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[jamsat-news:1419] SATINF#181 14 January 2000
衛星情報 SATINF#181 14 January 2000
JN1GKZ 新井
トピックス
◆AO-40は、一時ビーコンを停止していましたが、S2ビーコンの送信を再開し
ました。現在、衛星の状態を確認中で、当面、S2ビーコンのみの運用にな
ります。
◆RS-12/13はRS-12のAモードの運用になり、RS-13は停止しました。
◆SAUDISAT-1AとSAUDISAT-1Bにオスカーナンバーが付きました。
SAUDISAT-1A:SO-41、SAUDISAT-1B:SO-42
◆MIRの投棄が3月6日に決まりました。アマチュア局運用の再開の見込みは無
いようです。
1.運用中の衛星
●AO-10
姿勢安定化のためのスピンが止まってしまい、姿勢がふらついているもの
と思われます。そのため、状態はその日によって違います。ビーコンを受信
し、状態を把握してQSOに望むと良いと思います。
遠地点が南であるためため、ヨーロッパや北米と窓が僅かになってしまっ
ています。反面、AOS直後にヨーロッパ、LOS直前に北米との窓が数分間開け
るのでローパワーや簡単な設備で北米とのQSOのチャンスがあります。
★RS-12/13
1月3日からRS-12のAモードが動作し始めました。RS-13は動作を停止して
います。
RS-12 mode-A up:145.910-145.950MHz CW,USB
down:29.410- 29.450MHz CW,USB
ビーコン:29.408MHz CW
●RS-15
Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
がおこなわれている間だけオンになっているようです。
●FO-20
夜間のパスでは、食によってUVC(Under Voltage Controler)が動作し、
送信が一時的に停止することがあります。
UVCとは、バッテリの過放電を防止するための回路でバッテリ電圧が低下
すると送信機への電源供給を遮断します。
バッテリに十分な電力が充電できなくなったために起きている現象と考
えられます。FO-12でも同様の現象が起きていたようです。
●FO-29
以下のスケジュールで運用が予定されています。
12/25 - 1/31 アナログ
●AO-27
日照時間帯にトラポンがオンになります。
運用スケジュールは11月25日に次のように変更されました。
TEPR 4=18
TEPR 5=36
です。衛星に日が当たり始めた9分後から9分間トランスポンダが動作します。
[from KM4NZ Chuck @amsat-bb]
●AO-16
RBBSは再開されていませんが、デジピータがオンになっています。
Sバンドの運用は停止しています。
1月13日にデコードしたデータです。
PACSAT-1>TIME-1 [13-Jan-01 21:33:54] <UI>:
PHT: uptime is 335/08:58:19. Time is Sat Jan 13 12:33:52 2001
PACSAT-1>AMSAT [13-Jan-01 21:33:57] <UI>:
Happy Holidays to All
and a Prosperous 2001
from the AO-16 Command Team (WJ9F)
PACSAT-1>LSTAT [13-Jan-01 21:33:58] <UI>:
I P:0x1D00 o:0 l:6654 f:7171, d:1 st:1
●LU-19
CWビーコンがオンになっています。CWビーコンは12WPMのゆっくりとした
CWで約30秒毎に送信されています。
●UO-11
正常動作しているようです。
●UO-14
JモードのFMリピータの運用がおこなわれています。
●UO-22
正常運用しています。
●KO-23
10月30日にOBCがリセットされました。復旧作業に努めていますが、まだ
運用を再開していないようです。
1月13、14日には、KO-23からと思われる変調の掛かった信号が聞こえてい
ました。
●KO-25
正常運用しています。
●IO-26
デジピータがオンになっています。
●TO-31(TMSAT-1)
全日照の期間に入り、温度上昇を抑えるために送信機を停止しています。
[from G7UPN Chris @amsat-bb]
