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[jamsat-news:1427] SATINF#182 28 January 2000




衛星情報  SATINF#182   28 January 2000
                                                           JN1GKZ 新井


トピックス

◆AO-10のダウンリンクが不安定になってきました。運用を控えて下さい。

◆AO-40は、S2ビーコンの送信をしています。姿勢とスピンレートの問題でサ
ンセンサが機能しない状態になっており、スピンレートの変更と姿勢制御が
はかどらないようです。

◆AO-16は、Sバンドでビーコンを送信しています。

◆SO-35は、バッテリの再調整のため、運用を停止しています。



1.運用中の衛星

★AO-10
  1月中旬からダウンリンクが帰ってこない時間が長くなり、ダウンリンク
 が帰ってきてもQRHを伴った不安定な状態になっています。姿勢の関係で太
 陽電池での発電量が落ちているものと思われます。ダウンリンクにQRHが有
 ったり、FM掛かっていたら運用は控えて下さい。


●RS-12/13
  1月3日からRS-12のAモードが動作し始めました。RS-13は動作を停止して
 います。

  RS-12 mode-A up:145.910-145.950MHz CW,USB
               down:29.410- 29.450MHz CW,USB
               ビーコン:29.408MHz CW


●RS-15
  Aモードで運用されているようですが、ビーコンは5秒間キャリアを送信、
 2秒間停止を繰り返しているようです。トランスポンダは、ビーコンの送信
 がおこなわれている間だけオンになっているようです。


●FO-20
  夜間のパスでは、食によってUVC(Under Voltage Controler)が動作し、
 送信が一時的に停止することがあります。
  UVCとは、バッテリの過放電を防止するための回路でバッテリ電圧が低下
 すると送信機への電源供給を遮断します。
  バッテリに十分な電力が充電できなくなったために起きている現象と考
 えられます。FO-12でも同様の現象が起きていたようです。


●FO-29
  以下のスケジュールで運用が予定されています。
    12/25 - 1/31 アナログ


●AO-27
  日照時間帯にトラポンがオンになります。
  運用スケジュールは11月25日に次のように変更されました。
    TEPR 4=18
    TEPR 5=36
 です。衛星に日が当たり始めた9分後から9分間トランスポンダが動作します。
                                          [from KM4NZ Chuck @amsat-bb]


●AO-16
  衛星の電源電圧が10V以上の場合、Sバンドのビーコン(2401.143MHz)が
 オンになっています。
  RBBSは再開されていませんが、デジピータがオンになっています。

  1月28日にデコードしたデータです。
    PACSAT-1>AMSAT [28-Jan-01  22:25:00] <UI>:
    S-Band transmitter (2401.143 Mhz) is now ON
    Software will turn off S-Band if bat < 10V
    PSK transmitter power is reduced.
    AO-16 Command Team <WJ9F>
    
    PACSAT-1>TIME-1 [28-Jan-01  22:25:26] <UI>:
    PHT: uptime is 350/09:49:32.  Time is Sun Jan 28 13:25:20 2001


●LU-19
  CWビーコンがオンになっています。CWビーコンは12WPMのゆっくりとした
 CWで約30秒毎に送信されています。


●UO-11
  正常動作しているようです。


●UO-14
  JモードのFMリピータの運用がおこなわれています。


●UO-22
  正常運用しています。


●KO-25
  正常運用しています。


●IO-26
  デジピータがオンになっています。


▲TO-31(TMSAT-1)
  全日照の期間に入り、温度上昇を抑えるために送信機を停止しています。
                                          [from G7UPN Chris @amsat-bb]


●GO-32(TechSat-1B)
  断続したビーコンが送信されているようです。


●SO-33(SedSat-1)
  テレメトリを送信しており、SGS20というソフトでデコードすることがで
 きます。SGS20は、
    http://uah.seds.org/projects/sedsat/SGS20Source.zip
 から入手できます。


●SO-35(SunSat)
  バッテリーの再調整のため1月20日よりアマチュア局の運用を停止してい
 ます。再調整には2週間程度掛かるようです。この間、アマチュア局の運用
 はおこなわれません。

  SunSatの情報は、次のweb siteから得られます。
    http://sunsat.ee.sun.ac.za
    http://esl.ee.sun.ac.za
    http://www.jamsat.or.jp/oscar/sunsat/mirror/


▲OO-38(OPAL)
  12月8日にデジピータをオンさせようとしましたが上手くいかなかったよ
 うです。


●Tiungsat-1
  38400bpsの運用がおこなわれています。普段はダウンリンクは、オフにな
 っていますが、地上局からのコマンドでオンにすることができます(WiSPで
 サポート)。ダウンリンクの出力は8Wで良好に38400bpsの信号がデコードで
 きているようです。

