特報:S-band 衛星地上設備と DSP による Luner Prospector の受信
JAMSAT

アメリカの月探査機 Lunar Prospector からの電波らしきものを
受信したので報告します。

2/28/98
de JA6SNK/1


CQ誌及びモービルハム誌の98年3月号にEME設備を使用して
Lunar Prospectorの受信に成功した記事が載っておりました。
月からの距離は遠いとはいえ送信出力が5Wもあるのでもっと
簡単な設備で受信できないものかとMode−S用に準備していた
旧式BSアンテナの45Cmオフセットアンテナで挑戦してみました。
頼りはAF9YのFFTDSPです。

使用設備は
アンテナ  :45Cmオフセットディッシュ(BS用) + 3ターンヘリカル
               (2.4Ghz用に製作)
プリアンプ :FHX05LG+FHX35LG(これも2.4Ghz用に製作した
                ものを再調整、NFは不明だが結構いいかげんな作り
                で良い筈が無い。)
受信機   :AOR AR5000(0.01〜2600Mhzのゼネカバ受信機)
信号解析:AF9YのFFTDSP4.2+486DX2−66のパソコン

結果は2273Mhzの電波をはっきりと信号を目で確認する事が
できました。ただし耳で聞いてもほとんど聞こえません。
一番良いときでかすかにビート音が聞こえる程度です。
FFTDSPの素晴らしさに脱帽。

観測は2月27日15:50頃から16:22まで(Lunar Prospectorが月の
裏側へ隠れた時間)、17:30頃から18:05まで(月が地平線に沈ん
だ時間)まで可能でした。

面白い事に16:15頃にドップラー現象で一旦2272.974Mhz位
まで下がった周波数が約2Khz再度上昇し、16:22にLOSする現象
が見られました。衛星(月)のまた衛星からの電波だからこんな事も
あるのですね。

これを書いている今も(28日9:30)も受信できています。前日の
無変調キャリヤーと違って、変調がかかっているようで20Hzおきに
5本の線が見えます。

参考
FFTDSPはパソコン内蔵のサウンドブラスターを使用したFFT
プログラムで、EMEなどの非常に微弱な信号を捕らえる目的の
プログラムです。FFTDSP入手先はhttp://www.webcom.com/af9y
です。

Lunar Prospectorの情報はここで仕入れました。今現在、Lunar
Prospectorが月の表を飛んでいるか裏にあるかはアニメーションで
見れます。http://lunar.arc.nasa.gov/



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