皆さん、こんにちは。

今年で18回目を迎える関西アマチュア無線フェスティバル(KANHAM2013)が、
先週末7月13日(土)、14日(日)の2日間にわたり、大阪府池田市の池田市民文
化会館にて開催されました。これに、JAMSATも公開運用をはじめ衛星通信入門
講座の開催や資料配布等を行いながら参加し、無事に出展を終了しました。
このイベントは、JARL関西地方本部や実行委員会を中心に、多くのボランティア
によって開催される手作りのイベントであり、毎回新しい企画や面白いイベントで
盛り上がります。

開催前日の12日(金)は、曇天のなか公開運用のテント設営の他、会館屋上に設
置した衛星通信用アンテナの同軸ケーブルのチェックなど、慌しいなかでの準備
作業となりました。同軸ケーブルは、使用の度に屋上に巻き上げて収納していた
ため、かなりストレスが掛かっていたようで、ケーブルロスが予想外に大きかった
ことから、急遽ケーブルを交換するなど対応し、無事に運用することができました。



開催初日となった13日(土)は、朝は曇り空でしたが、次第に晴れてきて真夏の青
空となり、会場には主催者発表で5,000人のアマチュア無線愛好家が訪れました。

JAMSATは、昨年に引き続き、屋内展示として、ふじ1号(FO-12)に搭載されたJ
モード中継器送信部(JTA/JTD)のエンジニアリングモデルに加え、新たに日大
衛星に搭載すべく開発を進めてきたトラポン実験基板の実物展示を行いました。
ブースは、いつもの出展場所から変更となり、会館入口正面の絶好の位置に陣
取るかたちになっていて少々驚きましたが、ブースに訪れた人は、皆な興味深そ
うに見入っていました。資料配布については、恒例となった「低軌道衛星情報」を、
今年も準備しました。



一方、屋外ブースでは、記念局(8J3A)による衛星通信の公開運用を行いました。
衛星は、FO-29及びVO-52を使っての運用でしたが、AO-27が使えないなど衛星
の数が限られている上にパスの時間が早朝と夕方〜夜に集中していたことなどに
より、公開運用のタイミングとしては、あまり恵まれませんでした。このため、今回の
公開運用によるサテライト全体の交信局数は、40局程度に止まりました。コールい
ただいた各局、どうも有難うございました。



翌14日(日)は、前日同様に夏空の下、引き続き屋内・外ブースでの出展及び公開
運用を行いました。また、10時からは、関ハム恒例の催物となった「アマチュア衛星
通信講演会」を開催しました。





今年は、公開運用に適したパスが殆ど無かったことから、その分、講演会に力を入
れました。当日は、講演会の開催前から参加者が増えはじめ、開催予定時間には、
すでに用意した席が満杯になるなど、講演会への関心の高さを感じました。いつもな
らば開催時間を30分程度過ぎた頃から講演を始めるところですが、今回は予定の2
時間をフルに使っての講演会となりました。講演内容については、低軌道衛星を使っ
て、これから衛星通信入門をめざす方々をターゲットにした初歩的な内容としました。
さらに、質疑応答の時間も十分取ることができ、これから衛星通信にチャレンジする
方にとって有意義なものになったのではと思います。

また、今回の目玉として、日大衛星NEXUSに搭載する予定であった1.2G/430M用
中継器の試作基板を使って簡単な実験を行ってみました。さすがに実物を使っての
デモにはインパクトがあり、衛星側における動作の実際について理解を深めてもら
えたのではないかと実感しています。
(※講師:JH4DHX/3 大谷、JH3BUM 石原さん、JM3DUR 島村さん)



講演会を終えて出展ブースに戻ると、「ハムのラジオ(インターネットラジオ)」から
衛星通信について取材の依頼があり、衛星通信にあまり興味のない一般のアマ
チュア無線家にも分かり易い内容を念頭に置きながら、5分程度の説明を行いまし
た。

主催者側の発表によると、2日目の来場者は3,000人で、初日と併せて今回は、
8,000人の来場者があったとのことでした。今回の催しを通して、大いにアマチュア
衛星通信の啓蒙とPRができたのではないかと自負しています。今後これら一つひ
とつのやり取りが実を結ぶ日が来ることを、心より期待しています。

今回の出展に向け、暑いなか前日から準備作業を進めていただいたJAMSAT関
西メンバーの皆さんに心より御礼申し上げます。皆さん、暑いなかでのご参加、大
変お疲れさまでした。

【出展参加者(敬称略)】

12日(金)(※前日準備)
JH3BUM/石原、JH3NYP/岸裏、JM3DUR/島村

13日(土)・14日(日)
JH3BUM/石原、JH3NYP/岸裏、JM3DUR/島村、JH3TXF/北村、JH4DHX/大谷

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2012.7.17 JH4DHX/3 大谷