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[jamsat-news:1358] SATINF#178 5 November 2000
衛星情報 SATINF#178 5 November 2000
1.運用中の衛星
●AO-10
姿勢安定化のためのスピンが止まってしまい、姿勢がふらついているもの
と思われます。そのため、状態はその日によって違います。ビーコンを受信
し、状態を把握してQSOに望むと良いと思います。
遠地点が南であるためため、ヨーロッパや北米と窓が僅かになってしまっ
ています。反面、近地点付近で北米との窓が数分間開けるのでローパワーや
簡単な設備で北米とのQSOのチャンスがあります。
ただし、近地点付近では食が発生し、トランスポンダが停止しています。
10月29日にはLOS間際にアリゾナの局とQSOができました。
◎RS-12/13
先週からRS-13がKTモードで動作しています。2mのダウンリンク信号はと
ても強力です。アップリンクはDPでも十分なダウンリンクが帰ってきます。
15mでQSOしているDX局の信号がよく聞こえていました。
mode-KT
アップリンク:21.260-21.300MHz USB
ダウンリンク:29.460-29.500MHz、145.860-145.900MHz USB
ビーコン :29.458MHz、145.863MHz CW
●RS-15
Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
がおこなわれている間だけオンになっています。
●FO-20
夜間のパスでは、食によってUVC(Under Voltage Controler)が動作し、
送信が一時的に停止することがあります。
UVCとは、バッテリの過放電を防止するための回路でバッテリ電圧が低下
すると送信機への電源供給を遮断します。
送信停止は、食の後半で起きていることから次のことが推測されます。
(1)食に入り、電源供給はバッテリからおこなわれる
(2)バッテリ電圧が徐々に低下
(3)UVC動作電圧にまで電圧が低下しUVCが動作し送信機への電源供給を
停止
(4)食を抜け電圧が上昇しUVCが送信機への電源供給を再開
バッテリに十分な電力が充電できなくなったために起きている現象と考
えられます。FO-12でも同様の現象が起きていたようです。
●FO-29
11月5日にJARLのwebサイトでスケジュールを確認しましたが、11月5日以
降のスケジュールは掲載されていませんでした。
10/ 7 - 11/ 5 デジトーカ
(水曜日は状態確認のためアナログモードで運用)
●AO-27
9月9日よりFMトランスポンダの運用が再開されました。衛星の状態を監視
するためにトランスポンダの運用が停止されることがあります。
日照時間帯にトラポンがオンになります。
運用スケジュールは
TEPR 4=36
TEPR 5=72
です。衛星に日が当たり始めた13分後から18分間トランスポンダが動作しま
す。
[from KM4NZ Chuck @amsat-bb]
11月5日には4F2KWTとQSOができました。
●AO-16
RBBSは再開されていませんが、デジピータがオンになっています。
Sバンドの運用は停止しています。
PACSAT-1>AMSAT [11/3 10:36:11 JST] <UI>:
June 2000
S-Band off
PSK Tx power 1.5 watts
Digipeat is on
AO16 Command Team <WJ9F>
[from JE9PEL @jamsat-bb]
●LU-19
CWビーコンがオンになっています。CWビーコンは12WPMのゆっくりとした
CWで約30秒毎に送信されています。
●UO-11
正常動作しているようです。
●UO-14
アマチュアバンドに復帰し、JモードのFMリピータの運用がおこなわれて
います。
11月3日には、RW9USAとQSOができました。
●UO-22
正常運用しています。
●KO-23
10月30日にOBCがリセットされました。現在、リロード作業中で、復旧に
はしばらく掛かるようです。
●KO-25
正常運用しています。
●IO-26
デジピータがオンになっています。
●TO-31(TMSAT-1)
BBSへの書き込みはできませんが、ディレクトリ、テレメトリデータ、CCD
カメラの画像データのダウンロードが可能です。
●GO-32(TechSat-1B)
断続したビーコンが送信されているようです。
●SO-33(SedSat-1)
ビーコン:437.910MHz 9600bps FSK
テレメトリを送信しており、SGS20というソフトでデコードすることがで