●GO-32(TechSat-1B)
断続したビーコンが送信されているようです。
●SO-33(SedSat-1)
テレメトリを送信しており、SGS20というソフトでデコードすることがで
きます。SGS20は、
http://uah.seds.org/projects/sedsat/SGS20Source.zip
から入手できます。
★SO-35(SunSat)
BモードのFMトランスポンダの運用がおこなわれています。FMトランスポ
ンダが動作していないときは、Jモードでデジタルの運用がおこなわれてい
ます。
1月5日から画像関係の実験をおこなうため、アマチュア局の運用は停止し
ていましたが、1月11日からアマチュア局の運用が再開されました。
1月28日までのスケジュールは次のように発表されています。
1/15 1634-1648 JST
1/16 1734-1748
1/17 1653-1707
1/18 1612-1626
1/19 1711-1725
1/20 1630-1644
1/21 1730-1744
1/22 1649-1703
1/23 1608-1612
1/24 1707-1721
1/25 1627-1641
1/26 1726-1740
1/27 1645-1659
1/28 1605-1619
SunSatの情報は、次のweb siteから得られます。
http://sunsat.ee.sun.ac.za
http://esl.ee.sun.ac.za
http://www.jamsat.or.jp/oscar/sunsat/mirror/
●OO-38(OPAL)
12月8日にデジピータをオンさせようとしましたが上手くいかなかったよ
うです。
●Tiungsat-1
38400bpsの運用がおこなわれています。普段はダウンリンクは、オフにな
っていますが、地上局からのコマンドでオンにすることができます(WiSPで
サポート)。ダウンリンクの出力は8Wで良好に38400bpsの信号がデコードで
きているようです。
ダウンロードしたCCDカメラの画像がJE9PEL 脇田さんのwebサイトで公開
されています。
http://www.asahi-net.or.jp/~EI7M-WKT/
[from JE9PEL/1 @jamsat-bb]
●ISS
現在、次の3名がISSに滞在しており、2名がコールサインを持っています。
U5MIRは、MIRからの運用実績があります。
William Shepherd, Expedition commander, KD5GSL
Yuri Gidzenko, Soyuz commander
Sergei Krikalev, flight enneer, U5MIR
この3名の搭乗員は、2001年3月までISSに滞在予定です。
ISSのアマチュア局のコールサインと運用周波数は次の通りです。
コールサイン:RZ3DZR、NA1SS、DL0ISS のいずれかが使われる予定
FM音声のアップリンク周波数は、日本ではバンドプランに合致しないため
対応が考えられています。当面は、FM音声のアップリンクはしないで下さい。
パケットの運用準備が進められています。コールサインは、RZ3DZRの予定
です。初期の運用では、デジピータの運用がおこなわれます。また、ISSか
らビーコンが2分間に1度送信されます。RBBSの運用は暫く先になるようです。
ISSからのパケット信号をデコードするとQSLが発行されます。QSLの発行
手順は追って発表されます。
ISSからのパケットの信号が聞こえない場合は、アップリンクしないよう
にアナウンスされています。
アップリンク:145.990MHz
ダウンリンク:145.800MHz
[from KA3HDO Frank @amsat-sarex]
2.調整中の衛星
●SNAP-1
SNAP-1は、OBC(on-board computer)ソフトがないため、マニュアルで衛星
を制御しなければなりません。また、小型衛星であるため、電源に余裕が無
く、コマンド局(英国 サレー大学)の可視範囲でのみ、ダウンリンクをオ
ンにしています。
ダウンリンクは、2430MHz 100mW、38.4kbpsですが、2.4mのディッシュで
良好に受信できているそうです。
[from G7UPN Chris @amsat-bb]
▲PO-34(PanSat)
スペクトラム拡散の運用が予定されていますが、未だ運用されていません。
PanSatの情報は以下のサイトから得られます。
