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[jamsat-news:1512] SATINF#191 10 June 2001
衛星情報 SATINF#191 10 June 2001
JN1GKZ 新井
トピックス
◆AO-40は、スクイントアングルが悪化したためトランスポンダの運用を停止
しています。S2バンドでビーコンとRUDAKの信号を送信しています。
1.運用中の衛星
★AO-10
状況は、その日によって異なり、不安定です。
最近は、短い周期でトランスポンダがオン/オフしており、徐々にオフの
時間が短くなって来ています。6月10日は、1分間オン、30秒間オフでした。
太陽電池パネルに太陽光が周期的に当たり、電源がオン/オフしているため
と思われます。
●RS-12/13
RS-12のAモードが動作しています。
●RS-15
Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
がおこなわれている間だけオンになっているようです。
●FO-20
夜間のパスでは、食によってUVC(Under Voltage Controler:バッテリの
過放電防止のため送信機への電源を遮断する)が動作し、送信が一時的に停
止します。
夜間は、食から抜けるパスの後半でトランスポンダが使えるようになって
います。
●FO-29
以下のスケジュールで運用が予定されています。
2/1 - 7/2 アナログ
●AO-27
電源に余裕がないため、昼間のパスでのみトランスポンダがオンになりま
す。
運用スケジュールは3月24日に次のように変更されました。
TEPR 4=38
TEPR 5=78
衛星に日が当たり始めた19分後から20分間トランスポンダが動作します。
[from KM4NZ Chuck @amsat-bb]
●AO-16
RBBSは再開されていませんが、デジピータがオンになっています。
週末にSバンドのビーコンがオンになることがあります。
●LU-19
CWビーコンがオンになっています。CWビーコンは12WPMのゆっくりとした
CWで約30秒毎に送信されています。
●UO-11
正常動作しています。
●UO-14
JモードのFMリピータの運用がおこなわれています。
6月10日にはHL1、HL2、DU1といったDX局も聞こえました。
●UO-22
正常運用しています。
●KO-25
正常運用しています。
▲TO-31(TMSAT-1)
管制局の可視範囲でのみ送信機をオンにしているようです。
●GO-32(TechSat-1B)
断続したビーコンが送信されているようです。
●SO-33(SedSat-1)
テレメトリを送信しており、SGS20というソフトでデコードすることがで
きます。SGS20は、
http://uah.seds.org/projects/sedsat/SGS20Source.zip
から入手できます。
★UO-36(UoSAT-12)
5月末まで全日照でした。UO-36は、衛星の温度が上がると送信機を停止す
る機能を持っており、全日照期間中は、この機能が動作し、送信機が停止し
ていました。
6月9日現在、衛星の温度が下がり、送信機が再び動作しているようです。
[from G7UPN、VK3JT @amsat-bb]
UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
http://www.sstl.co.uk/
●OO-38(OPAL)
デジピータとして機能しているようです。周波数は、アップリンク、ダウ
ンリンク共に437.100MHzです。
●Tiungsat-1
38400bpsの運用がおこなわれています。普段はダウンリンクは、オフにな
っていますが、地上局からのコマンドでオンにすることができます(WiSPで
サポート)。ダウンリンクの出力は8Wで良好に38400bpsの信号がデコードで
きているようです。
●ISS
パケットの運用が始まり、デジピータが動作しています(1200bps AFSK)。
北米上空では、頻繁に音声による運用があるようです。
TNCのRAMのバックアップ電池が切れており、TNCをPCに接続していないため
TNCの初期状態でパケットの運用をしています。コールサイン"NOCALL"でデジ
ピータの運用がおこなわれています。
デジピートするには、unprotoを
UNPROTO CQ VIA NOCALL
のように設定し、CONVERSモード(convコマンドまたはkコマンドを実行)
で送信すると送信した信号がデジピートされます。
周波数は、アップリンク 145.990MHz、ダウンリンク 145.800MHzです。
北米やヨーロッパでは、ハンディー機+ホイップでもデジピートできてい
るとの報告がありますが、日本上空ではQRMのためか、デジピートは簡単で
はないようです。
デジピートに成功した局にはQSLが発行されます。日本からのQSLマネー
ジャは現在、検討中です。ARRL等へQSLは送付しないで下さい。
現在、3名がISSに滞在しており、次の2名がコールサインを持っています。
UA9AD/R3MIR Yuri Usachev
KC7NHZ Susan Helms
ISSのアマチュア局のコールサインは次の通りです。
コールサイン:RZ3DZR、R0ISS、NA1SS、DL0ISS
FM音声のアップリンク周波数は、日本ではバンドプランに合致しないため
対応が考えられています。当面は、FM音声のアップリンクはしないで下さい。
ARISSの情報は、以下のサイトから得られます。
http://ariss.gsfc.nasa.gov/
5月4日から6日にオランダのESA/ESTECにて第5回ARISS会合が開催され、日
本からJARLのJA1KAB 小室さんとJAMSATのJH2PRZ 辻さんが出席されました。