きます。SGS20は、
http://uah.seds.org/projects/sedsat/SGS20Source.zip
から入手できます。
●SO-35(SunSat)
Bモードの運用がおこなわれています。
東南アジアや太平洋の局とのQSOができるようなスケジュールになり、
BA4IXや4F2KWTなどのQRVがありました。スケジュールのコーディネータは
JA6BX 江崎さんが務められています。
11月3-5日はトランスポンダがオンになりませんでした。
11月19日までのスケジュールは次のように発表されています。
11/ 4 1707-1721JST
11/ 5 1807-1821
11/ 6 1725-1739
11/ 7 1824-1838
11/ 8 1744-1759
11/ 9 1844-1858
11/10 1802-1816
11/11 1721-1735
11/12 1641-1655
11/13 1740-1754
11/14 1840-1854
11/15 1759-1813
11/16 1718-1732
11/17 1817-1831
11/18 1557-1611
11/19 1836-1850
SunSatの情報は、次のweb siteから得られます。
http://sunsat.ee.sun.ac.za
http://esl.ee.sun.ac.za
http://www.jamsat.or.jp/oscar/sunsat/mirror/
●OO-38(OPAL)
437.100MHzで、9600bpsのビーコンを送信しています。ビーコンの送信は、
10秒毎だったり1分毎だったりするようです。
2.調整中の衛星
●SNAP-1
SNAP-1は、OBC(on-board computer)を搭載していないため、マニュアルで
衛星を制御しなければなりません。また、小型衛星であるため、電源に余裕
が無く、コマンド局(英国 サレー大学)の可視範囲でのみ、ダウンリンク
をオンにしています。
ダウンリンクは、2430MHz 100mW、38.4kbpsですが、2.4mのディッシュで
良好に受信できているそうです。
[from G7UPN Chris @amsat-bb]
▲PO-34(PanSat)
スペクトラム拡散の運用が予定されていますが、未だ運用されていません。
PanSatの情報は以下のサイトから得られます。
http://www.sp.nps.navy.mil/pansat/
●UO-36(UoSAT-12)
mode-J up:145.960MHz 9600bps FSK/down:437.025, 437.400MHz
437.400MHzで38.4Kbpsの信号を送信しているようです。
何度か受信を試みていますが、信号は聞こえませんでした。
UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
http://www.sstl.co.uk/
◎Tiungsat-1
11月2日からアマチュア局に解放されました。ファイルのアップロードは
できませんが、ダウンロードは可能です。9600bpsでの運用です。
近々に38400bpsの運用がおこなわれるようです。38400bpsの運用には電力
を使うため、常時オンにはできません。地上局からのコマンドによりダウン
リンクがオンになるようです。
周波数 アップリンク:145.850、145.925MHz
ダウンリンク:437.325MHz
Broadcast callsign:MYSAT3-11
BBS: MYSAT3-12
NUP: MYSAT3-10
[from G7UPN @amsat-bb、JE9PEL/1 @jamsat-bb]
●SAUDISAT-1A、SAUDISAT-1B
現在、管制局(リヤド、ワシントンDC、デンバー)の可視範囲でのみダウ
ンリンク(9600bps)がオンにされ動作確認がおこなわれています。
3.運用を停止している衛星
▲MIR
搭乗員は6月16日にMIRを離れ、無人状態になっており、アマチュア局の運
用は停止しています。
新しい搭乗員が乗り組むのは、MIR誕生15周年となる2001年2月が予定され
ています。
投棄が決まったとの話もありますが、確認できていません。
▲DO-17
▲WO-18
▲WO-39(JAWSAT)
4.これから打ち上がる衛星
◎P3D
いよいよ打ち上げです。現時点では、11月15日1007JST(打ち上げの窓は
1007-1103z)に打ち上げが予定されています。
クルーでの様子は
http://www.amsat-dl.org/launch/
で確認することができます。
アリアンスペース打ち上げ予定
打ち上げロケット ペイロード 打上予定/結果
