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[jamsat-news:1599] SATINF#198 8 October 2001
衛星情報 SATINF#198 8 October 2001
JN1GKZ 新井
トピックス
◆PCsat、Starshine 3、Sapphireの3機の衛星は、9月30日11時40分2秒JSTにア
ラスカのKodiacから打ち上げられ、3機とも軌道上での動作が確認されました。
PCsatは、早くも一般に開放されています。
◆AO-40は、GPSの動作が確認されました。また、RUDAKの臨時試験がおこなわ
れています。
1.運用中の衛星
●AO-10
状況は、その日によって異なり、不安定です。
10月3日、近地点付近でCQを出すとヨーロッパから呼ばれ続け、約45分間
で9局とのQSOができました。AO-10健在です。
★AO-40(P3D)
GPSの実験がはじまり、GPSレシーバ 2台(A、B)の動作が確認されました。
AO-40のGPSは、GPS衛星が作る「輪」の外で位置データを取得することが
できるかどうかを確認するためにNASAがスポンサーとなって搭載されたもの
です。高高度の衛星や宇宙船の航法に革命をもたらす可能性を秘めた実験で
す。
RUDAKの試験が運用スケジュール以外にもおこなわれています。
10月6日0707-0717z(オービット #429、MA 189-192)、10月8日0248-0846z
(オービット #432、MA 7-86)に臨時にRUDAKの試験がおこなわれました。
この間は、MB、トランスポンダの運用はお休みです。
運用スケジュール(予告無しに変更されることがあります) 9/19-
MA トランスポンダ RUDAK ビーコン
0- 30 OFF OFF S2-MB
30- 70 U/L1→S2 OFF S2-MB
70- 86 OFF S2 OFF
86- 87 OFF S2 S2-MB
87-118 U/L1→S2 OFF S2-MB
118-138 U/L2→S2/K OFF S2-MB
138-220 U/L1→S2 OFF S2-MB
220-256 OFF OFF S2-MB
ビーコン周波数(打ち上げ前の最終チェックで測定された周波数に実績を
加筆。*は、打ち上げ後にアナウンスのあった実績のある周波数)
BEACON General Beacon Middle Beacon Engineering Beacon
Vバンド - 145.898MHz* -
Uバンド 435.438MHz 435.588MHz 435.838MHz
S1バンド 2400.188MHz 2400.338MHz 2400.588MHz
S2バンド 2401.168MHz 2401.323MHz* 2401.568MHz
Xバンド 10450.975MHz 10451.125MHz 10451.375MHz
Kバンド 24047.885MHz 24048.035MHz 24048.285MHz
赤外レーザ 360 THz
アップリンク、ダウンリンク周波数
※MBに妨害を与えないこと。MBの±5kHzの範囲はダウンリンク禁止。
S1バンドdown: 2400.225 - 2400.475 MHz
S2バンドdown: 2401.210 - 2401.495 MHz
L1バンドup: 1269.496 - 1269.211 MHz
Uバンドup : 435.780 - 435.495 MHz
RUDAK down: 2401.74MHz, 2401.85MHz
10月7日に受信したテレメトリMブロック
QST AMSAT OSCAR-40 2001-10-02
ALON/ALAT = 355/1, Orbit 425, magnetorquing to 005/0
***See N-block for schedule. NOTE: K-Tx passband***
***Middle Beacon OFF: MA 70-86***
The AO-40 team would like your telemetry files!
Please "zip" compress your daily telemetry files and e-mail to:
ao40-archive@amsat.org
10月3日に受信したRUDAKのデータ
RUDAKA-1>IHUTX-1 [03-10-01 22:06:24] <UI>:
TX STATUS: V:0 U:0 S1:0 S2:1 Ku:0 X:0
RUDAKA-1>GPS [03-10-01 22:07:09] <UI>:
GPS power (1:0) rx (1960220,73477) 46 (08:1c:00) 004d0000 edac:70
RUDAKA-1>TIME-1 [03-10-01 22:07:17] <UI>:
PHT: uptime is 021/13:32:33. Time is Wed Oct 03 13:08:20 2001
RUDAKA-1>AMSAT-1 [03-10-01 22:07:17] <UI>:
10/01/2001 2330 U
GPS testing continues on A receiver and A RUDAK with some success.
Please to not attempt to uplink.