http://www.sp.nps.navy.mil/pansat/
●UO-36(UoSAT-12)
437.400MHzで38.4Kbpsの信号を送信しているようです。
何度か受信を試みていますが、信号は聞こえませんでした。
UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
http://www.sstl.co.uk/
★SAUDISAT-1A(SO-41)、SAUDISAT-1B(SO-42)
現在、管制局(リヤド、ワシントンDC、デンバー)の可視範囲でのみダウ
ンリンク(9600bps)がオンにされ動作確認がおこなわれています。
SAUDISAT-1A、SAUDISAT-1Bにオスカーナンバーが付きました。
SAUDISAT-1A Saudi OSCAR 41/SO-41
SAUDISAT-1B Saudi OSCAR 42/SO-42
★AO-40(P3D)
一時ビーコンが途絶えましたが、現在は、S2ビーコンが送信されていま
す。アンテナの向きのため、近地点からMA30程度までビーコンが受信でき
ます。現在は、受信範囲を変更するため、姿勢変更がおこなわれています。
また、ビーコンはWODの送信をおこなっているようです。
現時点で確認されている機器は次のとおりです。
・機能している機器
V、U、L-1バンド受信機
Sバンド送信機
V、U、Lバンド高ゲインアンテナ
マグネトルーカシステム
・機能していない機器
U、Lバンド低ゲインアンテナ
・調査をおこなったが結論が出なかった機器(引き続き調査される)
Vバンド低ゲインアンテナ
Vバンド送信機
・今後調査が計画されている機器
Uバンド送信機
アークジェットモータ(軌道変更のために必要)
モーメンタムホイール(三軸制御のために必要)
アークジェットモータとモーメンタムホイールが正常に動作すれば、予定
していた多くのサービスを実現することが実現できるようです。
AO-40の最新状況はAMSAT-UKのwebサイトに上手くまとめられています。
http://www.uk.amsat.org/
クールーでの最終チェック時のビーコン実測周波数が発表されました。こ
れらは、室温23Cでの測定値であり、温度の変化、エージング効果や打ち上
げ時の振動などにより、変化していることも考えられます。
BEACON General Beacon Middle Beacon Engineering Beacon
2 m - 145.8993MHz -
70 cm 435.438MHz 435.588 MHz 435.838MHz
13 cm(1) 2400.188MHz 2400.338 MHz 2400.588MHz
13 cm(2) 2401.168MHz 2401.318 MHz 2401.568MHz
3 cm 10450.975MHz 10451.125 MHz 10451.375MHz
1.5cm 24047.885MHz 24048.035 MHz 24048.285MHz
[from DB2OS @amsat-bb]
AO-40のテレメトリデータがamsatのサイトで公開されています。VP9MU
Paulさんは、ここに無いデータ(CRCCエラーのないもの)を所持している局
は、ao40-archive@amsat.org へP3TでデコードしたAブロックをZIP形式の添
付ファイルとして送付するように求めています。現在は、WODデータを送信
しているので、全ブロックを求めています。
http://www.amsat.org/amsat/ftp/telemetry/ao40/
[from VP9MU Pau @amsat-bb]
3.運用を停止している衛星
★MIR
MIRの投棄が決まりました。3月6日に決まりました。
1月18日0656zに軌道離脱のための燃料を積んだ貨物船プログレスM1-5が打
ち上げられ、1月22日0800zにMIRのKvantモジュールにドッキングします。プ
ログレスは通常、打ち上げから2日でMIRにドッキングしますが、今回はプロ
グレスの燃料消費を節約するために4日を掛けてドッキングをします。
2月10日には、MIRの姿勢制御をしているジャイロシステムが止められます。
3月4日から5日掛けて、ドッキングしているプログレスはMIRの速度を緩め
るための噴射が3回おこないます。最初の2回の噴射で速度を7m/sで減速、3
回目の噴射で14m/sで減速させます。3月6日に最後の噴射をおこない、速度
