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[jamsat-news:1666] SATINF#206 17 February 2002



衛星情報  SATINF#206   17 February 2002
                                                           JN1GKZ 新井


トピックス

◆ISSのパケットの運用が再開されました。

◆AO-27の運用スケジュールが変更になりました。



1.運用中の衛星

●AO-10
  状況は、その日によって異なり不安定です。


●AO-40
  トランスポンダの運用がおこなわれています。姿勢変更中であり、トラン
 スポンダの運用スケジュールは頻繁に変更されています。
  テレメトリによると、2月16日の姿勢は、ALON/ALAT=309/5です。

  姿勢が悪いため、テレメトリの収集状態が悪くなっています。CRC badで
 も良いので、受信したテレメトリデータをzip形式で圧縮して以下へ送付下
 さい。
    ao40-archive@amsat.org
                                                [from VP9MU @amsat-bb]

  近地点付近でトランスポンダが運用されているため、運用できる時間は短
 いものの、強いダウンリンクが帰ってきます。簡単な設備でQSOが楽しめる
 ようです。

★運用スケジュール(予告無しに変更されることがあります)      2/12-
  姿勢変更中のため、頻繁にスケジュールが変更されています。
      MA    トランスポンダ   RUDAK   ビーコン
     0-  5       OFF          OFF      S2-MB
     5- 30     U/L1→S2       OFF      S2-MB
    30- 34       OFF          OFF     S2/K-MB
    34-100     U/L1→S2       OFF      S2-MB
   100-256       OFF          OFF      S2-MB

 ビーコン周波数(打ち上げ前の最終チェックで測定された周波数に実績を
 加筆。*は、打ち上げ後にアナウンスのあった実績のある周波数)
   BEACON    General Beacon  Middle Beacon   Engineering Beacon
   Vバンド          -           145.898MHz*          -
   Uバンド       435.438MHz     435.588MHz       435.838MHz 
   S1バンド     2400.188MHz    2400.338MHz      2400.588MHz 
   S2バンド     2401.168MHz    2401.323MHz*     2401.568MHz
   Xバンド     10450.975MHz   10451.125MHz     10451.375MHz 
   Kバンド     24047.885MHz   24048.035MHz     24048.285MHz 
   赤外レーザ                   360    THz

 アップリンク、ダウンリンク周波数
    ※MBに妨害を与えないこと。MBの±5kHzの範囲はダウンリンク禁止。
   S1バンドdown: 2400.225 - 2400.475 MHz
   S2バンドdown: 2401.210 - 2401.495 MHz
   L1バンドup: 1269.496 - 1269.211 MHz
   Uバンドup : 435.780 - 435.495 MHz
   RUDAK down: 2401.74MHz, 2401.85MHz

 姿勢
  2月16日の姿勢は、ALON/ALAT=309/5です。ALONは、1日当たり約1度増加し
 ています。
  ALON/ALAT=0/0では太陽電池に太陽光が当たらなくなってきたため、12月中
 旬から姿勢変更が始まりました。
  12月24日から太陽センサが太陽を補足できなくなっていましたが、1月5日
 に太陽を補足し出したようです。太陽を追いかける形で姿勢が変更され、4月
 13日に0/0となる予定です。
  姿勢変更予定
    Date         Alon  Alat
    -----------------------
    2002 Jan 08   300  -10
    2002 Jan 15   300   -5
    2002 Jan 22   300    0
    2002 Feb 19   320    0
    2002 Mar 19   340    0
    2002 Apr 13   360    0

 食
  2002年6月まで毎オービットの近地点付近で食が発生します。

 トランスポンダ
  U/L1→S2の運用がおこなわれています。
  近地点付近で運用されているため、MAが小さい時に強いダウンリンクが帰っ
 てきています。時間は短いですが、簡単な設備でQSOが楽しめるようです。

 IFマトリックス
  正常に動作しています。
  接続の誤動作が何度か起きていますが、MUX出力(IHU-1の制御/監視ユニッ
 ト)の切り替えタイミングの問題だと考えられています。切り替えタイミン
 グの調整によってこの問題は解決できるようです。