RUDAK Team/WD0E
★姿勢
10月2日の姿勢は、ALON/ALAT=355/1でした。マグネトルーキングをおこな
い姿勢を ALON/ALAT=5/0にする作業がおこなわれているようです。
食
2002年6月まで毎オービットの近地点付近で食が発生します。
軌道要素
NORAD発表の軌道要素(jamsat-kepsで配信されているものも含む)のオー
ビット番号は、実際より 1 少ない値になっていましたが、9月20日配信分か
ら修正されました。
[info from JF6BCC @jamsat-bb]
トランスポンダ
U/L1→S2/Kの運用がおこなわれています。
IFマトリックス
正常に動作しています。
接続の誤動作が何度か起きていますが、MUX出力(IHU-1の制御/監視ユニッ
ト)の切り替えタイミングの問題だと考えられています。切り替えタイミン
グの調整によってこの問題は解決できるようです。
S1バンド送信機
8月13日に突然停止しました。8月20日に試験をおこなったところ、送信機
に電流が流れず、RF出力、温度上昇も確認できなかったそうです。
Vバンド送信機
2000年12月の事故以来停止しています。
8月20日に試験がおこなわれました。V送信機をオンにすると電流が流れ、
RF出力があることが確認されていますが、衛星からの信号は確認できていま
せん。高利得アンテナと送信機とを接続するリレーに問題が考えられ、リレー
のオン/オフ動作運動をおこないました。その後の状況報告はありません。
Kバンド送信機
9月9日に動作が確認されました。現在、スケジュールに組み込まれて運用
されています。
JA1AUH 後藤さん、JH1UGF 槇岡さんが受信に成功されているようです。
Xバンド送信機、Cバンド受信機
5月に試験がおこなわれましたが、動作が確認されていません。
RUDAK
RUDAK-A、Bの試験が継続しておこなわれています。
SCOPE
カメラ-A(狭角)、カメラ-B(広角)共に正常動作が確認されています。
8月7日 オービット #354にてカメラ-Bを使って地球の撮影に成功しました。
画像は、JAMSATのサイトで公開されています。
http://www.jamsat.or.jp/
★GPS
動作が確認されました。試験が継続しておこなわれています。
LEILA
正常動作が確認されました。時々、無信号の周波数に現れることがあり
ます。
YACE
正常動作が確認されており、姿勢の確認に使われています。
モーメンタム・ホイール
試験が始まり、今のところ、問題は無いようです。3軸制御までには確認
する事項がまだまだあり、直ぐには移行しません。
アークジェットモータ
オービット#295から#301までアンモニアガスの噴射のみでの運用がおこな
われました(アーク放電なし)。オービット#302からアンモニアガスが噴射
されなくなり、運用を終えました。搭載していたアンモニアガスを使い果た
してしまったと考えられています。
モーメンタム ホイールの試験で燃料の残量の確認が試みられています。
AO-40のテレメトリデータがamsatのサイトで公開されています。
http://www.amsat.org/amsat/ftp/telemetry/ao40/
P3Tでデコードしたテレメトリデータを ao40-archive@amsat.org へZIP形
式の添付ファイルとして送付するように求めています。
[from VP9MU Pau @amsat-bb]
RUDAKのWOD(Whole Orbit Data)テレメトリファイルをCSV形式のファイ
ルに変換するプログラムがリリースされました。Windows版(RudakTLM、
KE4AZN作)、JAVA版、DOS版(WOD2CSV)の3つがあります。
AMSAT-NAのサイトから入手できます。
http://www.amsat.org/amsat/ftpdelta.html
[from WD0E @amsat-bb]
AE4JY Moe氏によるテレメトリデコードソフト AO40Rcv のVer1.40がリリー
スされました。Moe氏は別のソフト開発に注力したいとのことから、AO40Rcv
は、今回のバージョンが最終版になるそうです。ただし、開発を継続してく
れる方があれば、ソースを公開するので、プログラムの改善をして欲しい旨
伝えています。興味のある方は、Moe氏とコンタクトされて下さい。
http://www.qsl.net/ae4jy/
[from AE4JY @amsat-bb]
W3PM/GM4YREによるAO-40回線計算のexcel用スプレッドシートがあります。
AO-40に搭載されている全送受信周波数での計算ができます。
以下のURLにて公開されています。
http://home.HiWAAY.net/~mmarcus/download/ao40v2.0.xls
[from W3PM GM4YRE @amsat-bb]
AO40 REPORT LOGGERサイトが立ち上がりました。AO-40のQRV情報などが掲
載されています。
http://www.artieda.net/hb9dri/ao40logger
[from HB9DRI @amsat-bb]
G6LVB Howardさんによりアップリンク/ダウンリンクの周波数早見表が作
られ公開されています。円盤にアップリンク周波数とダウンリンク周波数が
