衛星維持管理に役立てられる
ものと思います。
寄付金は、JAMSAT P3D支援会員制度による寄付金とJAMSAT会費からの積立
金によるものです。JAMSATの会員になることによって、衛星開発に寄与する
ことになります。未入会の方は、是非、JAMSATへの入会をご検討ください。
入会についての案内は、JAMSATのwebサイトをご覧下さい。
http://www.jamsat.or.jp
参考
ANS、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト
JN1GKZ 新井
jn1gkz@jamsat.or.jp http://www.din.or.jp/~m-arai/