[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]
[jamsat-news:1472] SATINF#188 1 May 2001
衛星情報 SATINF#188 1 May 2001
JN1GKZ 新井
トピックス
◆AO-40のトランスポンダの試験がおこなわれ、正常動作が確認されました。
1.運用中の衛星
●AO-10
状況は、その日によって異なり、不安定です。
4月30日は、長時間ダウンリンクが帰ってこなかったり、QRHを伴ったりし
ていました。
5月1日は、近地点付近でもダウンリンクが弱く、QSOできるレベルではあ
りませんでした。
VQ9NL Steve氏がAO-10にQRVしています。GP+50Wの設備ですが、衛星の状
態によっては良好なダウンリンクが得られているようです。435.102MHz CW
を中心に運用されているとのことです。
[from JA6BX @jamsat-bb]
●RS-12/13
RS-12のAモードが動作しています。
●RS-15
Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
がおこなわれている間だけオンになっているようです。
●FO-20
夜間のパスでは、食によってUVC(Under Voltage Controler:バッテリの
過放電防止のため送信機への電源を遮断する)が動作し、送信が一時的に停
止します。パスの後半では食から抜けるため、トランスポンダが動作してい
ます。
●FO-29
以下のスケジュールで運用が予定されています。
2/1 - 7/2 アナログ
●AO-27
電源に余裕がないため、昼間のパスでのみトランスポンダがオンになりま
す。
運用スケジュールは3月24日に次のように変更されました。
TEPR 4=38
TEPR 5=78
衛星に日が当たり始めた19分後から20分間トランスポンダが動作します。
[from KM4NZ Chuck @amsat-bb]
●AO-16
RBBSは再開されていませんが、デジピータがオンになっています。
週末にSバンドのビーコンがオンになることがあります。
●LU-19
CWビーコンがオンになっています。CWビーコンは12WPMのゆっくりとした
CWで約30秒毎に送信されています。
●UO-11
正常動作しています。
●UO-14
JモードのFMリピータの運用がおこなわれています。
ロシアの局がコンスタントにQRVしていますが、なかなかQSOできないよう
です。
●UO-22
正常運用しています。
●KO-25
正常運用しています。
▲TO-31(TMSAT-1)
管制局の可視範囲でもみ送信機をオンにしているようです。
●GO-32(TechSat-1B)
断続したビーコンが送信されているようです。
●SO-33(SedSat-1)
テレメトリを送信しており、SGS20というソフトでデコードすることがで
きます。SGS20は、
http://uah.seds.org/projects/sedsat/SGS20Source.zip
から入手できます。
●UO-36(UoSAT-12)
437.375MHzで38.4Kbpsの信号を送信しているようです。
4月21日に2才の誕生日を迎えました。
UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
http://www.sstl.co.uk/
●OO-38(OPAL)
デジピータとして機能しているようです。周波数は、アップリンク、ダウ
ンリンク共に437.100MHzです。
●Tiungsat-1
38400bpsの運用がおこなわれています。普段はダウンリンクは、オフにな
っていますが、地上局からのコマンドでオンにすることができます(WiSPで
サポート)。ダウンリンクの出力は8Wで良好に38400bpsの信号がデコードで
きているようです。
★ISS
パケットの運用が始まりました。デジピータが動作しています(1200bps
AFSK)。
TNCのRAMのバックアップ電池が切れているため、TNCにPCを接続してパラ
メータを打ち込む必要がありましたが、搭乗員は多忙で対応できませんでし
た。そこで、PROMに設定された初期状態のパラメータでできることを検討し
た結果、コールサインをデフォルトの"NOCALL"で運用することが決まりまし
た。ISSでは、これを受けてパケットシステム電源が入れられました。4月8日
0054zにISSのパケット局に NOCALL でコネクトできることが確認され、次の
パス(0232z)では、デジピータの機能が確認され、パケットの運用が始ま
りました。