 S1バンド送信機
  回復は望めないようです。
  2001年8月13日に突然停止しました。8月20日に試験をおこなったところ、
 送信機に電流が流れず、RF出力、温度上昇も確認できなかったそうです。
  2001年11月6日のレポートによると、送信機の電源を1秒毎にオン/オフす
 るプログラムがアップロードされ45分間実行されましたが、送信機に電流が
 流れなかったそうです。S1送信機の回復は望めないようですが、この試験を
 継続しておこなってゆく予定です。

 Vバンド送信機
  2000年12月の事故以来停止しています。
  2001年8月20日に試験がおこなわれました。V送信機をオンにすると電流が
 流れ、RF出力があることが確認されていますが、衛星からの信号は確認でき
 ていません。高利得アンテナと送信機とを接続するリレーに問題が考えられ、
 リレーのオン/オフ動作運動をおこないました。その後の状況報告はありま
 せん。

 Kバンド送信機
  2001年9月9日に動作が確認されました。スケジュールに組み込まれて運用
 されています。
  2001年12月1日 オービット#501で、JH1AOY 玉川さんとJA1AUH 後藤さんが
 Kモードの2WAY QSOに成功されました。

 Xバンド送信機
  2001年5月に試験がおこなわれましたが、動作が確認されていません。
  S1バンド送信機と同じように電源をオン/オフする試験が計画されていま
 す。

 Cバンド受信機
  2001年5月に試験がおこなわれましたが、動作が確認されていません。

 RUDAK
  RUDAK-A、Bの試験が継続しておこなわれています。

 SCOPE
  カメラ-A(狭角)、カメラ-B(広角)共に撮影に成功し、正常に動作して
 います。
  2001年8月7日 オービット #354にてカメラ-Bを使って地球の撮影に成功し
 ました。
  2001年12月15日に2回目の試験がおこなわれ、カメラ-A、Bで地球の撮影に
 成功しました。
  画像は、JAMSATのサイトで公開されています。
    http://www.jamsat.or.jp/

 GPS
  搭載している2台のGPS受信機が動作しています。GPS衛星が作る「輪」の
 外で位置データを取得することができるかどうかの実験がおこなわれ、終了
 しました。結果の詳細は、AMSATA-NAから発表される予定です。
  3軸制御に移ってから、次の実験を始めるようです。

 LEILA
  正常動作が確認されました。時々、無信号の周波数に現れることがあり
 ます。

 YACE
  正常動作が確認されており、姿勢の確認に使われています。
  オービット #564(1月20日)で地球を撮影し、姿勢を確認しました。

 モーメンタム・ホイール
  試験がおこなわれ、今のところ、問題は無いようです。3軸制御までには
 確認する事項がまだまだあり、直ぐには移行しません。

 アークジェットモータ
  オービット#295から#301までアンモニアガスの噴射のみでの運用がおこな
 われました(アーク放電なし)。オービット#302からアンモニアガスが噴射
 されなくなり、運用を終えました。搭載していたアンモニアガスを使い果た
 してしまったと考えられています。

 AMSAT-DL AO-40情報 webサイト by AMSAT-DL
    http://www.amsat-dl.org/journal/adlj-p3d.htm
    http://www.dj1km.de/amsat-dl/journal/adlj-p3d.htm (ミラーサイト)
 テレメトリ仕様書 Rev1.8(10月5日リリース) by AO-40 CMD team
    http://www.dj1km.de/amsat-dl/p3d/index.html
 テレメトリ解読ソフト P3T ver1.6a by W4SM
    www.cstone.net/~w4sm2/software2/P3t_AP.zip
 テレメトリ WODデコードソフト WodGraph Ver 1.1d by W4SM
    http://www.cstone.net/~w4sm/ham1.html
 テレメトリデコードソフト AO40Rcv Ver1.40 by AE4JY
    http://www.qsl.net/ae4jy/
 テレメトリデータ アーカイバ by VP9MU
    http://www.amsat.org/amsat/ftp/telemetry/ao40/
      デコードしたテレメトリ(P3T形式)は、ZIPで圧縮して
     ao40-archive@amsat.org へ送付願います
 RUDAK WOD(Whole Orbit Data)→CSV変換ソフト by WD0E他
  Windows版(RudakTLM)、JAVA版、DOS版(WOD2CSV)
    http://www.amsat.org/amsat/ftpdelta.html
 回線計算 excelスプレッドシート byW3PM/GM4YRE
    http://home.HiWAAY.net/~mmarcus/download/ao40v2.0.xls
 AO40 REPORT LOGGERサイト by HB9DRI
    http://www.artieda.net/hb9dri/ao40logger
 アップリンク/ダウンリンク 周波数早見表 by G6LVB
    www.g6lvb.com/oldtech.htm 