この会合で以下の6つの委員会が作られ活動が始まりました。
・管理委員会 〜議長 Frank Bauer (KA3HDO)
・ハードウェア委員会 〜議長 Lou McFadin (W5DID)
次のフェーズに搭載する機器の検討/開発
開発期間は、2〜3年
・提案選定委員会(提案要請、提案評価) 〜議長 未定
次のフェーズに搭載する機器を決める
・運用委員会(スクールコンタクト、一般QSO、クルーコンタクト)
〜議長 Will Marchant (KC6ROL)
スクールコンタクトの支援
・教育普及/学校選定委員会 〜議長 Rosalie White (K1STO)
・広報(プレスリリース、ステータスレポート、Webページ)
〜議長 Ken Pulfer (VE3PU)
管理、教育普及/学校選定、広報をJARLで、ハードウェア、提案選定、運
用をJAMSATで担当することが検討されています。これらの委員会活動に興味
がある方は、辻さん(jh2prz@m17.alpha-net.ne.jp)まで連絡されて下さい。
現在、北米を中心におこなわれているスクールコンタクトは、SAREX時代
の積み残し分だそうです。北米やヨーロッパでは、新たにスクールコンタク
トの募集を始めたようです。日本の学校とのスクールコンタクトは、上記の
運用委員会が日本で立ち上がれば受け付けられることと思います。
ARISSの新しい機材(144、430、1200、2400MHzのアンテナ)は、7月に打
ち上げが予定されているスペースシャトルとエネルギアを使って運搬され、
船外活動によりサービスモジュールに取り付けられる予定だそうです。
[from JH2PRZ @jamsat-bb]
2.調整中の衛星
●SNAP-1
SNAP-1は、OBC(on-board computer)ソフトがないため、マニュアルで衛星
を制御しなければなりません。また、小型衛星であるため、電源に余裕が無
く、コマンド局(英国 サレー大学)の可視範囲でのみ、ダウンリンクをオ
ンにしています。
ダウンリンクは、2430MHz 100mW、38.4kbpsです。昨年夏にダウンリンク
が良好に受信できているとの報告がありましたがその後、何も報告がありま
せん。
▲KO-23
10月30日にOBCがリセットされ、未だ復旧していませんが、変調の掛かっ
た信号を送信しています。
▲PO-34(PanSat)
スペクトラム拡散の運用が予定されていますが、未だ運用されていません。
PanSatの情報は以下のサイトから得られます。
http://www.sp.nps.navy.mil/pansat/
●SAUDISAT-1A(SO-41)、SAUDISAT-1B(SO-42)
現在、管制局(リヤド、ワシントンDC、デンバー)の可視範囲でのみダウ
ンリンク(9600bps)がオンにされ動作確認がおこなわれています。
★AO-40(P3D)
5月30日に姿勢は、ALON/ALAT=345/-26になりました。この姿勢ではスクイ
ント・アングルが30度以上となりアップリンク/ダウンリンクが難しくなる
ため、トランスポンダの運用を停止しました。
運用スケジュール(6月9日現在)
MA トランスポンダ RUDAK ビーコン
0-255 - S2 S2-MB
ビーコン: MB ミドルビーコン
RUDAKは、ダウンリンクのみ(アップリンクは禁止)
ビーコン周波数(打ち上げ前の最終チェックで測定された周波数に実績を
加筆。*は、打ち上げ後にアナウンスのあった実績のある周波数)
BEACON General Beacon Middle Beacon Engineering Beacon
Vバンド - 145.898MHz* -
Uバンド 435.438MHz 435.588MHz 435.838MHz
S1バンド 2400.188MHz 2400.338MHz 2400.588MHz
S2バンド 2401.168MHz 2401.323MHz* 2401.568MHz
Xバンド 10450.975MHz 10451.125MHz 10451.375MHz
Kバンド 24047.885MHz 24048.035MHz 24048.285MHz
赤外レーザ 360 THz
アップリンク、ダウンリンク周波数
S2バンドdown: 2401.210 - 2401.495 MHz
MBの±5kHzの範囲はダウンリンク禁止
MBに妨害を与えないこと
L1バンドup: 1269.496 - 1269.211 MHz
Uバンドup : 435.780 - 435.495 MHz
RUDAK S2 down:2401.74MHz(主に9600bps FSK)
トランスポンダ
L1U/S2(アップリンク/ダウンリンク)の動作が確認されています。
姿勢が悪化したため運用を停止しています。
姿勢
アークジェットモータのコールド ファイアリング(アーク放電をおこな
わずに燃料だけを噴射する)のためにALON/ALAT=270/0に向けて姿勢を変更
中です。
従来、ALONを変更していましたが、衛星と太陽の位置関係が悪化してきた
ので、ALATの変更もおこなわれています。
6月8日の姿勢は、ALON/ALAT=315/-31 です。
YACE
オービット#251(5月17日)、#259(5月24日)に姿勢を確認するために
YAECにより地球の画像が撮影されました。画像は、テレメトリアーカイバで
公開されています。
http://www.amsat.org/amsat/ftp/telemetry/ao40/
Kバンド送信機、Xバンド送信機、Cバンド受信機
試験がおこなわれましたが、動作が確認されていません。
ALATの変更によりスクイントアングルが悪化したため試験は中止されてい
ます。
RUDAK
RUDAK-A、Bの試験が引き続きおこなわれているようです。
LEILA
正常動作が確認されました。
AO-40のテレメトリデータがamsatのサイトで公開されています。