デジピートするには、unprotoを
UNPROTO CQ VIA NOCALL
のように設定し、CONVERSモード(convコマンドまたはkコマンドを実行)
で送信すると送信した信号がデジピートされます。
周波数は、アップリンク 145.990MHz、ダウンリンク 145.800MHzです。
北米やヨーロッパでは、ハンディー機+ホイップでもデジピートできてい
るとの報告がありますが、日本上空ではQRMのためか、デジピートは簡単で
はないようです。
デジピートに成功した局にはQSLが発行されます。現時点ではアメリカと
カナダの局向けのQSLマネージャーは設定されていますが、その他の地域は
未設定です。各地域のQSLマネージャーについては、オランダのESA ESTECで
5月第一週に開催されるARISSのミーティングで話し合われる予定です。
[from KA3HDO @amsat-sarex]
現在、3名がISSに滞在しており、次の2名がコールサインを持っています。
UA9AD/R3MIR Yuri Usachev
KC7NHZ Susan Helms
ISSのアマチュア局のコールサインと運用周波数は次の通りです。
コールサイン:RZ3DZR、R0ISS、NA1SS、DL0ISS
FM音声のアップリンク周波数は、日本ではバンドプランに合致しないため
対応が考えられています。当面は、FM音声のアップリンクはしないで下さい。
ARISSの情報は、以下のサイトから得られます。
http://ariss.gsfc.nasa.gov/
2.調整中の衛星
●SNAP-1
SNAP-1は、OBC(on-board computer)ソフトがないため、マニュアルで衛星
を制御しなければなりません。また、小型衛星であるため、電源に余裕が無
く、コマンド局(英国 サレー大学)の可視範囲でのみ、ダウンリンクをオ
ンにしています。
ダウンリンクは、2430MHz 100mW、38.4kbpsですが、2.4mのディッシュで
良好に受信できているそうです。
[from G7UPN Chris @amsat-bb]
▲KO-23
10月30日にOBCがリセットされ、未だ復旧していませんが、変調の掛かっ
た信号を送信しています。
▲PO-34(PanSat)
スペクトラム拡散の運用が予定されていますが、未だ運用されていません。
PanSatの情報は以下のサイトから得られます。
http://www.sp.nps.navy.mil/pansat/
●SAUDISAT-1A(SO-41)、SAUDISAT-1B(SO-42)
現在、管制局(リヤド、ワシントンDC、デンバー)の可視範囲でのみダウ
ンリンク(9600bps)がオンにされ動作確認がおこなわれています。
★AO-40(P3D)
オービット226(4月28日)にてコマンド局 G3RUHとW4SMがトランスポンダ
の試験をおこない、正常な動作が確認されました。
試験は、アップリンク U、Lバンド単独と組み合わせの3通り、ダウンリン
クはS2バンド、電波形式は、PSK、CW、SSBでおこなわれました。何れも良好
であり、トランスポンダおよびこれらの組み合わせでのIFマトリックスの動
作が確認できました。
[from DB2OS @amsat-bb]
今後の計画(ALON 0への姿勢変更、搭載機器の動作確認、アークジェット
モータによる近地点の上昇など)が順調に進めば、トランスポンダの運用は、
今年の夏にも開始されるであろうとAMSAT-NA会長 VE3FRHがコメントしてい
ます。
[from ANS 119]
今後も試験のためにトランスポンダがオンになることがあると思われます
が、正式なアナウンスがあるまでは、アップリンクは控えて下さい。
姿勢をALON 0へ向けて変更中ですが、オービット220(4月23日)にはALON
97となっており、ALONは「-2.428/近地点」の率で変化しています。
[from DB2OS @amsat-bb]
YACEにより地球の画像が撮影されています。撮影した画像は、テレメトリ
のアーカイバに保存されていいます。
ftp://ftp.amsat.org/amsat/telemetry/ao40/2001/04/
12mのディッシュによって受信された遠地点付近でのテレメトリがWAVファ
イルで公開されています。
http://web.usna.navy.mil/~bruninga/ao40TlmAudio/
受信状況は、NASAのゴダード宇宙基地のWA4SIRのテレメトリ リフレクター
を経由して生中継されることがあるようです(常時ではありません)。AO-40
が北米で見えているときに、
128.183.143.104 port 1024