●AO-16
  デジピータがオンになっています。Sバンドのビーコンは停止しています。


★AO-27
  電源に余裕がないため、昼間のパスでのみトランスポンダがオンになりま
 す。
  2月3日に運用スケジュールが変わりました。
    TEPR 4=32
    TEPR 5=72
 衛星に日が当たり始めた16分後から20分間トランスポンダが動作します。
                                          [from KM4NZ Chuck @amsat-bb]


●FO-20
  夜間のパスでは、食によってUVC(Under Voltage Controler:バッテリの
 過放電防止のため送信機への電源を遮断する)が動作し、送信が一時的に停
 止します。
  夜間は、食から抜けるパスの後半でトランスポンダが使えます。


●FO-29
  以下のスケジュールで運用が予定されています。
    12/4 - 3/31 アナログ


●KO-25
  正常に運用しています。


●LO-19
  CWビーコンがオンになっています。CWビーコンは12WPMのゆっくりとした
 CWで約30秒毎に送信されています。

  2月3日10時過ぎも良好にCWビーコンが聞こえていました。


●RS-12/13
  RS-12のAモードが動作しています。


●RS-15
  Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
 2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
 がおこなわれている間だけオンになっているようです。


●UO-11
  正常動作しています。


●UO-14
  JモードのFMリピータの運用がおこなわれています。

  UA0の局は、受信能力が低いようでなかなかQSOできませんが、UA0LQJは、
 耳が良いようです。楽にQSOができました。


●UO-22
  正常動作しています。
  デジピータの運用もおこなわれています。デジピータのコールサインは、
 UOSAT5 です。


●UO-36(UoSAT-12)
  437.375MHzで38.4Kbpsの信号を送信しているようですが、最近は聞こえな
 いようです。

  UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sstl.co.uk/


▲TO-31(TMSAT-1)
  管制局の可視範囲でのみ送信機をオンにしているようです。


●GO-32(TechSat-1B)
  30秒に一度9600bpsの信号が送信されています。


●SO-33(SedSat-1)
  437.910MHzでテレメトリを送信しているようです。


●OO-38(OPAL)
  デジピータ(コールサイン KF6RFX)として機能しているようです。周波
 数は、アップリンク、ダウンリンク共に437.100MHzです。


●Tiungsat-1
  38.4kbpsの運用をおこなっているようです。


●PCsat(Personal Communications Satellite)
  食が発生するようになり、日照率は65%になっています。

  PCsatの情報は以下のサイトから得られます。
    http://web.usna.navy.mil/~bruninga/pcsat.html


●Sapphire (a joint Stanford/Washington Univ/USNA satellite)
  無変調キャリアのビーコンを437.100MHzで1分間に1度送信しています。
 デジトーカ、パケットの送信も時々おこなわれています。


★ISS
  2月14日頃からパケットの運用が再開されました。コールサイン nocall
 でデジピートできます。

  2月17日にデジピートに成功しました。
    JN1GKZ>CQ,NOCALL* [17-Feb-02  18:25:35] <UI R>:
    
    JN1GKZ>CQ,NOCALL* [17-Feb-02  18:27:07] <UI R>:

  12月18日発行の官報にて144.490MHzでISSとの交信に限ってFMの運用がで
 きる旨の告示が掲載され、日本でもISSとFMでの交信ができるようになりま
 した。ダウンリンクは、パケットと同じ145.80MHzです。
  FMの運用は希にしかおこなわれず、未だ日本上空ではFMの運用はないよう
 です。