  ダウンロードしたCCDカメラの画像がJE9PEL 脇田さんのwebサイトで公開
 されています。
    http://www.asahi-net.or.jp/~EI7M-WKT/
                                            [from JE9PEL/1 @jamsat-bb]


●ISS
  ロシアのモジュールに対して新しいコールサイン R0ISS が12月12日付け
 で発行されました。音声とパケットの運用に使用される予定です。

  現在、次の3名がISSに滞在しており、2名がコールサインを持っています。
 U5MIRは、MIRからの運用実績があります。
   William Shepherd, Expedition commander, KD5GSL
   Yuri Gidzenko, Soyuz commander
   Sergei Krikalev, flight enneer, U5MIR
 この3名の搭乗員は、2001年3月までISSに滞在予定です。
  ISSのアマチュア局のコールサインと運用周波数は次の通りです。
   コールサイン:RZ3DZR、R0ISS、NA1SS、DL0ISS
  FM音声のアップリンク周波数は、日本ではバンドプランに合致しないため
 対応が考えられています。当面は、FM音声のアップリンクはしないで下さい。

  パケットの運用準備が進められています。コールサインは、RZ3DZRの予定
 です。初期の運用では、デジピータの運用がおこなわれます。また、ISSか
 らビーコンが2分間に1度送信されます。RBBSの運用は暫く先になるようです。
  ISSからのパケット信号をデコードするとQSLが発行されます。QSLの発行
 手順は追って発表されます。
  ISSからのパケットの信号が聞こえない場合は、アップリンクしないよう
 にアナウンスされています。
   アップリンク:145.990MHz
   ダウンリンク:145.800MHz
                                      [from KA3HDO Frank @amsat-sarex]



2.調整中の衛星

●SNAP-1
  SNAP-1は、OBC(on-board computer)ソフトがないため、マニュアルで衛星
 を制御しなければなりません。また、小型衛星であるため、電源に余裕が無
 く、コマンド局(英国 サレー大学)の可視範囲でのみ、ダウンリンクをオ
 ンにしています。
  ダウンリンクは、2430MHz 100mW、38.4kbpsですが、2.4mのディッシュで
 良好に受信できているそうです。
                                          [from G7UPN Chris @amsat-bb]


▲PO-34(PanSat)
  スペクトラム拡散の運用が予定されていますが、未だ運用されていません。
  PanSatの情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sp.nps.navy.mil/pansat/


●UO-36(UoSAT-12)
  437.400MHzで38.4Kbpsの信号を送信しているようです。

  何度か受信を試みていますが、信号は聞こえませんでした。

  UO-36の情報は以下のサイトから得られます。
    http://www.sstl.co.uk/


●SAUDISAT-1A(SO-41)、SAUDISAT-1B(SO-42)
  現在、管制局(リヤド、ワシントンDC、デンバー)の可視範囲でのみダウ
 ンリンク(9600bps)がオンにされ動作確認がおこなわれています。

  SAUDISAT-1A、SAUDISAT-1Bにオスカーナンバーが付きました。
    SAUDISAT-1A  Saudi OSCAR 41/SO-41
    SAUDISAT-1B  Saudi OSCAR 42/SO-42


●AO-40(P3D)
  S2ビーコンが近地点付近で受信できます。
  約60度という高いサンアングルと17回転/分以上の高速なスピンレートの
 ため、サンセンサが機能せず、マグネトルーカを使った姿勢変更ができてい
 ないようです。サンセンサを使わずにスピンレートを下げる試みがされてい
 るようです。
  テレメトリのスピンレートはゼロを示していますが、これはサンセンサが
 機能していないためです。

  WC8J Rich氏の測定によると、1月25日1030zでのスピンレートは16.67回転
 /分になっているそうです。
                                            [from WC8J Rich @amsat-bb]

  AO-40の最新状況はAMSAT-UKのwebサイトに上手くまとめられています。
    http://www.uk.amsat.org/

  クールーでの最終チェック時のビーコン実測周波数が発表されました。こ
 れらは、室温23Cでの測定値であり、温度の変化、エージング効果や打ち上
 げ時の振動などにより、変化していることも考えられます。
   BEACON    General Beacon  Middle Beacon   Engineering Beacon
    2  m            -           145.8993MHz           -
   70  cm        435.438MHz     435.588 MHz       435.838MHz 
   13  cm(1)    2400.188MHz    2400.338 MHz      2400.588MHz 
   13  cm(2)    2401.168MHz    2401.318 MHz      2401.568MHz
    3  cm      10450.975MHz   10451.125 MHz     10451.375MHz 
    1.5cm      24047.885MHz   24048.035 MHz     24048.285MHz 
                                                [from DB2OS @amsat-bb]