をP3Tなどを使ってアクセスすると受信テレメトリを生で見ることができます。
[from WB4APR @jamsat-bb]
AE4JY Joe氏のテレメトリデコーダ AO40Rcv はVer1.10がバージョンアッ
プされました。無線機の周波数制御のバグ修正、AFCの改善などがされてい
るようです。
http://qsl.net/ae4jy/
[from AE4JY @amsat-bb]
AO-40のテレメトリデータがamsatのサイトで公開されています。
http://www.amsat.org/amsat/ftp/telemetry/ao40/
P3Tでデコードしたテレメトリデータを ao40-archive@amsat.org へZIP形
式の添付ファイルとして送付するように求めています。
[from VP9MU Pau @amsat-bb]
3.運用を停止している衛星
▲DO-17
▲WO-18
▲IO-26
運用を停止しているようです。
▲WO-39(JAWSAT)
4.これから打ち上がる衛星
●CubeSat
東京工業大学等で開発している10cm立方のナノサテライト CubeSatが11月
にロシアから打ち上げられる予定です。
アップリンク 145.835MHz、ダウンリンク 437.450-437.500MHzが予定され
ています。
東工大CubeSatプロジェクト
http://horse.mes.titech.ac.jp/srtlssp/cubesat/index.html
東大CubeSatプロジェクト
http://www.space.t.u-tokyo.ac.jp/cubesat/index.html
[from 東京工業大学 此上さん、宇井さん、JG1LDV @jamsat-bb]
5.衛星に関する情報
★サイパンからの運用
7L1FPU 中田さんは、現在、サイパンから衛星を運用しています。無線が
メインの旅行ではないため運用スケジュールは不定ですが、4月27日のUO-14
では多くの局とQSOされていました。5月4日まで次の予定でサイパンに滞在
され、UO-14、AO-27、FO-29での運用を計画されています。QSLは、7L1FPUへ。
4月28日〜5月1日 サイパン島 KH0/W1FPU
5月 1日〜5月4日 テニアン島 WH0/W1FPU
[from 7L1FPU @jamsat-bb]
★JAMSATシンポジューム
4月21、22日に岡山県津山市でJAMSATシンポジュームが開催され、AO-40の
近況、AO-40用のマイクロウエーブ設備、ISSなどについての発表がありまし
た。
特に、JI5MFZ 吉田さんのマイクロウエーブの発表は、誰もが簡単にでき
ることを目的としており、マイクロウエーブを身近に感じさせるものでした。
発表で紹介したドレークコンバータの改造の詳細は次号のJAMSAT Newsletter
に掲載予定です。乞うご期待。
シンポジュームの模様は、津山朝日新聞に掲載されたとのことです。
★3B6RF DXペディション
昨年10月にキャンセルされた3B6のDXペディションですが、5月におこなわ
れる予定です。
AO-10の運用は、5月5日から17日が検討されており、運用時間等の詳細ス
ケジュールも公表されています。
http://www.agalega2000.ch/
http://members.tripod.de/kc2dma/3B6RF-SAT.html
AO-10は不安定な状態が続いています。ペディション局とのQSOを狙う前に
AO-10にQRVし、状況を把握されるようにして下さい。
[from DC8TS Hardy @amsat-bb]
訂正
SATINF#187(16 April 2001)でレポートしたAO-40 3月30日のテレメトリ
停止の件は、以下のように訂正します。
3月30日 0942z、オービット#189 MA255過ぎの近地点付近でテレメトリの
送信が止まりました。これは、軌道要素を計算するルーチンが、現状の軌道
を反映したものになっていないため、計算が収束せずに無限ループに陥って
しまったためでした。
3月31日 0502z オービット#191の近地点過ぎにW4SMがホットリスタートコ
マンドをアップロード/実行しテレメトリは回復しました。同時に無限ルー
プを回避するパッチもアップロードされ、同様の問題が起こらないように対
策が施されました。
[from DB2OS @amsat-bb, 31 March]
参考
ANS、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト
JN1GKZ 新井
jn1gkz@jamsat.or.jp http://www.din.or.jp/~m-arai/