http://www.amsat.org/amsat/ftp/telemetry/ao40/
P3Tでデコードしたテレメトリデータを ao40-archive@amsat.org へZIP形
式の添付ファイルとして送付するように求めています。
[from VP9MU Pau @amsat-bb]
W3PM/GM4YREによるS2受信設備評価用スプレッドシート(Microsoft Excel
のファイル)が以下のサイトにリリースされています。アンテナ、LNA、コ
ンバータの特性を入力するとMBやダウンリンク信号がどの程度のS/Nで受信
できるかが評価できます。
パラメータを操作すると、どこを改善するのが効果的なのかが解ります。
初段のNFの大切さを再確認下さい。
http://home.HiWAAY.net/~mmarcus/download/ao40.xls
3.運用を停止している衛星
▲DO-17
▲WO-18
▲IO-26
運用を停止しているようです。
▲WO-39(JAWSAT)
4.これから打ち上がる衛星
●CubeSat
東京工業大学等で開発している10cm立方のナノサテライト CubeSatが
2002年5月にロシアから打ち上げられる予定です。
アップリンク 145.835MHz、ダウンリンク 437.450-437.500MHzが予定され
ています。
東工大CubeSatプロジェクト
http://horse.mes.titech.ac.jp/srtlssp/cubesat/index.html
東大CubeSatプロジェクト
http://www.space.t.u-tokyo.ac.jp/cubesat/index.html
[from 東京工業大学 此上さん、宇井さん、JG1LDV @jamsat-bb]
5.衛星に関する情報
★AMSAT-DLメーリングリスト
AMSAT-DLでは、ドイツ語のメーリングリスト「Info」と「Forum」の2つを
開設しました。「Info」には、AMSAT-DLからのオフィシャルな情報が流れま
す。「Forum」では、jamsat-bbやamsat-bbのように衛星通信全般に関する情
報交換がおこなわれます。
メーリングリストへの参加は、majordomo@amsat-dl.org に
subscribe *** (***は infoまたはforum)
を送ることによって受け付けられます(jamsat-bbと同じ要領)。詳細は、
AMSAT-DLのサイト http://www.amsat-dl.org/ に説明があります。
ドイツ語に堪能な方は参加されては如何でしょうか。
[from DJ1KM @ANS-154、AMSAT-DL web site]
★宇宙関連の略語・用語・解説
宇宙関連の略語・用語・解説が以下のサイトにまとめられています。翻訳、
英訳等に活用下さい。
[和文−英文]
NASDA資料室
http://www.nasda.go.jp/Home/data_lib/
NASDA宇宙開発関連略語集
http://www.nasda.go.jp/Home/data_lib/rkg/rkgindex.html
NASDA地球観測関連用語集
http://eos.nasda.go.jp/yougosyu.htm
NASDA宇宙環境関連用語・略語
http://sees.tksc.nasda.go.jp/Japanese/index.html
NAL航空宇宙技術用語辞典
http://www.nal.go.jp/jpn/faq/001.html
[英文]
NASA DICTIONARY OF TECHNICAL TERMS FOR AEROSPACE USE
http://roland.lerc.nasa.gov/~dglover/dictionary//content.html
NASA Spacelink an Aeronautics and Space Resource for Education
http://spacelink.nasa.gov/.index.html
by RA.B Glossary Space Technology
http://users.commkey.net/Braeunig/space/glossary.htm
by RA.B Rocket and Space Technology
http://users.commkey.net/Braeunig/space/
by Mike Gruntman’s Astronautis and Spacecraft Design
http://ame-www.usc.edu/bio/mikeg/astromike/astrospace.htm
[from JG1LDV、JA6XKQ @jamsat-bb]
★日本望遠鏡双眼鏡ショー
日本望遠鏡双眼鏡ショーが6月23、24日に東京都港区浜松町の東京都立産
業貿易センターにて開催されます。
光学望遠鏡で撮影したMIRの映像などが公開されるようです。
★ヨーロッパ DXペディション
PE1RAH William氏とON1DLL Dirk氏は、7月から8月に掛けてヨーロッパ各
国から衛星の運用をおこなう計画を立てています。
DL, SP, OK, OM, 9A, S5, HA, YO, LZ, SV, I, F, EA, CTからの運用に目
処が付き、T7, 3A, SY, ZB, EA9からの運用も考えています。VUの簡易設備
(10W、4el-2m/7el-70cm)での運用ですが、日本からはAO-10でQSOのチャン
スがあります。
[from ON1DLL @amsat-bb]
参考
ANS、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト
JN1GKZ 新井
jn1gkz@jamsat.or.jp http://www.din.or.jp/~m-arai/