書き込まれ、MAを合わせると周波数が解るという優れものです。"oldtech"
と呼ばれていますが実用的です。
www.g6lvb.com/oldtech.htm
[from G6LVB @amsat-bb]
●AO-16
デジピータがオンになっています。Sバンドのビーコンは停止しています。
●AO-27
電源に余裕がないため、昼間のパスでのみトランスポンダがオンになりま
す。
運用スケジュールは次のとおりです。
TEPR 4=38
TEPR 5=78
衛星に日が当たり始めた19分後から20分間トランスポンダが動作します。
[from KM4NZ Chuck @amsat-bb]
●FO-20
夜間のパスでは、食によってUVC(Under Voltage Controler:バッテリの
過放電防止のため送信機への電源を遮断する)が動作し、送信が一時的に停
止します。
夜間は、食から抜けるパスの後半でトランスポンダが使えます。
●FO-29
以下のスケジュールで運用が予定されています。
2/1 - 10/1 アナログ
●KO-25
正常に運用しています。
●LO-19
CWビーコンがオンになっています。CWビーコンは12WPMのゆっくりとした
CWで約30秒毎に送信されています。
●RS-12/13
RS-12のAモードが動作しています。
●RS-15
Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
がおこなわれている間だけオンになっているようです。
●UO-11
正常動作しています。
●UO-14
JモードのFMリピータの運用がおこなわれています。
●UO-22
正常動作しています。
デジピータの運用もおこなわれています。デジピータのコールサインは、
UOSAT5 です。
[from JE9PEL/1 @jamsat-bb]
●UO-36(UoSAT-12)
運用状態は不明です。
UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
http://www.sstl.co.uk/
▲TO-31(TMSAT-1)
管制局の可視範囲でのみ送信機をオンにしているようです。
●GO-32(TechSat-1B)
断続したビーコンが送信されているようです。
●SO-33(SedSat-1)
テレメトリを送信しているようです。テレメトリは、SGS20というソフト
でデコードすることができます。SGS20は、
http://uah.seds.org/projects/sedsat/SGS20Source.zip
から入手できます。
●OO-38(OPAL)
デジピータとして機能しているようです。周波数は、アップリンク、ダウ
ンリンク共に437.100MHzです。
●Tiungsat-1
運用をおこなっているようです。
★PCsat(Personal Communications Satellite)
9月24日0932zに発生した巨大太陽フレアの影響でプロトンフラックス値が
上昇し、打ち上げは延期になっていましたが、9月30日11時40分2秒JSTにア
ラスカのKodiacからLockheed Martin Athenaで打ち上げられました。
強力な1200bps、9600bpsのテレメトリが145.825MHz、144.390MHzで送信さ
れています。打ち上げ直後に発表された起動要素の精度が高かったことから、
多くの局が受信に成功しています。
9月30日、東京が可視領域に入る最初のパスでデコードしたデータです
(145.825MHz、1200bps)。
W3ADO-1>BEACON,SGATE [30-Sep-01 14:59:52] <UI>:
T#129,139,053,108,045,213,11111111,0000,1
PCSAT-11>APRS1 [30-Sep-01 15:01:44] <UI>:
Default LT1
W3ADO-1>BEACON,SGATE [30-Sep-01 15:01:51] <UI>:
T#131,099,091,076,091,213,11111111,0010,1
W3ADO-1>APRS3 [30-Sep-01 15:02:30] <UI>:
Default LT3
W3ADO-1>BEACON,SGATE [30-Sep-01 15:03:51] <UI>:
T#133,036,052,055,051,213,11111111,0000,1
PCsatは、ハンディ機およびモービルからに限っての運用がおこなわれて
います。
PCsatの情報は以下のサイトから得られます。
http://web.usna.navy.mil/~bruninga/pcsat.html
●ISS
コールサイン NOCALL でパケット(デジピータ)の運用がおこなわれて
います。
新しいTNCはまだセットアップされていないようです。新しいTNCには、
コールサイン RS0ISS が登録されています。
デジピートに成功した局にはQSLが発行されます。日本からのQSLマネー
ジャは現在、検討中です。ARRL等へQSLは送付しないで下さい。
新しいアンテナ(HF、VHF、UHF、Lバンド、Sバンド)がジョンソン スペー
スセンターに送られました。9月18日には最終的な安全確認のレビューがお
こなわれたようです。
このアンテナは、11月29日に打ち上げ予定のSTS-108によってISSへ運ばれ
