SEDSAT-1
JAMSAT

JAMSAT 日本アマチュア衛星通信協会

テレメトリの収集に協力要請(続報)

SEDSAT-1の状況
1998年12月02日

11月初旬の日本での受信成功以来、JE9PEL/1 脇田さんが継続的にテレメトリを受信されています。そのリポートは、プロジェクトチームから高い評価と感謝を受けています。

一方、衛星の詳細な状況について十分な情報が広報されていませんが、プロジェクト関係者の一人であるKD4ETA / Dennis Ray Wingoから、ちょっとショッキングな情報が報告されています。

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衛星の復旧作業は、ほぼ最終局面を迎えています。衛星打ち上げの時点で、2台あるモードL受信機のうちの一台が動作していなかったことを発見しました。これは、衛星の最終組立中に勘合の問題から、ある部品が取り外されていたことによるものです。

これがメインの受信機である可能性が大いにあります。仮に2台目の受信機が動作したとしても役に立ちません。皆さんご存じのように、UoSatsのほとんどには複数の受信機が搭載されています。SEDSATの通信機の部分は、ほとんどUoSatsと同様の設計となっています。しかし、理由は判りませんが、2台目の受信機には、イニシャライズのシーケンスがUAHチームにより組み込まれていないことが判りました。

NK6K / Harold Priceが概要を述べているように、このイニシャライズの問題を取り除くことができるかもしれません。しかし、このためには、衛星がセーフモードから復帰した直後に対応をとる必要があります。脇田さんがまさに指摘しているように、SEDSATが「生きている」時間は長くなってきています。これは、衛星での昼夜の比率が増加していることによるものと推定しています。衛星の昼夜比率が80/20になれば、電源状態がポジティブになり、これは昼夜比率が78/22まで継続するものと推定します。これは、衛星軌道解析ツールであるSTKで得た数値です。

一方、良い知らせもあります。ニッケル・メタル水素電池の評価データについて、NASAの研究者にテレメトリ・データを提供しています。すべてを失った訳ではありません。

どうか皆さん、テレメトリの受信を継続して行って下さい。テレメトリ受信は非常に重要なことで、衛星のアップリンク受信機で判明している問題の解決の糸口が見いだせるかもしれません。ソフトウエアの問題を丹念に解きほぐしてくれた Harold (Harold Price NK6K)に感謝します。

まだ試すべき事がいくつかあります。しかし、Jim White、 Tim Cunningham、 Graham Radcliff らをはじめ、すばらしい衛星運用チームが、世界各国で衛星の機能回復を試みてきましたので、衛星回復の望みは、悲観的になってきました。

Dennis
KD4ETA