  AO-40のテレメトリデータがamsatのサイトで公開されています。VP9MU
 Paulさんは、ここに無いデータ(CRCCエラーのないもの)を所持している局
 は、ao40-archive@amsat.org へP3TでデコードしたAブロックをZIP形式の添
 付ファイルとして送付するように求めています。現在は、WODデータを送信
 しているので、全ブロックを求めています。
    http://www.amsat.org/amsat/ftp/telemetry/ao40/
                                            [from VP9MU Pau @amsat-bb]


3.運用を停止している衛星

▲MIR
  MIRは、3月6日に南太平洋に投棄されることが決まりました。
  投棄の作業は無人で行われるため、MIRからのアマチュア局の運用は望め
 ないようです。

  投棄の第一ステップとして軌道離脱のための燃料を積んだプログレスが打
 ち上げられ、1月27日にMIRとのドッキングに成功しました。


▲DO-17


▲WO-18


▲KO-23
  10月30日にOBCがリセットされました。復旧作業に努めていますが、まだ
 運用を再開していないようです。


▲WO-39(JAWSAT)



4.衛星に関する情報

★Marburger of the Year 2000
  AO-40プロジェクトリーダであるDJ4ZC、Karl Meinzer博士は、AO-40開発
 が認められて「2000年のマーブルグを代表する顔"Marburger of the Year 
 2000"」に選ばれました。これは、氏の住むマーグルブで発行されている日
 刊紙 Oberhessische Presse の読者によって選定されたものです。
    http://www.amsat-dl.org/journal/adlj-p3d.htm


★第2回先事館シンポジウム「21世紀の宇宙をさぐる」
  2月11、12日に大阪市立科学館にて 第2回先事館シンポジウム「21世
 紀の宇宙をさぐる」 が開催されます。お近くお方は参加されては如何でし
 ょうか。
  このシンポジウムは、江戸時代に大阪にあった天文塾「先事館(せんじか
 ん)」にちなんで行うものです。先事館では、町民や武士が身分と関係なく、
 自由に出入りし最先端の天文学を学び、実践した場です。このシンポでも
 様々な立場のパネリストそして参加するみなさんが自由に宇宙を学び楽しむ
 場を創造します。
  内容は下記の通りですが、詳しくは Web をご覧下さい。
    http://www.sci-museum.kita.osaka.jp/educate/text/special.html

   ■日 時 2月11日(日・祝日)午後1時〜5時
          12日(月・振休)午前10時〜午後3時
   ■場 所 大阪市立科学館 研修室
   ■テーマ 「21世紀の宇宙をさぐる」
   ■参 加 高校生以上。申し込み不要・無料。当日会場にお越し下さい。
       ※定員は80名ですが、多くの方が入場できるようにいたします。
   ■パネリストと提供話題は下記の通り(敬称略)
    宮島一彦(同志社大学)  (仮)江戸時代以前の大阪天文学
    宮本重徳(元科学館館長) 大阪における宇宙線研究と私
    山田竜也(友の会会員)  関西でのブラックホール研究
                      関西で天文が学べる大学
    浜崎 修(中学教諭)    虹で遊ぶ宇宙
    中野董夫(元科学館館長)  (仮)物理学者が楽しむ宇宙
    小林泰三(作家)      (仮)SF作家が楽しむ宇宙
    松村竹子(奈良教育大学)  太陽からのおくりもの 元素のなかまたち
    北本俊二(大阪大学)    X線で探る宇宙
    柴田一成(京都大学)    現代の太陽観
    浅里幸起(三菱電機)    宇宙観測、エンジニアのチャレンジ
    野尻抱介(SF作家)    宇宙探査の楽しみ方
    藪保男(アマチュア研究者) (仮):21世紀に楽しみな天文現象
    佐藤文隆(京都大学)    宇宙の何がわかる?
    尾関章(朝日新聞)     (仮):21世紀の科学発展を展望する
                                                 [from 大阪市立科学館]



参考
 ANS、SpaceNews、JAMSATメーリングリスト、AMSATメーリングリスト


JN1GKZ 新井
   jn1gkz@jamsat.or.jp     http://www.din.or.jp/~m-arai/