ます。ISSのサービスモジュールに取り付けが予定されていますが、取り付
けられるのは2002年になってからです。
[from JH2PRZ、KA3HDO]
第3次搭乗員は、Culbertson氏、Dezhurov氏、Turin氏の3名で、Culbertson
氏がKD5OPQのコールサインを持っています。第3次搭乗員は12月までISSに滞
在する予定です。
ISSのアマチュア局のコールサインは次の通りです。
コールサイン:RZ3DZR、R0ISS、RS0ISS、NA1SS、DL0ISS
FM音声のアップリンク周波数は、日本ではバンドプランに合致しないため
対応が考えられています。当面は、FM音声のアップリンクはしないで下さい。
ARISSの情報は、以下のサイトから得られます。
http://ariss.gsfc.nasa.gov/
2.調整中の衛星
★Starshine (a mirror ball for visual sighting)
PCsatと同時に打ち上がり、動作が確認されました。
145.825MHz、9600bpsでテレメトリを送信しています。
打ち上げ直後に精度の高い軌道要素が発表されなかったため、また、
9600bpsのテレメトリは2分に1回のみの送信であるため受信報告は多くあり
ませんでした。
10月1日 0745JSTにデコードしたデータです。
STRSHN>APF5A2 <UI C>:
>de
N7YTK.000029B8000029B3A42E80DF027BFC5809B7823363B3726A8C71028C
FC9060CE129A36261A80A33A025EF
C2D27B4897FA2DAA1E180BF0286FC65D29C7DB7020B5EA441B50289FC386DA
C3923A562616100CA027BFC78
LW2DTZ Gustavoさんによると、最大2-2.5等星の明るさで眼視できたそう
です。
★Sapphire 3 (a joint Stanford/Washington Univ/USNA satellite)
PCsatと同時に打ち上がりました。受信レポートは、ほとんどありません
が、動作が確認されています。周波数は、437.100MHzです。
打ち上げ直後は、1分毎に1秒間のキャリア信号を送信していたそうです。
KB0VBZ Rickさんによると、10月3日1610zには、デジトーカが動作してお
り、"can you hear me now" としゃべっていたそうです。
[from KB0VBZ @amsat-bb]
▲KO-23
99年10月30日にOBCがリセットされ、未だ復旧していません。
少し前までは、変調の掛かった信号をが受信できましたが、9月9日22時過
ぎのパスでは何も信号が聞こえませんでした。
▲PO-34(PanSat)
スペクトラム拡散の運用が予定されていますが、未だ運用されていません。
PanSatの情報は以下のサイトから得られます。
http://www.sp.nps.navy.mil/pansat/
▲SAUDISAT-1A(SO-41)、SAUDISAT-1B(SO-42)
9月26日で打ち上げ1周年になりますが、打ち上げ当初、管制局による動作
確認がおこなわれた以外に何の状況報告もありません。
3.運用を停止している衛星
▲DO-17
▲WO-18
▲IO-26
▲WO-39(JAWSAT)
4.これから打ち上がる衛星
●CubeSat
東京工業大学等で開発している10cm立方のナノサテライト CubeSatが
2002年5月にロシアから打ち上げられる予定です。
アップリンク 145.835MHz、ダウンリンク 437.450-437.500MHzが予定され
ています。
東工大CubeSatプロジェクト
http://horse.mes.titech.ac.jp/srtlssp/cubesat/index.html
東大CubeSatプロジェクト
http://www.space.t.u-tokyo.ac.jp/cubesat/index.html
5.衛星に関する情報
★K7WD/KH0 サイパンからの運用結果
JH7IMX 脇山さんは、9月28日から10月2日にK7WD/KH0のコールサインでサ
イパンからAO-40の運用をおこないました。JA 38 QSOを含む60 QSOができた
そうです。
運用の様子は、以下のサイトで公開されています。
http://www.mni.ne.jp/~wakiyama/home/
[from JH7IMX @jamsat-bb]
★Amsat-UK コロキューム 2001 CD-ROM版 予稿集
7月におこなわれたAmsat-UK コロキューム 2001のCD-ROM版の予稿集の頒
布が始まりました。PDF形式になっています。価格は12.5ポンドです。頒布
の詳細は、以下のサイトに情報があります。
http://www.uk.amsat.org/colloquium/proceedings.htm
冊子版の予稿集の頒布は終了したようです。
[from G3RWL @amsat-bb]
参考
ANS、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト
JN1GKZ 新井
jn1gkz@jamsat.or.jp http://www.din.or.jp/~m-arai/