を17.3m/sで減速させ、太平洋上空で大気圏に再突入させます。この際、か
なり大きな残骸が太平洋に降り注ぐことになります。
これらの作業は全て無人でおこなわれるため(プログレスのドッキングが
失敗した場合は、緊急に宇宙飛行士を派遣することが考えられています)、
MIRのアマチュア局の運用再開は望めないようです。
▲DO-17
▲WO-18
▲WO-39(JAWSAT)
4.これから打ち上がる衛星
●Kollibri
Kollibriというアマチュア衛星が2001年にMIRの補給船プログレスから打
ち上げ(放出)される計画があります。テレメトリとデジタルボイスの送信
機能を持ち、大気圏に再突入するまでの4〜6ヶ月間、運用をおこなう予定で
す。
http://www.iki.rssi.ru/kollibri/missija1.htm
に詳細があります(ロシア語)。
[from WF1F Miles @amsat-sarex]
5.衛星に関する情報
★AMSAT-UKコロキューム
第16会AMSAT-UKコロキュームが7月27日から29日まで英国サレー大学で開
催されます。これに伴い、現在、発表論文を募集しています。詳細は、以下
のサイトで確認下さい。
http://www.uk.amsat.org/colloquium.htm
[from G3RWL Richard @amsat-bb]
★NHK人間講座 「宇宙からの贈りもの」
宇宙飛行士 毛利衛さんが講師を務める 『NHK人間講座 「宇宙からの贈り
もの」 -ユニバソロジの世界観- 』がNHK教育TVで毎週火曜日 2300-2330に
放送されています。
放送予定は次のとおりです。
第1回 これが宇宙空間だ (1/ 9)
第2回 宇宙での生活 (1/16)
第3回 宇宙への夢とあこがれ (1/23)
第4回 宇宙への準備と出発 (1/30)
第5回 重さと空気のない世界 (2/ 6)
第6回 宇宙科学実験室(一) (2/13)
第7回 宇宙科学実験室(二) (2/20)
第8回 地球と天体観測 (2/27)
第9回 宇宙授業 (3/ 6)
第10回 地球への帰還 (3/13)
第11回 国際宇宙ステーションの役割と可能性 (3/20)
第12回 ユニバソロジの世界観 (3/27)
[from JE9PEL/1 @jamsat-bb]
★「STARS」基板頒布
JA6SNK 平川さんの開発された衛星追尾システムSTARSの基板配布がおこな
われています。詳細は、JI0SII 山崎さんのホームページを参照して下さい。
http://homepage2.nifty.com/ji0sii/
[from JI0SII @jamsat-bb]
★AMSAT-NA 入会案内
今月はAMSAT-NA会員募集強化月間になっています。AMSAT-NA会員になると、
2ヶ月に1度、AMSAT Journal(年末にJAMSAT NEWS letterと一緒に送付され
たもの)が送付されたり、トラッキングソフトなどが割引で購入できます。
また、会員になることで衛星開発のドネーションにも貢献することにもなり
ます。
年会費は、1年間$45、ライフメンバーは$720です。
入会希望者は、下記の事項をAMSAT-NAに郵便かFAXで送って下さい。要求
はされていませんが、e-mailアドレスがあれば、記入した方がよいと思いま
す。
Name(名前)
Address(住所)
Callsign(コールサインが有る場合)
Phone(電話番号)
Mastercard or Visa Number
(マスターカードかVISAのカード番号
ここから会費が引き落とされます)
Expiration Date(カードの有効期限)
Signature(直筆署名)
送付先 AMSAT-NA
850 Sligo Avenue, Suite 600
Silver Spring, MD 20910-4703, USA
Fax: +1 (301) 608-3410
詳細は、AMSAT-NAのホームページで確認下さい。
http://www.amsat.org
JAMSATに入会を希望される方は、JAMSATのホームページで詳細を確認下さ
い。
http://jamsat.or.jp
参考
ANS、SpaceNews、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト
JN1GKZ 新井
jn1gkz@jamsat.or.jp http://www.din.or.jp/~m-arai/