-------------------------------------------------------------
V128 Ariane 505 AsiaStar, Insat 3B 3/21 成功
V129 Ariane 42L Galaxy 4R 4/18 成功
V130 Ariane 506 Astra 2B, GE-7 9/14 成功
V131 Ariane 44LP Brasilsat B4, Nilesat 102 8/17 成功
V132 Ariane 44P Eutelsat W1 9/ 6 成功
V133 Ariane 44L N-SAT-110 10/ 6 成功
V134 Ariane 44LP Europe*Star1 10/29 成功
V135 Ariane 507 AMSAT P3-D, PAS-1R, 11/14
STRV-1C/1D
◎ISS
ISSの最初の搭乗員3名を乗せたソユーズは、10月31日にロシアのバイコ
ヌール宇宙基地から打ち上げられ、11月2日にISSとドッキングに成功しま
した。
最初の搭乗員は次の3名です。2名がコールサインを持っています。U5MIR
は、MIRからの運用実績があります。
William Shepherd, Expedition commander, KD5GSL
Yuri Gidzenko, Soyuz commander
Sergei Krikalev, flight enneer, U5MIR
この3名の搭乗員は、2001年2月までISSに滞在予定です。
ISSのアマチュア局のコールサインと運用周波数は次の通りです。
コールサイン:RZ3DZR、NA1SS、DL0ISS のいずれかが使われる予定
周波数:ダウンリンク 145.800MHz(FM音声、パケット)
アップリンク 144.490MHz(FM音声)
145.990MHz(パケット)
FM音声のアップリンク周波数は、日本ではバンドプランに合致しないため
対応が考えられています。144.490MHzではFMのアップリンクをしないで下さ
い。
ISSでの生活時間はUTCが使われます。勤務時間は0800-1900z、休日は、
土曜日1200zからと日曜日です。勤務時間前後、昼食時(1200z)、休日に
アマチュア局の運用がおこなわれるものと思われます。
ISSと地上との通信が143.625MHz FMでおこなわれています。11月5日1532
(AOS)から1539JST(交信終了)まで、ロシア語の交信が大変明瞭に受信で
きました。
●Kollibri
Kollibriというアマチュア衛星が2001年にMIRの補給船プログレスから打
ち上げ(放出)される計画があります。テレメトリとデジタルボイスの送信
機能を持ち、大気圏に再突入するまでの4〜6ヶ月間、運用をおこなう予定で
す。
http://www.iki.rssi.ru/kollibri/missija1.htm
に詳細があります(ロシア語)。
[from WF1F Miles @amsat-sarex]
5.衛星に関する情報
★インスタント トラック バージョン1.50
AMSAT-NAからインスタントトラックのバージョン1.50がリリースされまし
た。
価格は、次のとおりです。
バージョン1.00からのアップグレード:$ 20
新規購入(AMSAT会員) :$ 30
新規購入(AMSAT会員以外) :$ 50
コマーシャル ライセンス :$200
変更点は以下のサイトで確認下さい。ここからマニュアルを入手したり、
ソフトを購入することが可能です。
http://www.amsat.org/amsat/instanttrack/
★Linux版 P3Dテレメトリデコーダ
AMSAT-フランスでは、Linux版のP3D 400bpsテレメトリデコーダを開発中
です。このデコーダは、オフラインで動作するもので、wav形式のファイル
にセーブしたテレメトリを解析します。
[from F6BVP @amsat-bb]
★AMSAT-NA スペースシンポジューム
第18回 AMSAT-NA スペースシンポジュームが10月27〜29日に開催されまし
た。当日の発表の様子は以下のサイトでオーディオファイルが公開されてお
り、拝聴することができます。オーディオファイルの総容量は56MBと膨大で
す。ダウンロードにはご注意を。
http://www.amsatnet.com
[from KK5DO @amsat-bb]
参考
ANS、SpaceNews、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト
JN1GKZ 新井
jn1gkz@jamsat.or.jp http://www.din.or.jp/~m-arai/