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[jamsat-news:1290] SATINF#170 20 June 2000
衛星情報 SATINF#170 20 June 2000
1.運用中の衛星
●AO-10
mode-B up:435.030-435.180MHz CW,LSB/down:145.975-145.825MHz CW,USB
ビーコン:145.810MHz キャリア
姿勢安定化のためのスピンが止まってしまい、姿勢がふらついているもの
と思われます。そのため、状態はその日によって違います。ビーコンを受信
し、状態を把握してQSOに望むと良いと思います。
●RS-12/13
mode-KA up:21.260-21.300MHz CW,USB/down:145.960-146.000MHz CW,USB
29.460- 29.500MHz CW,USB
ビーコン:29.458MHz CW
ロボット up:145.840MHz CW/down:29.504MHz CW
RS-13がKAモードで運用しています。北米では盛んに使われていますが、
日本ではほとんどアクティビティがありません。
●RS-15
mode-A up:145.858-145.898MHz CW,USB/down:29.354-29.394MHz CW,USB
ビーコン:29.352MHz
Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
がおこなわれている間だけオンになっています。
●FO-20
mode-JA up:145.900-146.000MHz CW,LSB/down:435.900-435.800MHz CW,USB
ビーコン:435.795MHz キャリア
一時聞こえなくなったビーコンですが、再び聞こえるようになりました。
●FO-29
mode-JA up:145.900-146.000MHz CW,LSB/down:435.900-435.800MHz CW,USB
ビーコン:435.795MHz CW
mode-JD(1200bps) up:145.850, 145.870, 145.910MHz 1200bps AFSK
down:435.910MHz 1200bps PSK
mode-JD(9600bps) up:145.870MHz 9600bps FSK
down:435.910MHz 9600bps FSK
デジトーカ:435.910MHz
6月8日から12日まで予定通りデジトーカの運用がありました。
今後のスケジュールは次の通りです。
6/13 - 7/ 2 アナログ
●AO-27
mode-J up:145.850MHz FM/down:436.795MHz FM
日照時間帯はトラポンがオンになっています。
5月18日にスケジュールが変更されました。新しいスケジュールは
TEPR 4=42
TEPR 5=78
です。衛星に日が当たり始めた21分後から18分間トランスポンダが動作しま
す。
●AO-16
mode-J up:145.90, 145.92, 145.94, 145.86MHz 1200bps AFSK
down:437.025MHz 1200bps PSK
RBBSは再開されていませんが、デジピータがオンになっています。
Sバンドの運用は停止しています。
6月20日にデコードしたデータです。
PACSAT-1>TIME-1 [20-Jun-00 22:39:27] <UI>:
PHT: uptime is 128/10:08:01. Time is Tue Jun 20 13:39:02 2000
PACSAT-1>AMSAT [20-Jun-00 22:39:31] <UI>:
June 2000
S-Band off
PSK Tx power 1.5 watts
Digipeat is on
AO16 Command Team <WJ9F>
PACSAT-1>LSTAT [20-Jun-00 22:39:31] <UI>:
I P:0x1D00 o:0 l:6654 f:7171, d:1 st:1
◎LU-19
mode-J up:145.84, 145.86, 145.88, 145.90MHz 1200bps AFSK
down:437.150MHz 1200bps PSK
ビーコン:437.125MHz CW
1月以来、5ヶ月振りにCWビーコンがオンになっています。20日22時過ぎの
パスではAOSからLOSまで強力に入感していました。同時にPSKの運用もされ
ていますが、CWはPSKより遙かに強い信号でした。CWビーコンは12WPMのゆっ
くりとしたCWで約30秒毎に送信されています。テレメトリの解読は、
SATINF#159 16 January 2000を参照してください。
6月20日にデコードしたデータです。
LUSAT-1>TIME-1 [20-Jun-00 22:16:05] <UI>:
PHT: uptime is 689/23:31:23. Time is Tue Jun 20 13:14:40 2000
LUSAT-1>AMARG [20-Jun-00 22:16:09] <UI>:
June 16
CW Experiment is ON for 72Hs.