  現在、第4次搭乗員として、以下の3名がISSに滞在しています。3名とも
 コールサインを持っており、ISSのアマチュア局を 運用することができま
 す。FMでの運用時、ロシアの宇宙飛行士は、R0ISSを、米国の搭乗員はNA1SS
 のコールサインを使うようです。
    Commander       : Yuri Onufrienko, RK3DUO
    Flight Engineers: Carl Walz, KC5TIE
                       Dan Bursch, KD5PNU

  ISSのアマチュア局のコールサインは次の通りです。
   コールサイン:RZ3DZR、R0ISS、RS0ISS、NA1SS、DL0ISS

 ARISSのサイト
    http://ariss.gsfc.nasa.gov/
 2001年のISSのアマチュア局の状況
    http://ariss.gsfc.nasa.gov/EVAs/amsat01.pdf
 2001年11月23日におこなわれてJA1ZAM スクールコンタクトの様子
    http://www.aa.alpha-net.ne.jp/enari/ariss/contens5.htm



2.運用を停止している衛星

▲SO-43(Starshine 3:Starshine OSCAR-43)
 1月9日以来、管制局はSO-43と通信ができなくなっています。通信が途絶え
 る前までは、衛星の電力や温度は、良好な状態でした。


▲KO-23
  99年10月30日にOBCがリセットされ、未だ復旧していません。

  2月3日11時過ぎのパスではパルス音が聞こえていました。


▲DO-17

▲WO-18

▲IO-26

▲PO-34 (PanSat)

▲WO-39(JAWSAT)

▲SAUDISAT-1A(SO-41)、SAUDISAT-1B(SO-42)



3.これから打ち上がる衛星

●Kolibri-2000 satellite
  計画が予定通りに進んでいれば、既にKolibri-2000を搭載したプログレス
 は、ISSにドッキングしているはずですが、情報がありません。
  ロシアとオーストラリアが開発した衛星 Kolibri-2000 が2002年2月に打
 ち上がる(放出される)予定です。
  Kolibri-2000は、11月26日に打ち上げが予定されているロシアの運搬ロ
 ケット プログレスのリモート打ち上げポートに装着され、ISSへ向かい、
 2002年2月にプログレスから放出される予定です。
  大気圏に再突入するまでの2-4ヶ月間、145.825MHzでテレメトリの送信と
 デジトーカの運用をする予定です。

    http://www.iki.rssi.ru/kollibri/mission1_e.htm


●CubeSat
  東京工業大学等で開発している10cm立方のナノサテライト CubeSatが
 2002年秋にロシアから打ち上げられる予定です。
  アップリンク 2m、ダウンリンク 70cmが予定されています。
   東工大CubeSatプロジェクト
    http://horse.mes.titech.ac.jp/srtlssp/cubesat/index.html
   東大CubeSatプロジェクト
    http://www.space.t.u-tokyo.ac.jp/cubesat/index.html



5.衛星に関する情報

★JAMSATシンポジューム2002
  恒例のJAMSATシンポジュームが4月13、14日に東京 お台場の日本科学未来
 館で開催されます。
  詳細は現在検討中です。お楽しみに。


★AMSAT Journal CD-ROM
  AMSAT-NAの機関誌 AMAST JournalのCD-ROM版を入手しました。CD-ROMは2
 種類あり、#1には1995-1997年に発行された分が、#2には1998-2000年に発行
 された分がそれぞれ入っています。冊子をスキャンしPDFファイルにしてい
 るため、画質は劣りますが、冊子よりコンパクトであり、文字検索ができる
 利点があります。
  AMSAT Journalは、毎号見ていますが、「こんな記事があったっけ?」と思
 うような発見もありました。AMSAT Journalを見ていない方も冊子でお持ち
 の方も楽しめるCD-ROMです。
  このCD-ROMは、AMSAT-NAから入手できます。価格は、1巻 $60(AMSAT-NA
 会員は$20)、2巻まとめると$90(会員は$30)です。日本からの注文に際し
 ては、別途送料が掛かるようです。2巻まとめて購入したところ$37(会員価
 格)でした。購入を希望される方は AMSAT-NAで事務を担当されている
 Marthaさん(martha@amsat.org)へ問い合わせてみて下さい。




参考
 ANS、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト


JN1GKZ 新井
   jn1gkz@jamsat.or.jp     http://www.din.or.jp/~m-arai/