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[jamsat-bb:4575] Phase-3D運用周波数についての質問と回答


Phase-3D運用周波数についての質問と回答

Phase-3Dの試験が進捗するのにともなってか、実際に打ちあがってからの
運用についての「問答」が、amsat-bbで交わされていました。
回答されている方は、実際にPhase-3D製作にあたっているメンバーですか
ら、その「感触」は参考になると思いますので、紹介します。
                                      訳 JA3GEP/6 毛利

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質問 1 CT1EAT Fransiscoから、DB2OS Peterへの質問

...ここまで省略....
ところで、だれもが知りたいと思っているのですが、将来の運用モードについ
て、なにか教えてもらえませんでしょうか。もっと詳しくいうと、我々は皆、
アップリンクに使われる周波数、ダウンリンクに使われる周波数、そして、そ
れらをマトリックスに組み合わせられることも知っています。知らされていな
いのは、マトリックスの一般的な組み合わせが、どんなものになるだろうか、
ということなのです。

だれも正確には判らないことは、判っています。衛星が軌道に乗り、機能がす
べて確立された後に、コマンドチームがスケジュールをアナウンスすることに
なるのでしょう。しかし、Phase-3Dを製作した人たちが、どのような意図を
持っているかを知っておくことは、建設的なことだと思います。想定されてい
るモードは、どんなのでしょう? このことは、Phase-3Dを運用する局を設計
する上で、非常な助けになるのです。

たとえば、もしアップリンクが2mでダウンリンクが1.2GHzであれば、430MHz
帯をIFとするコンバータを買うなり作るなりするのが、よいことになるで
しょう。それとも、一般的なアップリンクが430MHz帯で、144MHz帯のIFが必
要になるのでしょうか? お判り頂けますか?
もしこれ以外にもコメントがあれば、ぜひお願いします。

73 F.Costa, CT1EAT

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回答 1 W4SM Stacey Millsからの回答


こういえば間違いないと思うのですが、可能な限り多くの周波数帯で運用でき
るようにするのが、Phase-3Dのゴールです。それを制限するのは、どの衛星
でも同じなのですが、本質的に電力、放熱、アンテナの指向角度、などです。

1.2GHz(L帯)にはダウンリンクが無いことに注意して下さい。しかしながら、
二つあるL帯の受信機の内の一つは常時ONとなりますので、L帯は、非常に、
非常に一般的なアップリンク周波数となるでしょう。もし私が「一般的なU/V
モードのサテライト設備」に、あと一つだけなら何かを加えるとしたら、それ
はL帯の送信能力です。その次に加えるとしたら、S帯の受信能力です。L/S
モードは、疑いなくひじょうにポピュラーな組み合わせとなるでしょう。

そのあとには、もっと「深遠」な組み合わせ、たとえばS帯アップリンク、X
帯ダウンリンク、などを考慮することも、もちろん可能です。

このIFマトリックスは、本当に頭を悩ますほどのアップリンク/ダウンリンク
の組み合わせを可能にしてくれるのです....


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回答2 DB2OS Peter Guelzow からの回答


>ところで、だれもが知りたいと思っているのですが、将来の運用モード
>について、なにか教えてもらえませんでしょうか。もっと詳しくいうと、
>我々は皆、アップリンクに使われる周波数、ダウンリンクに使われる周波
>数、そして、それらをマトリックスに組み合わせられることも知っていま
>す。知らされていないのは、マトリックスの一般的な組み合わせが、どん
>なものになるだろうか、ということなのです

と書かれていますが、たしかにもっともな質問です。

>だれも正確には判らないことは、判っています。衛星が軌道に乗り、機
>能がすべて確立された後に、コマンドチームがスケジュールをアナウン
>スすることになるのでしょう。

ここは、ほぼあたっている、といってよいでしょうか。

まず第一に、すべての受信機と送信機について、宇宙での点検をしなければな
りません。使えるモードが、この時点で決まってしまします。

実際の性能・電力消費・使用法などに基づいてコマンド局が運用内容の提案を
行う一方、基本的なトランスポンダーのスケジュールがPhase-3Dプログラ
ム・ボードによって決定されることになるでしょう。Phase-3Dに対し然るべ
き貢献をした組織が、このボードのメンバーとなります。時期がくれば、この
Phase-3Dの第1フェーズの運用の後、実際のユーザの意見を聞くことになるで
しょう。

>しかし、Phase-3Dを製作した人たちが、どのような意図を持っている
>かを知っておくことは、建設的なことだと思います。想定されている
>モードは、どんなのでしょう? 

L帯にはダウンリンクはありません。しかし、2基のL帯受信機と、2基の高出
力S帯送信機があります。いままでのテストで私が確認した限りでは、この
L/Sモードは、非常に運用が簡単なモードとなるはずです。地上局のアンテナ
は非常に小型でよく、それほど高いアップリンク出力は必要ありません。

さらに、非常に感度の良いS帯の2基と2mの受信機もあります。70cmの受信機
もなかなか良いものです :)

私の「個人的」考えでは、モードLSおよびモードVUまたはUVが、もっともポ
ピュラーなモードとなるでしょう。衛星の寿命の初期には、十分な発電量があ
るので、同時に2基の高出力送信機を連続的に運用することができます。モー
ドLSおよびモードVUまたはUVを、同時に運用できるでしょう。同様に、モー
ドLSとモードLUも同時に運用できるかもしれません。もし意味があるのであ
れば、K帯とX帯を同時に作動させることも、可能でしょう。

たしかに、もっと異なった組み合わせも可能です。たとえば、2mアップ、X帯
ダウンとか、21MHzアップ、X帯ダウン.. ;)とか。しかし、これらはレギュ
ラーなモードとはなりそうにありませんHi.


73s Peter DB2OS

以上