8 TLM channels decoded by ear!
Listen at 437,125
73 de Nestor, lu7xac@amsat.org
LUSAT-1>LSTAT [20-Jun-00 22:16:10] <UI>:
I P:0x3000 o:9 l:12644 f:12644, d:1 st:2
●UO-11
ビーコン:145.825MHz 1200bps, 2401.500MHz キャリア
正常動作しているようです。
●UO-14
mode-J up:145.975MHz FM/down:435.070MHz FM
アマチュアバンドに復帰し、JモードのFMリピータの運用がおこなわれて
います。
●UO-22
mode-J up:145.900 or 145.975MHz 9600bps FSK/down:435.120MHz 9600bps FSK
全日照に入り、温度上昇を抑えるために衛星の姿勢を変えました。このた
め、アンテナが地球に向かなくなり、ダウンリンクは弱くなっているようで
す。
●KO-23
mode-J up:145.900MHz 9600bps FSK/down:435.175MHz 9600bps FSK
食の時間が長くなり、電源事情が悪化し、運用が不安定になっています。
●KO-25
mode-J up:145.980MHz 9600bps FSK/down:436.500MHz 9600bps FSK
正常運用しています。
●IO-26
mode-J up:145.875, 145.900, 145.925, 145.950MHz 1200bps FSK
down:435.822MHz 1200bps PSK
デジピータがオンになっています。
●TO-31(TMSAT-1)
mode-J up:145.925MHz 9600bps FSK/donw:436.925MHz 9600bps FSK
BBSへの書き込みはできませんが、ディレクトリ、テレメトリデータ、CCD
カメラの画像データのダウンロードが可能です。
●GO-32(TechSat-1B)
ビーコン:435.225MHz 9600bps HDLC
断続したビーコンが送信されているようです。
●SO-33(SedSat-1)
ビーコン:437.910MHz 9600bps FSK
現在までに管制局のアラバマ大学では18000行のテレメトリデータを収集
しており、以下のサイトで公開しています。
http://uah.seds.org/projects/sedsat/
これらのデータは、太陽電池パネルやバッテリの解析などに有効に機能
しています。管制局では今後ともテレメトリデータの収集に協力してほし
い旨伝えています。
テレメトリはSGS20というソフトでデコードします。SGS20は、
http://uah.seds.org/projects/sedsat/SGS20Source.zip
から入手できます。
テレメトリがデコードできたら管制局 telemetry@seds.org へレポー
トして下さい。
◎SO-35(SunSat)
mode-B up:436.291MHz FM/down:145.825MHz FM
パロットモード:145.825MHz
全日照の期間に入り、衛星の温度が上がっています。温度上昇を抑えるた
めの制御を頻繁におこなわなければならなくなり、トランスポンダの運用は
しばらく休止されます。
全日照は、11月まで続きます。
SunSatの情報は、次のweb siteから得られます。
http://sunsat.ee.sun.ac.za
http://esl.ee.sun.ac.za
http://www.jamsat.or.jp/oscar/sunsat/mirror/
◎MIR
6月9日頃から散発的にSSTVの運用をおこなったようです。12、13日にも
運用がありましたが、この時はアンテナの接続に問題があったようで信号
は弱く、画像はデコードできなかったそうです。
搭乗員は6月16日にMIRを離れた模様です。新しい搭乗員が乗り組むのは、
11月が予定されています。次の搭乗員が乗り組むまでの無人の期間には、ア
マチュア局の運用はおこなわれません。
2.調整中の衛星
▲PO-34(PanSat)
スペクトラム拡散の運用が予定されていますが、未だ運用されていません。
PanSatの情報は以下のサイトから得られます。
http://www.sp.nps.navy.mil/pansat/
▲UO-36(UoSAT-12)
mode-J up:145.960MHz 9600bps FSK/down:437.025, 437.400MHz
一般に開放されていません。
UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
http://www.sstl.co.uk/
3.運用を停止している衛星
▲DO-17
▲WO-18
▲WO-39(JAWSAT)
4.これから打ち上がる衛星
◎P3D
P3Dは、9月中旬から10月下旬の間にAriane 507(AR-507)で打ち上げられ
る予定であるとAMSAT-DLから発表がありました。AR-507には、P3Dの他に
PAS-1RとSTRVのマイクロ衛星2機の合計4つの衛星が搭載されます。
アリアンスペース打ち上げ予定
打ち上げロケット ペイロード 打上予定/結果
---------------------------------------------------------
V128 Ariane 505 AsiaStar, Insat 3B 3/21 成功
V129 Ariane 42L Galaxy 4R 4/19 成功
V130 Ariane 506 Astra 2B, GE-7 7/25
V131 Ariane 44LP Europe*Star 7/上
or 44L
V132 Ariane 507 AMSAT P3-D, PAS-1R, 9/中-10/末
STRV-1C/1D
最終的にP3Dに搭載されるトラスポンダの周波数帯が次のように発表され
ました。トランスポンダの組み合わせを示すモードは、バンド毎に定義され
ている文字を[アップリンクの周波数帯][ダウンリンクの周波数帯]の順
に並べて2文字で表現します。
例:従来のBモード
→ P3Dでは UV(アップリンク 435MHz、ダウンリンク 145MHz)
従来のSモード
→ P3Dでは US(アップリンク 435MHz、ダウンリンク 2.4GHz)
文字 周波数 備考
----------------------------------------------------------------
T 21 MHz アップリンクのみ
H 24 MHz アップリンクのみ
V 145 MHz アップリンク、ダウンリンク
U 435 MHz アップリンク、ダウンリンク
L 1.2 GHz アップリンクのみ2バンド
S 2.4 GHz アップリンク、ダウンリンク 各2バンド
C 5.6 GHz アップリンクのみ
X 10 GHz ダウンリンクのみ
K 24 GHz ダウンリンクのみ
予定されていた29MHz帯は、制作が間に合わず搭載を見送りました。
他にレーザのダウンリンクがあります。レーザは、波長835nm(周波数
360THz) ピーク出力500mW(平均値250mW)で1600Hzのオーディオ信号と
400bpsのテレメトリを送信することができます。1600Hz信号のオン/オフで
CWの送信も可能です。
波長835nmは、可視光の領域で赤の波長です。P3Dから赤い光が放たれる訳
ですが、肉眼での確認は難しいと思います。受信には、レンズとフォトディ
テクタが必要になります。
●ISS
ARISS実現に向けてのマイルストーンは、次のとおりです。運用が始まる
のは有人化となる10月以降になります。
イニシャル局は、2mおよび70cmの設備を備えますが、順次拡張される計画
です。
7月 ロシアのZvezdaサービスモジュールの打ち上げ
最初の搭乗員の居住区、ARISSイニシャル局の設置場所になる
8月 ARISSイニシャル局設備をスペースシャトルSTS-106で運搬
10月 ISS有人化
ロシアのソユーズでBill Shepard, KD5GSL(米国)、Sergei
Krikalev, U5MIR(ロシア)の2人(+1人?)がISSへ
ARISSのコールサインは、ITUに対して発給を要求していますが、各国で取
得する動きもあります。今般、ロシアに続いてドイツがコールサインを取得
したとの報告がありました。
ロシア:RZ3DZR
ドイツ:DL0ISS
米国:申請中
5.衛星に関する情報
★DJ5KQ SK
AMSAT-DL副会長 DJ5KQ ワーナー ハース氏が6月13日に亡くなりました。
氏はPhase3シリーズ衛星開発のコアメンバの一人でした。P3D開発に当たっ
てはP3Dラボでの実験に立ち会う等、精力的に活動されていました。
ご冥福をお祈りいたします。
★QuikTrak Ver 5.0
AMSAT-NAから配布されています。価格は$35です(AMSAT-NAメンバーは$25)。
詳細はAMSAT-NAのサイトをご覧ください。
http://www.amsat.org/
★8J1RL QSL
1999年3月から2000年2月に掛けてJA9BOH 前川さんらによって運用された
分のQSLの発行が始まりました。きれいな写真のQSLです。QSOされた方には
ビューロ経由でお手元に届くことと思います。お楽しみに。
参考
ANS、SpaceNews、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト
JN1GKZ 新井
jn1gkz@jamsat.or.jp http://www.din.or.jp/~m-arai/